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衆院山口1区候補に三藤美智子党北南地区委員長を擁立

 日本共産党山口県委員会は、18日、県庁で記者会見を行い、次期衆院山口1区(宇部市・山口市・防府市)候補に三藤美智子氏(66・新)、3区(下関市、山陽小野田市、美祢市、長門市、萩市)候補に吹上政子氏(67・新)の擁立を発表しました。
 記者会見の席で吉田貞好県委員長は「1区の三藤美智子さんは看護師歴46年、3区の吹上政子さんは中学校教師歴37年。いずれも市民、県民の苦労と痛みに寄り添い、運動してきた人。ジェンダー平等、憲法9条と平和の願いを国会に届けるうえで、経験豊かで試され済みの女性政治家です」と紹介しました。
 三藤候補、吹上候補は記者団からの質問に答えつつ、自らの政治信条と意気ごみを語りました。
 1区から立候補予定の三藤美智子さんの経歴を紹介します。
 〇三藤美智子さんの経歴
 ▼1957年宇部市生まれ
 ▼国立療養所山陽荘付属看護専門学校卒
 ▼1977年から46年間、宇部協立病院などで看護師
 ▼宇部協立病院看護師長など歴任
 ▼現在、党県委員、日本共産党北南地区委員長
 ▼宇部市在住、家族は夫と2子

 18日の午後、私は、三藤美智子候補と一緒に宇部市内で街頭宣伝を行いました。

  衆院山口1区候補の三藤美智子さんとの街頭宣伝(左が私、右が三藤候補)

 来る衆議院選挙では、比例代表選挙は日本共産党、衆院山口1区は、三藤美智子さんに大きなご支援をお願いいたします。

 三藤さんを囲む集いを計画しています。三藤さんの話が聞いてみたい方は、藤本までご連絡ください。

 

上関町が性急に使用済み核燃料の中間貯蔵施設に係る調査を受け入れる判断を中電に伝える

  昨日、上関町の臨時議会が開かれ、西哲夫町長が、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設に向けた調査を受け入れる意思表明を行いました。これらについて今朝のしんぶん赤旗日刊紙は次のように報じました。
 「中国電力が山口県上関町に原発から出る使用済み核燃料を一時保管する中間貯蔵施設の建設に向けた調査を申し入れていた問題で、西哲夫町長は18日の町議会の臨時議会の冒頭、『私としては受け入れる』との判断を示し、町として調査を受け入れると報告しました。3人の町議が反対し、『判断する前に住民説明会をすべきだ』などと求めましたが押し通されてしまいました。西町長は、同日、中国電に回答を伝えました。西町長の判断を受け、全10人の町議が意見を表明。うち7人が調査に賛成しました。清水康博町議(32)は中間貯蔵施設による地域振興を批判し、『約40年前に(上関町に)浮上した原発計画が地域振興になっているか。町にとって一番大切な住民が分断された』と指摘。(原発に反対の父を持つ)私自身、中学生のころ、あいさつしてもくれない人がいた』と明かし、『子どもたちに同じ経験をさせてはいけない』と訴えました。2日に中国電の申し入れを受け、わずか2週間余りでの判断に、『町の都合でなく、国や電力会社の都合で進んでいるのではないか』と指摘しました。秋山鈴明町議(30)は住民の賛否は割れているとし、『(いつものやり方だ)と、あきらめの声すら聞こえる。住民があきらめなきゃいけないような町に明るい未来はあるのか?』と住民不在の町長らの対応を批判。『声なき声を丁寧に、親切に拾えるような民主主義的な町であってほしい』と求めました。山戸孝町議(46)は『住民の分断を生む財源確保策は町づくりに寄与しない』と指摘。『町長は判断を留保し、町民に向き合うべきだ』と述べました。」
 「中国電力から使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設に向けた調査の申し入れを受け、山口県上関町の西哲夫町長が判断を示す臨時議会が開かれた18日朝の役場前。西町長が駐車場に現れると、傍聴に集まった多くの住民から『強引過ぎるぞ』『勝手に決めるな』など怒声が相次ぎました。臨時議会は質疑応答の機会もなく、約1時間半で終了。西町長は全議員の意見を聞いたものの、閉会あいさつは1分ほどで、改めて『中国電力の申し入れを受ける』と語ったぐらいでした。傍聴した町内の国弘公敏さん(68)は西町長の強引な進め方を『言語道断。強権政治だ』と批判し、『推進側の議員もシナリオ通りの発言しかしない』と指摘。『50年後に責任を取れない今の人たちが目先のお金のためだけで決めてほしくない』と語りました。町内の30代の男性は『結局、町民の意見を聴く場はなく、議員にも答弁せずに一方通行だった。町民はいないようなやり方だ』と批判しました。近隣の周防大島町から『声を上げたい』と来た女性(49)は『説明が足りない。上関町だけで決めていい問題だとは思えない』と述べました。日本共産党の赤松義生・平生町議と長友光子・柳井市議、藤本一規県議が傍聴などに駆け付けました。」
 私は、昨日、8時前に上関町役場前に到着し、臨時議会を傍聴することができました。
 そして、その後行った西町長を囲む記者とのやり取りを聴くことが出来ました。
 西町長が中国電力に送った中間貯蔵施設に係る調査・検討を受け入れる文書にこうあります。
 「なお、使用済燃料中間貯蔵施設の設置については、具体的な計画をご提示いただいた後に判断するものであり、現時点では、長としてその是非の判断は行っていないことを申し添えます。」
 調査を受け入れるということは、建設する場合もあることを受け入れるものです。
 受け入れたのは調査のみで、建設そのものではないとする論証は、事の本質を隠し、町民を侮るものだと言わなけばなりません。
 記者からは、「核燃料サイクルが見通せない中、上関町の中間貯蔵施設が最終処分場になるのではないか」との趣旨の質問が出され、西町長は、「六ケ所村の再処理工場は稼働するものと思う」との趣旨で答えました。

