山本おさむさんの漫画単行本「赤狩り」第二巻を読んでいます。
映画「ローマの休日」の舞台裏が赤裸々に描かれています。
キーワードは「秘密」と「信頼」です。
単行本の中に監督のワイラーがこう語るシーンがあります。
「このシナリオは読めば読むほど、表面上のストーリーの裏に何か別の事が書かれているような気がする。アンと王女と新聞記者ジョーはお互いに嘘をつき合っている。自分が何者なのかを明かすことができない。そしてジョーはアンの正体を暴いて利益を得ようとしている。これは赤狩りの時代を生きる我々の姿と同じではないか・・・いつ自分が密告されて正体を暴かれるかびくびく脅え、あるいは自分の利益のために他人の正体を暴き・・・不信と裏切りに囲まれて誰も自分の信実を正面に表すことができず、互いに嘘をつき合う・・・しかし、ジョーは自分の利益に目をつむり、アン女王との信頼を守る道を選択する・・・これは赤狩りの時代を、このように生きよとする男が発した蜜かなメッセージとも読めるのではないか・・・」
映画「ローマの休日」で新聞記者ジョーはアンが女王だという「秘密」を知ります。正体を暴いて利益を得ようとしますが、アンとの「信頼」を優先させます。
監督のワイラーは、。「ローマの休日」の脚本をドルトン・トランボが書いた「秘密」を知ります。トランボは赤狩りでハリウッドから追放された人物です。トランボを「信頼」して映画の制作を進めます。
ハリウッドの赤狩りと映画「ローマの休日」の内容が繋がらなかったのですが、山本おさむさんの漫画で繋がって捉えることができました。
私が学生時代に「自立は連帯を生み、孤立は分散を生む」と言う言葉と出会いました。
私は、この物語を読んで「信頼は連帯を生み、不信は分散は生む」という例えを思いつきました。
山本さんは、この本の最後に、解説文を寄稿しています。
ハリウッドの赤狩りの背景に「原子爆弾の製造競争」があったと書いています。
アメリカの原爆製造の情報がソ連に漏れたことを契機に、アメリカでの赤狩りが猛威を振るう、その一つがハリウッドでの赤狩りだったという見方です。
為政者は、国民同士を疑わせ、分断していきます。
私たち国民は、真実を見つめ、連帯して為政者がすすめる政治と対峙していかなければなりません。
私は、市民と野党の共同を宇部地域で進める運動に参画してきました。
「信頼」「連帯」の大切さを痛感しています。
違いがある者同士ですがリスペクトしていく大切さです。
私は、ワイラーとトランボの「信頼」の物語から、今の政治に立ち向かう勇気をもらいました。
さあ、今日も、街頭から訴えます。それでは出発してきます。
山本おさむ「赤狩り」を読まれた方は感想をお聞かせください。
本日、宇部地域労連主催の第89回宇部地域メーデーが、ヒストリア宇部で行われました。
集会は、「私たちは、国民的連帯でメーデーを迎えました。この力をバネに、大幅賃上げ、労働時間短縮、雇用の確保、社会保障の充実、共謀罪反対、消費税増税反対、震災からの復興、なくせ原発、そして憲法9条を護り核も基地もない日本の実現を求め、悪性と大企業の横暴を止めさせるためにたたかいましょう。」などとするメーデー宣言を採択しました。
私は、日本共産党を代表して連帯の挨拶を行いました。
第89回宇部地域メーデーであいさつをする私
私が行った挨拶の要旨は以下の通りです。
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第89回宇部地域メーデーにご参加の皆さんこんにちは。日本共産党の来年の県議候補・藤本一規です。連帯の挨拶をいたします。
自民、公明と維新は27日、衆院本会議で安倍政権が今国会で成立をねらう「働き方改革」一括法案の審議入りを強行しました。
安倍政権の「毒」が様々な問題に広がっている中、「働き方改革」法案においても、ねつ造、隠ぺいという安倍政権の「毒」がひろがっています。
まず、ねつ造です。安倍首相は裁量労働制を拡大すれば過労死が増えると批判され、『裁量労働制は一般労働者より労働時間が短いという調査がある』と出張しました。しかし、その調査データがねつ造されていたことが明らかになりました。
