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二井元知事が上関原発の手続を「ご破算に」と発言する

 昨日の中国新聞は、「上関原発 誘致表明40年」と題して次の記事を掲載しました。
 「上関町が40年前に誘致を表明した原発の建設計画は、2011年の福島第一原発事故を境に進まなくなった。その一方で、原発関連交付金を頼りにしていた町は、疲弊の一途をたどった。国策に翻弄される地域をみつめる。22年度に原子炉が2基とも稼働する予定だった上関原発の予定地は、さざ波の音が聞こえるだけで、ひっそりとしている。陸側で整地が進んだものの、09年に着手した海面の埋め立て工事は中断したままだ。中国電力は当初、同町長島の南西端の埋め立て地で1号機が18年3月、2号機は22年度に運転を始める計画だった。原発事故後、県と町が慎重な対応を求め、中電は埋め立てや整地などの準備工事をストップした。国は事故を受け、原発の新増設に踏み込まず、中電が09年に申請した1号機の原子炉設置許可の審査は、まだ原子力規制委員会で始まっていない。『バランスの取れた電源構成に取り組む中、上関原発の必要性は高まると考えている』。中電上関準備事務所の内冨恭則広報部長(49)は強調し、建設の方針を崩していない。国が50年までに温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにする『カーボンニュートラル』を実現するには、原発の新設は欠かせないと説明する。中電は1号機の原子炉設置許可の審査に備え、建設予定地の断層をより詳しく把握する海上ボーリング調査をしようとしている。『世界一厳しい基準に対応するため』という。19年から調査を試みるが、建設予定地の対岸にある祝島の漁師たちが『完璧に安全な原発を造ることはできず、漁業補償もされていない』と現場に船を出し抗議し、21年まで3年連続で作業を見送っている。建設計画が進まない中、県は16、19年の2度にわたり海面の埋め立て免許の延長を許可した。国が05年に上関原発を重要電源開発地点に指定し、埋め立て地を使う見込みがあるためと県は説明する。ただ、原発本体の着工時期の見通しがつくまでは埋め立て工事をしないよう、中電に要請している。国は21年10月に改定したエネルギー基本計画で、世論の反発を予想し、原発の新増設には触れなかった。一方、上関原発の重要電源開発地点の指定については『事業者は計画を継続する意思があり、具体化している』(資源エネルギー庁電力基盤整備課)として解除を考えていない。『もう一度、上関が必要かどうかを知事に判断してもらいたい』。01年、建設計画に同意した二井関成元知事(79)は指摘する。当時、安全確保を前提にした21項目の意見を国に出し、国は電源開発基本計画に組み入れた。『国は(誠心誠意対応する)と答えたのに福島で事故が起きた。安全が確保できなかったのだから、私の時代の手続きはいったん、ご破算にすべきだ』と話す。上関原発は着工・運転開始の時期が未定のまま、海面埋め立ての許可が来年1月6日、三たび期限切れを迎えようとしている。街の誘致表明から40年、計画は揺らぎ、今も先行きが見通せない。地元では時間ばかりが過ぎ、過疎高齢化が急速に進んでいった。」
 二井元知事の「安全が確保できなかったのだから、私の時代の手続はいったん、ご破算にすべきだ」との言葉は重いと思います。
 一方、上関原発の重要電源開発地点の指定について、資源エネルギー庁電力基盤整備課が「事業者は計画を継続する意思があり、具体化している」との発言も重いものがあります。
 二井元知事が指摘する通り、中国電力は来年、埋立免許の期間伸長申請をたとえ行っても、村岡知事は「ご破算に」して許可を出すべきではありません。
 国は、「事業者が計画を継続する意思が」あったとしても、2011年の福島第一原発事故前の重要電源開発地点の指定は、「ご破算に」すべきです。
 国と県の二つの対応が相互依存して、これまで上関原発がストップされずにきました。知事が埋立免許の延長に対しこれを不許可とするとするか、国が重要電源開発地点の指定を解除するして、計画の停滞にピリオドを付ける時だと私は考えます。
 過酷事故が発生する可能性があることや、建設経費や維持・補償経費が莫大になることや核の廃棄物の処理の問題など、中国電力が言うように、原発が「カーボンニュートラル」の切り札になり得るはずはありません。この点からも国は、エネルギー基本計画に原発の新増設は行わないことをはっきり明記すべきです。
 参議院選挙も真っ最中です。日本共産党は原発に頼らないエネルギー政策を提案しています。この点でも日本共産党へのご支援をお願いいたします。
 上関原発問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
 

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