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映画「麦の穂をゆらす風」

 ケン・ローチ監督の映画「麦の穂をゆらす風」を観ました。

 この作品は、アイルランド独立戦争とその後のアイルランド内戦を背景に、英愛条約をめぐって対立する兄弟を描いています。

 アイルランド独立戦争までは、IRA(アイルランド共和軍)の幹部だった兄のテッドは、英愛条約後、アイルランド自由国の将校となります。

 弟のダミアンは、英愛条約を評価せず、IRA幹部として独立闘争を継続します。

 兄率いるアイルランド自由軍と弟率いるIRAが次第に対立を強めます。

 ケン・ローチ監督のこの映画の意図を私は、「武力の連鎖を止めることは出来るのか」だと感じました。

 このケン・ローチ監督の問いは、切迫して、今、世界に突き付けられています。

 3日、トランプ大統領の指示により、米軍がイラクのバグダッド空港で、イラン革命防衛隊幹部を空爆で殺害するという事態がお子なりました。

 ロイター通信は、米軍がイラク国内で空爆を行ったと報じました。

 安倍政権は、昨年、自衛隊の中東派兵を閣議決定しました。この事態の渦中に自衛隊を送り込むべきではありません。

 日本共産党の志位委員長は、3日、「トランプ米政権による国連憲章を無視した軍事的挑発行為を厳しく非難する」との見解を明らかにしました。安倍政権へは、「自衛隊派兵の閣議決定の撤回」を強く求めています。

 武力の連鎖を断ち切る努力が今、国連をはじめ、各国政府に求められています。

 安倍政権は、自衛隊の中東派兵を撤回に、トランプ大統領にイラン核合意復帰を求める外交努力を行う時です。

 今日は、午前中は、宇部市の互礼会、夕方は、居住地域の互礼会が行われ、今年もスタートをきります。

 正月休みは、ケン・ローチ監督のいくつかの作品から個人の尊厳や平和の構築について学びました。

 これからもケン・ローチ監督の作品からしっかり学んでいきたいと思います。

 皆さん、どのようなお正月でしたか。お教え下さい。

 

映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」

 ケン・ローチ監督の映画「家族を想うとき」がとても良くて、宇部市内で一番大きいレンタルビデオ店に行って、ケン・ローチ監督作品の中で、在庫がある作品を3作品借りてきました。

 昨日視聴したのが映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」。この作品も最高でした。

 一言でいうならば、「個人の尊厳」を問う映画でした。

 映画の公式ホームページから、「ストーリー」を引用します。

 「イギリス北東部ニューカッスルで大工として働く59歳のダニエル・ブレイクは、心臓の病を患い医者から仕事を止められる。国の援助を受けようとするが、複雑な制度が立ちふさがり必要な援助を受けることが出来ない。悪戦苦闘するダニエルだったが、シングルマザーのケイティと二人の子どもの家族を助けたことから、交流が生まれる。貧しいながらも、寄り添い合い絆を深めていくダニエルとケイティたち。しかし、厳しい現実が彼らを次第に追いつめていく。」

 この映画は、イギリスが舞台ですが、日本も全く同じだと感じました。

 生活保護の水際作戦。経度な介護度の方を除外する介護保険制度。給付付き奨学金が狭き門の現状。シングルマザーの収入が相対的に低い現状などなど。

 イギリスと日本の社会保障制度の違いはありますが、ダニエルやケイティが日本に居てもあまり変わらない状況ではないかと思いました。

 ダニエルの手紙をケイティが読むシーンがあります。

 「私は、社会保障番号ではない。私は、ダニエル・ブレイクだ」

 私は、この映画を通して、二つの事を考えました。

 一つは、朝日訴訟についてです。

 朝日茂さんが行った憲法第25条の生存権を問う裁判が朝日訴訟です。

 第一審の判決はこう述べています。

 憲法25条の規定は「国民が単に辛うじて生物としての生存を維持できるという程度のものであるはずはなく、必ずや国民に『人間に値する生存』あるいは『人間としての生活』といいうるものを可能ならしめるような程度のものでなければならないことはいうまでもないであろう。」

 社会保障制度が、「人間に値いする生存」を保障するものになっているのかについて、映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」は考えさせる内容です。