次に、隠ぺいです。裁量労働制を違法に適用していた野村不動産に対して、「特別指導」をしてきたことをアピールし、「違法行為はしっかり指導するから大丈夫」と強弁していた厚生労働省。裁量労働制を違法に適用された労働者が過労自殺していた事実を厚生労働省は隠ぺいしていました。
法案はすでにボロボロです。データねつ造で、財界が一番に求めていた裁量労働制の拡大は、法案から削除する事態に追い込まれました。
高度プロフェッショナル制度は、労働基準法が定める労働時間規制を適応除外します。残業代も休憩も休日もなく、一日24時間、48時間連続で働かせることも可能である「残業代ゼロ制度」「スーパー裁量労働制」であることが明らかになりました。
安倍首相は「戦後70年ぶりの大改革」と自画自賛しますが、データねつ造と過労自殺隠ぺいで国会と国民をあざむく安倍政権に「働き方」を語る資格はありません。
労働時間短縮を求める過労死遺族に対し、過労自殺を引き起こした「ワタミ」の創業者の自民党議員が「週休7日で幸せか」などと暴言をはきました。安倍首相も時間規制を外す高度プロフェッショナル制度を「自らの創造性を発揮できる制度」と持ち上げており、過労死に反省がありません。
改ざん、隠ぺいを繰り返す安倍内閣の総辞職を求めることと一体に、野党の結束を強め「働き方改悪」を断じて許さないために日本共産党は全力で奮闘する決意です。5月3日の学習会に皆さんのご参加をお願いします。
・・・
労働法制の改悪をストップさせ、安倍政権を退陣に追い込む決意あふれる宇部地域メーデーでした。
メーデーに対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
黒沢昭DVDコレクション⑥「羅生門」を観ました。
マガジンには、本作のエピソードが書かれています。
「1950(昭和25)年8月26日に封切られた本作は、同年のキネマ旬報ベスト・テンで5位に留まるなど、当時の評価は芳しくなく、制作を推進した大映の重役やプロデューサーは左遷されたという。しかしその一方、イタリーフィルム社の女性社長ジュリアーナ・ストラミジョーリは『羅生門』に感激し、ヴェネチア国際映画祭への出品を大映に打診。大映側が渋ったため、自費で字幕をつけて出品したところ、公開翌年の9月0日、見事に最高賞である金獅子賞を獲得したのである。パリ在住の彫刻家・高田博厚が『文芸春秋』に寄稿したルポによると、会場には関係者どころか日本人が一人もいなかったため、困った主催者側は、急遽、付近を歩いていた小柄な東洋人にタキシードを着せ、『日本代表』として表彰式に出席させた。すると、前年のグランプリ作『裁きは終わりぬ』(1950)のアランド・カイヤット監督がその東洋人の手を振りながら『羅生門』を賞賛。この光景を見た周辺のマスコミが大柄なアイヤットを県傾斜と勘違いし、撮影した写真を各国へ配信するという珍事が巻き起こったのである。そして、映画祭への出品さえ知らされていなかった黒澤明監督は、後日、『日本映画を一番軽蔑していたのは日本人だった。その日本映画を外国に出してくれたのは外国人であった。これは反省する必要はないか、と思う』と述べている。」
黒澤監督は、本作について「虚飾なしには生きていけない、死んでも虚飾を捨てきれない人間の罪の深さを描いている」と述べていたとマガジンにあります。
黒澤監督の言葉を念頭に置いて映画を思い起こし、原作である芥川龍之介の「藪の中」を読み直すと多襄丸と真砂と金沢の語りの意味がよく分かり金沢殺しの真相が分かってきます。
多襄丸は「わたしの太刀は二十三合目に、相手の胸を貫きました。」と証言しています。
多襄丸は金沢を殺したと証言しています。
真砂は、「わたしはほとんど、夢うつつのうちに、夫の縹の水干の胸へ、ずぶりと小刀を刺し通しました。
真砂は金沢を殺したと証言しています。
金沢は、「おれはそれを手にとると、一突きにおれの胸へ刺した。」と証言しています。
金沢は自殺したと証言しています。
金沢が死んでいる事実の前に、多襄丸、真砂、金沢の証言のうち、二人の証言が虚飾なのです。
真実を語っているのは誰なのか、芥川龍之介は読者に答えを委ねているのでしょう。
マガジンに漫画家・弘兼憲史さんのインタビューが掲載されていました。