中国電力に中間貯蔵施設に係る調査を受け入れることを表明した後で行われた西町長を囲む会見

 推進派の議員の複数が東海村の貯蔵施設を訪れ、核燃料が入れられている容器を触り、なんともなかったという趣旨の発言を行いました。
 これらの発言は、町民の疑問に真摯に向き合うものではなく、無責任な発言と言えると思います。

 登庁した西町長を囲む中間貯蔵施設に対する抗議行動の様子

 使用済み核燃料を貯蔵するリスクを町民に十分説明する努力を行うことなく、性急に受け入れを決めた、上関町の判断は、町民の命よりも中国電力の意向を尊重したととられてもしかたのないものです。
 昨日、上関町で見て感じたことを整理し、更に調査を重ね、9月県議会でしっかり発言したいと思います。
 中間貯蔵施設の問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

厚東川右岸土被り不足解消へ災害復旧工事とその他の箇所の工事へ

 昨日、令和5年度 県・市議会議員と厚南4地区連絡協議会との懇談会が行われ、参加しました。
 懇談会の中で、7月28日に、厚南4地区連絡協議会が篠﨑宇部市長に提出した要望書に対する宇部市からの回答が報告されました。
 この中から二つ紹介します。
 第一は、厚東川の堤防整備です。
 厚南4地区連絡協議会の要望は下記の通りです。
 「厚東川の堤防は、昭和17年の『周防灘台風』による豪雨により決壊した歴史があり、また近年、記録的な豪雨災害が全国各地で発生していることからも、地域住民は大きな不安を抱えています。これまで、張コンクリート施行など部分的な改修、補強等の対応をしていただいているところですが、堤防右岸の上開作から沖の旦橋付近には未だに昔の石組みの箇所も残っており、危険な状態が続いていると考えています。厚南地区の安心・安全な地域づくりのため、引き続き、管理者である県に対して要望していただき、危険個所の早期発見、改修・補強などの堤防整備と適切な維持管理について対応されるよう強く要望します。」