 二つ目は、市民連合と野党が合意した方向です。

 昨年の参議院選挙で市民連合と野党が合意した13項目のスローガンは「だれもが自分らしく暮らせる明日へ」です。

 そして、日本共産党が野党との会談で示している3項目は、立憲主義の回復、格差是正、多様性の尊重です。

 多様性の尊重を具体的に紹介すると「多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を築く」です。

 「個人の尊厳を尊重する政治」を実現したいと映画「わたしは、ダニエル・ブレイク」を観て痛感しました。

 国民一人ひとりが「わたしは、〇〇〇〇」と言える社会をつくろうよと励まされる映画でした。

 今日は、ケン・ローチ監督の映画「麦の穂をゆらす風」を観ようと思います。

 ケン・ローチ監督ファンの皆さん。お勧めの作品をお教え下さい。

映画「家族を想うとき」

 福岡市のKBCシネマでケン・ローチ監督の映画「家族を想うとき」を観ました。

 映画のチラシより映画のストーリーを引用します。

 「父のリッキーは、マイホーム購入の夢をかなえるためにフランチャイズの宅配ドライバーとして独立。母のアビーは、パートタイムの介護福祉士として、時間外まで1日中働いている。家族を幸せにするはずの仕事が、家族との時間を奪っていき、高校生の長男セブと小学生の娘のライザ・ジェーンは寂しい想いを募らせてゆく。そんななか、リッキーがある事件に巻き込まれてしまう。」

 私の大学生の二人の息子は、妻の実家からそれぞれ大学に通っています。

 私は今、高校生の息子と中学生の娘と一緒に暮らしています。

 それぞれ3年生ですので、それぞれの進路に向かって勉強中です。

 私は、映画の中のリッキー家族世代よりも少し上ですが、我が家の葛藤もこの映画に含まれており、とても共感しました。

 何より、映画を観ながら、PTA活動や相談活動で出会う40代前後の家族の皆さんの姿が脳裏に次々浮かんできました。

 お父さんが、お母さんが、ダブルワークして教育費を賄っている家庭も多く目にします。

 ケン・ローチ監督が映画のパンフレットでこの映画の問題意識についてこう語っています。

 「このステムは持続可能か、ということです。1日14時間、くたくたになるまで働いているバンのドライバーを介して買った物を手に入れるということが、持続可能と言えるのでしょうか?自分で店に行って、店主に話しかけることよりもよいシステムなのでしょうか?友人や家族にまで波及するようなプレッシャーのもとで人々が働き、人生を狭めるような世界を、私たちは望んでいるのでしょうか?これは市場経済の崩壊ではなく、むしろ反対で、経費を節減し、利益を最大化する過酷な競争によってもたらされる市場の論理的な発展です。市場は私たちの生活の質には感心がありません。市場の関心は金を儲けることで、この二つ相性が悪いのです。ワーキング・プア、つまりリッキーやアビーのような人々とその家族が代償を払うのです。」

 年末のしんぶん赤旗日曜版に前参議院議員でエマーソン大学映画学科卒の辰巳孝太郎さんがこの映画について次のように書いています。

 「長時間労働と貧困や家族の崩壊というテーマは、日本でも共通のもの。ここで描かれているフランチャイズという働き方は、日本ではコンビニオーナーの『奴隷労働』として注目され社会問題となっています。実質労働者でありながら、無権利の『個人事業主』として働かせ、利益の多くを搾取する契約は、資本側にとって最も都合の良い働かせ方であり、国境を超えて広がっているのです。ケン・ローチは、貧困から抜け出せず追い込まれていく労働者が、資本主義と新自由主義のシステムにのみ込まれながらも葛藤する姿を、ありのまま描いています。そこにはヒーローもおらず、ハッピーエンドもありません。個人と家族が、現代のシステムによって破壊され続ける現実を淡々と描写しています。そしてそんな社会に生きる私たちに監督は『あなたはどうするのか』と問いかけてくるのです。」

