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県の「避難所運営マニュアル指針」に新型コロナ対策加わる

 私は、昨年6月県議会の一般質問で、県が市町に向け策定している「避難所運営マニュアル策定のための基本指針」に新型コロナ対策を盛り込むことを求める次の質問を行いました。
 「内閣府などは、6月8日、都道府県等に対し、新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所開設・運営訓練ガイドラインを発出した。県が、2018年3月に策定した避難所運営マニュアル策定のための基本指針は、国のガイドラインを受けて改定すべきだ。」
 この質問に内海総務部長が次のように答えました。
 「国から示された留意事項等も踏まえながら、避難所のレイアウトの見直しや避難者を受け入れる際の対応など、各市町の対応例を、今後、県の基本指針に反映する。」
 私の質問を受け、県は、昨年10月に「避難所運営マニュアル策定のための基本指針」を改定し、新型コロナウイルス感染症などへの対応を追加しました。
 具体的には、「避難者の健康管理」の章に、「感染症対策(新型コロナウイルス等)のため避難所で対応すべき対策例」を明記し、「資料」を示しています。 
 資料は、「避難所における感染症対策(例)」として、①基本的な考え方②段階別の対策③対策例と事例④避難所担当職員への周知⑤参考(主な検討事項例)について明記し、①事前周知用チラシ(例)②避難所掲示用チラシ(例)を示しています。
 私が一般質問で指摘をした結果、県の「避難所運営マニュアル策定のための基本指針」に感染症対策への対応例が明記されました。担当する防災危機管理課の皆さんに感謝したいと思います。
 改定された「避難所運営マニュアル策定のための基本指針」は、県のホームページから防災危機管理課を検索していただければ、見ることができます。
 山口県も近く梅雨入りします。コロナ禍と災害が同時に襲う可能性もあります。これから県内で避難所開設という場面も出てくる可能性があります。改定された基本指針が生きることを願っています。
 災害が発生しやすい時期を迎えました。避難所の運営について、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

(仮称)室津吉母風力発電事業に反対する請願が12月下関市議会で採択

 4月21日、日立サスティナブルエナジー(株)(以下、日立)は阿武町奈古の阿武町民センターで「(仮称)阿武風力発電事業環境影響評価方法書住民説明会」を行いました。
 住民説明会で、私は、日立が下関市豊浦町で進める(仮称)室津吉母風力発電事業の見通しについて質しました。
 日立の担当者は、「現在、社内で検討中だ。」と答えました。
 説明会に参加された県民の方から、改めて、日立が進める室津吉母風力発電事業の現状を知りたいとの問い合わせをいただきましたので、私が、これまでに承知している状況について報告したいと思います。
 日立は、下関市豊浦町で(仮称)室津吉母風力発電事業を行うとして、昨年7月16日、計画段階配慮書を経済産業省・山口県・下関市・長門市に提出しました。
 昨年11月13日に、室津自治会連合会他より、下関市長に保有する土地の売却若しくは貸付を行わない旨の陳情書及び事業への反対署名(室津地区853筆、他地区709筆、計1562筆)並びに室津地区団体(21団体)より反対表明書が提出されました。
 同日、室津自治会連合会と室津在生産森林組合は、下関市議会議長に、「(仮称)室津吉母風力発電事業の実施に関して、下関市が保有する土地の売却等を行わないことを求める請願」を提出しました。
 請願には、「令和2年7月に提出された計画段階配慮書では事業実施想定区域から約500mから約2㎞の範囲に住宅や学校等が所在することから。地域住民は不安と隣り合わせの生活を強いられていることになります。どこに住んでいても、安心して暮らすことができる環境を将来世代に引き継ぐことが私たちの責任と考えますので、私たちはこの事業には反対せざるを得ません。この事業の実施想定区域内に下関市が保有する土地があると聞き及んでおりますので、当該事業の実施に反対する私たちの声を重く受けとめていただきたく、以下の事項を請願いたします。」とあります。
 請願事項は「(仮称)室津吉母風力発電事業の実施に関して、下関市が保有する土地の売却若しくは貸し付けを行わないこと。」です。
 この請願は、昨年の12月定例下関市議会において、付託された経済委員会で全会一致で採択され、最終本会議でも採択されました。
 昨年の9月下関市議会において、日本共産党の片山房一議員が、地元で、風力発電事業に対して下関市が土地を売却若しくは貸すことに反対の声が上がっていることを受けて、前田市長に「周辺住民の反対が明確であれば貸すことはないと明言してほしい。」と質しました。
 前田市長は「ご理解がない場合は難しくなるんでしょう。私はそう思っています。」と答えました。
 いずれにしても、12月下関市議会で、土地の売却若しくは貸付を行うなとの請願が採択されたことは、今後、日立が本事業を進めていく上で大きな障害となることは明らかだと思います。
 私は、2月県議会の環境福祉委員会で、3月2日、(仮称)室津吉母風力発電事業に関し下関市議会で請願の採択が行われたことを指摘し「本事業に関し、事業を実施していくことは困難と思われる、対象事業の廃止などの公告が示されているか。」と質しました。小田環境政策課長は「対象事業の廃止公告などは届いていない。」と答えました。
 室津吉母風力発電事業同様、阿武風力発電事業においても風車から2キロ圏内に、540戸が存在しています。
 下関市議会で採択された請願にある「安心して暮らすことができる環境を将来世代に引き継ぐことが私たちの責任と考えますので、私たちはこの事業には反対せざるを得ません。」との言葉は、阿武風力発電事業にも当てはまります。
 下関市の取り組みが阿武風力発電事業の反対運動に生きることを願い私も引き続き、阿武風力発電所反対運動へ協力していくことをお約束し私からの報告といたします。
 尚、関係する文書は、私が持っていますのでお問い合わせください。