 6月末からの豪雨で、堤防の土被り不足が判明して、復旧工事に向けて応急対策が施された厚東川の現場

 宇部市からの回答は下記の通りです。
 「河川管理者である県からは、『ご要望の区間において、6月30日から7月11日の大雨により、護岸崩壊、護岸全面の土被り不足が発生しましたが、護岸崩壊箇所は大型土のう等による応急工事を実施した後、災害復旧事業により護岸を復旧する予定です。また、護岸全面の土被り不足発生個所は護岸補強等の工事を実施する予定です」と回答がありました。本市としては、引き続き、厚東川の堤防整備と適切な維持管理について県に要望していきます。」
 私は、昨日、県宇部土木建築事務所に出向いて状況を聴取しました。
 厚東川護岸改修について、まず、豪雨による土被り不足が生じている個所の災害復旧事業についてです。
 県の担当者は「9月補正予算が、当該災害復旧費が確保されるものと思う。漁業者との協議もあるので、遅くとも来年度早々には災害復旧工事に入れるようにしたい。」と答えました。
 次に、その他の土被り不足箇所についてです。
 県の担当者は「県宇部土木事務所として、県単独事業として、事業に取り組めるよう、9月補正予算で計上されるよう、県河川課に要望を上げたところだ。護岸補強等の工事が実施できるようにしていきたい。」と答えました。
 災害復旧事業及び単独事業が予算化されて、厚東川の河川改修が進捗するよう地元県議として必要な要望を継続していきたいと思います。
 二つ目は、JR西日本梶堀第一踏切の拡幅についてです。
 厚南4地区連絡協議会からの要望は下記の通りです。
 「JR西日本梶堀第一踏切と周辺市道(串線・広瀬宇部線・沖ノ旦串線)を通行する車両は年々増加しており、大変危険な状態にあります。また、当該踏切へつながる市道里ノ尾3号線の完成が間近であることなどから、今後さらなる交通量の増加も予想され、車両の渋滞や接触事故などが大いに懸念されるところです。そこで、当該踏切の東側に位置する田草場第一踏切を梶堀第一踏切に移設統合し、踏切道を幅員を広げる『拡幅移設統合』をJR西日本に提案していただき、離合可能で歩道も確保された踏切へ拡幅していただくとともに、周辺市道の串線・広瀬宇部駅線・沖ノ旦線の拡幅工事を実施されるよう、令和5年1月10日付で西宇部地区自治会連合会から要望書を提出していますが、その後の進捗状況について、ご回答いただきますようお願いいたします。」
 市からの回答は下記の通りです。
 「令和5年1月10日付で西宇部地区自治会連合会から要望書をいただきました梶堀第一踏切と田草場第一踏切の『拡幅移設統合』について、JR西日本広島支社に地元の意向を伝えたところ、前向きな回答をいただきました。しかしながら、JRから、踏切の統合に際しては、他社であるJR貨物の施設への影響や鉄道施設の安全基準を満たす位置の選定、用地の確保等の懸案事項をいただいていたところです。今後、これらの課題の解決策について、検討していくこととともに、統合する踏切位置の選定にあたっては、主な利用対象区であり西宇部地区や厚東地区の方々のご意見も伺いながら調整を図っていきます。」
 梶堀第一踏切の拡幅は、私が市議会議員に当選した30年以上前からの懸案事項です。
 今回、田草場第一踏切の拡幅移設統合が提案され、JRから前向きの回答が届いていることは、大きな前進だと思います。
 このチャンスを逃すことなく、梶堀第一踏切が拡幅されるよう、私は、昨日、県として、この問題にどう対処しているのかとの照会を県交通政策課に行いました。
 回答が届けば、本ブログでも紹介したいと思います。
 私自身が、毎日のように利用している梶堀第一踏切の拡幅のため、地元県議として力を尽くしたいと思います。
 引き続き、県政全般に対する皆さんの要望を藤本にお寄せください。

