読売新聞は、12日、「陸上配備型迎撃システム『イージス・アショア』の陸上自衛隊むつみ演習場(萩市、阿武町)への配備を巡り、村岡知事が10月中旬、米ハワイ州に設置されているイージスアショアの実験施設を視察する方向で調整していることがわかった。知事は、安全、安心などの面から配備の是非を検証する判断材料にしたい考えだ。関係者によると、知事が視察を計画しているのは、カウアイ島にある米軍のイージスアショア実験施設。県議会の柳居俊学議長ら数人の自民党の県議と現地を訪れ、米軍関係者から施設の概要やイージス・アショアの性能、安全性などについて説明を受ける予定という。」などと報じました。
県民の方からこの問題で「レーダーを見ても電磁波は見えないし、公式見解を聞くだけ」など村岡知事のハワイ基地見学を疑問視する声が私の所に寄せられています。
昨年9月29日の秋田魁新聞は、記者がルーマニア・デベセル基地を訪ねたレポートを掲載しています。
ブースター落下の懸念について次のように報じています。
「周辺は牧草地や農地、野原に囲まれ、牧歌的な雰囲気さえ漂うが、基地が周辺に与えるかもしれないリスクがあるのも事実だ。迎撃ミサイルを発射した際、地上に落下するブースター(推進部分)がそれだ。迎撃ミサイルの構造は三段階から成る。このうち1段目のブースターは途中で切り離され、地上に落下する。米軍はルーマニア政府に対し、基地周辺にブースターが落下する危険性を説明しているという。基地から3キロの地点には、人口約3150人のデベセル村がある。これに対し、日本政府は、1万3千人が暮らす住宅密集地に近接する秋田市の陸上自衛隊新屋演習場を配備候補地としており、落下した場合の影響は深刻だ。防衛省は『日本海に落下させる軌道を取るため、住宅地に落ちることはない』と説明している。陸上イージス基地のアクセル・シュタイナー司令官は、『統計に基づく落下予測はあるが、100パーセント想定の範囲内に収まるとは言えない。最も確実な安全策は、基地の周りに住宅を造らないことだ』と話した。」
村岡山口県知事と藤道萩市長と花田阿武町長は、6月14日、防衛省への第四回目の照会文の中で、「迎撃ミサイルの飛翔経路をコントロールし、ブースターを演習場内に落下させるための措置を講じるとされているが、突発的な弾道ミサイルの飛来に対応し、瞬時に当該ミサイルの速度・飛翔方向、上空の風向・風速、落下時のブースターの姿勢等の諸条件を把握し、ブースターの落下位置を計算の上、迎撃ミサイルの発射を正確に制御することは可能なのか。」と指摘しています。
これら照会文に防衛省は未だに回答していません。
ハワイ基地の見学が、これら疑問への明確な回答になるとは到底考えられません。
県民が、村岡知事に、なにより求められるのは、防衛省が示したむつみ演習場が「適地」とする資料に対し、県民から出されている様々な指摘に防衛省がしっかり答えることを求めることです。
村岡知事がハワイの陸上イージス実験基地を視察するとの報道が行われました。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、広島市立観音中学校夜間学級を視察しました。
広島市立観音中学校夜間学級を視察しました
村井校長と佐々木広島市教育委員会学校教育部指導主事から丁寧な説明を受けることが出来ました。
お忙しい中、快く視察を受け入れて頂いた関係者の皆様方に感謝申し上げます。
広島市には、観音中と二葉中に夜間学級が設置されています。
条件は、①広島市に住んでいる人 ②15歳以上で、小学校や中学校を卒業できなかった人、または、卒業はしたけど十分に勉強できなかった人です。
市立観音中学校は、1947年に開校しました。
夜間学級は、1954年に「二部学級」として開設され、1973年に、現在の「夜間学級」となりました。
現在、観音中夜間学級には、16名が在籍しています。国籍は、日本人2名、中国8名、ネパール5名です。
村井先生は、「外国籍の生徒さんは増えるだろう」と話されました。
学年を横断して学習グループで学んでいます。
学習グループは次の通りです。
日本語基礎、日本語発展、教科基礎、教科発展
授業参観もさせていただきました。強化基礎では、ネパールと中国の方が、先生の言葉を理解してかなり高度な日本語の授業を受けておられました。