4年間で県内の入院ベッドが1112床も削減

 山口生活と健康を守る会の社会保障資料5月号は、山口県の地域医療構想に基づく病床機能報告結果(2019年7月現在)の公表を受けて、次のような記事を掲載しました。(表は割愛しその部分の文章をカットしています)
・・・
去る3月31日、山口県は地域医療構想(構想)に基づく病床機能報告結果(2019年7月現在)をやっと公表しました。例年は調査時点の1年後に公表していましたが、今回は9ヶ月遅れの公表(しかも4月28日には一部数値を訂正)です。県の担当者に聞くと「厚生労働省との調整に手間取った」と語っていますが、厚生労働省が2019年9
月に行った“公立・公的病院の統廃合・病床削減の名指し“と関係があるのではないかと疑りたくもなります。
 それはともかくとして公表数値を見てみたいと思います。
 構想の基準年(2015年)と比べて2019年時点の病床数は全体で1,112床の減少。機能別に見ると高度急性期、急性期、慢性期が減少して回復期が増加しています。傾向としては、高度急性期と急性期は回復期に転換され、慢性期は介護医療院への移行と一部は回復期に転換されているようです。
 また、目標年(2025年)に向けては慢性期病床の介護医療院への転換が本格化してさらに1,499床が減少する見込みで、合計の予定削減数は2,611床となります。
  一方、構想では目標年(2025年)の必要病床を15,889床、削減数は6,384床としています。これに対し、今回報告の予定削減数は2,611床ですから、その「達成率」は40.9%に過ぎません。もともと「必要病床数」は、山口県が国の算式を基に機械的に算出したものですが、今回の報告結果は、改めて、この削減目標が地域の実情からも医療現場の実態からも離反した“無謀な数値”であることを明らかにしたと言えます。
 次に医療圏ごとの動向を見てみます。なお、これ以降の表は山口県地域医療構想と2019年病床機能報告結果から作成したものです。
【岩国医療圏】
 高度急性期病床が大幅に削減されています。これは岩国医療センターが高度急性期240床を急性期に転換したことによるものです。また、岩国市医療センター医師会病院は20床、岩国市立美和病院は15床、同錦中央病院は5床をそれぞれ廃止、みどり病院は慢性期60床を介護医療院に移行しています。
【柳井医療圏】
 急性期と慢性期が減、回復期は増加していますが、課題の高度急性期はゼロのままです(表4)。周東総合病院は54床を急性期から回復期に転換、周防大島町立東和病院は54床を、同大島病院は39床を慢性期から回復期にそれぞれ転換しました。同橘病院は17床を廃止して有床診療所(19床)に転換、本年2月にはその19床さえも休床しています。
 さらに本報告時点(2019.7)以降、周東総合病院は39床を急性期から回復期に転換し、東和病院は26床を廃止、光輝病院は慢性期病床668床を介護医療院に移行するとしています。
【周南医療圏】
  急性期と慢性期が減少し、回復期が増加しています。周南記念病院は50床、徳山病院は46床、下松中央病院は28床を急性期から回復期に転換、また、周南リハビリテーション病院は40床、徳山病院は32床を慢性期から回復期に転換しました。
 さらに本報告時点(2019.7)以降、周南市立新南陽市民病院は50床を急性期から回復期に転換、周南高原病院は57床、鹿野博愛病院は36床の慢性期病床を介護医療院にそれぞれ移行するとしています。
【山口・防府医療圏】
 急性期と慢性期病床が減少し、回復期が増加しています(表6)。県立総合医療センターは56床、小郡第一病院は45床、防府胃腸病院は60床を急性期から回復期に転換、また、阿知須共立病院は45床、山口リハビリテーション病院は30床を慢性期から回復期に転換、阿知須同仁病院は60床、山口若宮病院は56床の慢性期病床を介護医療院に移行しました。
 さらに本報告時点(2019.7)以降、山口赤十字病院は病棟建替えに絡めて高度急性期36床と急性期83床を回復期44床と慢性期25床に転換し休棟分48床を含めて98床を廃止します。また、湯田温泉病院は慢性期46床を回復期に、防府リハビリテーション病院は慢性期100床を介護医療院に移行するとしています。
【宇部・小野田医療圏】