マイナンバーカード使用不能 協会けんぽで約40万件 国民健康保険の実態を調査中です

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、マイナンバーカードについて次のように報じました。
 「受診の際、健康保険証代わりにマイナンバーカードを使用しても、保険加入者のひも付け作業が遅れ、医療機関の窓口で使えないケースが少なくとも40万件あることが16日までに分かりました。政府はマイナンバーカードのひも付けミスの総点検を進めていますが、登録の遅れは対象外です。国内最大の健康保険事業者で中小企業の従業員が加入する『協会けんぽ』は本紙の取材に、約4000万人いる加入者の1%に当たる約40万人分でひも付け作業が終わっていないとしています。協会けんぽの担当者は『加入者本人に書いてもらった住所と住民票上の住所が合わないため、本人と特定できないマイナンバーを取り寄せることができないために作業ができない事例などがある』と説明します。また担当者は『協会けんぽ特有の事情で起きたものではない。他の保険組合でも同じ事情がありうる』とのべました。紙の健康保険証での受信はまったく問題ないとしています。国民健康保険を所管する厚生労働省保険局国民健康保険課は『(国保についても)事実把握を含め、対応を検討している』と本紙に答えました。この間、相次いで発覚した誤登録に続いて、多数の未ひも付け者を生んでいることが今回わかりました。政府が描くマイナンバーカードでの受診の大前提だった医療保険の情報とマイナンバーのひも付けすらままならない状況は制度の欠陥を示しています。また政府が来年秋に計画する紙の健康保険証の廃止は、この未ひも付け問題の発覚で不可能であることは明らかです。」
 私は、8月9日に全国保険医団体連合会が発表した「70歳以上の高齢者でオンライン資格確認の画面の『負担割合』と健康保険証の券面の『負担割合』に相違が『あった』」と回答した医療機関が県内で17医療機関あったことを紹介しました。
 この実態について、現在、健康福祉部に照会しています。
 県内の国民健康保険において、マイナンバーカードへのひも付け作業が終わっていないケースが何件あるのか、遅れているのならその原因をどのように認識しているのか、新たに、健康福祉部に照会したいと思います。
 その結果について、本ブログで紹介していきます。
 冒頭の記事にあるように、相次ぐ問題を受けて、政府が来年秋に計画する紙の健康保険証の廃止は、中止すべきだと思います。
 マイナンバーカードに関する皆さんのご意見をお聞かせください。

上関町長は、中間貯蔵施設の調査受け入れを行うべきではありません。

 昨日、中国新聞デジタルは、中間貯蔵施設の調査受け入れの可否を上関町長が18日にも中国電力に伝達へと次のように報じました。
 「中国電力が原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設を建設するため山口県上関町に申し入れた調査を巡り、同町の西哲夫町長は14日、調査の受け入れの可否について18日にも中電に伝える意向を示した。西町長は町議会の臨時会を18日に召集し、町議の意見を聞いた上で、町の方針を判断するとしている。調査が始まれば国の交付金が入り、西町長は『町の財政が大いに安定するのは間違いない』と期待を示している。町議会でも、中電が町内で計画する原発建設の推進派が過半数を占めている。西町長は14日の町議会議会運営委員会に出席した後、報道陣に『まだ調査段階なので議会の議決が必要な案件ではない』と述べ、受け入れの可否を採決する議案を提案しない考えを表明。『(8日の)全員協議会、臨時会で議員の意見を聞いて総合的に判断する』とし、『18日中に中電へ回答したい』と述べた。議会運営委員会は非公開で約1時間15分あり、臨時会の日程を18日の1日間と申し合わせた。