12日付しんぶん赤旗日刊紙の文化欄に、高校生直木賞を受賞した「また、桜の国で」の作家須賀しのぶさんのインタビューが掲載されていました。
赤旗日刊紙に書かれた物語のあらすじです。
「白系ロシア人の父親と日本人女性の母を持ち、幼いころにポーランド人少年との思い出がある棚倉慎は、1938年ワルシャワの大使館に書記生として赴任します。途中で知り合ったユダヤ系ポーランド人の青年ヤンや大使館職員のマジュナ、アメリカのジャーリストのレイなどと、国際関係の改善に奔走します。しかし、翌年、ドイツのポーランド侵攻で第二次世界大戦が勃発、日本大使館は事実上閉鎖されます。次の赴任先ブルガリアで仕事に励みながらポーランドの抵抗組織にも手を貸し、やがてポーランド国民がナチス・ドイツに抗して立ち上がったワルシャワ蜂起にも関わります。ヒトラーやスターリンに翻弄されたポーランドの歴史が慎の視点で描かれています。」
赤旗日刊紙は、本文から印象的な言葉を次のように紹介しています。
「外交官として気骨を見せ、慎に影響を与える酒匂大使の『我々外交官は、武力を用いずして問題を解決するためにいる』という言葉や、ポーランド抵抗勢力のリーダーの一人の『美しい最期を望むようになったら、それはもう、理想そのものを自ら投げ捨てたのと同じ』といった印象的な言葉が多くでてきます。」
須賀さんは、「1年前に書いていたらあまりそういうことを書かなかったと思うんです。でも執筆中にテロの頻発やISの台頭などが起きて、その前から第二次世界大戦前夜に似ているなと思ってはいたんですが、それが強い危機感になって、自分の中でも珍しく作品に出たと感じています」と書いています。
この作品は、直近の直木賞候補作から高校生が「今年の1作」を選ぶ高校生直木賞を受賞しました。
現在、NHKラジオ「青春アドベンチャー」でドラマとして放送されています。
「武力を用いず問題を解決するために」「歴史を繰り返さないために」
本作を読みたいと思います。
「高校生直木賞」というのにも惹かれます。
須賀しのぶファンの皆さん、本作及び彼女の作品の感想についてお教え下さい。
池上永一さんの「シャングリ・ラ」を読んでいます。
文庫本(上)の裏表紙を引用します。
「加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。しかし、そこに生まれたのは理想郷ではなかった。CO²を削減するために、世界は炭素経済へ移行。炭素を吸収削減することで利益を生み出すようになった。一方で、森林化により東京は難民が続出。政府に対する不満が噴き出ていた。少年院から戻った反政府ゲリラの総統・北条國子は、格差社会の打破のために立ち上がった。」
文庫本の解説で、筒井康隆さんは池上永一さんの「テンペスト」と「シャングリ・ラ」に共通する点を「それは文芸的に侵犯、そして越境というテーマと言えるだろう。両作品に共通する厳格な階層社会において、主人公たちは立入り不能の上部社会または禁断の領域へと侵犯し、立ち返ってはまた侵犯する。そして登場人物は男性・女性の境界を超えては立ち返り、性の越境も繰り返す。主人公たちの審判と越境によって作品内のほぼ固定した社会は激しく流動し、独特の過激な物語が展開する。」と書いています。
「テンペスト」はドラマや映画になりましたが、「シャングリ・ラ」は、アニメ化されています。アニメ「シャングリ・ラ」を同時に楽しんでいます。
筒井さんは、本作を「純然たるSFではあるのだが、単に未来ものというだけではない。経済炭素という概念の導入によって地球温暖化という現代的な問題を伴ったポリティカル・フィクションになっている」と書いています。
「地球温暖化」の問題を考える時、先日紹介した、不破哲三さんの「『資本論』刊行150年に寄せて」の指摘を想起します。
不破さんは「国連は、2050年までに『先進国』は温暖化ガスの排出量を80%以上減らし(1990年基準)、世界全体50%以上減らす、という目標を提起しました。まさに人類の生存を守る闘争目標です。これをやり抜く力をもたない社会体制には、人類の危機に対処する能力を持たない体制として、人類史的な審判がくだされるでしょう。」
地球温暖化はまさに資本主義体制そのものが問われている人類史的な課題です。
この問題にまっこうから挑んだ「シャングリ・ラ」じっくり読んでいきたいと思います。
市県民税等を滞納し差押えを受けた方から相談を受けました。