 高度急性期と慢性期が減少し、急性期と回復期が増加しています。山口大学医学部附属病院は高度急性期375床を急性期に転換。また、宇部記念病院は急性期66床、山口労災病院と尾中病院は急性期各60床、宇部協立病院は急性期52床、シーサイド病院は慢性期51床、宇部第一病院は32床の慢性期を回復期にそれぞれ転換しました。宇部リハビリテーション病院は120床、宇部西リハビリテーション病院は78床の慢性期病床を介護医療院に移行。綿田内科病院(39床)は廃止、美祢市立病院は急性期7床を減床しています。
 さらに、本報告時点(2019.7)以降、小野田赤十字病院は急性期40床を回復期に、セントヒル病院は43床、宇部記念病院は34床の慢性期病床を回復期に転換。また、尾中病院は慢性期60床を介護医療院に移行するとしています。
【下関医療圏】
 高度急性期・急性期・慢性期が減少し、回復期が増加。病床転換の進捗率は最も高くなっています。下関市立市民病院は高度急性期204床を急性期と回復期に転換する一方、下関医療センターは急性期96床を高度急性期に転換しています。下関市立豊田中央病院は急性期45床と慢性期26床を合わせて回復期60床とし、昭和病院は急性期46床と慢性期120床を回復期106床と介護医療院60床に転換、武久病院は87床、安岡病院は51床、光風園病院は47床、岡病院は46床の慢性期をそれぞれ回復期に転換。また、安岡病院は44床、王司病院は48床の慢性期病床をそれぞれ介護医療院に移行、下関医師会病院(64床)は廃止され、下関市立市民病院17床と光風園病院13床は減床となっています。
 さらに、本報告時点(2019.7)以降、武久病院は95床、森山病院は48床、桃崎病院と岡病院はそれぞれ32床の慢性期病床を介護医療院に移行するとしています。
【長門医療圏】
 急性期と慢性期が減少し、回復期が増加していますが、課題の高度急性期はゼロのままです。長門総合病院は急性期6床と慢性期38床を回復期40床に転換し4床を減床。斎木病院も急性期8床を減床しています。
 さらに本報告時点(2019.7)以降、俵山病院は慢性期50床を介護医療院に移行するとともに10床を減床するとしています。
【萩医療圏】
 急性期が減少し、回復期が増加しています。都志見病院が急性期57床を回復期に転換したことによるものですが、課題の高度急性期はゼロのままです。
 さらに本報告時点(2019.7)以降、全真会病院は54床、萩慈生会病院は40床の慢性期病床を介護医療院に移行、都志見病院は慢性期29床を減床するとしています。
 新型コロナの感染拡大が地域の医療提供体制に深刻な影を落とす中、県内では高度急性期病床の削減・転換が目立っています。具体的には、山口大学医学部附属病院375床、岩国医療センター240床、下関市立市民病院204床、山口赤十字病院36床などです。病状急迫時に医療資源を集中投下して治療に当たる高度急性期病床の削減は、地域医療の大きな機能低下に直結します。
 SARS(重症急性呼吸器症候群・2002年)、MERS(中東呼吸器症候群・2012年)や今回の新型コロナなど新たな感染症が繰り返し発生している歴史的事実は、地域の医療提供体制には平常時から一定の“ゆとり”が必要なことを教えています。
 医療費抑制のために入院ベッドを削減しようとする地域医療構想は一旦中断するとともに、公立・公的病院を名指しして統廃合に追い込むような企ては直ちに撤回すべきと考えます。
・・・
 地域医療構想が提起されてこの4年間で、県内で1112床が削減されたことは重大です。2025年に向けて更に1499床のベットが削減されようとしています。医療構想そのものは、2015年に対し2025年は6384床削減するというとてつもないものです。
 同時に県内で高度急性期病床が大幅に削減されようとしていることは、新型コロナの嵐の中とても心配されることです。
 「地域医療構想は一旦中断するとともに、公立・公的病院を名指しして統廃合に追い込む企ては撤回すべき」とする社会保障資料の指摘に共感します。
 私は、過去の議会と環境福祉委員会の中で、地域医療構想に基づく急激な病床の削減に反対し、コロナ禍の中、構想の中断を県に求めてきました。
 社会保障資料の指摘を受けて、更に、この方向で発言を続けていこうと決意を新たにしました。
 県内で大幅な病床の削減が行なわれ、これから更に行われようとしています。この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