 私自身、この映画を観て、改めて家族に向き合う時間をもう少し増やそうと思いました。

 私の周りで、今日も頑張って働いておられるお父さん、お母さんたちに、ぜひこの映画を観ていただきたいと思いました。

 アビーが介護する高齢者の若い頃の写真を見せてもらうシーンがあります。

 高齢者の方は、若い頃の労働組合活動の様子を生き生きと語ります。

 高齢者は、アビーの「働き方」を観て「労働時間は8時間ではないのか」と言います。

 労働者の生活の質を中心に考える社会に変えていかなければなりません。

 この映画を観て「8時間働けば普通に暮らせる社会」の実現を誓う新年です。

 今年は、ケン・ローチ監督作品をチェックしていきたいと思います。

 名匠ケン・ローチ監督ファンの皆さん、お勧めの作品をお教え下さい。

ヒバクシャ国際署名に署名した知事は20府県

 日本共産党「地方議員FAXニュースNo。418」に、ヒバクシャ国際署名に署名した首長の状況が記載されていました。

 知事で署名したのは以下の20府県です。

 「秋田県、岩手県、宮城県、山形県、茨城県、栃木県、埼玉県、神奈川県、長野県、滋賀県、兵庫県、京都府、奈良県、鳥取県、島根県、広島県、徳島県、香川県、長崎県、沖縄県」

 中国地方では、岡山県、山口県の知事以外の知事は、ヒバクシャ国際署名にサインしたようです。

 市区町村が署名した自治体数は1197となっています。

 核兵器禁止条約の批准・参加を日本政府に求める意見書を可決した議会は、県議会では、岩手、長野、三重、沖縄、鳥取が陳情を趣旨採択しました。

 市町村議会では、192市、184町、43村(うち8市町村が請願や陳情を趣旨採択)です。

 岩手県では、県内の97%の自治体が、秋田県では88%の自治体が意見書を可決しています。

 山口県議会及び県内市町議会でも核兵器禁止条約の批准・参加を日本政府に求める意見書が可決される新年にしたいと思います。

 今年は、ニューヨークで核不拡散条約の再検討会議が開かれます。

 会議の意義について、国連事務次長・軍縮担当上級代表の中満泉さんが、1日のしんぶん赤旗で次のように語っています。

 「NPTの3本柱(核不拡散、核軍縮、原子力の平和的利用)すべて、核軍縮も含めてバランスの取れた形で会議を進めてもらわなければなりません。NPTが過去50年にわたり世界の安全保障の要の一つであったこと、この条約を実行し続けると政治的に再確認することは非常に重要です。」

 核兵器禁止条約について中満さんは次のように語っています。

 「事務局で他の条約と締結の進捗状況を比較検討したら、遜色はない。順調に増えていているといえると思います。交渉に参加しなかった国がありましたので、非常に慎重に扱うべき条約ではありますが、私たちがいつも申し上げているのは、『核兵器は存在するべきではないし、早く廃絶しなければいけないという大きな世界の世論の現れだという意味で、これをすべての国が理解しなければならないし、きちっと認めるべきだ』ということです。核兵器に対する規範を徐々に高めていくことは、核廃絶を進めていく上でも追い風になります。よく対立関係が厳しくなると言われていますけれども、それを後ろ向きな潮流にするのではなく、前向きな力として変換していく手助けをするのが国連事務局の役割の一つだと思っています。」

 今年は日本にとっては被爆75周年、NPT発効50周年の節目の年です。

 日本と世界が核兵器廃絶に大きく足を踏み出す年にしたいと思います。

 核兵器廃絶に対する皆さんの想いをお教え下さい。

日本ジェンダー格差121位

 しんぶん赤旗日刊紙昨年12月18日付けは、次のように報じました。

 「スイスのシンクタンク世界経済フォーラム(WEF)が17日発表した2019年の各国の男女格差(ジェンダーギャップ)の報告書によると、日本は前年から順位を下げ、153カ国中121位で、過去最低となりました。安倍晋三政権が掲げる女性活躍推進が進んでいないどころか、逆に男女格差が開いている現状が浮き彫りになりました。報告書は、経済、教育、健康、政治の4分野の男女格差を数値化し、順位付け。日本は前年の149か国中110位から大きく順位を下げました。もっとも遅れが目立つのは政治分野で144位に沈んでいます。教育分野では、高等教育機関への入学割合の格差が低評価を受け、前年の65位から91位に低下。経済分野では、賃金格差の拡大が指摘されています。」

 同記事に、同志社大学の岡野八代教授が次のコメントを寄せています。

 「今回の順位ですが、ズルズルと後退、というより、経済的な大国とされている国の中で、日本はダントツに男女格差の厳しい国と、認識を変え方がよいでしょう。つまり、揺るぎなく、強い意志で男女不平等を維持しているのが日本の現状です。政治分野における女性の不在が、そのことを象徴しています。政治分野では、閣僚をはじめ、国会議員候補者の決定まで、強いリーダーシップがあれば改善可能です。健康や教育分野は一朝一夕で改善できないのと対照的です。」