生徒の皆さんの学ぶ姿勢の本気さがひしひし伝わってきました。
山口県教育委員会から、県内の未就学者数が1678人(平成22年国勢調査)であるとお聞きしました。
私は、「未就学者や義務教育未修了者は減る傾向でしょうか。」とたずねました。
村井校長先生から、義務教育未修了だった方が、夜間学級で学び、高校に入学した例をお聞きしました。
その上で、村井先生は「様々な事情で義務教育を修了できない方々は今後も生まれるでしょう。」と話されました。
文科省の「夜間中学の新設に関する最近の動向について」という資料の中に高知県、徳島県、静岡県で設置に向けた動きがあるとあります。
徳島県では県立学校として夜間中学を設置する方針とあります。
村井先生は、入学条件が市内在住者となっていることに関連し、「他市に引っ越し、転校した生徒がいた」と話されました。
今後、山口県で、夜間中学校を検討する場合、県立という選択肢もあるのではないかと感じました。
村井先生は、「教員数などから受け入れる生徒は限られている」現状を話されました。
市内に2校夜間中学のある広島市でも希望する全ての生徒が夜間中学に入学できている状況ではないことが分かりました。
文科省は全ての都道府県に夜間中学校を設置する方針を掲げています。
山口県でも一日も早く、夜間中学校を設置すべきだと広島市立観音中学校夜間学級を視察して痛感しました。
夜間中学校の問題について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
8月28日、14時10分、厚東川氾濫の恐れがあるとの理由で、沖ノ旦地区の3世帯に避難勧告が発令れました。
28日、避難勧告が発令された厚東川(沖ノ旦)
浅田宇部市議を通じて、昨年のこの地域の避難勧告発令の状況を調査しました。
昨年は、6月30日の14時20分と16時45分に、厚東川氾濫の恐れがあるとの理由で、末信・沖ノ旦地区の68世帯に避難勧告が発令されました。
7月6日の10時45分にも、厚東川氾濫の恐れがあるとの理由で、末信・沖ノ旦地区の67世帯に避難勧告が発令されました。
この2年で、3度も厚東川氾濫の恐れがあるとの理由で、この地域に避難勧告が発令される理由は何でしょうか。
理由は、この地域に堤防が設置されていないからです。
私は、2009年9月県議会において、「厚東川水系河川整備計画」を策定し、『堤防未設置区間-県道琴芝際波線沖ノ旦橋以北東岸は事業着手すべき』と質しました。当時の柳橋土木建築部長は「『厚東川水系河川整備計画』の策定を、来年度末をめどに進めており」「堤防整備について、現在検討を行っているところです。」と答えました。
その結果、厚東川水系河川整備計画が策定され、厚東川沖ノ旦橋から末信地区上流までの約4キロ区間を約30年で、100分の1の確率に対応する堤防を整備することが示されました。
その後、30分の1の確率に対応した暫定堤防を沖ノ旦地区に作る事業が現在行われているところです。
先日、担当者に進捗状況をお尋ねしたところ「今年度、水道管や工業用水道管の移設が行い、来年度から堤防の工事を行う計画である。」との回答でした。
しかしながら、この地域の堤防が未完成のため、昨年も67世帯、132人に避難勧告が出されたところです。
9月1日に行われた西宇部校区自主防災会による防災訓練の際にも、地元の沖ノ旦自治会の役員の方から「沖ノ旦地域の堤防の早期完成」を求める意見が出されました。
暫定堤防を早期に完成させ、一日も早く、沖ノ旦、末信地域の堤防が完成するよう、私は、引き続き、必要な発言を行ってまいりたいと思います。
ブレイディみかこさんの「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」を読んでいます。
ブレイディみかこさんは、福岡市生まれ。イギリスに住み、現地で結婚し、息子が生まれました。
息子さんは、カトリックの小学校で学び、カトリックの中学校には入学せず、ブレイディさん曰く「元底辺中学校」に通います。
息子さん=「ぼく」が「元底辺中学校」で起きる事件にどう立ち向かっていくのか、ブレイディさん=「お母さん」の目から追ったドキュメントが本書です。
本の帯にはこう書いてあります。
