ブログ

山口県と島根県の県境付近に県内最大規模の風力発電施設の計画が浮上

 22日、KRY山口放送は、山口県最大規模の風力発電所計画「西中国ウインドファーム」について次のように報じました。
 「最大33基で14万キロワットを超える山口県内最大規模の計画となている。新たに計画されているのは『西中国ウインドファーム』で、電源開発の担当者が県の審査会の委員に計画の概要を説明した。事業の想定区域は周南市と岩国市、島根県吉賀町にまたがる山間部で、敷地面積はおよそ1万ヘクタール。1基あたり最大4300kWの風力発電機を最大33基設置する計画だ。総出力は最大14万1900kWで、事業化すれば県内の風力発電では最大規模となる。電源開発は風力発電機の配置は今後示すとしたが、審議会の委員からは想定区域内にブナの原生林や鳥獣保護区があることから、具体的な記述を求める意見などがあった。今回、電源開発が示したのは環境影響評価の第一段階にあたる計画段階配慮書というもので、来月8日までに関係する自治体で縦覧が行われている。この配慮書について関係する市長は12月10日までに市長意見を、知事は来年1月14日までに知事意見を出すことになる。」
 私は、この報道を受け、事業想定区域内に保安林はないのかについて、県農林水産部森林整備課に照会を本日行いました。
 11月8日のしんぶん赤旗日刊紙は「主張」で「再生エネ普及の障害」として次のように指摘しました。
 「森林法などの現行法は、大規模な伐採や土地の改変をともなうメガソーラーや風力発電の集中立地を想定していません。再エネの地域資源としての活用と大量導入との両立には、環境保全のための森林法の改正、土砂崩れの危険性も評価事項に加えるなど環境アセスの改善が必要です。環境保全地区と建設可能地区の明確なゾーニング(区分)を住民の参加と合意のもとで自治体が行うことも強く求められます。」
 大手事業者などによって、地域住民の声を無視した、もうけ本位の開発による再エネの発電施設建設に対しては、規制の強化が求められます。
 国の規制と同時に山口県においても保安林や土砂災害特別警戒区域へのメガ発電施設の建設は認めないなどの対応が求められます。
 山口県と島根県の県境付近に、県内最大規模の風力発電施設の建設に向けて環境アセスメントの審査が始まりました。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

県が管理する県道沿いの非常電話の故障は今年度中に改修の見通し

 11月5日、NHKは、自動車専用道路の「非常電話」の故障について次のように報じました。
 「三重県と奈良県を結ぶ自動車専用道路およそ60キロの区間に設置されている『非常電話』の8割以上が故障で使えないことがわかりました。国道事務所は携帯電話の普及などで必要がなくなったとしていますが専門家は緊急時に混乱を生むので早急に撤去すべきだと指摘している。事故などを通報するための非常電話の大半が使えなくなっているのは、自動車専用道路『名阪国道』のうち、三重県亀山市と奈良市の間のおよそ56キロの区間です。この区間を管理している北勢国道管理事務所によりますと上下線に設置されている非常電話136台のうち、8割を超える116台が経年劣化などで故障して使えないということです。名阪国道は無料の自動車専用道路で設置の義務はなく、国道事務所は携帯電話が普及し、国道の状況をカメラで把握しているためトンネル以外は非常電話は必要なくなったと説明しています。北勢国道事務所の草川安重副所長は『古くて部品が製造されていない電話もあり更新は難しい。時期は決まっていないが撤去することを検討したい』と話しています。一方、交通政策に詳しい関西大学の安部誠治教授は『非常電話を頼ったのに使えないという事態が起きる可能性もある。誤解を招かないように早急に撤去すべきだ』と話しています。」
 私は、このニュースを受け、県道に設置してある非常電話の状況について県道路整備課に調査を依頼し、先日、回答をいただきました。
 県道路整備課の担当者は、県道に設置してある非常電話の状況について私に以下のように説明しました。
 「地域高規格道路等やトンネルなど県が設置している非常電話は333機ある。現時点で、16機が故障している。非常電話については、デジタル化への工事を行っており、今年度は40機のデジタル化を予定し、今年度でデジタル化工事が完了する予定である。故障している16機については、デジタル化工事の中で今年度中に改修することとしている。333機の非常電話については、削減する計画はなく、今後とも定期点検を行い、適切に管理・維持していきたい。」
 非常電話が設置されている地域高規格道路は、山口宇部道路、宇部湾岸道路、小郡萩道路です。高規格道路では、長門俵山道路に非常電話が設置してあります。その他は、長距離のトンネル内に非常電話が設置してあります。
 県が管理する非常電話は、今年度中にデジタル化と故障した電話の改修が完了するとの説明に安心しました。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

