今日昼のNHK山口放送局は、県が保有するパソコンの処理について次のように報じました。
「山口県がリース会社から借りていた13台のパソコンなどを返却した際、データが確実に消去されたか確認していなかったことがわかりました。県の内部ルールでは、返却後にデータの消去を確認することになっていて、情報管理体制の不備が浮き彫りになりました。」「県の内部ルールでは、リースを終えたパソコンなどを返却する際に、▽リース会社にデータを消去した証明書を発行してもらうか、▽職員による消去、もしくは職員が業者の作業に立ち会って、データの消去を確認することになっています。リース会社がデータの消去を依頼した業者の中には『ブロードリンク』も含まれていたということですが、県はリース会社を通じて、『確実に消去した』という回答を得たということです。ハードディスクは、原子力防災ネットワークや土木積算システムなどで使用され、個人情報は入っていないということで、県情報企画課は『情報の流出はないとみられるが、各部署でルール違反がないよう徹底していきたい』としています。」
記事の中にある「ブロードリンク」とは、神奈川県が管理していた大量の個人情報が入ったハードディスクを持ち出してネットオークションに出品した問題が顕在したデータ消去会社です。
県情報企画課は、私からヒアリングに対し「①県情報セキュリティーポリシー②標準実施手順③利用者実施手順をもとに対応しているが、3システム(13ハードディスク)に関し、業者からの証明書が提出されていない。システムは、統合原子力防災ネットワークや土木設計積算システムなどである。」と答えました。
私は、引き続き、県の情報管理について指摘を続けていきたいと思っています。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
県内の上映は、今日までだということが分かり、急遽、昨晩、妻と一緒に、森達也監督の映画「i -新聞記者 ドキュメント」を観ました。
森達也監督には、10年以上前に宇部市で講演をしていただいた時に、私がその会の事務局長でしたので事前の連絡から当日の打ち合わせまでさせていただきました。
映画は、東京新聞の望月衣塑子記者を追ったドキュメントです。
望月衣塑子さんには、約3年前に、宇部市で講演をしていただいた時に、私がその会の事務局長でしたので事前の連絡から当日の打ち合わせまでさせていただいた経験があります。
望月さんは、事前に、携帯などでお話しましたが、飾らない率直な方だと思いました。
講演会当日お会いしてみて、とても華奢な方だと思いましたが、講演内容は、深くてシャープな約2時間でした。
お会いして、誰に対しても姿勢の変わらない方だと思いました。
山口宇部空港での望月記者と私
すっかり、望月さんのファンになった私は、望月さんの書かれた「新聞記者」や「同調圧力」など可能な限り読んで学んでいます。
映画の企画は、川村光庸さんです。
河村さんは、望月さんの「新聞記者」に感銘し、藤井道人監督に映画「新聞記者」を作成を依頼し、望月さんを追ったドキュメントを森達也監督に依頼します。
時折、画面に映し出される一方向に泳ぐ魚の群れ。タイトル「i」にも関わる一瞬の映像です。
森監督は、この映画を紹介するしんぶん赤旗日刊紙の文化欄でのインタビューでこう答えています。
「これまで自覚していなかったけれど今回これを撮るにあたって『集団と個』ということが自分のテーマなんだと気づきました。人間は集団の中で生きる生き物で、僕だっていろんな集団に入っていますし、集団と距離を置くのは絶対無理です。ただその時の意識の持ち方、集団にいるけど同時に個でもあるという自覚が大切だと思いますね」
映画のパンフレットの中で、プロデューサーの河村さんがこう書いています。
「果たして官邸、官僚、メディアだけが醜悪なのか。そうではないだろうと森達也は私たち一人ひとりにも突きつける。i=『一人称、私』は集団に飲み込まれずに生きているのか。声を発しているのか。この映画はそのことを問うているのだ。」
森達也監督は、映画のパンフレットでこう書いています。
「あなたが右だろうが左だろうが関係ない。保守とリベラルも分けるつもりはない。メディアとジャーナリズムは、誰にとっても大切な存在であるはずだ。だから撮る。撮りながら考える。望月記者はなぜこれほど目立つのか。周囲と違うのか。言葉が残るのか。特異点になってしまうのか。撮りながら悩む。考える。だから観ながらあなたも考えてほしい。悩んでほしい。きっと最後に、あるべきメディアとジャーナリズムの姿が見えてくるはずだ。」
私は、この映画を観て、社会とは何か。行政とは何かを考えさせられました。
個と集団との関係についても考えさせられました。
結論は、個人の幸せを実現するために社会はあるのだということでした。