県知事へ新型コロナ対応に係る申し入れ(第6次)行う

 昨日、日本共産党県委員会と同県議団は、村岡知事に対して、新型コロナ感染症の対応に係る申し入れ(第6次)を行いました。

 申し入れは、私と木佐木県議、河合県副委員長が行い、県防災危機管理課の担当者が受け取りました。

 新型コロナウイルス感染症の対応に係る申し入れ(第6次)を手渡す河合副委員長

(手前が私、奥が木佐木県議)

 来週から始まる臨時議会の閉会までに文書で回答を受けることにしています。

 申し入れの文書は以下の通りです。

山口県知事
村岡嗣政様

2021年5月6日

日本共産党山口県委員会 
委員長 吉田 貞好
日本共産党山口県議会議員団
団 長 木佐木大助

新型コロナウィルス感染症の対応に係る申し入れ(第6次)

 新型コロナ感染は第4波の拡大期に入り、東京など4都府県に緊急事態宣言が発令されました。県内でも変異株による感染者が増加するなど、日々、深刻さを増しています。
 県内でもワクチン接種が始まりましたが、当初想定されたスケジュールからは大きく遅れており、国の後手対応に苛立ちが増しています。
県内業者、特に飲食に関わる業種は、「緊急事態宣言も出ていないのに外国客も地元の客もこの1年減ったまま。もう持ちこたえられない」との悲鳴が上がり、現に休廃業した店も増えています。
 あらためて、現時点での県民の命と暮らし、生業を守るための緊急要望をいたします。
 善処方ご検討いただき、後日、文書で回答ください。