この中で弘兼さんが「僕は『羅生門』の多襄丸と『七人の侍』の菊千代のキャラクターに共通点を感じるんです。どちらもコメディー・リリーフ的な役回りで、三船敏郎がわかりやすいオーバーアクトで演じています。内容がやや難解な『羅生門』では『ハッハッハッハッ・・・・」と豪快に笑う多襄丸のキャラクターが、作品に明るさをもたらしていますね。」と述べています。
私もこの点は全く同感です。二つの作品で、三船敏郎の弾けた演技が秀逸です。
芥川龍之介と黒澤明が合作が映画「羅生門」でしょう。世界が認めた映画「羅生門」は、難解ですが、人間の罪の深さを描いた歴史的大作です。
この連休はあれこれ用事の多いですが、合間、合間で黒澤明の映画を観て過ごします。
次に観るのは、黒澤明監督晩年の大作「乱」です。
黒澤映画に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、宇部市吉部・荒滝自治会館で、「藤本かずのりさんを囲む会」を行いました。
25名の方々にお集まりいただきました。・
荒滝自治会館で私を囲むつどいを行いました
藤本光明自治会長にご挨拶をいただいた後、私が30分程度お話しました。
私がお話しした要旨は以下の通りです。
・・・
藤本かずのりを囲む会にご参加の皆さん今日は誠にありがとうございます。まず、荒滝自治会館をお貸しいただきました藤本光明会長はじめ、荒滝自治会の皆さんに心から感謝いたします。
日本共産党山口県委員会は、4月12日に、県庁で記者会見を開いて、来春の県議候補を発表しました。下関市の木佐木県議、山口市の河合県議、岩国市は新人の松田かずしさん、そして、宇部市は、私が候補者となりました。前回の選挙、次点に終わりましたが、議席を取り戻す決意です。
この間、宇部市PTA連合会会長を務め、今、西宇部校区人権教育推進委員協議会会長を務めています。浄土真宗本願寺派宇部北組門徒総代会会長を務め、現在、山口教区会議員を務めています。幅広い市民と野党が結集して「戦争させない!9条壊すな総がかり行動うべ実行委員会」が結成され、事務局長を務めています。
社会教育諸団体での経験、お寺のお世話をする中での経験、市民と野党の共同をすすめる中での経験、そして、宇部市議2期、山口県議4期務めてきた経験を最大限に生かして必ず議席を奪還する決意です。
選挙までの1年間、このような集いを網の目のように開いていきたと思っています。つどいの最初に、故郷・荒滝の地を選びました。故郷の皆さんのお力で私を5期目の県議の座に押し上げてください。
さて、国政は、異常事態です。いま起きている一連の疑惑・不祥事で共通しているのは行政府が国会に対してウソとごまかしで進めようとしていることです。加計学園では、官邸で加計関係者と会ったことを示す愛媛県作成の文書や政府内でやり取りされたメールが発見されているのに柳瀬氏が『記憶にない』と強弁しています。
セクハラ暴言問題でも、福田前財務事務次官は、音声データの報道に加えて、テレビ朝日が自社の女性社員が被害を受けたことを明らかにしても、いまだに事実を求めず、居直り続けています。昨日財務省は、福田前次官のセクハラは認定し懲戒処分としましたが、福田氏麻生氏は謝罪していません。麻生財務大臣の辞任がどうしても必要です。
国民主権も民主主義も壊す大問題の中心には、安倍政権の強権政治と国政私物化があります。強権政治・私物化を隠すために、改ざん隠蔽ねつ造が繰り返される。政治の悪循環を正すためには、安倍政権を退陣に追い込むことが大切だと思います。憲法には、国民主権と書かれてあります。安倍政権の総辞職を求め当たり前の政治を取り戻していきましょう。
さて、県議会議員候補として山口県政の問題を指摘したいと思います。
山口県政のホットな問題の一つ地上配備型ミサイルシステムの「イージス・アショア」についてお話します。資料1をご覧ください。4月8日の山口新聞です。まず、日本の弾道ミサイルシステムについてみていきたいと思います。日本に弾道ミサイルが飛んできた場合、海上自衛隊のイージス艦と地対空誘導弾パトリオットの二段構えで迎え撃っていたのですが、これに加えて配備しようというのが地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」です。
安倍政権は、2023年までに、イージス・アショアを秋田市と萩市に配備しようとしています。