国民や市民の幸せを実現するために行政はあるのだということでした。
その本質に気づかせていただいたことに感謝します。
そして、県議会議員としての役割をしっかり果たしていこうと決意を新たにしてくれる映画でした。
そうです、ラグビーの精神です。「ひとりはみんなのために みんなはひとりのために」です。
これからも、同時代を生きる敬愛する森達也さんから、望月衣塑子さんからしっかり学びたいと思います。
機会があれば、またお二人から直接お話をお聞きしたいと思いました。
森達也監督。すばらしい映画をありがとうございました。次回の作品も大いに期待しています。
森達也さんの近著「すべての戦争は自衛から始まる」を読みたいと思います。
山口県での上映は今日で終わりますが、どうか皆さんどこかで映画「i -新聞記者ドキュメント」をご覧いただきたいと思います。
皆さん、最近ご覧になった映画の感想をお聞かせ下さい。
今日の中国新聞は、「政府は地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」について、秋田市の陸上自衛隊新屋演習場への配備計画を見直す方向で検討に入った。複数の政府関係者が10日、明らかにした。住宅密集地に近いことへの批判や、事前調査でミスを重ねた防衛省に対する地元の反発が根強く、理解を得るのが難しいとの異例の判断に傾いた。政府の候補地選定を巡る迷走ぶりが鮮明になった形で、早ければ2025年としている配備時期がずれ込む可能性も出てきた。」「防衛省は新屋演習場のほか、陸自むつみ演習場(萩市、山口県阿武町)の2カ所を候補地として選定。防衛省は、むつみ演習場が候補地として適しているとの再調査の結果をまとめ、17日に山口県に説明する方針だ。」と報じました。
更に、中国新聞は、「政府が導入を目指す地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』は、巨額のコストがかかる上、機能面での不安を指摘する声が消えない。弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮は新たな関連技術を獲得しているとみられ、現在想定している地上イージスの迎撃性能では対応できないとの疑問がある。政府には配備の必要性を改めて説明する姿勢が求められる。防衛省は、地上イージス2基の取得費などとして4千億円以上を見込んでいる。これに敷地造成費や迎撃ミサイルの取得費を入れるとさらに膨らむ計算だ。米国製防衛装備品の『爆買いだ』との批判がある。」と報じました。
今日、NHK山口放送局は昼のニュースで、「阿武町の花田町長は、11日開かれた定例会議の冒頭で、菅官房長官などが、再調査は住宅地との距離を重要な要素として進めるていると発言したことに触れた上で『大変的を射ている。本質はむつみ演習場でも何ら変わるものではなく、まったく同じ状況だ』と述べ、萩市の自衛隊むつみ演習場も候補地から外すべきだという考えを改めて強調しました。」と報じました。
8日のブログで指摘したように、むつみだけを「適地」として、山口県にだけイージスを押し付けようとする防衛省の姿勢は許されません。
また、中国新聞が指摘するように、イージス・アショアが高額であり、必要性への国民の疑問は払しょくされていません。
消費税増税で国民が苦しむ中、イージスの爆買いは許されません。
防衛省は、新屋への配備見直しに合わせ、イージス配備そのものを根本的に見直すべきです。
16日には、イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会などが、村岡知事に、むつみへのイージス・アショア配備問題で申し入れをされる見込みです。
17日には、防衛省が再調査等の結果説明で来庁します。
来週は、むつみへのイージス配備にとって大きな山場となります。
「秋田が見直しなら山口も見直せ」の声を更に大きくして、山口県へのイージス・アショアの配備をストップさせましょう。
「秋田地上イージス見直し」との報道に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
環境福祉委員会二日目は、健康福祉部所管の問題を質疑しました。
環境福祉委員会二日目、健康福祉部の審査行う
私は、第一に、ハンセン病問題について質疑しました。
全国のハンセン病療養所への山口県出身者は、16人です。
私は10年以上前ですが、岡山県の長嶋愛生園を訪ね、山口県出身者の方とお話をした経験があります。資料館などを訪ねて、ハンセン病患者さんを強制的に施設に入所させた経過などを学びました。
ハンセン病の家族賠償訴訟などの関係で、今年は、ハンセン病患者さんと家族を取り扱った報道が相次ぎました。