 日本BPW連合会のHPを参照すると、日本の順位(総合)は、110位から121位へ低下しています。

 分野別では、政治は、125位から144位へ。経済は、117位から115位へ。教育は、65位から91位へ。健康は41位から40位へ。

 民主青年新聞の新年号に、岡野教授が、「個人的なことから始めるジェンダー秩序の見直し」と題する小論を寄せています。

 この中に、日本のジェンダーギャップ指数の推移を掲載しています。

 この中に調査が始まった2006年の日本の数値が掲載されています。

 2006年の日本の総合順位は80位、政治は83位、経済は83位、教育は60位です。

 岡野教授はこの現状をこう書いています。

 「日本では、1946年に公布された現在の日本国憲法の下で、法の下の平等が宣言され、その後も世界的な条約である『女性差別撤廃条約』(79年)を85年には批准し、条約に合わせて国内法を整備し、『男女雇用機会均等法』(85年)が制定され、さらに憲法上の男女共同参画社会基本法』が施行されました。さらに昨年は、女性議員があまりに少ない現状を何とかしようと、『政治分野における男女共同参画の推進に関する法律』が誕生しています。こうしてみると、男女の平等は絶え間ない努力の中でこそ実現されるということを日本政府は認識しているようです。一方で、すでに触れたように、世界的に見ても日本がこの10年全く男女格差を是正できないことも確かです。」

 岡野教授は、しんぶん赤旗に次のように語っています。

 「政治は市民一人ひとりの意思決定だと考えれば、市民もまたこの現状を維持しています。日本では大切なことは、男性が決めるといった考え方もやめましょう。そうではなく、私たち一人ひとりにとって大切なことが、政治から締め出されているのです。社会の中枢の女性の不在は、私たちの多様な意見が軽んじられている、そうした認識の変化を迫るのが、今年の順位でした。」

 昨年の順位から、市民一人ひとりに当てはめて考えていきたいと思います。

 山口県をジェンダー平等の県に近づけていきたいと決意を新たにしました。

 日本のジェンダー格差順位が過去最低となりました。皆さんのご意見をお聞かせください。

あけましておめでとうございます。

 あけましておめでとうございます。

 私は、元旦の初日の出を宇部市最高峰の荒滝山山頂で迎えました。

 天気もよく素晴らしい初日の出を拝むことができました。

朝日大

   今朝の荒滝山山頂での初日の出

 さて、以下の文章は、宇部日報の新年号にあてて書いた文書です。

 以下の文書を私の新年の決意とさせていただきます。

・・・

 新年あけましておめでとうございます。四年ぶりに議席を回復することができました。住みやすい山口県を作っていくために今年も力を尽くす決意です。

 昨年6月県議会で私は、地球温暖化防止に向け、「地域気候変動適応計画の策定と地域センターを確保すべき」と質しました。9月県議会で、西田環境生活部長は、地域気候変動適応計画を新たに策定し、次期地球温暖化対策実行計画に組み入れることを明らかにしました。COP25の開会セッションで議長に選出されたシュミット・チリ環境相は、「私たちは気候変動という最も困難な課題に直面している。今は、スローガンではなく行動をとる時だ」と指摘し、パリ協定に基づく各国の目標設定を見直す2020年にむけ、より野心的な数値を掲げることを参加国に求めました。世界が、気候変動という最も困難な課題に直面している今、SDGs未来都市・宇部市に石炭火力発電所の新設などもってのほかです。今年も、SDGs未来都市・宇部市選出の県議として、地球温暖化防止を進める山口県を実現するため大いに発言してまいる決意です。
 私は、昨年6月県議会で、県立高校でLGBTに配慮した対応をすすめるため、公立高校の入学願書の性別欄を廃止すべきと質しました。その結果、今年度の公立高校の入学願書の性別記入欄が削除されました。県民の人権を守る課題でも大いに発言する決意です。今年1年の皆様のご多幸を祈念して、新年のご挨拶とさせていただきます。

・・・

 今年は、1月14日から静岡県の伊豆学習会館で開催される日本共産党第27回大会に代議員として参加する予定です。

 年始は、ゆっくり休憩を取って、1月からダッシュです。

 引き続き、県政全般に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。