25日、しんぶん赤旗日刊紙は、マイナンバーカードで受診できるようにするためのひも付けが遅れていることに関する厚生労働省の調査結果を次のように報じました。
「マイナンバーカードで受診するできるようにするためのひも付けがされず、健康保険証代わりに利用できない状態が約77万件あることが24日、厚生労働省の調査でわかりました。この問題では全国健康保険協会(協会けんぽ)で、約36万人分のひも付けが7月末時点で未完了だったことが判明。これを受けて、厚生労働省が健保組合なども対象に調査したところ、協会けんぽも含め約77万件のひも付けが済んでいないことが判明しました。厚労省はひも付けを担う健康保険組合などに対し、等該者に通知するよう要請するとともに11月末までの解消を目指すとしています。(解説)協会けんぽの担当者は本紙の取材に、ひも付け未完了の理由として、加入者本人や勤務する事業者がマイナンバーを同協会に提出していないことを原因の一つにあげています。しかし、勤務先の事業者や健康保険組合などに、マイナンバーを提出することは義務づけられていません。出すかどうかについては、加入者本人の意思です。また河野太郎デジタル相は総点検の中間報告をした8日の会見で『制度の登録の申請をする際には、マイナンバーの記載を明確にする省令等の改正をお願いしております』とのべました。これまでの誤登録やトラブルが相次いだことについて、本人がマイナンバーを提出しなかったことに『原因』を求めるのは本末転倒です。政府は来年秋に現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードで受信に一本化する方針です。本来、マイナンバーの提出やマイナンバーカードの取得は本人の判断によるもので強制ではありません。にもかかわらず、それが義務化のように政府がゴリ押しするところにトラブルの根本原因があります。」
厚生労働省が24日に示した「マイナンバーカードと健康保険証の一体化について」にこうあります。
本年8月段階で、協会けんぽの未登録者が約36万人。
被用者保険及び国保組合の全保険者での未登録者が約77万人。
約77-約36=約41万人が、国保組合及び協会けんぽ以外の被用者保険での未登録者になります。
私は、今、県内の国保組合の未登録者がどの程度いるのか、調査を県健康福祉部にお願いしています。
記事にあるように、マイナンバーカードは強制ではありません。
ならば未登録者はなくなりません。
その根本問題を政府は認識しないまま、保険者や加入者にマイナンバーカードへの「強制」を行うのは根本矛盾がそこにあります。
紙の保険証を残すことは国民の命を守る上で必ず必要なことです。
約77万人の被保険者が、マイナンバーカードにひも付けされていません。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
日本共産党の志位和夫委員長は22日、国会内で記者会見し、岸田政権が決定した東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出について、次のように述べました。
・・・
汚染水の海洋放出を中止せよ
2023年8月22日 日本共産党委員長 志位和夫
一、岸田政権は、24日にも東京電力福島第一原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を行うことを決定した。これは「漁業者など関係者の理解なしには、いかなる処分も行わない」という政府の国民、福島県民への約束を公然と投げ捨てるものであり、断じて許されるものではない。海洋放出の中止を強く求める。
21日に首相と面会した全国漁業協同組合連合会の坂本雅信会長は、「海洋放出については依然として反対するという立場を堅持する」と明言している。岸田首相は、20日に福島視察を行ったが、福島の漁業関係者、自治体首長とは面会もしなかった。「聞く耳」をもたず、約束も守らない、岸田首相の政治姿勢は民主主義の根幹を揺るがすものと言わざるを得ない。
