山田洋次名作映画DVDマガジンVol.2は、「キネマの天地」でした。
山田監督が1986年にメガホンをとった作品です。
映画の舞台は、大正末期から昭和初期にかけて17年間存在した「松竹キネマ蒲田撮影所」。
サイレントからトーキーに移行する日本映画界を活写した名作です。
主人公は、有森也実さん演じる新人女優の田中小春。モデルは山口県出身の田中絹代。
田中絹代は、大正14年に蒲田に入り、この撮影所で大女優になりました。
小春の父は渥美清演じる喜八。喜八が、小春の出生の事実を語るシーンが胸に沁みました。
笠智衆が老雑役夫で出演したり、当時、日本映画を代表する役者が総出演しています。
緒方監督という役どころですが、実に小津監督そっくりの岸部一徳さんの演技はお見事でした。
日本映画勃興期を愛情込めて描いた本作を改めて観ることができて幸せです。
次回は、1970年の「家族」。大阪万博の頃に製作された作品です。
私は、幼稚園の年長。家族で万博に行った記憶がなんとなくあります。
山田監督があの時代をどう描いているのか今から楽しみです。
新聞報道によると、山本知事は、昨日行った定例記者会見で、米軍厚木基地から岩国基地への空母艦載機部隊移駐が延期される見通しについて、防衛省の政務官が25日に県庁を訪れると連絡があったことを明らかにしたようです。
二井前知事は、米軍再編に対し、普天間飛行場の移転の見通しが立たないうちに艦載機の岩国基地への移駐のみを切り離して進めることは容認できないとの見解を示してきました。
山本知事は、昨日の記者会見で「この見解は堅持する」と述べましたが、その理由を「艦載機移駐を受け止めることが沖縄の負担軽減につながる考え方だから」と述べたと報道されています。
二井前知事が、「普天間飛行場移転の見通しが立たないうちは」と言った理由は、日米再編はパッケージだからということだったと思います。
普天間飛行場移転が進行しないのに、空母艦載機の岩国移転だけ先行されると、岩国基地だけに負担が押し付けられる日米再編になってしまいかねないので、二井前知事は、この見解を示したと私は理解しています。
山本知事は、沖縄の負担軽減を言うより先に、岩国基地への負担強化がこれ以上されないように、空母艦載機部隊の移駐問題やオスプレイ配備問題で県民の声を代弁してしっかり、国にもの申していただきたいと思います。
普天間の辺野古移転について、沖縄県民の理解は得られていません。山本知事が沖縄の負担軽減を言うなら、沖縄県と連帯して、基地機能が国外に移転するようともに働きけを行うべきだと思います。
そして、山本知事は、普天間移設問題が解決しないのなら、これまでの日米再編を見直すよう日米
両政府に求めるべきです。
いずれにしても、2014年までに実施するとしていた日米再編が大きな暗礁に乗り上げていることは確かです。
そして、山本知事は、住民の安全のために、沖縄も岩国も厚木も基地の負担を軽減する、在日米軍を抜本的にアメリカ本土に移す新たな日米合意を構築するよう日米両政府に求める時期に来ているのではないでしょうか。
空母艦載機岩国移転独自の問題では、恒常的に離着陸訓練(FCLP)を行う施設が決まっていないこともネックになっていることの一つだと思います。
鹿児島県馬毛島では、島ぐるみでの反対運動が続いています。
たとえ当面延期されたとしても、空母艦載機岩国移転そのものに独自の困難があることも忘れてはなりません。
艦載機部隊岩国移転延期に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
湊かなえさんの「告白」は発売直後に読んでいました。
映画化されたことも知っていましたが、映画館では観ていませんでした。
先日から、ドラマ「夜行観覧車」を観はじめ、湊さんの原作を読みはじめ、改めて、「告白」に再び注目するようになり、先日、中島哲也監督の映画「告白」を観、改めて、小説「告白」を読み返しています。
教え子に子どもを殺された教師が「告白」する物語。
子どもの殺害に関わった生徒がイジメに合うなど、小説通りの内容ですが、映像化されると胸に迫る内容の映画でした。
今日、子どもたちをめぐる状況が注目されています。
大津市のいじめ自殺問題に続き、今度は、大阪市での体罰自殺問題が発生しました。
昨日の赤旗日刊紙の3面に、橋下市長が、体罰自殺事件が発生した高校の入試を中止するよう求めている問題の報道がありました。
その最後に、井上大阪市議の市議会での発言が取り上げられていました。
「公教育が異常な競争至上主義に駆り立てられていたということを根本的に反省すべきです。競争や管理、統制では暴力はなくならない。生徒に声をかける余裕が先生にあるのか、生徒の内面の真実に接近して生徒が一番分かってほしいことを理解する教育の営みが行われているのか、改めて検証しなければなりません」
子ども同士のいじめも教師からのいじめも犠牲になるのは子どもです。
今こそ、こどもの成長を全面に考えた教育の「改革」が必要なのではないかと思います。
過度な競争があることを日本は、国連の専門機関から度々指摘を受けていますが、教育「改革」は大人にいいような改革に終始しているのではないでしょうか。
「告白」は映画も原作もセンセーショナルな内容ですが、子どもたちを取り巻く問題の深刻さを抉り出した力作だと思いました。
