本日、山陽小野田市で日本共産党大演説会が行われ、約150名の市民が参加しました。
この秋たたかわれる、山陽小野田市議選に立候補を予定している中島・山田市議と寺岡さんと、阿武町議選に立候補する米津さんと小選挙区山口3区予定候補の私を時田北南地区委員長が紹介しました。
そして、私と、山陽小野田市議選の3人の候補が訴えました。
メイン弁士は、辰巳孝太郎参議院議員です。
山陽小野田市で訴える辰巳孝太郎参議院議員
辰巳議員は、「日本共産党の躍進で、参議院の予算委員会の理事を務めている。予算委員会の運営に直接関われるようになったのも日本共産党の躍進の力だ。」と切り出しました。
辰巳議員は、米朝問題について、「世界は、二国間の直接対話を求めている。直接対話を否定する日本政府の姿勢は、世界の流れに逆行している」と訴えました。
辰巳議員は、日本共産党国会議員団の森友・加計問題追及委員会の責任者。これらの問題を丁寧に訴えました。
辰巳議員は、森友問題について「財務省は、深さ9.9メートルまで大量のゴミがあることを理由に、大幅な国有地の値引きを行った。しかし、森友学園が行ったボーリング調査の資料を国の機関に観てもらったら、3メートル以下に埋設物はないという結果だった。財務省が森友学園に公有地を大幅値引きした根拠は崩れている」と訴えました。
辰巳議員は、加計学園について「安倍首相は、この間、加計孝太郎氏と食事やゴルフを15回行っている。安倍さんは国会で、『加計さんにおごってもらったことがある。』と答弁している。安倍さんが加計さんが国家戦略特区で獣医学部を新設したいということを知っていて、食事の提供を受けたら、大臣規範に違反して総理大臣を辞職しなければならない事態になるので、これを回避するために、今年1月20日に知ったと答弁している。このような答弁は認められない。」と訴えました。
辰巳議員は、来る総選挙について「参議院選挙では、32の一人区で11人の野党統一候補が当選した。衆議院の280の小選挙区で野党統一候補が実現できれば、戦争法を廃止できる国会をつくることができる」と訴えました。
最後に辰巳議員と候補者が参加者の激励に応え手を取り合って万歳をしました。
辰巳議員を中心に万歳をする候補者(右端が私)
私が、訴えた要旨は以下の通りです。
山陽小野田市の演説会で訴える私(3区候補)
・・・
日本共産党大演説会にご参加の皆さん衆議院山口3区予定候補の藤本一規です。私は、現在、宇部市立厚南中学校のPTA会長を務めています。今日は、秋季大運動会です。先程、PTA会長としての挨拶を行いました。
今年の運動会のスローガンは「限界突破~自分の精一杯をこえて~」です。力の限り競技に挑む生徒たちに励まされてきました。
「安倍9条改憲No!憲法生かす全国統一署名」がスタートしました。
19人の発起人の一人の瀬戸内寂聴さんが、明日付けのしんぶん赤旗日曜版のインタビューに答えておられます。瀬戸内さんが岩手県で法話をした後、中学生の男の子が手を上げて「ぼくは死にたくありません」と質問しました。瀬戸内さんが「どうして」と聞くと、男の子が「このままでいけば、憲法9条が改定されそうです。するとぼくは戦争に行かされる。それは嫌です。日本はどうなるのでしょう」と聞きました。瀬戸内さんは、「あなたの言う通りよ。あなたが戦争に行きたくないなら、嫌だと胸を張って言いなさい。憲法はまだ生きています。」「でも、あなたの不安は正しい。日本の政府は戦争のできる憲法に改定しようとしています。憲法が改定されないように、たたかいましょう。一緒に頑張ろうね」と話しました。
今月の23日には、私が事務局長をしている総がかり行動うべ実行委員会主催で精神科医の香山リカさんの講演会を行います。香山さんも「全国統一署名」の発起人の一人です。香山さんは、戦争法が強行された時、「私はもう誰にも遠慮せず、何にも忖度せず、自由と民主主義のためにジブンができるあらゆることをやっていこう」と決意したと述べています。
安保法制に反対するママの会のスローガンは「誰の子どもも殺させない」です。私は、4人の子どもを持つ父親として、PTA会長として、誰の子どもも殺させないために、安倍改憲NO!の声を山口3区から国会に届けていくために力を尽くします。どうか総選挙で藤本へのご支援お願いします。
当面する山陽小野田市議選、阿武町議選の日本共産党候補の全員当選のために、皆さんの先頭に立って頑張る決意を述べて私の挨拶を終わります。