一、核燃料が溶け落ちたデブリに接触して汚染された水は、アルプスで処理しても、放射性物質のトリチウムは除去できず、「規制基準以下」とはいえセシウム、ストロンチウムなどトリチウム以外の放射性物質も含まれていることを、政府も認めており、関係者の同意が得られないのは当然である。
一、汚染水(アルプス処理水)の海洋放出を強行すれば、漁業のみならず加工・輸送・卸業や観光への様々な影響が出ることは避けられず、福島の復興に重大な障害となる。原発事故を引き起こした東京電力や政府が、その責任を脇に置いて、福島の復興に大きな障害をもたらすことを、被害者に押しつけることは許されない。
一、福島第一原発の建屋内への地下水の流入を止めない限り、汚染水は増え続けることになる。重大なことは、「凍土壁」などの対策が十分な効果をあげていないにもかかわらず、政府が汚染水の増加を止めるための有効な手立てをとっていないことである。政府は、広域の遮水壁の設置など汚染水の増加を止めるための手立てを真剣に講ずるべきである。
専門家から「大型タンク貯留案」や「モルタル固化処分案」など、放射性物質の海洋放出を回避する手立てが提案されている。問題を解決するための真剣な検討と対策を行うべきである。
・・・
福島第一原発の汚染水海洋放出が開始されたことと、上関町で使用済み核燃料の中間貯蔵施設の調査が開始されようとしていることは、岸田政権が昨年末に決めたGX基本計画の延長線上にあるもだと思います。
原発回帰の政策を強行する岸田政権は、国民の不安や諸外国の反対の声よりも、財界や電力会社の意向を尊重する中で、汚染水海洋放出と中間貯蔵施設の調査が強行されようとしています。
汚染水にも、中間貯蔵される使用済み核燃料にも放射性物質が十二分に含まれていることに対する関係者や国民、諸外国政府に対する岸田政権の説明はあまりにも不十分です。
これからは、汚染水が海洋放出された福島県の人たちと連帯して、上関町で始まる中間貯蔵施設調査開始に反対する運動を強めていきたいと思います。
明日8月26日(土)上関総合文化センターで13:30から、
「中間貯蔵施設とは」と題する講演会が開かれます。
講師は、原子力資料情報室共同代表の伴英幸さんです。
入場無料です。どなたでも参加できますので、多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
私は、午前中、総代長を務めているお寺で法座があり、その後、宇部市吉部を出発しますので、1時間程度、遅れますが、講演会に参加予定です。
皆さんと中間貯蔵施設のことについて考えていきたいと思います。
汚染水の海洋放出と中間貯蔵施設についてのご意見をお聞かせください。
昨日、呉山口初中級学校長は、村岡知事に、「2024年度 学校法人山口朝鮮学園の『私立外国人学校特別補助金』予算計上並びに交付についての要望書」を提出し、水野学事文書課長が受け取りました。
提出された要望書は以下の通りです。
・・・
2023年8月23日
山口県知事 村岡嗣政様
学校法人 山口朝鮮学園
山口朝鮮初中級学校
学校長 呉 栄哲
2024年度(令和6年度)学校法人山口朝鮮学園の
「私立外国人学校特別補助金」予算計上並びに交付についての要望書
平素より、県の教育向上のためにご尽力下さり敬意を表します。また、3年間に及ぶ新型コロナウイルス感染拡大防止のための取り組みに対しても、心から感謝申し上げます。
昨年度は学校保健特別対策事業費補助金(感染症対策支援事業)に本校を含めていただきました。また、システムの違いにより実現はしませんでしたが、私立学校給食費等に係る物価高騰差額補助金の事業からも本校を除外しませんでした。
今年に入り、幼稚園から中学校等が保有する送迎バスに対して、安全装置の導入のための学校安全特別対策事業費交付金のご連絡もいただきました。本校の規模では必要なかったので申請はしませんでしたが、学事文書課からの申請の連絡には「義務付けの対象は幼稚園から小学校までであり、中学校や貴校を含む各種学校は義務付けの対象外となっています。・・・義務付けの対象外ではありますが、補助金の対象と含めることが可能となったことから、案内させていただいております。」と記されていました。本校の子どもたちを幼稚園生、小学生と認めて対応してくださったことをたいへん嬉しく思いました。