大人の英知で、子どもたちを取り巻く困難が少しでも取り除かれるようにと、小説と映画を観ながら考えました。
湊かなえさんの他の作品を改めて読んでみたくなった今日この頃です。
湊ファンの皆さん、お薦めの作品をお教え下さい。
今日の宇部日報は「全日空東京線『5往復』めど立たず」のリードでした。
ボーイング787型機運行見合わせの影響で、山口宇部空港から東京羽田便の内、1日3~4便が未だに欠航しているとも報道されています。
今日、県山口宇部空港管理事務所で話をお聞きしました。
運行されている全日空機の搭乗率が低いということでした。
現状では予約が出来ず、数日前に運行される便がわかる状況の中で、搭乗率が低くなっていると担当者から説明を受けました。
搭乗率が悪い状況が続けば、旅行業者や観光産業の方々にも影響が出ているのではないでしょうか。状況をお教え下さい。
ボーイング787の事故原因を解明し、再発防止策を徹底することが何よりも急がれます。
同時に、欠航とならないように代替機の安定的な確保が急がれます。
ボーイング787型機の事故を受けて、様々な問題が起きています。
皆さんの率直なご意見をお聞かせ下さい。
昨日借りてきた小津安二郎監督の映画「東京物語」を観ました。
1953年に発表された映画で、丁度60年前の映画です。
父親役は、笠智衆さん。笠さんは、1904年生まれですので、笠さんが東京物語に出演されたのは、49歳の頃、今の私の世代です。その笠さんが72歳の周吉役をみごとに演じています。
長男役の山村聡さんは、1910年生まれですので、43歳の時の出演です。実際の年齢は、親子で、6歳しか違わないということになります。
次男の未亡人紀子役の原節子さんの名前はあまりにも有名ですが、60年代前半以降、映画などには出演されていませんので、私たちの世代では、伝説の女優さんというイメージです。
実際に演技をされる原さんを初めて観ました。映画のラストで、周吉が紀子に礼を言う場面は見応えがありました。
東京物語を観て、「東京家族」と比較することが出来ました。
役の設定や全体のストーリーは、東京物語を踏襲して「東京家族」が製作されていることがよく分かりました。
同じところと違うところを見比べることが出来たのは幸せでした。
60年前に作成された「東京物語」も過疎・過密や核家族、高齢化社会などの問題をテーマにしていましたが、今公開の「東京家族」は、60年前のそれらの問題が、深化する中で、描かれていることがよく分かりました。
「東京家族」を観た方は、「東京物語」をご覧になられることをお勧めします。
同時に生誕110年を迎える巨匠小津安二郎監督の作品も少しづつ観ていきたいと思います。
小津ファンの皆さん、お薦めの作品をお教え下さい。
今日、山田洋次監督50周年記念作品「東京家族」を観ました。
私は、この映画を観て亡くなった父のことを思い出しました。
地方在住という点でも、元教員だったという点でも、お酒好きだという点でも、私の父は、橋爪功さん演じる周吉そのものなのです。
妻夫木演じる次男の昌次と父とのぎくしゃくした関係が、私と父との関係によく似ていたことを思い出しました。
先日、手紙を整理していると、平成13年に投函された父からの手紙が出てきました。
手紙は、「酔って私に理不尽な言動をしてしまったことを詫びる」内容でした。
その時、父から何を言われたのかよく覚えていませんが、議員になった私に、父は酔うとよく絡んできたことを、この映画を観て思いだしました。
それでも家族、亡くなった今では、父にとても感謝しているし、いろんなことをもう少し話したかったと思います。
映画のパンフレットで横尾忠則さんが、「それぞれの人間がそれぞれの人生で『東京家族』の続編を一人ひとりが描いていけばいいのである」と述べていますが、私は、自分が昌次になったつもりで、私にとっての「東京家族」の続編を描いていました。
父の墓前で思い出話などしたくなりました。
この映画を観て父と同時に、母といろんな話をしたくなりました。
私が実家に帰ると母は、しきりに世間話をしたがります。
私は、テレビを観たり、新聞や本を読んだりしながら、母の話を心ここにあらずの姿勢でいつも聴いていた自分に気づかされました。
同時に、蒼井優演じる紀子を観ながら、妻への気持ちも感じることが出来ました。
自分勝手な私を、よく支えてくれている妻の姿に気づかされました。
そして、周吉の姿を通して、父としても私は、子どもたちにどう映っているだろうかということも感じました。
長女には甘いが男の子には厳しい私は、周吉の様です。
子どもたちを認める姿勢を周吉が紀子に語るセリフで学びました。
家族と社会を見つめ直す秀作でした。
この映画は、60年前に作成された小津安二郎監督の「東京物語」をモチーフにしています。
「東京物語」は、2012年に発表した世界の映画監督358人が投票して決めた映画で第一位に輝きました。
私は、「東京家族」を観終わった足で、ビデオショップに行き、「東京物語」を借りてきました。
明日は、世界の映画監督が最も素晴らしい作品として選んだ「東京物語」を自宅で鑑賞したいと思います。
今日は、夢に父親が出てきそうです。和やかに話ができることを願うばかります。
映画は、人生を豊かにしますね。山田洋次監督に感謝する一日です。