映画「僕の帰る場所」を観ました

 ワイカムシネマで2017年に作成された藤元明緒監督の映画「僕の帰る場所」を観ました。
 藤元監督は1988年生まれ、この映画を作成に着手した頃は20代でした。藤元監督は、この映画を作成するに至った経緯を次のように語っています。藤元監督は、「ミャンマーに関わる長編映画の監督募集」に応募します。
 リトル・ヤンゴンと言われる高田馬場に通う藤元監督は次のように映画のパンフレットの中で話します。
 「(在日ミャンマー人の方々の)話を聞くと、みんな『難民』や『難民申請中』の人たちなんですよ。そして『なかなか難民に認定されない』と。僕は東京にそんな人たちがいるなんて想像もしていなかったんです。それから入管のボランティアに行くようになって。そのうち、『僕の帰る場所』の父アイセのモデルになった男性に出会うんです。お酒を飲みながら彼に話を聞いたら『(難民)申請をしてもなかなか通らなくて、奥さんが鬱病になってしまった。6歳と3歳の子どもを連れてミャンマーに帰ってしまった。特にお兄ちゃんは日本で育っているから、ミャンマーに馴染めないんだ』と。そして母親に向かって『おまえのせいでこうなったんだ!』と怒鳴ったというんです。僕も親が離婚した時に同じセリフを親に言ったことがあった、と心情レヴェルで共感できて『お兄ちゃんを撮ることは僕にしかできない!』とはっきり思えたんです。」
 藤元監督はキャストについてこう述べています。
 「6歳と3歳の兄弟を探していたら、在日ミャンマー人コミュニティの方が『いるよ』と紹介してくれたのが、カウン君とテッ君です。二人は実際の兄弟です。会ってみたら、お兄ちゃんはミャンマー人というより日本人に見える。『どうかな?』と思ったけど、条件を満たすのはこの兄弟しかいない。お母さんに挨拶に行ったら魅力的で『彼女はケイン役にぴったりだ』と思えたんです。」
 藤元監督は、撮影についてこう述べています。
 「『ドキュメンタリー風に撮ろう』とは意識していなかったんです。もともとフレームをしっかり決めて、どしっとフィックスで撮りたかったですが、撮影開始すぐに動き回る子どもたちをみて『この撮り方は違う』と思ったんです。フレームの中に子どもたちを押し込めるのではなくて、子どもたちをカメラが追うのでなければ、って。」
 ストーリーが実話で、キャストが実際の親子だということに映画を観た後に知って、だからこその出来栄えだと実感しました。
 それにしても、ストーリー通りに子どもたちの演技が、「ドキュメンタリー」のように進行していく様子は圧巻でした。
 主役であるお兄ちゃんの演技は素晴らしかったです。同時に、弟の「お父さんに会いたい」「お母さんに合いたい」と愚図る演技は自然でした。
 この映画には日本の難民認定制度の問題点が大きなテーマとなっています。法務省入国管理局・難民審査参与員でもある名古屋大学講師の浅川晃広さんは、この映画について「難民認定制度はもちろん、在日外国人の雇用、いわゆる移民一世と移民二世の関係と確執、外国人と言語、外国人の子供の教育、外国人の母国への帰還と再適用(いわゆる『帰還移民』)、といった移民政策研究の立場から見ても、あまりにも多くの論点が盛り込まれている。」と映画のパンフレットで述べています。
 外国人問題では、スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんの事件で入管制度の問題点が大きくクローズアップされました。
 この映画は、外国人問題を考えていく上で大きな示唆を与える作品でもあります。
 やはり、この映画は、今のミャンマーに想いを馳せる作品です。
 ミャンマーに帰還した親子は、今、元気なのだろうかと考えてしまいます。
 ミャンマーは今年2月1日に起きたクーデター以降、国連の発表では、軍の弾圧による死者はすでに138人にのぼると言われています。
 ミャンマーは仏教国という繋がりもあり、念仏者9条の会の関係で、ミャンマーを支援するZOOM会議に数回参加しました。
 それ以来、私は、「自由、平等、正義」の3本の指を立てるミャンマー民主化のシンボルをデザインしたバッチを付けて、議員活動を続けています。
 2010年代中頃の映画に出てくるサイゴンの街はとても活気があるものですが、今は、どうなっているのでしょうか。
 いつしか、私の夢は、国軍の暴挙がおさまり、ミャンマーに民主主義が回復した暁には、是非ともミャンマーに足を運びたいと思います。
 今回の映画の売り上げは、ミャンマーの市民を支援する資金となるとのことです。
 この映画は、東京国際映画祭「アジアの未来」部門でグランプリと監督賞を受賞するなど、国際映画祭での賞を相次いで受賞しています。
 藤元監督、素晴らしい作品をありがとうございました。これからもミャンマーを始め、私たちが知りたい問題をダイナミックな映画として紹介していただきたいと思います。
 映画館で近日公開作品であるジョニー・デップ主演の映画「MINAMATA」が紹介されていました。年末には、「MINAMATA」を観たいと思います。
 映画は人生を豊かにしてくれます。皆さんの最近ご覧になった映画の感想をお聞かせ下さい。