《申し入れ事項》

1,医療体制の維持とPCR検査の抜本的な拡充
①新型コロナ患者を受け入れている医療機関はもとより、受診抑制の影響を受けている医療機関への財政支援を国に求めるとともに、県としても実態把握を行い、必要な財政手当てをすること。
②新型コロナ感染拡大の最大の要因である無症状感染者を早期発見し、保護・隔離するため、広島県が実施している薬局等を通じたPCR検査キットの無料配布に取り組むこと。
③若い世代に感染が広がっている状況を踏まえ、小中高校、大学生を対象にした前項のPCR検査キットの無料配布を検討すること。
④県が実施している介護保険施設や障害者施設等の従事者を対象にした一斉PCR検査については、1回限りとせず、ワクチン接種が行き渡るまでは頻回検査を実施すること。
⑤新型コロナ感染患者を受け入れている医療機関の従事者については、定期的なPCR検査を実施すること。また、それ以外の医療機関の従事者のPCR検査費用についても行政検査と同様の扱いにするよう国に求めること。
⑥新型コロナ感染拡大で懸念されている病床ひっ迫を加速させかねない地域医療構想に基づく病床削減、病院統合計画は中止し、拡充に転換するよう求めること。
⑦受診抑制につながる75歳以上の医療費2割負担への国の計画は中止するよう国に求めること。

2,ワクチンの迅速な接種体制の整備
①国に対し、必要なワクチンを一刻も早く確保するとともに、その配布スケジュールを明確にするよう求めること。
②自治体が実施するワクチン接種が円滑に進むよう県として人的、財政的な支援を行うこと。

3,中小零細事業者、困窮者等への支援
①営業時間の短縮や観光客の減少などで経営困難に陥っている中小零細事業者の経営を支援するため持続化給付金と住居確保支援金の再度交付を国に要望するとともに、県としても独自の財政支援を行なうこと。
②新型コロナによる失業や減収により生活に困窮する世帯等が増加していることを踏まえ、国に対し、定額給付金を支給するよう求めるとともに、県としても支援をすること。
③全国的に社会問題化している、生理用品が買えず、外出をためらう「生理の貧困」を生じさせないため、公立学校や公共施設に無料配布する窓口を設置すること。

4,東京オリンピック・パラリンピックの見直し
①新型コロナ感染拡大の第4波の終息見通しが立たない中で、感染拡大、医療体制のひっ迫を防ぐため、東京オリンピック・パラリンピックは中止するよう国に求めること。