山口新聞は「『深刻な脅威』としてきた北朝鮮の情勢も急速に対話へと動く。防衛省筋は、5月までの米朝首脳会談で核・ミサイル廃棄への動きが進むようだと、野党や関係自治体から導入に懐疑的な声が高まりかねない、とみる。」と報じています。
昨日、韓国文(むん)大統領と北朝鮮金(キム)委員長が「板門店宣言」に署名しました。板門店宣言は、「完全な非核化を通じて核のない朝鮮半島を実現する」「朝鮮戦争の終結」する内容です。
県議会だより1面にあるように、知事選直後の記者会見で、村岡知事は、イージス・アショア配備について「協力すべき」と述べています。
イージス・アショアは、ミサイルを迎え撃つ迎撃システムだけではなく、北朝鮮に直接ミサイルを撃つ巡航ミサイルも撃つことのできる基地になろうとしています。政府は、「他国を攻撃するような攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っていることは、憲法の趣旨とするところではない。」と答弁してきました。憲法違反の適地攻撃能力を保持する「イージス・アショア」を萩市に配備すべきではありません。
ちばてつやさんの「ひねもすのたり日記」を読みました。ちばさんは満州からの引き揚げ者。敗戦からそのひと冬で18万人から20万人の引き揚げ者が命を落としました。帰国し父の実家に着いた時ちばさんは、「ここはもうなんの心配もしなくていい安全な場所なんだ」と思ったと書いています。子どもたちが戦火を逃げまどうことがない社会を続けましょう。
東アジアの平和のためにも、拉致問題の解決のためにもイージス・アショアの配備は必要ありません。
次に中山間地域をどう守るかについて考えたいと思います。
資料3は毎日新聞の記事です。国立社会保障人口問題研究所の将来推計人口をみると山口県の人口は、2015年140万人だったものが、2030年は123万人、2045年は2045万人と大幅に減少しています。
しかし、大規模開発計画が立案されています。県内では、下関北九州道路に建設や山陰道などの高速道路網の整備や宇部港などの大型港湾整備などが目白押しです。そして今年は「山口ゆめ花博」などが開かれます。
巨大開発にのめりこむ一つの動機が「インバウンド」を増大させることです。インバウンドとは、外から人を連れてくるというものです。
外から人が来るからと言って大型開発や大きなイベントばかりを行って事業は成功するのでしょうか。中国四国九州と周辺の人口も減少しています。個人消費が冷え込んでいる最中に、事業の再検討が必要です。
もう一つは、コンパクトシティということが言われています。宇部市では今年度中に「立地適正化計画」を策定しようとしています。コンパクトとは、周辺部を集約し、都市部の開発を進めるものです。
インバウンドを進めるためにも、コンパクトを進めるためにも、財政が必要です。自治体も財政難のため起債に頼ることは出来ず、行財政改革によって財源を捻出しようとしています。
山口県には1兆2千478億円の県債残高があります。2013年の1兆2千833億円をピークに若干減少していますが、未来の子どもたちのお金を使い続けています。
県は、「行財政構造改革」を2022年まで取り組むとしています。県の定員を657人削減する。その内、教育職員が470人。県事業のうち177事業を削減する。県有施設を廃止する計画もあります。
「行革」で生み出した財政はどう使うのでしょう。これが、周辺部の私たちに回るのではではなく、大型道路や港湾の開発や中心部の開発に回るのなら問題
です。
資料4を見て下さい。これは、宇部市の立地適正化計画の中の資料です。コンパクトなまちにしなければ、大変なことになるとしています。しかし、資料5を見てください。これは、奈良女子大学の中山徹教授の「人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走」という本からの引用です。人口が減少している中で、開発を進め、財源確保のために、市民向け予算を削り、更に開発を進め、事業が破綻したら、市民の生活や地域経済は低迷し、自治体が危機的な状況になります。
中山先生は、「大規模開発に頼らず、少子化対策を進め、農林漁業や再生可能エネルギー、福祉で雇用確保することが必要、開発型自治体ではなく、市民共同自治体を目指すことが必要と書いておられます。