・・・
暑い中、ご参加いただきました皆さんに感謝いたします。
当面する山陽小野田市議選で日本共産党の候補にご支援をお願いいたします。
安倍首相の国政私物化をどうお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。
沖縄県出身の作家である池上永一さんの最新刊「ヒストリア」を読み始めました。
本の帯の文章を紹介します。
「第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族をすべて失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。一時の成功を収めるも米軍のお尋ね者となり、ボリビアへと逃亡するが、そこも楽園ではなかった。移民たちに与えられた土地は未開拓で、伝染病で息絶える者もいた。沖縄からも忘れさられてしまう名か、数々の試練を乗り越え、自分を取り戻そうとする煉。一方、マブイであるもう一人の煉はチェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまう・・・。果たして煉の魂の行方は?著者が20年の構想を経て描破した最高傑作!」
私が読んでいるのは、煉が「第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族をすべて失」う場面です。
この小説の冒頭、米軍の沖縄上陸作戦の状況が文学に昇華して見事に表現されています。
米軍の沖縄上陸作戦といっても三段階あったのですね。
まずは、空襲。鉄の雨が降る様子を池上さんはこう表現しています。
「空襲は回遊魚の産卵に似ていた。火薬を含んだ卵塊を抱えて空を泳ぐ魚の群れが一斉に産卵する。命を増やすか殺すかの違いはあるが、ある種の営みを感じさせる。」「
次に、軍艦からの艦砲射撃。
艦砲射撃の様子を池上さんはこう表現します。
「海が黒い緑に囲われたのを見た。数千の軍艦が堤防を作るように幾重にも島を囲んでいるではないか。」「艦砲射撃の勢いは弥増す。あの日見た光景の横倒しの世界だった。火が壁になって村をなぎ倒していく。回遊魚の産卵を彷彿とさせた空襲は、ほんの小手調べであった。アメリカ軍の本陣は海にいたのだ。途切れなく炸裂する砲弾は地鳴りになって大地を揺さぶり続けた。」
そして、戦車の上陸です。
池上さんはこう表現しています。
「艦隊は消えることもなく、無数の上陸艇を放って島を目指していた。彼らは上陸部隊を無傷のまま投入するために、今まで空襲と艦砲射撃を繰り返していただけだったのだ。」「浜に上陸してくるアメリカ兵たちこそ、戦争の主役であった。やすやすと浜に上陸したアメリカ軍は戦車部隊を投入し、無数の歩兵たちが砂浜を黒く染めていく様を茫然と眺めた。私は戦争は今から本番で、前座の賑やかしが終わったことだけと理解した。私はたった数日の戦争だけで壊れてしまったのに、これ以上どうやって自身を保っていたらいいのかわからなかった。」
対する日本兵に池上さんは手厳しい批判の筆を振るいます。
「戦況をより悪化させたのは日本軍のせいだ。どう見ても劣勢なのがわからないのだろうか。海から一万発の砲弾が飛んできたら、一発撃ち返すのが精一杯だ。やがて十万発に一発の反撃になり、百万発に一発になり、一千万発に一発と、負け戦を徒に長引かせている。降伏さえすればこの地獄は終わるのに、どこに勝機を見いだしているのかさっぱりわからない。」「世界中を敵に回したような数の軍艦を相手に降伏しない馬鹿がどこにいるのだろうか。子供でもわかる論理だ。否、獣でさえ数で劣勢と知るや尻尾を巻いて逃げていく。しかしそれでも戦争を続けるのが人間というものなのだ。もはや勝敗など関係なく、戦争を続けることが目的化していた。初期にあった国民の生命と財産を守るという大義名分はどこにもなく、ほとんどの人が財産を取り上げられ、命を差し出してまで戦争を続けさせられた。」
池上さんは、1970年生まれで戦争体験は当然ありませんが、沖縄県出身の作家として、『鉄の暴風』といわれる激しい戦闘が沖縄で展開された事実の描写は秀逸です。
県民の4名に一人が犠牲になり、地上は山の形が変わるほどに破壊された沖縄の想いをこの作品が具現化しています。
今日、沖縄戦は、本土決戦をひきのばすための『時間稼ぎの捨て石作戦』だったと言われています。