大阪社会保障推進協議会「住民運動のための国保ハンドブック」や茨城県商連・税対部「『滞納整理』に対する対策と法的根拠」などを元に、「差押え」に対する対処法を私なりに紹介したいと思います。
これらの前提としては、滞納を放置すれば延滞金が増え、本税を上回ることが多いのが実情です。早めの対策が必要です。
同時に、いかに税金であってもその滞納処分によって納税者の生存権を否定する生活に追い込むことはできませんし営業権を侵害する処分はできません。
その上で、「差押え」になる場合、なのうとした場合、どう考えたらいいのでしょうか。
まず、差押えの対象財産についてルールがあります。
①差し押さえる財産は滞納者の財産でなくればなりません。
②差押禁止財産を差し押さえることはできません。
まず、滞納者の財産といえるのかどうかは一般的にはその外観で判断します。つまり、大まかにいえば、動産なら滞納者が所持しているかどうか、不動産や自動車は登記や登録名義が滞納者かどうか、預金なら口座名義人が滞納者かで決めます。
次に、差押禁止財産といえるかどうかという点です。
絶対的差押禁止財産は、国税徴収法75条1項に記載されています。主に生活必需品や、商売に欠かせない物などが入っています。
絶対諦差押禁止物件に当たるとまで言えませんが、事業継続に必要な物は、一定の条件の下で滞納者が差押えをしないように求めることが出来ます。
また、民事執行の場合は、給料はその4分の3の部分、もしくは33万円のいずれか低い金額を超えて差押えることはできません。
以上は、主に個人が対象です。
法人への差押えの場合はどうでしょうか。
国税徴収法基本通達47-17に、「滞納者の生活の維持又は事業の維持に与える支障」あるものには十分留意することとあります。
法人への差押えの場合、事業の維持のために必要なものは差押えしないように関係機関に申し出ることが必要です。
法人への差押えの場合、従業員の賃金など労働債権まで差押えられたら、まさに「事業の維持に与える支障」が生じます。
法人への差押えの場合、「従業員の賃金」を確保を関係機関に申し出ることが必要です。
滞納処分に不服がある場合は、不服申し立てを行うことが出来ます。租税等によって期間の違いがあります。
更に、審査請求結果に不服がある場合は、裁判所に取消訴訟を起こすことも可能です。
以上、大雑把に、「差押え」への対処法を紹介してきました。
対象の租税やケースによって千差万別の細かな対応が必要であることは当然です。
行政通知が届いたたら、身近な日本共産党や民主商工会や生活と健康を守る会などにご相談下さい。
私も専門家と相談しながら対処したいと思います。トップページの「ご意見」の所から相談内容をお知らせ下さい。
早期対応が大切であることは念を押してお伝えいたします。
「差押え」問題だけではなく様々な要望相談を藤本までお気軽にお寄せ下さい。
10日(日)の毎日新聞は、「来年4月に国民健康保険の運営主体が市区町村から都道府県に移る制度変更に伴い、市区町村の35%は来年度、加入者の支払う保険料が上がると予想していることが共同通信の調査で分かった。保険料の急激な上昇抑制などを目的とした国の財政支援の配分が決まっていないため、半数近くは保険料の変化を『分からない』と回答。保険料の変動幅もはっきりしていない。配分額によっては保険料が上がる自治体がさらに増える可能性もあり、国の支援に対する不安の声も上がった。高齢者や低所得者が多い国保加入者の負担増が懸念される。」と報じました。
9日(土)の中国新聞は、「来年4月に国民健康保険の運営主体が市町から県に移る制度変更に伴う新たな保険料額(年額)について、県は8日、全19市町ごとに被保険者一人当たりの平均悲惨を明らかにした。市町独自の財源充当がなければ、岩国など9市町で最大27・6%上昇する見込み。自治体間でかかる医療費に開きがあるため。県内での保険料水準の統一に向け、地域間の格差是正に取り組む。」と報じました。
国民健康保険の運営主体が都道府県に移る制度変更に伴い、県内でも9市町で値上げされることを山口県が試算したことは重要です。
最初の毎日新聞の記事を含めて、国保の都道府県以降に伴う、国の抜本的な財政支援の強化が急がれています。
10日(日)の毎日新聞は、「国保の運営移管をめぐり、市区町村とは別に、都道府県に対し共同通信が実施した調査では、22道府県が将来、市区町村の保険料を統一する方向で検討していることが分かった。現在は医療費などの状況によって市区町村の判断で保険料を決めているため、同じ都道府県内でも差がある。来年度からトド府県が各市区町村の保険料水準の明安を示す。将来統一することになれば負担は公平になるが、市区町村間の保険料や医療費の格差が多い貴意地域を中心に慎重な姿勢もみられる。7件は一本化しない方向を検討中だ。」と報じました。