一つは、「米作って飯食えねえ」という状況を改善していくことです。
安倍政権は1億総活躍社会といいながら米直接支払い制度を完全になくしました。日本共産党は10アール1万5000円の直接支払い制度を復活させ米価が60キロ2万円を上回るような対策を講じます。
萩市は高校卒業するまで医療費を無料にしました。山口県は、13年前から小学校に上がるまでです。
福島県や鳥取県は、高校卒業するまで医療費は無料です。
安心して子どもが生み育てられる山口県を作っていきたいと思います。
「コンパクト」「インバウンド」と言いながら結局、地方と取り分け中山間地域を切り捨てる「地方行革」に反対し、県民が主役の山口県を作っていくために力を尽くします。
これからは皆さん方からご要望をお聞かせいただければと思います。
・・・
鳥獣被害対策のためのイノシシの柵をやり直すための行政の補助について要望が出されました。
また、若者定住促進について意見が出されました。
故郷の皆さんに多数参加いただき感謝しています。
誠心誠意これからも活動を続けていこうと決意を新たにしました。
皆さんの周りで藤本を囲む会を開いていただけないでしょうか。
可能の方は、本ブログのトップページの「問い合わせ」のところからご連絡ください。
NHKラジオ「すっぴん」で高橋源一郎さんと漫画家・ちばてつやさんの対談が放送されていました。
その中で、ちばてつやさんが18年振りに新作の連載をされていると聞きました。
「ひねもすのたり日記」です。
ちばさんは、現在79歳。満州で終戦を迎え、7歳の時に帰国が叶いました。
「ひねもすのたり日記」には、満州から引き揚げる時の痛苦の経験が丁寧に描かれています。
中でも、仲良しだった先輩のキョウちゃんが引き揚げ船で突然命を落とし、遺体を海に流すシーンは胸がつまります。
「敗戦の『8月15日』から・・・たったひと冬だけで、引き揚げ者のうち、18万から20数万の日本人が死んだそうです。」と書かれた一文を私たちは決して忘れてはならないと思いました。
この本は、戦争とは何かを知る貴重な資料です。
同時に、水木しげるさん手塚治虫さんとの思いでや、漫画家仲間との交流など思わず笑いこけてしまう内容でもあります。
更に、高齢者としての日々の想いが綴られています。
ちばさんは、文星芸術大学で教鞭をとっています。大学での様子も描かれています。
大学は違いますが、次男が同じような芸術系大学に通っているので、共感を抱きます。
「ビックコミック」で今も連載中のちばてつやさんの「ひねもすのたり日記」引き続き読んでいこうと思います。
ちばてつやさんは「あしたのジョー」などを世に出した大御所漫画家です。
ちばさんの今までの作品にも触れてみたいと思います。
「あしたのジョー」も連載開始から50年になるそうです。
ドラマや映画も出ていますので観ていきたいと思います。
「ひねもすよたり日記」単行本第一巻の終わりは、ちばさん家族が父からの実家に到着し、大歓迎を受けるシーンです。
ちばさんら子どもたちは、たらふくスイカを食べて眠たくなっています。
「ここはもうなんの心配もしないてもいい安全な場所なんだ」「久しぶりに深い深い眠りの底に落ちていきました。」
私たちの子どもたちが、戦火を逃げまどうことがないような社会を未来永劫続けなければならないと心新たにしました。
歴史的な南北会談が行われました。平和が一番ですね。
ちばてつやファンの皆さん、一押しのちば作品をお教え下さい。
奈良女子大学教授の中山徹さんの「人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走」を読みました。
議会から離れて3年。直接、行政の方々から説明を受ける機会が少なくなっているから見えてくる点もあるのかも知れません。
最近、コンパクトとインバウンドという言葉が溢れ違和感を持っていた時に、しんぶん赤旗の本の宣伝文を見て、この本を注文し、ここ数日で一気に読みました。
この本に今の自治体が置かれている構造が詳らかにされていました。
この本の「はじめに」に本書に意図が書かれています。