まさに「戦争を続けることが目的化」された沖縄戦だったことがこの作品でよく理解できました。
アメリカは再び沖縄周辺を「バトルフィールド」にしようとしていると言われています。
池上文学で沖縄戦の実情を追体験したいと思います。
600ページを超す大作「ヒストリア」を最後まで読みたいと思います。
ひとえに「戦争を終わらせる」ために。
池上永一ファンの皆さんお勧めの作品をお教え下さい。
NHKドラマ「植木等とのぼせもん」が先週から始まりました。
このドラマの原案である「のぼせもんやけん」は入手できませんでしたが、小松政夫さんの近著「時代とフザケた男」を読みました。
NHKドラマは、小松政夫さんが、植木等さんの付き人兼運転手になった所から物語は始まります。
「時代とフザケた男」に掲載されている「小松政夫の仕事略年表」を見ると、小松さんが植木等さんの付き人兼運転手になったのが、1964年。ちょうど私が生まれた時です。
小松さんは、翌年、バラエティー番組「シャボン玉ホリデー」に出演し、芸能生活をスタートさせ、芸歴50年を越えました。
私たちの世代で、小松さんと言えば、バレエティー番組「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」での小松さんです。
先述した年表によると「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」が放映されたのが、1976年です。
私が小学校6年生の頃にスタートした番組でした。小松さんが30代中盤の頃ですね。
この番組でヒットした「電線音頭」「しらけ鳥音頭」は今でも私の脳裏から離れません。
「チュチュんがチュン 電線にスズメが三羽止まってた それを猟師が 鉄砲で撃ってさ 煮てさ 焼いて 食ってさ ヨイヨイヨイヨイ おっとっとっと」
「しらけ鳥 飛んでゆく 南の空へ みじめ みじめ しらけないで しらけないで しらけたけれど みじめ みじめ~」
小松さんは、現在75歳。「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」以後も、数々のバライティ―や映画・ドラマで大活躍です。
小松さんは、植木等さんに初めて会った時の事をこう書いています。
「初めて会う植木のオヤジはね、グリーンとホワイトのタテジマの、カシミヤのカーディガンを着てた。『君が松崎くんか、植木等です』光ってるの。優しいオーラがカッチョよくっね。ああこの人のためならなんでもしよう!って思いましたよ。」
小松さんのターニングポイントだったんですね。
ドラマ「植木等とのぼせもん」の中で、植木等演じるのが、山本耕史さんです。植木さんのお父さんを演じるのは、伊東四朗さんです。伊藤さんは、「ベンジャミン伊東」として、小松さんと一緒に「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」に出演した方です。
そして、小松さんが、淀川長治さんのモノマネで、登場します。
伊東四朗さん演じる植木等さんのお父さんは、真宗の僧侶でもあった方です。
植木さんが「スーダラ節」を歌うことになった時、お父さんが、「あの歌詞には、親鸞の教えに通じるものがある」というシーンが1回目のドラマに出てきました。
「わかちゃいるけど、やめられない。ここのところが人間の弱さを言い当てている。親鸞の教えに通じる。」
植木等さんは、「夢を食いつづけた男-おやじ徹誠一代記」を書いています。
この本の後半部分に、スーダラ節は親鸞の教えという部分が出てきます。
私は、20代の頃、植木さんが書かれたお父さんの人生をかかれた本に出会いました。
植木さんのお父さんの徹誠さんは、戦前は、労働運動、水平社運動に関わり、治安維持法違反で逮捕・投獄されていました。
戦後は、民商運動に参加されました。日本共産党員でもありました。そして、戦前・戦後と浄土真宗の僧侶をされていた方でもあります。
植木さんは、お父さんの人生を冒頭に「支離滅裂だったと言うしかない」と書いていますが、表題は「夢を食いつづけた男」としているところは、お父さんへの敬愛を感じます。
社会変革運動に深く関わりながら浄土真宗の教えとともに歩まれた植木徹誠さんの人生を私の人生とも重ねています。
こんな想いで、伊東四朗さん演じる植木さんのお父さんを応援している私がいます。