以上

・・・

 引き続き、新型コロナウイルス対策に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

9知事「五輪 感染次第」と回答

 4日、毎日新聞は、東京オリンピック・パラリンピック開催について全47都道府県知事にアンケートを実施し、結果を次のように報じました。
 「4月20日に書面を送り、28日までに全知事から回答を得た。1問目は都道府県民の健康を守る立場の知事として開催をどのように考えるかを尋ね①感染状況にかかわらず開催すべきだ②感染状況次第で中止・延期すべきだ③すぐに中止延期すべきだ④わからないーの選択肢を示した。①と③を選んだ知事はおらず、秋田▽茨城▽埼玉▽山梨▽長野▽静岡▽鳥取▽大分▽沖縄各県の9知事がいずれも開催のメリットを認めつつも②を選択した。」「富山、岡山、広島、宮崎、鹿児島の5知事は『わからない』を選択。残る33知事は選択肢から回答を選ばす、『県として開催の可否を論ずる立場にない』(福井)、『大会の主催者等が判断すべきだ』(岐阜)などと政府や大会組織委員会、東京都などの判断に委ねる説明が目立った。」
 デジタル版には、各都道府県知事のコメントが掲載されています。
 山口県の村岡知事は無回答その他とし次のようにコメントしています。
 「新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえ、東京2020大会に参加される選手・関係者はもとより、すべての国民に対する安全・安心の確保が重要であり、それが困難な状況になれば、主催者により開催方法の変更や、中止・延期を含め、適切に判断されるべきと考える。東京2020大会主催の主体となる5者(IOC,IPC、東京都、政府、大会組織委員会)において、専門家等の意見を取り入れ、感染対策を万全にし、科学的・客観的な観点から、安全・安心な大会が実現されるよう、しっかりと準備を進めていただきたい。」
 村岡知事は、五輪について、自らの意見は避け、主催者に判断を委ねる回答であり、私としては残念なものでしたが、「すべての国民に対する安全・安心の確保」が「困難な状況になれば」「中止・延期も含め」主催者が判断すべきと「中止・延期」も含めて検討すべきとの発言を行ったことは重要です。
 4日のしんぶん赤旗日刊紙は、「東京五輪・パラリンピック組織委員会が、大会中に各会場医務室などで対応可能な日本スポーツ協会公認ドクター(医師)を同協会を通じて200人程度募集していることが3日までに、分かりました。」「東京大会の医療スタッフをめぐっては、『しんぶん赤旗』のスクープで、組織委が4月に日本看護協会に対して看護師500人の確保を依頼していたことが判明しています。内閣府などによると、大会期間中に必要な医療従事者は医師約300人、看護師約400人のほか、歯科衛生士、理学療法士などとしています。うち医師と看護師のそれぞれ100人ずつが、新型コロナに対応するといいます。のべ人数では、約1万人の医療従事者が必要としています。国内で新型コロナの感染が拡大しているなか、医療従事者を退会に動員することは、医療現場などから厳しい批判が上がっています。」
 しんぶん赤旗日曜版(5月3・9日合併号)は、「東京都内の公立・私立の幼稚園から高校、特別支援学校などの園児や生徒などの約8割、約81万人を今夏の東京五輪・パラリンピック競技観戦に『動員』するー。新型コロナウイルス感染拡大が深刻となる中、子どもの命とリスクにさらす無謀な計画を都が強行しようとしていることが日曜版編集部の調べで分かりました。」と報じました。
 3日のしんぶん赤旗日刊紙に、水無田気流国学院大学教授が「東京五輪が『開催ありき』で進んでいることに危惧しています。」と発言しています。
 自民党の二階幹事長が東京五輪の開催は「中止を含めて」検討すると発言したことが大きな話題となりましたが、実際は、「開催ありき」で進んでいるとしか考えられません。
 五輪関係者は、村岡知事が指摘するように「中止・延期」を含めて検討すべき時にきています。
 コロナの第四波が猛威を振るう中、国民の命と五輪開催の両立はとても難しい状況です。五輪に約1万人の医療スタッフを動員することは無謀としかいいようがありません。
 東京五輪の開催について皆さんはどうお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。