山村泰志委員長や岩城和美議長によると、臨時会で西町長が中電の申し入れについて自身の考えを含めて報告し、岩木議長を除く町議9人がそれぞれ意見を述べる。質疑応答はしない。この日、町議会から要請を受けた中電の幹部たち4人が、中間貯蔵施設や調査について町議に説明するため町役場を訪れた。しかし、調査に疑問を持つ住民たち約30人が役場前に集まり、町議会は説明会の中止を決め、幹部たちは説明できずに引き返した。町内で原発の準備工事が止まる中、町から新たな地域振興策を要請された中電は2日、使用済み核燃料の中間貯蔵施設を関西電力と共同で建設するため、庁内の所有地で調査する方針を町に申し入れた。」
 13日に「上関どうするネット」主催の緊急リレートークが行われ、私は、ズームで参加しました。
 この中で、伴英幸原子力資料情報室共同代表が、「中間貯蔵施設に必要な設備群」と題して報告しました。
 伴さんは、中間貯蔵施設の構成として①専用港(クレーン施設付)②専用道路③貯蔵建屋だと説明。
 伴さんは、青森県むつ市の中間貯蔵施設の構成について説明します。
 使用済み燃料の輸送船である六栄丸は、全長約100㍍全幅約16.5㍍、載貨重量約3000㌧、使用済燃料輸送容器最大20基を積む力を持っています。
 日本原燃の港は、幅が約300㍍で、150㌧の橋型クレーンが設置されています。
 使用済み燃料・ガラス固化体輸送車両は、6軸48輪の自走式です。輸送容器100㌧以上の重量物を輸送します。全長約12㍍、全幅3.2㍍、全高1.8㍍です。車両重量は約33.7トン、最大積載量は約135㌧、使用済燃料輸送容器1基、もしくは、ガラス固化体輸送容器1基を輸送します。
 伴さんは、一般国道などは通行できず、専用道路が不可欠だと指摘します。
 また、傾斜角は15度以下でないと通行できないとも説明します。
 むつ市にある中間貯蔵施設は、リサイクル燃料貯蔵(株)が運営しています。1棟目は、使用済み燃料3000㌧を、2棟目は2000㌧貯蔵する計画です。
 伴さんは、中間貯蔵施設を上関に当てはめると、長島北側に専用港が建設されるのではないかと説明します。
 伴さんは「輸送車両は傾斜角15度以下であるので、中間貯蔵施設敷地の大幅な掘り下げが必要ではないか、建屋建設や専用道路敷設により、土地が削られ、森林が伐採され、景観は大きく変わることになる」と話します。
 私は、伴さんの説明を受け、リレートークで「中間貯蔵施設を上関町長島に造ることになると、専用港建設のために、公有水面埋立許可が必要になるのではないか。建屋建設や専用道路敷設による、森林の伐採が必要になるため、林地開発許可が必要になるのではないか。中間貯蔵施設を造るためには、村岡知事の許可権者としての責任が問われる場面が生じてくるのではないか。許可権者としての知事の責任について注視していく必要がある。」と述べました。
 再処理工場も最終処分場もない使用済核燃料。中間貯蔵施設に持ち込まれた使用済核燃料は次に向かう先がなく、実質的に最終処分場になってしまうことは必至です。
 当然、使用済核燃料は、使用済燃料をプール貯蔵から乾式キャスク貯蔵へ移行させたものです。
 長沢啓行大阪府立大学名誉教授は2017年に行った講演の中で、「キャスクに18年以上冷やした使用済み燃料でも、福島原発4号機の燃料プールのやや高いレベルの汚染と同じ位の放射線が出る」と労働者の被爆を指摘します。
 また長沢教授は、中間貯蔵用金属キャスクの耐用年数は40年~60年とも指摘します。実質、最終処分場である中間貯蔵施設で、使用済み核燃料を新しいキャスクに入れ替える作業を行うというのでしょうか。
 放射線を輩出し続ける使用済み核燃料を見通しもなく受け入れると、そんなはずではなかったという事態になることは必至です。
 このような重大な判断を上関町の西町長が18日にも受け入れると決断することを認める分けにはいきません。
 中間貯蔵施設に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