とにもかくにも、NHKドラマ「植木等とのぼせもん」をこれからも観ていこうと思います。
そして、コメディアン小松政夫さんをこれからも応援していきたいと思います。
NHKドラマ「植木等とのぼせもん」の感想をお聞かせ下さい。
念仏者9条の会編で2010年に刊行された「『三悪趣』からの解放-憲法9条・20条の持つ意味」を読みました。
念仏者9条の会は、戦後60年の2005年に発足しました。
先日亡くなられた初代の世話人代表であった信楽峻麿さんが冒頭で、「今日の本願寺教団が、宗教的にこれほどまでに凋落した原因はどこにあるのか。それについてはいろいろ要因が考えられる。現代の社会が過疎化、世俗化したことも大きな原因であろう。しかし私は、この本願寺教団がかつてのアジア・太平洋戦争において、全面的に協力したことに最大の原因があると考える。本願寺教団は、この戦争がはじまるやいなや、仏教徒は正義のためには戦争をしてもよいといい、この戦争を聖戦といって全面的に賛成した。そして門主は、『念仏の声高らかに各々その職務に挺身し、あくまで驕敵撃滅に突進すべし』と教示し、真宗学者たちは、阿弥陀仏と天皇は同じである。親鸞の自然法爾とは日本の神ながらの道のことである。天皇の命令に背くものは往生できない。真宗の教えは『教育勅語』におさまる、などといいたてた。」「もしも本願寺教団が、このような教言をまっとうに受けとめて、かつての戦争に際してその反対を表明していたならば、そのことは当時の状況の中では、最後まで貫徹できなかったとしても、戦後の真宗信者、そして一般の大衆は、そのことを通して、仏法、そして親鸞の真実性に深く認識し、また本願寺教団の存在意義を高く評価して、この真宗の教えに心から敬意を評したことであろう。そしてまた、本願寺教団の戦後の歴史は、それによって大きく変わったにちがいない。」と書いています。信楽先生の諫言を本願寺教団並びに私たち関係者は深く耳を傾けなければならない今だと思います。
表題である「『三悪趣』からの解放」の意味について、大谷派僧侶の根津茂さんの小論から引用します。
「『三悪趣』とは『地獄、餓鬼、畜生』の世界です。戦争と殺戮は地極道の最たるものでしょう。貧困や飢餓など生活苦は餓鬼道です。世界の発展途上国の状況であるのみならず、この日本において、差別が拡大し、富めるものがますます富む中で、ワーキングプアの人たちや派遣切りになった人など、その日の糧すらない人が続出している状況は、まさに餓鬼道といえます。では、畜生道とは何でしょうか。他者の存在を認めず、抑圧している状態、つまり人間性が見失われている社会が畜生道であると思います。企業の都合でいつでも解雇されるような現在の雇用状況や、サービス残業や労働強化で、多くの人々が人間らしく働くことができないこのごろです。私たちは今、畜生道を生きています。『地獄、餓鬼、畜生』の『三悪趣』は、私たちの生きる現実と、人類の歴史そのものなのです。」
根津さんは、憲法前文の「われらは、平和を維持し、先制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」を引用し次のように書いています。
「これは、地獄、餓鬼、畜生なき、『無三悪趣の世』を選んだことであるとともに、わが国だけではなく全世界が、『無三悪趣の世』になってほしいと願っています。」と書いています。
本願寺派布教使の吉岡隆義さんの小論には多くの示唆をいただきました。
一番、示唆をいただいたのは、「なぜ、人を殺してはならないのか」という部分です。
「『私の命は、私に貴族しているのであって、他の何物にも帰属するものではない』という大原則です。従って他者によって奪われてはならないということです。他者とは私以外の何者かです。その他者は軍隊であるかもしれません。国家もまた他者ですから『あなたの命を出せ』『他者の命を奪え』という戦争には加担できないのです。もちろん自らが権力者と結託して、他者の命を奪わせてはならないのです。」
私は、50数年の人生の中で、「なぜ人を殺してはならないのか」の問いに対する答えとしてこれほど納得する答えに出会ったことはありません。
私のこれまでの経験の裏打ちも当然あるのでしょう。吉岡先生の意見に同感です。
皆が「私の命は、私に帰属しているのであって、他の何者にも帰属するものではない」と思える社会の実現のために力を尽くしたいと思いました。
