山田洋次名作映画DVDマガジンVol.12「虹をつかむ男」を観ました。
徳島県美馬市脇町にあるオデオン座という映画館が舞台です。
西田敏行演じる活ちゃんが映画館を切り盛りします。
切り盛りと言っても、観客は減るばかり。一方、児童一人の小学校の文化祭で上映会を開いたり、映画の普及に奔走します。
昭和は映画館が花盛り。宇部市内にも多くの映画館がひしめき合っていました。
私が10代の頃でも複数の映画館が宇部市にあり観に行ったものです。
私が、20代後半か30代前半の頃。確か、宮崎駿監督「もののけ姫」の上映が、宇部市の映画館での上映の最後だったと思います。
その直後に、宇部市にもシネコンが出来、今、そこで映画を観ています。
山口市内からも映画館がなくなったことが、先日、報道されていました。
山田監督は、マガジンの中で、「今のシネコンのあり方には大いに疑問がある。座席と時間を指定された上に『盗撮は犯罪です』なんて説教をされる。『どうぞ陽気に、イスの背を蹴っ飛ばして楽しんでください」と言いたい。興奮して前の人の禿頭を叩いてしまったり、『アイタタ』『ごめんごめん』なんて観客が笑い合う。僕はそういう映画作りたいと、つねづね願っているのです。」と語っています。
団塊世代より上の方は、どんな地方出身の方であっても、映画の隆盛期をご存じで、映画館の活況をご存じの事と思います。
私たちの世代は、映画館の活況を知りません。残念な気持ちがします。一度、「この溢れんばかりの映画館で映画を観てみたいものです。
この映画の最後に、「この映画を渥美清さんに捧げる」と出てきます。
なぜか、山田監督がマガジンの中で「第49作は『寅次郎花へんろ』として撮影準備を進めていたので、俳優陣のスケジュールは押さえてありました。田中裕子さんをマドンナ役に、ゲストに西田敏行さんが出演。寅さんが四国巡礼の旅のお遍路さんたちと楽しく旅をしていたら・・・tというストーリー。ロケ地は寅さん未踏の地である高知県と決めていました。『虹をつかむ男』の舞台が徳島県になったのは、そんな事情があったのです。
「男はつらいよ」シリーズ、幻の第49作が、渥美さんを失い、生まれ変わって「虹をつかむ男」となったのです。
「虹をつかむ男」を観て、「男はつらいよ」シリーズを改めて観たくなりました。
同時に、「虹をつかむ男」では、世界の名作が登場します。
「ニュー・シネマ・パラダイス」「禁じられた遊び」などなど、これら映画もじっくり観たくなりました。
映画を愛する人たちのための映画「虹をつかむ男」。皆さんにも楽しんでいただきたいと思います。
次回は、「霧の旗」。私がゼロ歳の時の作品です。この作品も大いに楽しみにしています。
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