共同通信の調査では、国民健康保険料を一本化する方針が3県、一本化に向けて検討が19道府県、一本化しない方向で検討が1県、一本化しない方針が6県、未定・分からないが16都県となっています。
山口県は、この調査に「未定・分からない」と答えています。
8月1日付け「国保新聞」は、7月14日に、香川県高松市で厚生労働省が行った「国保四国ブロック会議」に様子を報道しています。この中で、「荻田国保課長補佐は『国と地方の議論では《市町村単位でそれぞれ医療費に応じてやってきた歴史がある。医療提供体制も違っており、それを十分尊重すべきだ》との意見が多かった』と、統一が基本ではなく、地域の判断に委ねた経過を説明した。」と報じました。
厚生労働省の国保課長補佐が来年度からの国保料について「統一が基本でなく、地域の判断に委ねる」と発言したことは重要です。
国保新聞は更に「同省が警戒しているのは30年度の制度施行当初に保険料が大幅に上がることだ。市町村が抱える赤字の解消について問われた荻田課長補佐は、『30年度の被保険者の影響を考えて丁寧に設計してもらいたい』と回答した。法定外繰入は対象外のため、繰入を一気に減らせば保険料に大きく響くことになる。また、同課長補佐は『実際に賦課するのは市町村。危機の積み上げなどあった場合に住民の保険料の負担感をマイルドにしていくために、それを活用するのはあり得る』と賦課段階での市町村の対応に言及した。」と報じました。
厚生労働省の国保課長補佐が、市町村による法定外繰入を保険料値上げ回避のために「活用することはあり得る」としたことは重大です。
国民健康保険料の大幅値上げで、短期保険証や資格証明書の発効も市町村では相次いでいます。
今でも国民健康保険料は「払いたくても払えない」のが現状です。
厚生労働省が、国保の運営主体を都道府県にする目的が「財政の軽減」なら今からでも中止しなければなりません。
あくまでも国保の運営主体の都道府県化を進めるというのであれば、国民健康保険料が上がらない努力をまず、国が行うべきです。国は、国保への財政支出を抜本的に増やすべきです。
その上で、都道府県や市区町村が国保への繰り入れを行い保険料の上昇を回避すべきです。
更には、来年度以降も国民健康保険料が上がらないように持続的な財政支出を国が行う必要があります。
国民健康保険の運営主体が来年度から都道府県に移管され、多くの自治体で保険料が増加することが見込まれています。
このことを皆さんはどうお考えですか。ご意見をお聞かせ下さい。
三上智恵監督の映画「標的の島 風かたか」を防府市公会堂で観ました。
三上監督の「標的の村」「戦場ぬ止み」に続いて三上作品の鑑賞制覇です。
「風かたか」とは、「風よけ」「防波堤」を意味する沖縄県の方言です。
三上監督はこの映画の意義を映画パンフレット「ディレクターズ・ノート」でこう書いています。
「できることなら、世間の強い雨風から我が子を守ってやりたいというのが親心。でも、どうやったら日米両政府が沖縄に課す残酷な暴風雨の防波堤になれるというのか。しかし勝算はなくても、沖縄県民は辺野古・高江で基地建設を進めるトラックの前にたちはだかる。沖縄の人々は、未来の子供たちの防波堤になろうとする。一方で日本という国は今また、沖縄を防波堤にして安心を得ようとしている。中国の脅威を喧伝しながら自衛隊のミサイル部隊を石垣、宮古、沖縄本島、奄美に配備し、南西諸島を軍事要塞化する計画だ。その目的は南西諸島の海峡封鎖。だが、実はそれはアメリカの極東戦略の一環であり、日本の国土も、アメリカにとって中国の拡大を封じ込める防波堤とみなされている。この映画はそれらの三つの「風かたか」=防波堤を廻る物語である。」
アメリカの中国の拡大を封じ込める防波堤とは、映画のパンフレットの別の所にこう書かれてあります。
「なぜ今、先島列島を軍事要塞化するのか?それは日本列島と南西諸島を防波堤として中国を軍事的に封じ込めるアメリカの戦略『エアシーバトル構想』の一環であり、日本を守るためではない。」
昨夜、NHKスペシャル「沖縄と核」が放映されました。
日本がアメリカに返還される前、沖縄には最大で1300発の核兵器が貯蔵されていました。
