沖縄旅行中の25日付け沖縄タイムズの社説は「生活保護の世帯分離」を取り上げていました。
「保護世帯の高校生が進学するには、制度上、親と生計を切り離す世帯分離の手続きが必要となる。同居は続けられても世帯分離すれば、一人分の保護費が減らされる。」
沖縄タイムス社説は「かつて、高校進学に際しても、世帯分離の仕組みがあった。高校進学が当たり前となり1970年に廃止されたが、大学進学が将来の収入に影響し、貧困解消につながることを考えれば、同様に廃止すべきである。」と結論づけています。
生活保護基準を高めつつ「世帯分離」の制度を見直し、憲法25条と憲法26条が守られる社会の実現が求められていることを痛感しました。
生活保護の世帯分離について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
23日から上の姉の次女の結婚式で沖縄に行っていました。
24日の結婚式もとてもいい式でした。
前後、不屈館、ひめゆり平和祈念資料館、首里城などを見学し、沖縄を満喫しました。
25日に訪れた「ひめゆり平和祈念資料館」は、4度目でしたが、今度も多くの事を学びました。
家族でひめゆり平和祈念資料館を訪ねました。
改めて、ひめゆり学徒隊について触れてみたいと思います。
ひめゆり学徒隊は、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校からなります。
生徒222人、教師18人が、沖縄陸軍病院に配属されました。
沖縄戦終結までに、教師・学徒240人中136人が亡くなりました。
ひめゆり平和祈念資料館で、戦後70年特別展「ひめゆり学徒隊の引率教師たち」の図録を購入し、移動中の車中で読みました。
特別展は、表題の通り引率教師を追っています。
引率教師18人の内、実に13人が亡くなりました。
戦後生き残った教師は5人。その一人が仲宗根政善さんでした。
図録に仲宗根先生が戦後残した言葉が書かれています。
「あの場合はしかたがなかったと、いくらいいわけをしてみても、それはいいわけにはならない。自分を社会からひき離し、戦争からひき離して考えたときのいいわけで許されるべきことではない。日本国家全体が犯した罪が、具体的には自分を通じてあらわれたのである。」
「あの時は、どうにもならなかったと、どうして言えるであろうか。戦争への歯車にはめこまれ、ひきずられて、戦争へと生徒を引率した教師の責任である。不明にして、さめた眼ももたず、戦争へ引きずられて行った罪である。その根は深くおそろしい。私は今もその重い負い目を負いつづけている」
図録には、体験者の次の言葉が引用されています。
「戦争は準備が始まってからでは止められない。だからその前に何とかしなければならない」
図録の編集後記は次の言葉で締めくくられています。
「『教師の責任』-時代がキナ臭くなりつつあると指摘される昨今、教師に限らず私たち一人ひとりにとっても、重い大切な言葉だと思います。」
「戦争は準備が始まってからでは止められない」
私は、ひめゆり平和祈念資料館に行って、憲法9条改憲阻止の決意を新たにしました。
25日の沖縄タイムズに「沖縄子どもの貧困白書」の書評が掲載されていました。
早速、那覇市の書店で購入して帰りの飛行機の中で半分読みました。
この本の冒頭に沖縄子ども総合研究所顧問の加藤彰彦さんの「はじめに」に次の文章がありました。
「戦争は、貧困を生み出す最大の原因のひとつです。生きる基盤を破壊し、支え合う人を奪い、生きる意欲すら失わせてしまうのです。第二次世界大戦による苦悩のなかで、日本は、日本国憲法を生み出しました。そして、沖縄は苦しみのなかから、一人ひとりのいのちを大切にする文化を守り続けてきました。しかし、戦後72年を迎える現在、地球上には貧困と格差が拡大されてきています。貧困化社会は人と人を対立させ、排除し、戦争へつながる構造さえ、もっているのです。子供という豊かな魂は、誰からも愛され、豊かな経験のなかで成長していくものです。」
高校生たちを戦場に送ったあの戦争を繰り返してなりません。
憲法9条を守り、格差と貧困をなくし、平和な日本をつくる決意を新たなにした沖縄家族旅行となりました。
結婚した姪夫婦の幸せを願いつつ、姉夫婦に感謝する沖縄家族旅行でした。
2017年度ノーベル文学賞をカズオ・イシグロが受賞し、彼の作品に触れてみたくなり、2016年1月から放映された綾瀬はるか主演のドラマ「私を離さないで」を観ています。そして少しづつ原作の「私を離さないで」を読んでいます。
同時に、大野和基インタビュー・編「知の最先端」の中のカズオ・イシグロへのインタビューを読んでいます。
「私を離さないで」について、大野さんは、「同書は、外界とは隔絶された寄宿学校へーるシャムで過ごす子どもたちが、自らの出生の秘密を知り、成長する過程を描く。彼らはクローンとして生を享け、雑木を提供する存在だった。18歳になり、外の世界に足を踏み出したその姿から、われわれは『人間の生のあり方』を強烈に想起させられる。」