県環境政策推進会議で、県地球温暖化対策実行計画の改定が表明される

 20日付、本ブログで、中国新聞が「県が、地球温暖化対策実行計画を見直す方針を明らかにした」と報じた内容を報告しました。
 記事の中にある18日に開催された「令和3年度山口県環境政策推進会議」の資料が、県ホームページに公開されましたので、地球温暖化対策実行計画の変更部分を紹介したいと思います。
 この会議の中で、環境生活部が作成した「地域脱炭素化に向けた取組について」という資料の中に、「山口県地球温暖化対策実行計画の改定」という項目があります。
 県は、県地球温暖化対策実行計画について「国の動きや社会情勢の変化を踏まえ、計画改定に着手」するとしています。
 県は、計画の必要性について以下の二点をあげています。
 ①10月22日に国地球温暖化対策計画の閣議決定により、新たな削減目標(2030年度に2013年度比46%削減)が成立したことから県の現行計画では整合性がとれなくなること
 ②削減目標の見直し等に当たっては、事業者や市町等へのヒアリングや意見集約等に相当な時間を要すること
 県は、国計画に即した対応が、全国的に加速化すると予想されることから、こうした動きに遅れることなく、計画改定に着手するとしています。
 県は、主な改正内容について以下の3点をあげています。
 ①2030年度における温室効果ガス排出量の削減目標の再設定
 ②新たな目標達成に向けた関連施策の見直し等
 ③県議会「脱炭素社会における産業発展方策調査特別委員会」の政策提言を踏まえ検討
 県は、今後の予定(案)として、R5年3月末の策定を目途に検討を開始するとしています。
 先のブログで紹介しましたが、私は、一般質問と環境福祉委員会で、山口県地球温暖化対策実行委計画の早期改定を求めてきました。
 国の削減目標を上回るような積極的な削減目標を持つ県計画にするために、今後とも必要な発言を続けていきたいと思います。
 山口県地球温暖化対策実行計画改定に向けて皆さんのご意見をお聞かせください。