「優等生の『ぼく』が通い始めたのは、人種も貧富もごちゃまぜのイカした『元・底辺中学校』だった。ただでさえ思春期ってやつなのに、毎日が事件の連続だ。人種差別丸出しの美少年、ジェンダーに悩むサッカー小僧。時には貧富の差でギスギスしたり、アイデンティティに悩んだり・・・。何が正しいのか。正しければ何でもいいのか。生きていくうえで本当に大切なことは何か。世界の縮図のような日常を、思春期真っ只中の息子とパンクな母ちゃんの著者は、ともに考え悩み乗り越えていく。」
「ぼく」の言葉に読者の私も考えさせられます。
「自分たちが正しいと集団で思い込むと、人間はクレイジーになるからね」
ブレイディさんの言葉にも深い意味があります。
「分断とは、そのどれか一つを他者の身にまとわせ、自分のほうが上にいるのだと思えるアイデンティティを選んで身にまとうときに起きるのかもしれない。」
イギリスの中学校のカリキュラムの要約文に次のようなものがあるとブレイディさんは書いています。
「政治や社会の問題を批判的に探究し、エビデンスを見きわめ、ディベートし、根拠ある主張を行うためのスキルと知識を生徒たちに授ける授業でなくてはならない」
息子と友人が「緊縮」についてディベートする様子をブレイディさんはこう綴っています。
「緊縮」について友人がこう答えます。
「この国の住民は英国というコミュニティに会費を払っている。なぜって、人間は病気になったり、仕事ができなくなったりして困るときもあるじゃない。国っていうのは、その困ったときに集めた会費を使って助け合う互助会みたいなものなの」
「その会費って税金のことだよね」
「そう。ところが、緊縮っていうのは、その会費を集めている政府が、会員たちのためにお金を使わなくなること」
「こんなことしたら困っている人たちは本当に困るでしょ」
「そう。本当に困ってしまうから、いまここでみんなでサンドウィッチを作ったりしているの。互助会が機能していないから、住民たちが善意でやるしかない」
「でも、善意っていいことだよね?」
「うん。だけどそれはいつもあるとは限らないし、人の気持ちは変わりやすく頼りないものでしょ。だから、住民から税金を集めている互助会が、困っている人を助けるという本来の義務を果たしていかなくちゃいけない。それは善意とは関係ない確固としたシステムのはずだからね。なのに緊縮はそのシステムの動きを止める。だからこうやってみんなで集まって、ホームレスの人々にシェルターを提供したり、パトロール隊が出て行ったりしているの」
日本も「緊縮」になっています。
10月から消費税が増税されようとしているのに、「緊縮」は止まりそうにありません。
この本から、生き方や政治のあるべき姿まで多くの事を学んでいます。
さあ、今日は、9月山口県議会に向けての議会運営委員会が行われます。
私は、委員の一人として出席します。
「住民から税金を集めている互助会が、困っている人を助けるという本来の義務を果たしていかなくちゃいけない。」
山口県民の命と暮らしを守るため、今議会もしっかり発言しようと、準備を進めています。
県政全般に関わる皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
山口県原爆被爆者支援センターゆだ苑が主催し、6日に行われた、第45回山口原爆戦没者追悼・平和式典に来賓として参加しました。
平和式典での私
核兵器をめぐる世界の情勢が緊迫している状況が、「平和宣言」や「メッセージ」で指摘されました。
重大問題が、中距離核戦力(INF)全廃条約をめぐる状況です。
ゆだ苑理事長の岩本晋さんは、「被爆74年 平和宣言」の中で、この問題を次のように指摘しました。
「核弾頭などを登載する射程500~5500㎞の地上発射型ミサイルを禁じた米露の中距離核戦力(INF)全廃条約が失効したこと、そして、米露が限定的な核兵器使用を想定した新たな指針をまとめたこと。加えて、非核攻撃への反撃に核を使用する核戦略見直し(NPR)を発表したことです。
平和式典にメッセージを寄せた田上長崎市長は、この問題を次のように指摘しました。
「8月2日の米国とロシアの中距離核戦略(INF)全廃条約失効の後に、米国は中距離ミサイル発射実験を実施し、ロシアや中国がこれに対抗する措置を取る構えをみせています。」