「普通に考えますと、人口減少が進めば、大規模な開発計画は下火になりそうです。ところが人口減少が本格化しているのと反比例する形で、大規模開発計画があちこちで立案されており、まだまだ増えそうな勢いです。なぜこのような奇妙なことが起こっているのでしょうか。」「自治体が大規模あ開発にのめり込む一つの動機はインバウンドを増大させるためです。」「自治体が大規模開発にのめり込むもう一つの動機はコンパクトです。」
山口県の人口は、2015年140万人だったものが、2030年は123万人、2045年は2045万人と大幅に減少しています。しかし、あちこちで、大規模開発計画が立案されています。県内では、下関北九州道路に建設や山陰道などの高速道路網の整備や宇部港などの大型港湾整備などが目白押しです。そして今年は「山口ゆめ花博」などが開かれます。
山口県で巨大開発にのめりこむ一つの動機が「インバウンド」を増大させることだということが分かります。
中山さんは、「地域経済が衰退している最大の理由は個人消費の低迷です。日本経済全体で個人消費の占める割合は約6割です。この個人消費が上向かない限り、地域経済はもちろんですが、日本経済そのものが回復しません。」と述べています。
外から人が来るからと言って大型開発を行う大きなイベントばかりを行っても、中国四国九州と周辺の人口も減少し、そもそも個人消費が冷え込んでいる最中に、採算はとれるのか言わなければなりません。
コンパクトシティという点では、私が住む宇部市を始め、県内の多くの自治体で「立地適正化計画」を策定しています。
中山さんは、「コンパクトとは、中心部に商業施設や公共施設を集約することです。」とコンパクトも大型開発と結びつくことを指摘しています。
更に中山さんは、これら財源について「今回は、起債に求めることが困難です。1990年代とは異なり、国も自治体も財政状況が悪いからです。そのため、最初から市民向け予算の削減、行政改革(アウトソーシング)で開発に係わる予算を確保しようとしています。」と指摘しています。
山口県は22年度までの5年間で定員を657人削減しようとしています。教育職員は470人削減です。県が行ってきた177事業を削減し、県有施設の廃止も進めようとしています。
行革により生まれた財源は、高速道路網の整備や大型港湾開発やイベントなど「インバウンド」を行う費用や「コンパクトシティ」を進めるための中心部の開発に回そうとしているのであれば大問題です。
中山さんは、「人口減少を的確に受け止め、市民と行政が一体となって、そのような事態を乗り切ろうとしている自治体もあります。それら自治体は大規模開発に頼らず、少子化対策を進め、農林漁業や再生可能エネルギー、福祉で雇用を確保しようとしています。このような自治体を市民共同自治体とします。」と述べ、開発型自治体と市民共同自治体の中間に、保留型自治体があると述べています。
中山さんは「開発型自治体には暴走ともいえる政策の転換を求めなければなりません。そうしなければ自治体消滅が現実化しかねません。保留型自治体には、迷わず、自信を持って市民共同自治体の方向をとるおうに働きかけなければなりません。市民共同自治体には、基本的な方向性を堅持しつつ、政策の充実を求めるべきです。自治体が地域の実態を踏まえた施策を追求すると同時に、その可能性を高めるため、自治体が連携して国に政策転換を求めるべきです。この両方を追求することで自治体は、今の時代にふさわしい自治体になります。」と述べています。
山口県は「開発型自治体」と言えるのではないでしょうか。政策の転換を求めていかなければなりません。
同時に、「インバウンド」「コンパクト」を強制するローカルアベノミクス政策の転換を国に求めていかなければならないと思います。
来年の県議選挙まで約1年。明日は、故郷荒滝で私を囲む会を行います。
中山間地域がこれからも存続するためには、「インバウンド」「コンパクト」の暴走を食い止めていかなければならないと感じています。
中山徹著「人口減少と大規模開発 コンパクトとインバウンドの暴走」は、これから1年間、自治体政策を考える私のバイブルの一冊となるでしょう。
明日もこの本の内容を分かりやすくお話したいと思っています。
「インバウンド」と「コンパクト」の暴走をあなたはどう感じておられますか。
ご意見をお聞かせ下さい。