この社会の実現のために、安倍政権による憲法9条の改悪を許してはならないことを実感しました。
これからも念仏者9条の会の会員の一人として大いに学び実践していきたいと思います。
安倍9条改憲を皆さんはどうお考えですか。
東京工業大学教授の中島武志さんの「親鸞と日本主義」を読みました。
親鸞の思想が、国体そのものになっていった経過を克明に描いた力強い評論です。
「親鸞と日本主義」の第一の驚愕は、戦前の右翼の中心的な理論誌の一つ「原理日本」が親鸞の思想と国体が直結していた事実です。
「原理日本」の編集者の一人三井甲之が戦前、「親鸞研究」を刊行しています。
この中に、「われらの帰命すべき総体石は何であるか、それは、日本意思である。これが本願力である。此の本願力としての日本意思に帰命し帰依するというのは『日本は滅びず』と確信することである。現日本の日本人にとって反覆すべき名号は『祖国日本』である。われらの宗教は祖国礼拝である。『日本滅びず』と信ずるが故にわれらのはかなき現実生活も悠久生命につながらしめらるるものである。それが摂取不捨である。摂取して捨てざるが故に阿弥陀仏といふ、即ち摂取して捨てざる故に祖国といふ。」という文章があります。
この文章は、中島さんは、次のように解説しています。
「三井によれば、国民が『帰命すべき総体意思』は『日本意思』であり、それが阿弥陀仏の本願の働きそのそのである。日本人が唱えるべき名号は『祖国日本』であり、祖国礼賛によって『はかなき現実』が『悠久生命につなが』る。日本人は現実のあるがままに任せ、ただ『日本は滅びず』と信じ、『祖国日本』と称えれば、永遠の幸福が得られる。ここでは親鸞の『絶対他力』の思想が、国粋主義と強く結び付けられる形で展開され、親鸞的日本主義が高らかに掲げられている。阿弥陀仏の本願力は『日本意思』と読み替えられ、『南無阿弥陀仏』という名号は『祖国日本』へと変換されている。」
中島さんは、「私は、あえて問うてみたい。『親鸞の思想そのもののなかに、全体主義的な日本主義と結びつきやすい構造的要因があるのではないか』と。そして『その思想的危険性を顕在化させたのが、大正から昭和前期の親鸞主義者んなのだとすれば、彼らの議論に遡行することで浄土真宗の信仰が内包する危うさを見つめ直す契機となるのではないか』と。」との問題意識で、この本で、「親鸞思想と国体」について多角的に論評しています。
私は、二つ目に驚愕したのは、真宗大谷派の戦時教学がいかに「国体」と直結していたかを現した部分です。
この本の中で、1941年2月13日から15日に行われた「真宗教学懇談会」の様子が克明に検証されています。
なかでも驚愕したのは、「真俗二諦」から「真諦一元」を求めた部分です。
中島さんの解説により、改めて戦時中の真宗教学がとって「真俗二諦」について引用します。
「『真俗二諦』とは『新諦』としての仏法的真理と『俗諦』としての世間的理論を区別し、その両立を図る考え方である。これは近世において世俗権力との折り合いをつけるために定着した理論で、真宗教団にとっては護教的側面をもっていた。」「教団は国体の理論を『俗諦』として受け入れ、天皇制国家に積極的に関与することで、地位を保持しようとした。近代における真俗二諦論は、『真宗を天皇制思想にはめて保証し、宗門が国家から逆に支えられようとの意図の上に成り立っていた』」
私もこれまでの浅はかな学習の中で、戦前の真宗教学が「真俗二諦論」に立って「国体」を擁護し、戦争に協力した事実は、知っていました。
しかし、前述した「懇談会では、「真諦一元論」が議論されていることに驚愕しました。
斉藤唯信は「教行信証は一諦一元的である。是をなくすれば、真宗がなくなる。俗諦の中に真宗を入れることは出来ない。我々は日本国民として神国に生まれる、さうして世界無比の臣道を守ってをる。同じ俗諦を知るにも真宗信者は真諦から流れてよい。今死んでも浄土往生と云ふ信念の下戦いをする、それは尊い御法を平生聴いてゐるからである。」と述べています。
なぜ親鸞思想と国体論が結びついたのか、中島さんは次のように書いています。