それまでは何もかも、朝鮮学校は除外でした。高校無償化から除外、山口県の補助金の停止、下関市・宇部市からの補助金の停止、幼保無償化からの除外、ひいては校内マラソン大会の道路使用料減免までも朝鮮学校はだめだと除外されました。
本校は朝鮮半島にルーツを持つ日本で生まれ育った子どもたちに、母国の言葉や歴史・文化を教えること、そして日本社会で日本の人々と共に生きる、そうした知識と能力、豊かな人間性を育てることを教育目標にその役割を果たしてきました。
また、身近な国際交流の場としても、地域での活動、近隣の小中学校と交流教育もさせていただいています。
補助金停止から今年で10年になります。しかし、差別状態はもうそんなに長く続かないと思います。
なぜなら、今年4月に施行された「子ども基本法」にもすべての子どもが自立した個人として権利を守られ、差別的とりあつかを受けることがないようにすると基本理念で記されていますし、教育を施し教育を受ける教育権は、政治問題、外交問題に連動するものではありません。本来の姿ではないからです。
山口県には是非、こうした差別の是正に取り組んでいただきたい。そしてその第一歩として補助金の再開を強く望んでいます。
記
県は、2024年度(令和6年度)予算に「私立外国人学校特別補助金」を計上し、学校法人山口朝鮮学園に補助金を交付すること
・・・
水野課長は、山口県が補助金を支給していない理由について「朝鮮学校を高校授業料無償化の対象外としている国の考え方、補助金支給に対する他県の動向、北朝鮮の様々な行動に対する国内外の受け止め、これらを総合的に勘案し、県として、県民の理解が得られないと判断している」と答えました。
私は、同日夜行われた第39回西宇部・厚南・黒石地区人権を考える学習会に参加し、藪本知二山口県立大学名誉教授の「子どもの権利の持つ意味ー子どもの意見表明権を中心にー」との講演を聴きました。
藪本名誉教授は子ども基本法の基本理念である3条にこうあると指摘しました。
「全てのこどもについて、個人として尊重され、その基本的人権が保障されるとともに、差別的扱いを受けることがないようにすること」
子ども基本法5条にはこうあります。
「地方公共団体は、基本理念にのっとり、こども施策に関し、国及び他の地方公共団体との連携を図りつつ、その区域内におけるこどもの状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有する」
つまり、子ども基本法に基づき、山口県は、全てのこどもに差別的扱いを受けることがないような施策を実施する責務があるのです。
その点で、昨日の要望書が指摘しているように、朝鮮学校に補助金を出さないという山口県の対応は、こども基本法5条を順守していないものと言わなければなりません。
水野課長は、懇談の中でこの点について問われ、「回答は控えたい」と答弁しましたが、県は、こども基本法から補助金カットがいかに子どもを差別的に取り扱うものであるかを十二分に検討すべきです。
そして、来年度からは、補助金を復活すべきです。
また、要望書にある「マラソン大会の道路使用料の減免の除外」について、昨日、県警本部にどのような状況なのか、今後どう対応するのか後日、私に説明いただくよう要請したところです。
県警本部から回答がありましたら、本ブログで報告していきたいと思います。
朝鮮学校への補助金カット問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
マイナンバーカードの不具合について20日、しんぶん赤旗は、次のように報じています。