その一つが、6月20日の読売新聞の報道です。実名を明かしている数少ない原告の一人が、北海道出身の原田信子さん。新聞はこう報じています。
「1951年4月、7歳の時だった。地域にはすぐに『ハンセン病の患者がでた』と知れ渡った。母は、親戚、近所付き合いを拒まれ、患者の家族という理由で、勤め先の海産物の加工場を解雇された。母は行商に出たが、母子は困窮した。食べる物がないとき、母は『死のう、死のう』といった。信子さんは怖くて『いやだいやだ』と泣いた。小学校は『そばに来ると菌がうつる』と級友に言われ、雑巾を投げつけられた。いじめが怖く、学校にいけなくなった。家の裸電球の下で一人泣いていた。」
県健康増進課のホームページに「ハンセン病を正しく理解しましょう」があります。この中に、「昭和6年(1931年)『らい予防法』制定」とあります。
この中に、「各県が競ってハンセン病患者をみつけだし、強制的に入所させるという「無らい県運動」も全国的に進められてきました。」とあります。
私は、無らい県運動に山口県はどうかかわり、今日的に、県は、この問題をどう整理されたのか質しました。
石丸健康増進課長は「2001年に、二井知事が、『山口県として、国の隔離政策に協力し、入所者の方々をふるさとから切り離し、深い苦しみを与え、差別と偏見を助長してきたことに対して心からおわびをしました。』とのコメントを記者会見で明らかにした。」と答えました。
それからも20年が経過しています。私は、県職員に対しても、このような歴史があったことをしっかり継承すべきだと要望しました。
11月15日に、「ハンセン病元患者家族に対する賠償金の支給等に関する法律」が成立し、11月22日に公布・施行されました。
私は、賠償金を家族に支給する上での県の役割を質しました。
石丸課長は、「県は制度の周知を関係者に行っているところ」と答えました。
私は、元患者の家族の方に制度をしっかり周知するよう要望しました。
次に児童福祉行政についてです。
今月2日の読売新聞の報道で、10月1日の時点で児童福祉司の増員が5割ほどにとどまっているとの報道がありました。
私は、国の対策によって4年で、山口県は何人の増員で何人体制になるのか質しました。
廣中こども家庭課長は「今年度当初は38名であり、56名の体制になる見込みだ」と答えました。
私は、4年間で目標通りの増員が確保される見通しか質しました。
廣中課長は「目標の増員に到達できるよう取り組む」と答えました。
委員会で「山口県社会養育推進計画」の素案が報告されました。
その中に「一時保護の環境及び体制整備等」があります。
その第一に「一時保護委託時の措置児童との混在回避のため、施設の意向も踏まえながら、民間の一時保護専用施設の設置について検討します。」とあります。
山口県内の一時保護所は、総合相談センター内児童相談部の1か所です。
児童相談部の一時保護所以外では、児童養護施設に一時保護委託されています。
一時保護所が複数設置されている都道府県も多く、私は、一時保護所の複数設置を過去の議会で指摘してきました。
この程、県が、民間の一時保護専用施設の設置を検討するとの見解を評価します。
私は、「県内の児童養護施設を持っている法人に、一時保護専用施設の設置を要請しているのか」と質しました。
廣中課長は、「それも含めて現在、検討しているところだ」と答えました。
私は、県央部には総合相談センターの一時保護所があるので、東西二か所設置するよう要望しました。
第三は、ひきこもり対策についてです。現在、県内にひきこもり地域支援センターが設置され、相談を受け付けています。
朝日新聞の調査では、47都道府県と20政令指定都市での調査で、32自治体が、ひきこもりの実態調査を行っているとのことです。
厚生労働省の調査では、49%に及ぶ全国23の都道府県で実態調査が行われています。
中国5県の状況は次の通りです。
岡山県では、平成22年に「ニート、ひきこもり等に関する実態調査」を行っています。
島根県では、平成26年に「ひきこもり等に関する実態調査報告書」をまとめています。
鳥取県では、平成30年度「ひきもりに関する実態調査報告書」をまとめています。
私は、「山口県でもしっかり実態を把握して対策を行う必要がある」と質しました。
石丸健康増進課長は「ひきこもり地域支援センターでの相談を通じた実態把握に努めていく。国や他の自治体の実態把握の取組を勉強していきたい。」と答えました。
本日の環境福祉委員会は、環境生活部所管の審査を行いました。
環境福祉委員会で環境生活部の審議を行いました。
私は、柳井広域水道の高料金問題を取り上げました。
決算特別委員会の資料に、今年4月時点の市町別の水道料金が出ています。月20㎥使用した時の比較ですが、一番高いのが、周防大島町で4743円、一番低いのが、下松市で1505円、実に3倍以上の差が県内で生じています。