「幕末い拡大した国体論は、国学を土台として確立された。そのため、国体論は、国学を通じて法然・親鸞の浄土教の思想構造を継承していると言える。『自力』を捨て、『他力』にすがるという基本思想は、『漢意』を捨て、神の意思に随順する精神として受け継がれている」「親鸞思想を探求し、その思想構造を身につけた人間は、国体論へと接続することが安易になる。多くの親鸞主義者たちが、阿弥陀如来の『他力』を天皇の『大御心』に読み替えることで国体論を受容して行った背景には、浄土教の構造が国学を介して国体論へと継承されたという思想構造の問題があった。浄土真宗の信仰については、この危うい構造に対して常に繊細な注意を払わなければならない。」
私は、現在、浄土真宗本願寺派の山口教区教区会議員などを務めています。
私は、この本を読んで、戦前、親鸞の思想が「国体」と一体になり、戦争を加速させる役割を果たしたことをもっと知らなくてはならないと思いました。
中島さんの「親鸞思想と国体論が結びつきやすい構造である」ことに「常に繊細な注意を払わなければならない」の指摘は、十二分に学ぶべきだと思いました。
安倍政権が、戦争する国づくりを進める、平和憲法を投げ出そうとしているときに、門徒である私たちが、真宗教団が何を言うのか言わないのかに「繊細」な注意を払わなければなりません。
中島武志さんの「親鸞と日本主義」と真宗門徒として学ぶことの多い本でした。
中島さんと島薗進さんの共著「愛国と信仰の構造」にも多くのことを学びました。
今度、非戦平和を求める真宗門徒の会が島薗進さんを講師に学習会を行います。
島薗進さんのお話しが聞けることを楽しみにしています。
親鸞思想と「国体」が一体となり戦争を推進した歴史があります。
皆さんはこの事実をどうお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。
日本共産党の志位和夫委員長は、昨日、北朝鮮が昨日、核実験を強行したことについて、次の談話を発表しました。
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北朝鮮の核実験を厳しく糾弾する
――危機打開のため直接対話がいよいよ緊急・切実な課題に
2017年9月3日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫
一、北朝鮮は本日、昨年9月に続く6回目の核実験を強行した。北朝鮮は、「ICBM(大陸間弾道ミサイル)搭載の水素爆弾の実験を成功させた」と主張している。
北朝鮮の核実験は、今年だけでも13回行った弾道ミサイル発射とともに、世界と地域の平和と安定にとっての重大な脅威であり、累次の国連安保理決議、6カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙である。それは、国際社会が追求している「対話による解決」に逆行する行為であり、核兵器禁止条約の採択など「核兵器のない世界」を求める世界の大勢に逆らうものである。
日本共産党は、強い憤りをもって、この暴挙を糾弾し、抗議する。
一、いまの最大の危険は、米朝両国の軍事的緊張がエスカレートするもとで、当事者たちの意図にも反して、偶発的な事態や誤算などによって軍事衝突が引き起こされる現実の可能性が生まれ、強まっているということである。万が一にもそうした事態が引き起こされるならば、その被害は日本にも深刻な形で及ぶことになる。おびただしい犠牲をもたらす軍事衝突は、絶対に回避しなければならない。
私は、8月12日に発表した「声明」で、現在の危機の打開のためには、米朝の直接対話が必要だと提起したが、それはいよいよ緊急で切実な課題となっている。
一、北朝鮮に対して、これ以上の軍事的な挑発を中止することを厳重に求める。米朝両国に対して、強く自制を求めるとともに、現在の危機を打開するために、直接対話に踏み出すことを重ねて呼びかける。
8月29日の国連安保理議長声明は「対話を通じた平和的で包括的な解決」を加盟国に呼びかけている。国際社会および日本政府に対して、米朝両国に直接対話をうながし、平和的・外交的な手段で核・ミサイル問題を解決するために、可能なあらゆる手立てをとることを強く要請する。
とくに日本政府が、「対話否定論」に固執する態度をあらため、「いまこそ対話に踏み切るべきだ」ということを米国政府に説くことを、強く求める。
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北朝鮮の核実験強行を皆さんはどうお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。