五ノ井里奈著「声をあげて」を読みました。

 しんぶん赤旗の書評に、ジャーナリストの三宅勝久さんが、五ノ井里奈著「声をあげて」について次のように書いています。
 「好きな柔道をきわめたいー。そんな夢を抱いて自衛隊に入った若者の、本書は手記である。自衛隊候補生として陸上自衛隊に入隊し、半年間の教育隊を終えて配属された先は、セクシャル・ハラスメントが日曜的にあるいわく付きの部隊だった。はたして、配属後ほどなくして複数の男性先輩隊員らから強制わいせつ被害に遭う。さらに、隠蔽、黙殺をはじめとする数々の理不尽な仕打ちを受ける。深く傷つき、絶望しかけた著者に勇気を与えたのは、ふとよみがえった自身の東日本大震災の被災経験だ。『生きたくても生きれなかった人がたくさんいたのに、わたしは何をしているんだ!生きなきゃ!』被災した当時11歳。自衛官に助けられ、自衛隊に入ろうと思ったきっかけともなった出来事だ。立ちはだかる壁に向かって、尊厳を取り戻す闘いを挑む。武器はただひとつ『声』だ。インターネットを駆使し、実名を出して被害を世に告発した。反響があった。支援の署名が1カ月間で10万筆を超した。国会議員も動き出した。自衛隊内からセクハラやパワハラを告発する多数の声が届いた。世論の高まりを防衛省は無視できなくなり、調査を実施。加害者と隠蔽にかかわった幹部隊員らを処分、謝罪する。精強を誇示する巨大省庁が、物静かな『声」にたじたじとなる。著者の戦いぶりは、まさに『柔よく剛を制す』であり痛快である。自衛隊の不人気が著しい。22年度の『士』の採用は、9000人の予定に対して約半数だった。著者の事件の影響もあるだろうが、それだけではあるまい。災害救助をアピールして入隊希望者を募っているが、じつは自衛隊法3条の任務に『災害派遣』はない。その欺瞞を若者が見抜きはじめたのではないか。」
 7月31日、舞西新聞は、五ノ井さんが提訴している裁判について次のように報じました。
 「陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県郡山市)に所属していた元自衛隊員3被告の第2回公判が31日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)で開かれた。事件現場にいた元上司の男性の証人喚問が行われたが、被害者参加人として法廷にいた五ノ井さんが体調不良を訴えて倒れた。五ノ井さんは救急車で病院に搬送されたが、代理弁護士によると、体調は回復したという。開廷から約1時間が経過した午後2次半ごろ、それまで硬い表情で証人や被告を見つめていた五ノ井さんが崩れるようにして倒れた。荒い呼吸音が響き、五ノ井さんは車いすに乗って法廷を出て、救急車で病院に向かった。後半は一時休廷した。」「起訴状によると、3被告は、2021年8月3日夜、北海道の演習場で、格闘技の技で五ノ井さんをあおむけに倒して体に覆いかぶさり、わいせつな行為をしたなどとされている。6月の初公判で3被告は起訴内容を否認し、無罪を主張している。この日は、元2等陸曹で、3被告と五ノ井さんの元上司だった男性が証言台に立った。22年10月に3被告とともに性暴力について五ノ井さんに直接謝罪し、同12月に懲戒免職となった。検察側の質問で、元上司は、当初の自衛隊の内部調査について『事実を言わず、(わいせつ行為は見ていない)と答えた』と話し、その理由として『3被告を守りたかったという気持ちと、上司である自分が注意できなかったことに責任を感じた』と述べた。証言を翻した理由について元上司は『渋谷被告に(全部言いました)と言われ、(自分も全て言うよ)と伝えた。誹謗中傷もある中で五ノ井さんが実名を出して訴えかけている姿に、(なんで自分はうそをついているんだろう)と説明。一部のわいせつ行為については目撃していないとしつつ、3被告に対し、『しっかり最後まで責任をとってほしい』などと訴えた。休廷から約1時間後、再開された証人尋問の中で、元上皮は五ノ井さんに提出した謝罪文について『自衛隊による事前チェックを受けて内容を直した』と明かし、『謝罪の際に自衛隊から(Q&A)を見せられたが、マニュアルの謝罪だと本当の反省は伝わらないと思いその場で自分の言葉で謝罪した』などと述べた。」
 私は、五ノ井里奈著 岩下明日香構成 「声をあげて」を読みました。
 実名を上げて強制わいせつ事件に関する調査を求める署名を集めている中で、「自衛官にはハラスメントがない。嘘の情報を流すのはやめてください。止めないなら、殺すぞ」との脅迫めいたメールが届いたこともあったとあります。
 被害を受けた五ノ井さんも退職に追い込まれ、加害行為に関与した5人の自衛官も懲戒免職となり計6人の自衛隊員が職を失いました。
 この事態に対して五ノ井さんは「新隊員を募集する前に、いまいる隊員をもっと大切にしてほしい。被害に遭った隊員が退職に追い込まれることがないように、助けて、守ってほしい。すぐに注意して問題視できる上官を育て、ハラスメント防止に対する意識を高めること。そして、ハラスメントはあってはならないものだという認識のもと、厳罰化することで再発防止につなげてほしい。」と語っています。
 この本を構成した岩下さんは、五ノ井さんの体調について次のように書いています。
 「五ノ井さんは、時おり『耳鳴りがひどい』と漏らし、沈黙することがある。『キーン』と耳の億で鳴っている音がうるさくて眠れないことがあるという。訓練による後遺症なのか、性暴力による後遺症なのか、被害を明かしてから『嘘をついているのではないか』などの否定的反応を受けた二次被害(セカンド・レイプ)が影響しているのかは、わからい。五ノ井が『心の傷は一生』というように、公務中に被った身体的・精神的な後遺症は、記憶と精神に深く刻まれている。その傷口を開き、痛みを他人に見せることは、当事者にとっては苦痛なはずである。」
 心の傷口を開き、痛みを他人に見せる苦しみを感じながら、法廷で、闘い続けている五ノ井さんを私は、これからも応援していきたいと思います。
 防衛省・自衛隊には、五ノ井さんの「声」に真摯に向き合い改善を進めてほしいと思います。
 巨大省庁に「声」で挑んだ五ノ井さんの手記「声をあげて」を是非、一人でも多くの皆さんに読んでいただきたいと思います。