4千円以上の市町は、柳井市、周防大島町、上関町、田布施町、平生町です。これらは、全て柳井地域広域水道企業団に参加している自治体です。その次に高いのが、阿武町の3320円ですから、阿武町よりも千円以上高い水を柳井地域広域水道企業団の地域は供給されている状況です。
その理由は、明確で、水源が、広島県との境界にある弥栄ダムであるからです。
現在、山口県が柳井地域広域水道企業団に補助金を支給しています。
白銀生活衛生課長は、「ダム本体と導水管の償還金の一部を県が補助している。昨年度は、約3憶4400万円の補助を行っている。」と答えました。
私は、「施設の債務の償還金の一定割合を県は補助しているということですが、償還が完了するのはいつですか。」と質し、白銀課長は「2030年度で償還は終わる。」と答えました。
私は、その他に、柳井広域水道に補助しているのかどうか質しました。
白銀課長は「柳井広域水道に高料金安定化対策事業として、昨年度から約3千500万円の補助を行っている」と述べました。
私は、この補助金の継続を強く求めました。
私は、決算委員会で、企業局の弥栄ダムから取水している小瀬川第二期工業用水道事業の未事業化分日量3万2千トンについて、2013年から一般会計へ移管した問題を指摘しました。
今年度までに、企業債の元利償還金の部分とダム分担金で7億3千万円の負担を県が行っている実態です。企業局は、日量5600トンの事業化分がありますが、契約水は、日量3600トンであり、余剰が日量2000トンあり、企業誘致が少々あっても大丈夫な水量を持っています。
ですから、一般会計で抱えている日量3万2千トンは、まったく手が付けられない、塩漬けの水と言えます。
山口県は、この塩漬けの水に対して、毎年4千200万円のダム分担金を払い続けています。これから将来も続きます。
この柳井広域水道においても、日量5万トンの権利を持っていますが、事業化されているのは、3万トンで、2万トンは未事業化となっています。
ダム分担金は5万トン分支払われている状況です。
柳井広域水道企業団の未事業化2万トン分数千万円の分担金が水道料金を他の自治体より高騰させている原因と言えます。
私は、企業局から一般会計へ移管した弥栄ダムの未事業化分は、県の責任において、ダム管理者である国に、アロケーションを変えるなどの根本的な解決を求めています。
柳井広域水道の弥栄ダムの未事業化分は、権利者である柳井広域水道の責任であることは重々承知した上で、私は、「水道料金の高騰の原因を取り除く観点で、柳井広域水道と一緒になって、国に、未事業化分の根本的解決を共に働きかけるべきだ」と質しました。
白銀課長は、「あくまでも権利者である柳井広域水道が対応すべき」と答えました。
本会議での篠崎県議への答弁で、犯罪被害者支援に対して、「今後、被害者等を社会全体で支援する体制をさらに強化していくために、被害者等の視点に立って、条例の制定も含めた実効性のある対策を検討していきたい」と環境生活部長が回答しました。
山口県は、2006年から「山口県犯罪のない安心なまちづくり条例」を制定しています。この中に犯罪被害者に関する規定はありません。
鳥取県では、2008年から「鳥取県犯罪のないまちづくり推進条例」を改正し、9条、県の推進計画の事項の中に犯罪被害者の支援を含めています。
島根県でも同様の条例を保持し、2006年から25条に「犯罪被害者等に対する支援等」を規定しています。
岡山県は、2011年「岡山県犯罪被害者等支援条例」を制定しています。
私は、「条例制定は、『山口県犯罪のない安心なまちづくり条例』を改正するのか、新たな『犯罪被害者支援条例』を制定するのか」との質問を行いました。
堀田県民生活課企画監は、「今後、条例制定の検討の中で協議したい」と答えました。
岡山県では、27すべての自治体で、犯罪被害者支援条例を制定しています。
私は、県内の市町の条例制定状況を質しました。
堀田企画監は、「2市4町で制定している」と答えました。
読売新聞は「犯罪被害者の支援を担う全国48か所の被害者支援センターのうち、半数近い23団体が、2018年度の決算で赤字」38団体)8割が「人手不足だった」と報じています。
山口県の犯罪被害者支援センターは県警が所管されています。知事部局として財政支援はしていません。
私は、「条例化に向けて、県の犯罪被害者支援センターに知事部局が財政的・人的支援を行う体制を構築すべき」と質しました。
堀田企画監は、「未定です」と答えました。
昨日、「イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会」が萩市で行われ参加しました。
冒頭、住民の会の森上代表から、防衛省が、再調査の結果等について17日に来庁し、18日から22日まで、萩市議会・阿武町議会全員協議会、住民説明会で説明を行う計画であることが報告されました。