この問題について、8日のしんぶん赤旗「日刊紙」の「潮流」は、中距離核戦力(INF)全廃条約の失効後のアメリカの動きについて次のように指摘しています。
「(INF条約)失効後の1カ月、配備に向けた動きが進んでいます。米国防総省は8月18日にカリフォルニア州で地上発射型巡航ミサイルの飛行実験をしました。すでにエスパー米国防長官は通常弾頭だとしつつもアジアに配備する意向を表明。米議会の諮問機関『米中経済安全保障調査委員会』の報告書(2月)は『専門家が最もありそうな配備先に挙げるのは日本だ』と指摘します。現役の米海軍少佐はオンライン誌ディップロマット(8月30日)に寄稿し『グアムは『中国が完全に標的にしている』。代わりに奄美大島と宮古島、石垣島に自衛隊が新設・建設中の駐屯地を米軍ミサイル部隊と共同使用することを提案しています。南西諸島の戦場化を前提にした主張です。エスパー発言の直後、オーストラリアのモリリン首相は豪州配備を拒否する考えを示しました。一方、安倍首相はINF条約失効について『米国の問題意識は理解する』『(米国の主張を)考慮する必要がある』。核軍拡競争を加速し、自国を戦場にしかねない動きでも米国追随。この政権の危うさがここにも。」
INF全廃条約失効後のアメリカが、ロシアに近い日本の自衛隊のミサイル基地を利用しようとしています。
一つの拠点は、奄美大島から石垣島へ建設されようとしているミサイル基地であり、もう一つは、秋田と山口の陸上イージスのミサイル基地ではないでしょうか。
これらの動きは、赤旗主張が指摘している「自国を戦場にしかねない動き」と言えます。
オーストラリアのように、このアメリカの動きに、唯一の被爆国政府として日本は、はっきりノーを突き付ける時です。
INF全廃条約失効の動きと国内でのミサイル基地建設の動きを皆さんはどうお考えですか。
ご意見をお聞かせ下さい。
「山田洋次 名作映画DVDマガジン」NO5「学校」を久しぶりに観ました。
この映画は、1993年に公開された作品です。
私が、20代の後半の頃、映画館で観た映画でもあります。
映画館で観て、DVDマガジンが発売されて観て、3回目の鑑賞でしたが、今回が一番泣いたのではないかと思います。
50を過ぎて涙もろくなったのでしょうか。
マガジンから映画の概要部分を引用します。
「東京の下町にある夜間中学の教師、黒井文人は7人の生徒を受け持っている。ビル清掃の仕事をしているカズ、不登校児だったえり子、元ツッパリ少女のみどり、在日韓国人のオモニ、中国人青年の張、知的障害のある修、読み書きができなかった中年男イノさん。」
生徒一人ひとりの人生の描写が、私の心に響きわたり、落涙となりました。
映画の後半で、「幸福」について語りあうシーンが出てきます。
昨日、取り上げた「夜間中学と日本の教育の未来」の中で、前川喜平さんが「憲法26条と基本的人権」に関して次のように述べています。
「私はこの13条の個人の尊厳や幸福追求権というものがすべての人権の根底にあると思っています。その個人の人権、個人の尊厳を実際に実現する、あるいは幸福を本当に追求できるようにするとき、基礎にあるのは教育であるということです。それがなければ、自分の尊厳を守ることもできないし、自分の力で幸福を追求することもできません。その個人の尊厳や幸福追求権の不可欠の基礎をなしているものが教育であると思っています。したがって、やはり教育こそが人権保障の中核にならなければならないと思っています。」
ツッパリ少女みどりが、夜間中学に出会うまでを語るシーンがあります。
鑑別所から中学校に戻ったけれど、一日で学校を辞めてしまった。友達と遊んでばかりの暮らしだったが、ある日夜間中学の事を知った。
夜間中学校の入り口に座り込んでいたら黒井先生に声をかけられた。
みどりは、自分の居場所を夜間中学の中にみつけました。
生徒の生い立ちの中で、夜間中学に出会えたことと、前川さんが述べた「個人の尊厳や幸福追求権の基礎をなしているものが教育」という意味を結びつけて考えることが出来ました。
「個人の尊厳や幸福追求権の基礎をなしているのが教育」で、その究極の場の一つが夜間中学であることが分かりました。
一人ひとりの県民の幸福追求権を保障するために夜間中学が必要だと思いました。
映画「学校」。何度観てもいい映画です。山田洋次監督に感謝します。