キューバ危機の際には、核爆弾を発射する基地が沖縄本土に建設されました。
当時、沖縄の核弾薬庫に従事していた元兵士が「キューバ危機の際には、核戦争にいつでも投入できる態勢だった。標的は中国だった。」と語りました。そして、元兵士は「もし、沖縄から核爆弾が発射されると沖縄は終わると思った。ソ連が沖縄を標的にしない訳がない。」と語りました。
アジア太平洋戦争では、沖縄は本土決戦の捨て石となり、沖縄は、連合軍の標的になりました。
米ソ冷戦の時代には、沖縄に核が集中し、沖縄は、ソ連側の標的になりました。
そして、今、中国を軍事的に封じ込めるアメリカの軍事戦略「エアシーバトル構想」により、先島諸島にミサイル基地が建設され、沖縄は、中国側の標的にされようとしています。
映画の中で、石垣島で、自衛隊ミサイル基地建設推進派の方が、反対派の住民に「ミサイル基地が建設されると、なぜ、石垣が標的になると考えるのか。」と反論する場面がありました。昨夜の米ソ冷戦時代に核爆弾の貯蔵庫に従事した元兵士の発言を聴いて戦争の道理が分かりました。
敵からみれば、自分たちを討つ基地を狙うのは当然です。
映画のパンフレットに、「『標的の島』とは、沖縄のことではない。それは今あなたが暮らす日本列島のこと。」とありドキリとしました。
アメリカの「エアシーバトル構想」=中国封じ込め作戦でアメリカが防波堤にしようとしているのは、先島諸島や沖縄本島、奄美諸島だけではありません。大国中国を封じ込める防波堤には、日本列島が含まれているのです。
そして、私が住む、山口県には、海兵隊岩国基地があります。空母艦載機部隊が移駐して東アジア最大の基地になろうとしています。中国などから観れば、まさに岩国は標的の基地の一つになることは明らかです。
この映画を観て、私は改めて、未来の子どもたちの防波堤になろう「風かたか」になりたいと思いました。
日米両政府が沖縄に課す残酷な暴風雨から子どもたちを守ろうと今日も運動を続けている沖縄の人たちと連帯して力を尽くしていこうと思いました。
沖縄を知ると日本と世界が観えてきます。
これからも沖縄から様々なことを学んでいきたいと思いました。
三上監督、今回も私たちを励ます映画をありがとうございました。
闘いは続きます。三上監督には、新しい沖縄を伝え、私たちを励ます映画を製作していただきたいと思います。
「標的の島」シリーズ第4作に期待しています。
11月には、姪の結婚式で沖縄に行きます。少しの時間ですが、沖縄の今を学んできたいと思います。
映画「標的の島 風かたか」をご覧になったみなさん感想をお聞かせ下さい。
大分空港に10日間滞在した米海兵隊普天間基地所属のMV22オスプレイが岩国基地に移動しました。
9日土曜日のしんぶん赤旗日刊紙の報道を引用します。
「大分空港に緊急着陸し、10日間にわたり整備を続けていた米海兵隊普天間基地所属のMV22オスプレイは8日午前10時35分、大分空港を離陸し、10時51分に米軍岩国基地に着陸しました。同機は前日の7日にエンジンから多量の白煙を上げており、十分な説明もない米軍に批判の声があがっています。同機は着陸の約1時間前からエンジンを始動させ、ヘリコプターモードに切り替えて整備士が機体回りを点検した後、爆音を上げて飛び立ちました。」
オスプレイは、昨日、岩国基地から普天間基地に飛び立ちました。
今朝の読売新聞の報道を引用します。
「大分空港に8月29日に緊急着陸した米軍の輸送機オスプレイは9日、所属する米軍普天間飛行場に帰還した。」「同機は米軍岩国基地から普天間飛行場に向かう途中、大分空港に緊急着陸。着陸後、右エンジン付近から白煙と炎が上がった。同空港でエンジン交換作業などを行い、8日に岩国基地に移動していた。」
今回大分空港に緊急着陸したオスプレイは、今年6月に米軍伊江島補助飛行場に緊急着陸し、大分への緊急着陸の前日に、岩国基地で白煙を上げたことが分かっています。
このオスプレイは、整備不良のまま、日本中を飛行していたことになります。
そして、日米両政府は、トラブルの原因について何も説明しないまま、岩国基地を経由して普天間基地にこのオスプレイを移動させました。
極めて住民の命を軽視する対応と言わなければなりません。
オスプレイの国内での飛行の停止と、オスプレイの普天間配備撤回が求められていると思います。
大分空港に緊急着陸したオスプレイが岩国基地を経由して普天間基地い帰還しました。
みなさんはこの問題をどうお考えですか。お教え下さい。