文庫本の「わたしを離さないで」の裏表紙には、「全読書人の魂を揺さぶる」とありますが、まさに、これまで経験したことや学んだことが揺さぶられる体験です。
ドラマは、日本を舞台にしていますが、見事に、本作のテーマが、現代日本の中で描き出されています。
人間とは何か、生命とは何か、文明とは何か、進歩とは何か、色々なことを考えさせてくれる物語です。
カズオ・イシグロについて、皆さんの感想をお教え下さい。
さて、今日から、日曜日まで、三泊四日で、沖縄に行ってきます。
私の上の姉の次女の結婚式に出席するためにです。
瀬長亀次郎さんの歴史を刻む「不屈館」には行きたいと思っています。
子どもたちとひめゆり記念館にも行きたいし、辺野古にも行きたいと思っています。
移動中の車中で、カズオ・イシグロの「君を離さないで」を読了したいと思っています。
それでは、数日、ブログはお休みします。日曜日にはお会いできる予定です。
それでは出発します。
防衛省がスペースデブリ(宇宙ごみ)や他国の衛生破壊兵器を監視するレーダーを山陽小野田市埴生の海上自衛隊山陽受信所跡地に設置する方針を決め、中国四国防衛局は昨日、山陽小野田市埴生公民館で住民説明会を開きました。
埴生公民館には、約40名の住民が参加し、中国四国防衛局からは、宮川均企画部長らが出席しました。
住民説明会で発言する宮川均中四防企画部長
中国四国防衛局は、「今年度予算にレーダー1式の施設整備に係る調査工事の経費等を計上している。施設は、15mから40mのパラボラアンテナを複数設置する。平成35年度から山陽受信所跡地に設置された宇宙監視レーダーの運用を開始したい。」などと説明しました。
レーダー施設が計画されている受信所跡地
北朝鮮に対する弾道ミサイル防衛(BMD)の新規装備として導入予定の地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」を政府が、萩市の陸上自衛隊むつみ演習場へ配備を検討しているとの報道があったばかりです。
私は、「イージス・アショア」と今回計画されているレーダー施設建設との関連を質しました。
防衛局の職員は「計画しているレーダー施設は、『イージス・アショア』の関連施設ではない。」と説明しましたが、一方で、「防衛省内での情報共有はあり得る」「米軍とも情報共有を行う」とも説明し、二つの施設の関連は全くないとは言い切れない状況です。
防衛省が行おうとしている「宇宙状況監視システム」は、文科省・JAXAでも同様のシステムを運用しており、住民から「なぜ防衛省がこの事業を行うのか」などの疑問が出されました。
防衛局の職員は、「宇宙空間は、安全保障の基盤としても、死活的に重要な役割を果たすもの」と説明しました。
住民から「標的にされる危険はないのか」との質問が出されました。
防衛局の職員は、「計画する施設は、衛星攻撃兵器などの情報をキャッシするが、攻撃する機能は、持っていない。」と説明しましたが、その情報が、防衛省内や米軍に提供され、攻撃する機能を持った基地に情報が行くことが否定できないのなら、計画されている施設が標的になる危険はないとは言い切れない状況です。
私は、29日、大平よしのぶ前衆院議員らと地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の設置が検討されていると報道されている陸上自衛隊むつみ演習場を視察する予定です。
山口県内に相次いで設置されようとしている防衛省の装備拡大を、住民の立場からしっかりチェックし、必要な発言を関係機関に行う予定です。
山陽小野田市に計画されているレーダー施設の建設に関わる問題や萩市に設置検討との報道があった「イージス・アショア」に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
いわさきちひろさん(以下、ちひろ)は、1918年(大正7年)に生まれ、来年が生誕100年になります。
この時期に、息子である松本猛さんがこの程、「決定的評伝」である「いわさきちひろ 子どもへの愛に生きて」を出版しました。
PTA全国表彰で東京に行き、帰りの羽田空港の書店で購入して今、読んでいます。
ちひろは、戦後、長野県で日本共産党に入党し、上京し、人民新聞の記者をしながら、日本共産党宣伝芸術学校に通います。
ちひろは、宮沢賢治に傾倒していました。猛さんは、「ちひろが命のように大切に持っていた『宮澤賢治名作選』の目次の前に書かれていた『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない』という言葉が、共産主義の考え方と共鳴すると感じたのではないだろうか。賢治もまた、農民のために無私の生き方を選んだ人だった。」と書いています。
ちひろは、松本善明さんと結婚した直後、入党の想いを日記に次のように書いています。