昨日の各紙は、一斉にそのことを報じました。
私は、萩市からの帰り、新聞を購入し、朝日、毎日、読売、中国、山口の各紙に目を通しました。
その中から、山口新聞の報道を引用します。
「防衛省は地上配備型迎撃システム『イージス・アショア』の山口県配備について、現行計画地のむつみ演習場(萩市、阿武町)が適しているとの内容の再調査結果をまとめ、村岡嗣政知事に伝達する方針を固めた。政府関係者が6日、明らかにした。山本明広副大臣が17日県庁を訪れて説明する。地元に異議があり、理解を得られるかどうかは見通せない。地上イージスを巡っては、秋田と山口両県の配備計画で調査ミスが判明し、防衛省は専門業者に測量を委託して再調査を実施。秋田は候補地とされた陸上自衛隊新屋演習場が住宅地に近いことから佐竹敬久知事が『無理だ』と明言しており、新屋演習場以外も含めて候補地を調べ直している。前回調査では米グーグルの衛星写真を利用したサービス『グーグルアース』を使い、設置予定場所周辺の高台の標高が国土地理院のデータと異なっていた。再調査は航空機によるレーダー測量を実施し、外部専門家の会議で『信頼性の高い分析結果』との意見が出た。これを受け、防衛省はむつみ演習場で問題がないと結論付けた。ただ住民に反対論は根強く、阿武町の花田憲彦町長は反対を表明している。秋田県関連の調査は来年3月ごろに終わる見込みだ。地元説明会で防衛省職員が居眠りしていた経緯があり、地元の不信感が強い。菅義偉官房長官は住宅地との距離を考慮するよう防衛省に指示した。河野太郎防衛相は『ゼロベースで検討する』と述べている。」
防衛省は、イージス・アショアの配備を山口だけは強行しようとする構えです。
しかし、いくつかの問題があります。
最大の問題は、住民の理解についてです。
阿武町では、「むつみ演習へのイージス・アショアの配備に反対する阿武町民の会」が結成され、有権者の過半数以上が会員となっています。
9月2日に、住民の会は改めて防衛大臣に、配備候補地の選定の見直し等を要望しています。
同時に花田阿武町長は、イージス・アショア配備に反対を表明して1年たった9月21日に「今後も反対の姿勢は変わりようがない」との姿勢を鮮明にしています。
防衛省は、何度も「住民の理解が前提」と述べています。
ならば、防衛省が、西台の仰角を調べ直した再調査の報告をもってむつみを「適地」としようとするのはあまりにも拙速です。
次に、佐竹秋田県知事が新屋は「無理だ」との姿勢を示している点です。
冒頭引用した山口新聞の記事にもありますが、佐竹秋田県知事が住宅密集地に近い新屋演習場は困難との姿勢を示し、防衛大臣も「ゼロベースで検討する」と述べているように、秋田市に配備しようとしているイージス・アショアの配備地に関しては根本的な再検討が行われようとしています。
防衛省は、秋田と山口の二つのイージス・アショアで日本中をカバーすると説明してきました。
秋田と山口はセットです。
秋田の候補地が「ゼロベース」で検討が行われている最中に、山口のイージス・アショアの配備地だけを強行することは認められません。
また、イージス・アショア配備予定地の近くに住宅が存在するのは、秋田市だけではありません。
むつみ演習場周辺にも多くの民家があり、そこで暮らす国民がいる、国民の命の重さは同じであることを忘れてはならないと思います。
最後に、課題は西台の仰角の間違いだけではないということです。
今年6月に、村岡県知事と藤道萩市長と花田阿武町長が防衛大臣に4回目の照会を行っています。
この照会は、①電波環境調査について②地質・測量調査について③活断層について④騒音と迎撃ミサイル発射時の噴煙について⑤安全・安心のための具体的措置について、であり、とても詳細なものです。
防衛省は、こられの照会内容についても詳細な回答を今回行うのでしょうか。
また、今行われている防衛省の専門家会議では地震への影響と「むつみ演習場に関する水環境への影響に係る各種調査について、その結果と、それを踏まえた対策の妥当性」が協議されている最中です。
これら課題がある中で、西台の標高の間違いの修正という再説明だけで、イージス・アショアを強行することはできません。
9日に、防衛省は、山口向けの地元説明資料案を議題に、防衛副大臣を本部長とする「イージス・アショア整備推進本部」を開催する予定です。
この資料に、どこまでの資料が盛り込まれるのか注目しなければなりません。
17日の防衛副大臣の来庁と、19日からの説明会の内容にも大いに注目していきたいと思います。
「再調査も むつみ『適地』」との報道を皆さんはどうお考えですか。
イージス・アショア配備に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。