宮本浩次さんのアルバム「縦横無尽」を聴いています

 宮本浩次さんの最新アルバム「縦横無尽」を聴いています。
 宮本さんは、1966年生まれですので、ほぼ同世代です。
 エレファントカシマシのボーカルとしての宮本さんのことは当然知っていましたが、これまでCDを購入するに至りませんでした。
 アルバム「縦横無尽」を聴いて、一気に宮本さんの虜になりました。
 何といっても圧倒的な歌唱力ですね。年齢を感じさせない高音とストレートな声に心をわしづかみされます。
 殆どの楽曲が、宮本さんの作詞作曲ですが、歌声と一緒で、ストレートな歌詞が最高です。
 中でも、半世紀以上を生きてきたことを実感させる「Passion」が良いです。
 「俺の生涯に悔いなしっていいたいぜ たった一度きりの俺の人生 風のようにタフにしなやかに飛びたいね」
 「どの道 この道 俺の道 行くぜ 転がり続けろ 全ては all right now and forever 晴れのち曇りそして晴れるや 信じてさ飛べ 俺は行く」
 60歳に近い私は、少々くたびれる時もあります。
 そんな気分を吹き飛ばしてくれる、背中を押してくれる楽曲ばかりが「縦横無尽」です。
 中古ショップでエレファントカシマシの「THE FIGHTING MAN」を購入して聞いています。テレビのCMで有名な「俺たちの明日」など、これまた、心に響く楽曲ばかりです。
 宮本浩次さんは、何と、今年の紅白歌合戦にソロでの出場が決まりました。
 大晦日は、紅白出場の宮本さんを応援したいと思います。 
 同じ時代を生きてきた宮本浩次さんの歌声に、今日も背中を押されて、今日もがんばろうと思います。
 24日は、議会運営委員会です。30日から11月県議会が始まる予定です。
 この議会でもしっかり発言していきたいと思います。
 皆さんの声を引き続き藤本に届けてください。
 よろしくお願いいたします。

深沢潮著「乳房のくにで」を読んで

 深沢潮さんの「乳房のくにで」を読みました。
 「海を抱いて月に眠る」は、「歴史」がテーマでしたが、「乳房のくにで」は「現代社会」がテーマです。それぞれ読み応えと共感のわく内容に大満足です。
 「乳房のくにで」について、深沢潮さんは、11月14日号のしんぶん赤旗日曜版のインタビューでこう語っています。
 「家父長制の押し付けや女性を母性に縛り付ける発想など、一部の政治家と一般の人とのギャップがすごすぎます。出生や性別など、属性によってスタートラインが違うことは私にとってもうっ屈の原因として積み重なってきたものでした」
 「乳房のくにで」に、「一部の政治家」の代表として、「徳田康男」が出てきます。
 徳田康男は、後援会のパーティーのスピーチでこう言い放ちます。
 「女は子どもを産めなくなったら終わりだから、姨捨て山が復活したらいいんじゃないか。」「働きたいなんて言うようになって、女が生意気になった。なまじ頭がよくなったから、女は子どもを産まなくなったんだ」
 11月21日号のしんぶん赤旗日曜版には、ライターの武田砂鉄さんのインタビューが掲載されています。
 武田さんは、新刊「マチズモを削り取れ」を刊行しました。マチズモとは、スペイン語のマッチョ(男らしい男)が変化した言葉で、「男性優位主義」のことです。
 武田さんは、インタビューの中で次のように語っています。
 「いま権力を持つ人は圧倒的に男性です。コロナ禍でも、非正規雇用の女性が最初に首を切られました。社会が困難に直面した時、真っ先に権利をはく奪されるのが女性だということは明らかです。『これまずくないですか』と問いかけるのは、『家が燃えていたら消火器で消す』くらいに当然です」
 「乳房のくにで」の主人公の奈江は、徳田家の末裔に対抗してたたかう候補を、次の理由で支援します。
 「さんざん苦しまされた男性中心のしくみを変えていくことで、生きづらさを減らされるのではないか、と希望が持てた。その希望を糧に、境遇の違うさまざまな女性たちと手を携えることができる、と実感できた。」
 「乳房のくにで」は、「男性優位主義」を乗り越える希望の書であると、私は実感しました。
 小説の最後に、選挙で政治を変えようというメッセージにも共感が持てました。
 これからも深沢潮さんの小説から多くのことを学んでいきたいと思います。