「戦争をやめて正しい人を殺してはならない。私はこの切なる気持ちから以外にコミュニストになったのではない。哲学や理論からなったのではない。本当に平和のために圧迫された人民のために斗う」
戦争をやめて正しい人を殺してならない
平和のために圧迫された人民のために斗う
私は、一人の共産党員として、ちひろの想いに大いに共感しました。
ちひろの願いは、再び切実なものとなっています。
日本が「戦争する国」になろうとしています。
ちひろの時代の人々が、戦争を経てかちとった「憲法9条」を守るために斗うときです。
戦争をやめて正しい人を殺さないために
平和のために圧迫された人民のために
みなさんのいわさきちひろへの想いをお教え下さい。
今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、「19日午前5時5分ごろ、那覇市泊の国道で米軍トラックが軽トラックと正面衝突し、軽トラックを運転していた同市栄原の会社員、平良英正さん(61)が胸を強く打ち死亡しました。沖縄県警那覇署は同日、運転していた米海兵隊上等兵のニコラス・ジュームスマクリーン容疑者(21)=牧港補給地区所属=を過失運転致死や酒気帯び運転の疑いで逮捕しました。」「沖縄県警の資料によると、米軍関係者によると交通事故は統計のある1981年から2016年末までで3613件、死傷者数は1990年~2016年末で4106人(死亡82人)に達しています。」と報じました。
今朝の読売新聞は、同事件について「県警が米軍側に確認したところ、『(事故当時は)公務外』との回答があった。」と報じました。
昨日も引用した伊勢﨑賢治・布施祐仁著「主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿」から今日も引用します。
「日本は独立した主権国家です。そして、法治国家でもあります。日本国内には日本の法令が適用されます。それに一種の『例外』を設け、米軍やその関係者に特別な権利を与えたいるのが日米地位協定です。」
この本では、このように日米地位協定を規定し、次の「特権」を米軍に与えていると指摘しています。
〇日本のどこでも施設・区域の提供を求める権利(2条)
〇提供された施設・区域内ですべての管理権を行使する権利(3条)
〇施設・区域を返還する際、原状回復・補償の義務を免除される権利(4条)
〇米軍の船舶・航空機が日本に出入りする権利、日本国内を自由に移動する権利(5条)
〇日本の公共サービスを優先的に利用する権利(7条)
〇米兵・軍属・家族が日本に出入国する権利。米兵について入国審査を免除される権利(9条)
〇関税・税関検査を免除される権利(11条)
〇課税を免除される権利(13条)
〇公務執行中の刑事事件についてアメリカ側が優先的に裁判権を行使する権利。日本の捜査機関による身柄の拘束から免除される権利(17条)
〇損害補償、民事裁判権に関するさまざまな免除を受ける権利(18条)
今回の事件は、「公務外」であれば、米軍は17条の「特権」を行使できないものと思われます。
日米地位協定17条には、「日本国が裁判権を行使すべき合衆国軍隊の構成員又は軍属たる被疑者の拘禁は、その者の身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き行うものとする。」との規定があります。
日米地位協定では、アメリカ側が被疑者お身柄を最初に確保した場合、日本側が起訴する時までアメリカ側が被疑者を拘禁するとされているのです。「基地に逃げ込めば助かる」と言われる所以です。
1995年の少女暴行事件を受け、制定された日米合同委員会合意は「合衆国は、殺人又は強姦という凶悪な犯罪の特定の場合に日本国が行うことがある被疑者の起訴前の拘禁の移転についてのいかなる要請に対しても好意的な考慮を払う。」とされました。
この合意について、この本は、「アメリカ側に起訴前の身柄の引き渡しを義務付けるものではなく、あくまでも日本側の要請に対して『好気的な考慮を払う』ものであり、要請に応じるかどうかはアメリカ側次第なのです。」と指摘しています。
この本は、米国と韓国が締結している米韓地位協定は、「米側は、12種類の凶悪な犯罪の場合は韓国側による起訴時、それ以外の犯罪については裁判確定後まで、被疑者を拘禁できることになっています。」と指摘し、2012年の韓米合同委員会で、「起訴前の身柄引き渡しを事実上不可能にしていた『24時間以内起訴ルール』を削除することが合意されました。これにより、現在は、少なくとも12種類の犯罪について起訴前の身柄引き渡しが現実的に可能になっています。」と書いています。
この本は、韓国の方が「日米地位協定よりも有利な運用を勝ち取っている」と結論づけています。
今回の事件で、米側の特権がどう行使されるのかはっきりしない部分がありますが、相次ぐ米兵犯罪が起こる中、日米地位協定17条の抜本的改定が急がれます。
皆さんは日米地位協定についてどうお考えですか、お教え下さい。