「医療機関でマイナンバーカードを使って受診の受け付けをした場合、患者が所得にかかわる情報の提供に同意しないと、本当は1~2割負担なのに3割負担などと誤った負担割合が表示されるコンピューターシステムが一部機種にあり、医療現場が混乱しています。千葉県船橋市の船橋二和病院付属ふたわ診療所ではー。同診療所は今年4月からカードリーダーを設置し、マイナンバーカードでの受け付けを始めました。すぐに問題が発生しました。『先月まで1割負担だった高齢者が次々に3割負担とコンピューター端末に表示され、驚きました。紙の保険証の負担割合を確認するため待合室に患者さんを探しに行ったり、大変でした』。こう証言するのは医事課主任の近藤純さん(46)です。患者がカードリーダーを操作する様子を確認し、コンピューターシステム業者とやり取りするなかで、不具合の理由が分かりました。カードリーダーにマイナンバーカードを置くと、患者は本人確認の方法をはじめ、複数の項目で選択を求められます。『高額療養費制度』を利用するかどうかも問われます。所得に応じ1カ月の自己負担限度額を定めたものです。『利用する』へ進むと『限度額情報を提供しますか?』と問われます。ここで、『提供しない』を選択すると、誤った負担割合が表示されるといいます。同診療所を受診する1日500~600人の患者のうち、マイナンバーカードで受け付けするのは10人程度。それでも『個人情報を見られたくないという心理が働き(提供しない)を選択する人が多いのだと思います』と近藤さん。原因が分かってからはマイナンバーカードで受け付けする人に職員がつきっきりになり、限度額情報を『提供する』にタッチするようにお願いしています。『大変な手間。1件の受け付けに2分はかかります。自己負担限度額を超える人は一部なのに(限度額情報の提供)に同意しないと正しい負担割合が出ないのはおかしい』。近藤さんは指摘します。厚生労働省は、診療報酬の請求に使うレセプトコンピューター(レセコン)等の一部でこうした不具合が発生しているとして、業者に改修予定などの情報提供を求めています。同診療所が18日、レセコン業者に問い合わせたところ、9月に改修する予定と回答しました。マイナンバーカードでの受け付け開始から半年近く後です。近藤さんは訴えます。『マイナンバーカードによる保険資格の確認は、さまざまな段階で問題が起きる可能性があると分かってきました。保険証が廃止されれば、誤りに気づくことすらできません。保険証廃止はあり得ない。存続させるべきです。」
ある県内の医療団体の方にお尋ねすると、「県内でも同様のことが起こっている可能性は十分にある」ということでした。
県内で同様のことが起こっていないか調査したいと思います。
これほどのトラブルが発生しているならば、紙の保険証の廃止は、きっぱり中止すべきです。
マイナンバーカードに対する皆さんのご意見をお聞かせください。
6月17日、宇宙監視レーダー基地建設に反対する会(以下レーダー基地に反対する会)が中国四国防衛局に行っていた申し入れに対する回答が、昨日行われ、私も参加しました。
まず、宇宙監視レーダー基地を菊川断層帯上に建設することについてです。
レーダー基地に反対する会は、「防衛省が私たちに住民へ回答した際の『レーダー基地直下に活断層が無いことを確認した』という根拠が、国立研究開発法人産業技術総合研究所及び文科省地震調査推進本部のデーターベースであった。しかし、防衛省が示した両者の菊川断層に関する記述には重大な相違点があることが判明した。しかも、防衛省はこの重大な相違点を知りながら、レーダー基地直下の活断層調査も行わず、住民に対しては『レーダー基地直下に活断層が無いことを認した』と繰り返し回答したが、これは欺瞞である。直下に活断層が無いと判断した具体的な根拠があれば示されたい。」と質しました。
中国四国防衛局の担当者は「敷地内に活断層があるという資料は見当たらない。建築基準法に基づく耐震基準には合致した施設となっている。活断層の調査を行う考えはない。」と答えました。
参加者が国土地理院の最新の調査結果で、施設から約300メートル北側に活断層があることが判明していると指摘すると、担当者は、「敷地外に活断層があることは承知している」と答えました。
私は、「施設から300メートル離れた活断層は調査しなくてもいいと判断した根拠を示せ」と質しました。担当者は「施設内に活断層があるという資料は見当たらない」との答弁を繰り返し、新たに活断層調査を行う考えはないと答えました。
第二は、宇宙監視レーダーの役割についてです。
