陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を萩市の陸上自衛隊むつみ演習場に配備する計画をめぐり、21日から防衛省による地元説明会が行われています。
昨日は、阿武町福賀地区で住民説明会が行われ、100人を超える参加者が会場を埋め尽くしました。
100名以上が会場を埋め尽くした説明会
防衛省戦略企画課の五味賢至課長は「米朝対話には意味があるが、現実として国際社会が努力しても北朝鮮のミサイル問題はうまくいかなかった」などとイージス・アショアの必要性について説明しました。
参加者からは、「陸上自衛隊みつみ演習場使用に関する覚書」に「自衛隊側は、民生を阻害しないようにし」とあるが、イージス・アショアの配備によって民生は阻害されるなど、「覚書」に関する意見が相次いで出されました。
防衛省の担当者は、「覚書は、演習場以外の目的での使用を制約するものではない」などと説明し、覚書がイージス・アショアの配備を制約するものではないとの説明を繰り返しました。
参加者から、レーダーの出力についての質問が出されましたが、防衛省の担当者は「特定機密事項」となるので、詳しくは説明できないと答えました。
演習場から500メートルしか離れていない地域で暮らす住民から「電磁波により刺激作用や熱作用が起こる可能性が指摘されている。電波防護指針に適合した施設にするとの説明だが、防衛省は、住民が納得できる根拠を示せていない」などの批判が相次ぎました。
農業を営む参加者からは、ボーリング調査などで農業用水の確保が困難になるのではないかとの懸念が出されました。
防衛省の担当者回答の中で「32地点でボーリング調査を行う計画である」と答えました。
更に、参加者から、「阿武町は、UJIターンなど、定住促進対策に力を入れている。イージス・アショアによって、定住促進が停滞するのではないか」「イージス・アショアに巨額の税金を投入するよりは、この間の災害の復興対策や地震対策などに税金を使うべきだ」などイージス・アショアの必要性に数多くの疑問が出されました。
最後に、参加者から「イージス・アショアの配備に向けて適地調査の入札公告には、8月2日に開札するとされているが、開札の延期は考えていないのか」との質問が出されました。
五味課長は「住民の理解が十分に得られていない段階で、入札の公告を行ったことに問題があったとは感じているが、住民の不安を払拭するためにも調査を行う必要があるとも思う。」などと答え、開札を延期するとは答えませんでした。
毎日新聞は今朝の山口版で「萩市は適地調査をする業者選定の開札の延期を防衛省に求めることを決めた。開札は8月2日に予定されており、高橋博史副市長が23日に防衛省を訪れ、小野寺五典防衛相への要請文を提出する。要請文は配備計画について『現時点で住民の不安が解決され、十分に理解が進んだといえる状況ではない』としたうえで、開札を延期して再度説明会を開くことを求めている。」と報じました。
約1時間半にわたって、むつみ演習場に隣接する阿武町福賀地域の住民の方から数多くの懸念や疑問や批判の声が相次いで出されました。
ある住民が「防衛省の説明を聞くたびに不安が大きくなる」と述べましたが、この言葉に象徴されるように、イージス・アショアに対する住民の理解は全く得られていない状況です。
防衛省はせめて、8月2日の適地調査の開札は中止すべきだと思います。
私は、明日、日本共産党山口県委員会主催の各省庁交渉に参加します。
防衛省との交渉では、米軍岩国基地問題と合わせてイージス・アショアの問題が交渉項目の一つです。
イージス・アショア配備に対する住民の懸念や怒りの声を直接、防衛省に届けたいと思います。
萩市へのイージス・アショア配備計画に対する皆さんのご意見を引き続きお聞かせ下さい。
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