映画「ノマドランド」

 2020年ベネチア国際映画祭金獅子賞と2020年トロント国際映画祭観客賞をW受賞したのがクロエ・ジャオ監督の映画「ノマドランド」です。2021年アカデミー賞では、作品賞、監督賞、主演女優賞の三部門を「ノマドランド」が独占しました。
 映画のチラシには「あなたの人生を変えるかもしれない、特別な作品」とありますが、昨日、この作品を観た私にとって、まさにこのキャッチフレーズ通りになりました。県内では下関市の映画館で今月中旬まで上映しています。一人でも多くの皆さんにこの作品に触れてほしいと思います。
 映画のチラシからこの映画の概要を紹介します。
 「企業の破たんと共に、長年住み慣れたネバダ州の住居も失ったファーンは、キャンピングカーに亡き夫との思い出を詰め込んで、〈現代のアマド=遊牧民〉として、季節労働の現場を渡り歩く。その日、その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うアマドたちとの心の交流と共に、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていくー。」
 この映画の原作はジェシカ・ブルーダーのノンフィクション小説「ノマド 漂流する高齢者労働者たち」です。
 ジェシカは、昔から季節労働者はいたが、2000年代に入ってからはノマド(放浪の民)が増えてきたと次のように書いています。
 「昔ながらの家やアパートに住むことを諦めて、『車上住宅』に移り住んだ。現代のノマド(放浪の民)である。彼らにとってはどんな車も『住宅』になる。」
 アメリカにノマドが生まれた背景をジェシカはこう説明しています。
 「かつて中流階級が不可能な選択を迫られた結果、『ふつうの暮らし』に背を向けて立ち去りつつあるのだ。」
 ジェシカは「不可能な選択」をこう説明します。
 「食べものと歯の治療」「住宅ローンの支払いと電気代の支払い」、「車のローンの返済と薬の購入」、「家賃の支払いと学生ローンの返済」、「冬物の衣類と通勤用のガソリン」
 総じて、ジェシカは、ノマドが生まれる背景をこう解説しています。
 「とどまることを知らない家賃の高騰と、頑として上がらない賃金という経済的矛盾から脱出しようともがく人々だ。皆、万力に挟まれているかのような閉塞感のなかで、気が滅入るほど単調で骨が折れ、それでいて駐車料金や住宅ローンを払うとあとには何も残らない低賃金の仕事に、ありったけの時間を費やしている。暮らし向きを長期的に向上させる手立てもなく、リタイヤするあてもないままに。」
 ジェシカは「賃金の上昇率と住宅費の上昇率があまりに乖離した結果」ノマドが増えていると分析し次のように書いています。
 「私が出会ったノマドの多くは、勝てる見込みのない出来レースに時間を費やしすぎたと感じて、システムの裏をかく方法を見つけ出していた。伝統的な『ふつうの』家をあきらめることで、賃貸料や住宅ローンのくびきを壊したのだ。彼らはキャンピングカーやトレーラーハウスに移り住み、その時々に気候の良い場所から場所へと移動しながら、季節労働でガソリン代を稼いでいる。」
 この本の訳者である鈴木素子さんがこの作品についてこう書いています。
 「経済がグローバル化したいま、アメリカの経済危機が対岸の火事で済まないことは、私たちも痛いほど経験している。日本国内を見ても明るい材料は乏しく、先が見えない。少子高齢化が急速に進み、年金が医療保険の財源が先細るなか、自己責任の範囲は拡大するばかりだ。」
 鈴木さんの指摘の通り、映画「ノマドランド」は、日本の現実を写す鏡として見てほしいと思います。
 一方、鈴木さんは、こうも書いています。
 「そんな危機感を抱かせるにもかかわらず、本書の読後感は意外に明るい。車を生活の場とするライフスタイルに、自由への憧れが刺激される。登場するさまざまなキャンピングカーや改造車の写真を眺めていると、尽きせぬ興味がわいてくる。」
 映画「ノマドランド」の主人公であるファーンは脚本上の人物であるけれど、この映画には多くの実際のノマドの人々が登場しています。
 映画の中で、癌を患い余命を宣告されて「ノマド」として移動を続ける女性がファーンに今までに出会った自然の素晴らしさを語るシーンがあります。
 カヌーで川を下る彼女。無数のつばめの巣が集中した場所がありました。卵から雛がかえり、卵の殻が川に落ちてきます。親燕が一斉に飛び立ちます。こんな光景を見た時に彼女は「この瞬間に死ねたら、幸せ」と思ったとファーンに語ります。
 私は、冒頭でこの映画が「あなたの人生を変えるかもしれない特別な作品」になったと言いましたが、私は、このシーンを観て、人生の価値について考えさせられました。
 自分の人生を大切に生きるとは何かを考えさせられ、考えていこうとました。
 人生を変える映画とは、これまでの生き方を問い直す作品だと思います。
 私にとって、「ノマドランド」はこんな作品でした。
 「ノマドランド」をご覧になった皆さん感想をお聞かせ下さい。