レーダー基地に反対する会は「防衛省が進めるSSAレーダー基地に対して、3月16日米宇宙統合軍のモアハウス准将が、宇宙監視レーダーが『北朝鮮のミサイル発射への対応にも活用できると期待する』と述べている。このことは、『敵基地反撃能力』のことと推察される。このことが可能なのかどうか説明を求める」
中国四国防衛局の担当者は、「SSAレーダーは、北朝鮮のミサイル発射を探知するものではない。宇宙ゴミや静止衛星などを監視するSSAレーダーの機能は変わっていない」と答えました。
政府の宇宙開発戦略本部が決定し、今年6月13日に閣議決定された「宇宙基本計画」は「宇宙領域把握(SDA)体制の構築」について次のように書いています。
「これまで構築してきた宇宙物体の位置や軌道等の情報を把握する宇宙状況監視(SSA)体制に加え、宇宙物体の運用・利用状況及びその意図や能力を把握する宇宙領域把握(SDA)体制を構築する。」
私は、宇宙領域把握体制の構築の中で、宇宙状況把握体制はどのように変化するのか住民に説明すべきではないかと質しました。
中国四国防衛局の担当者は「あくまでも宇宙状況把握体制は変わらない」と繰り返します。
私は、「『宇宙基本計画工程表』に『実効的なSDAを実施するために必要な、宇宙領域専門部隊を引き続き強化するとともに、宇宙状況把握システムを運用する』と明記されている。SDAを実施するために、SSAを運用すると工程表に明記されている。宇宙基本計画を受けて、SSAに新たな役割がどのように付加されるのか住民に説明すべきだ」と再度質しました。
中国四国防衛局の担当者は、工程表に書かれている事実を認め、「この場では回答できない」ことを認めました。
私は、SDAを実施するためにSSAを運用することで、SSAに新たにどのような任務が付加するのか、県を通じて国に照会してもらうよう本日中に総務部へ要請しようと思います。
第三は、レーダー運用時の電磁波に対するモニタリングについてです。
レーダー基地に反対する会は「防衛省から『机上での検討の結果電磁波は、法務省電波防護指針に定められている数値より低く収まっており、モニタリングを行う考えはない』と回答があった。令和1年8月28日に行われた第二回住民説明会では、運用開始後のモニタリングについての質問に対し『当然行う予定です。数値等については必要があれば示したい』と回答があった。モニタリング実施について考え方を転換したのかどうか説明されたい」と質しました。
山陽小野田市のホームページに、山陽受信跡地へのレーダー配備についての説明会(第2回)の職員がまとめた資料がアップされています。
Q運用開始後も、モニター等で定期的に、測定するのか。A当然、行う予定。数字等については必要があれば示していきたい。と山陽小野田市の公文書にも明確です。
防衛省の担当者は、「運用開始後は法令の範囲内であるか検査は行う。開始後のモニタリングを行う考えはない」との答弁を行いました。
のど元過ぎれば熱さ忘れる防衛省の姿勢が明確です。防衛省は住民説明会での答弁に責任を持ち運用開始後のモニタリング調査を実施し、必要な場合は、その結果を住民に開示すべきです。
第四は、レーダー基地内の危機管理体制についてです。
レーダー基地に反対する会は「『警備体制の人員配置については検討中』となっていたが、現状を示されたい。また、レーダー基地からの周囲の幹線道路までの距離がわずか百数十メートルの場所もあり、危機管理上の人員配置に対する考えを示されたい。また、危機管理上でさえ人員配置ができない理由があるのか示されたい」と質しました。
中国四国防衛局の担当者は、「監視カメラで24時間365日監視していく。警備員を配置するかどうか現在検討中だ」と答えました。
この点についても、警備体制をとることを住民に示しながら、配置人員を未だに示さない防衛省の姿勢は、周辺住民の意向尊重は、建設が始まる前までとも受け止められます。
今日学んだ様々な問題につて、県を通じて国に質していきたいと思います。
盆間、少し休みが取れたので書店に行って、帚木蓬生さんの「白い夏の墓標」を購入して読んでいます。
本の帯に「1983年に出版された本ですが、名作といわれるものは絶対に色褪せることはありません。」の言葉と、帚木さんの本ははずれがない過去の経験でこの本を読んでいます。
文庫の裏表紙から本小説のアウトラインを共有します。
「パリで開かれた肝炎ウィルス国際会議に出席した佐伯教授は、アメリカ陸軍微生物研究所のベルナールと名乗る見知らぬ老紳士の訪問を受けた。かつて仙台で机を並べ、その後アメリカ留学中に事故死した親友黒田が、実は、フランスで自殺したと告げられたのだ。細菌学者の死の謎は、真夏のパリから残雪のピレネーへ、そして二十数年前の仙台へと遡る。医学と人間の闇を問い続ける著者の原点。」
翻訳家の高見浩さんは、文庫の解説で次のように書いています。
「特筆すべきは、一種預言的とも言える本書のテーマの今日性である。ミステリーには、そのテーマの陳腐さゆえにしだいに埋もれていく作品と、逆に、そのテーマの深切さゆえにしだいに光彩を増してゆく作品があるとすれば、本書『白い夏の墓標』はまちがいなく後者の典型的な例である。」
アメリカの細菌兵器開発に手を染めることになる黒田は、「白い夏の墓標」の中での手記で次のように書いています。
「ウィルスもバクテリアも、それ自体は、ニュートラルな興味の対象でしかない。山と同様、究めつくすことに快感がある存在だろう。まっとうな科学も、逆立ちした科学も、それは同じことだ。/それでは研究者を、逆立ちした化学に向かう者と、まっとうな化学を目指す者に振り替えるものは一体何なのか。実は、何もない。未知のものを究めること自体が快感としてひとり歩きしはじめると、まっとうな科学も、いつのまにか逆立ちしてしまう。/ぼくたちがやっていることは確かに、逆立ちした科学だ。だが、もっと恐ろしいのは、まっとうだと思いこみ、また人からもそう信じられ、その実、逆立ちしている科学ではないのか。」
高見さんは、文庫の解説で、この黒田の手記を引用した後でこう書いています。
「黒田の抱くに至ったこの認識は、単に細菌学のみならず、電子工学、原子物理学等、現代の最先端をいくすべての科学に当てはまる真実を内包している。」
元京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんは、「原発事故は終わっていない」の中で、核のゴミについて次のように書いています。
「未来の、たとえば100年後の子どもたちは、私たちがこの瞬間に行う選択に関していっさい文句が言えません。私たちが原子力発電を利用するという愚かな選択をした結果、彼らは原発から何の恩恵も受けず、始末に困る危険なごみだけを残されてしまいます。そうした事態を生み出した原子力というものは最低だと私は思います。だから私は、日本での原子力の暴走を許し、子どもたちに処分できない危険なゴミを残す自分が許せないのです。私はかつて原子力というものに夢をもって、原子力をやりたいと研究の道に進んでしまった人間です。私の人生で最大の誤りでした。その愚かな選択をした自分に対しては、私自身が落とし前をつける以外にありません。その責任を果たすためにも、原子力を廃絶させようと思います。」
小出さんの専門は、原子核工学です。京大で助教まで務めた小出さんが、「原子力廃絶」を訴えています。私は、小出さんは、「白い夏の墓標」の中で、黒田が手記に書いている「まっとうな科学者」だと思います。
核燃料サイクルの破綻から目を逸らし、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の調査を進めようとする電力会社、それに協力する政府や上関町などは、原子力発電を「まっとうだと思い込み、その実、逆立ちした科学」に立脚した人たちだと私は思います。
子どもたちに処分できない危険なゴミを残すことを正当化することは、「逆立ちした科学」に立脚するものであるということを一人でも多くの県民の方に理解していただきたいと思います。
上関町が中間貯蔵施設の調査を受け入れたことを受けて、県内で新たなたたかいが始まりました。
その私を勇気づける本が、帚木蓬生さんの「白い夏の墓標」であり、小出裕章さんの「原発事故は終わっていない」でした。
これらの本に勇気づけられつつ、9月県議会へ向けて、中間貯蔵施設の問題を始め、様々な県政課題について、しっかり学んでいきたいと思います。
中間貯蔵施設の問題などに対する皆さんのご意見をお聞かせください。