昨日の中国新聞は、山口県が、地球温暖化対策実行計画を見直す方針を明らかにしたと次のように報じました。
「県は18日、3月末に策定した地球温暖化対策実行計画を見直す方針を明らかにした。温室効果ガスの削減目標に国の計画と大幅な開きが出ていた。2023年3月末までに目標値を再設定し、達成に向けて新たな施策を考える。県幹部による環境政策推進会議で環境生活部の神杉さとみ部長が説明した。政府は10月、30年度までに温室効果ガスの排出量を13年度比で46%減らす計画を閣議決定した。県は同期間に17.8%減らす目標だった。今後は目標の見直しに向けて事業者と市町と意見交換を重ねる。」
世界自然保護基金ジャパンは、「脱炭素列島」というサイトで、2013年度比で2030年度の温室効果ガス排出量削減も目標と2050年ゼロカーボン宣言を元に各都道府県をレベル分けをしており、山口県はワースト3位です。
世界自然保護基金ジャパンは山口県に対し「多くの都道府県が2050年温室効果ガス排出実施ゼロを宣言しているが、山口県はまだ宣言をしていない。『山口県地球温暖化対策実行計画』では、温室効果ガス排出量を2030年に17.8%削減する目標にとどまっている。2050年温室効果ガス排出実質ゼロを宣言し、それに見合うよう2030年削減目標を大幅に引き上げ、実現に向けた具体策を進めていくことが必要」と提言しています。
9月県議会で私は、以上を指摘した上で、次の二点を質しました。
①知事は、2050年温室効果ガス排出ゼロ宣言を行うべきだ。
②2030年度の温室効果ガス排出量をせめて政府の「地球温暖化対策計画(案)」通りの46%とするよう「山口県地球温暖化対策実行計画」の改訂に着手すべきだ。
神杉部長は、①について「県としては、宣言については、カーボンニュートラルの達成に向けた国の動き等を踏まえるとともに、県民や事業者、市町などからも、幅広く意見を聞きながら、引き続き慎重に検討することとしている」と答えました。②について「県実行計画には、『今後の国の動向や社会情勢の変化等を踏まえ、必要に応じて見直す』ことを明記しており、県では、引き続き、国の動きを注視するとともに、社会情勢の変化等を踏まえ、県実行計画の改定の必要性について検討してまいる」と答えました。
中国新聞の報道は、県が、県の地球温暖化対策実行計画について「改定の必要性を検討」し、「実行計画の改定が必要」との結論を出したということだと思います。
県地球温暖化対策実行計画の改定を求めてきた者として、県の判断を評価したいと思います。
その上で、引き続き、県に対して2050年温室効果ガス排出ゼロ宣言を行うことと、県地球温暖化対策実行計画の削減目標が高いものとなるよう求めていきたいと思います。
昨日、イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会(森上雅昭代表・以下、住民の会)は、防衛省中国四国防衛局(以下、中四防)の今給黎学局長に対し、イージス・システム搭載艦配備計画の撤回を求める「申し入れ書」を提出しました。中四防への申し入れ書は、柴田萩副市長に手渡されました。
昨日、イージス・システム搭載艦の萩市沖配備に反対する中四防への要請書が柴田萩副市長に渡される
右が森上代表、左が、柴田萩副市長
柴田副市長は「申し入れ書を中四防に届けたい。申し入れ内容は、萩市としても主体的に受け止めたい」と話しました。
10月5日、住民の会は、今給黎中四防局長に対し、①イージス・システム搭載艦とは、「イージス・アショア」の洋上配備ということであり、改めて整備計画の撤回を求める。②「イージス・アショアの構成品を洋上のプラットホームに搭載する」方式について、経過と理由の説明を求める。③防衛省には、説明責任から逃げずに、「申し入れ」への「返答」と、住民説明会の開催を求める。の「申し入れ書」を提出しました。
綿貫賢一中四防企画部次長が、この申し入れについて、電話で回答しました。
綿貫次長は、「防衛省としては、①イージス・アショア配備断念に至った経緯②今後の見通しについて説明する地元説明会の開催を地元自治体と協議を行いながら準備しているところである。申し入れ書の内容については、今後開催される地元説明会の中で、質問頂ければ、丁寧に説明したい。」と答えました。
森上代表は「防衛省は、宇宙監視レーダーに対する住民説明会を12月4日に開催することを決めた。なぜ、イージス・アショアに対する地元説明会は開催できないのか」と質しました。
私は「イージス・アショア断念に至った経緯について、防衛省は、昨年9月4日に報告書をまとめている。つまり、イージス・システム搭載艦に関する説明資料の作成が遅れているので、地元説明会が開催できないのではないか」と質しました。
綿貫次長は「地元説明会の開催に向けて地元と調整し、早期に開催していきたい。」との回答を繰り返しました。
柴田副市長は「萩市としては、コロナ感染症の中でも、地元説明会の早期開催を防衛省に求めてききた。防衛省によるこれまでの説明会は①行政区で2カ所開催②市議会全員協議会での説明が行われてきた。これらについては、同様の対応を求めたい。また、地域住民に周知できる期間をしっかり確保できるタイミングで、住民説明会の日程を決めることも求めていきたい。」と話しました。
防衛省は、早期に、イージス・アショア配備断念の経過とイージス・システム搭載艦の内容についての地元説明会を開催すべきです。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
17日、中国新聞は、岩国市は、米海軍強襲揚陸艦が米軍岩国基地に寄港すると発表したと次のように報じました。
「岩国市は16日、米海軍の強襲揚陸艦アメリカが、近く同市の米軍岩国基地に初めて寄港すると明らかにした。入港は18日の見通し。東アジアの安全保障環境が厳しくなる中、有事の際などに基地を活用できるかどうか確認する狙いがあるとみられる。中国四国防衛局から市に入った連絡によると、滞在期間は数日で、米側は寄港目的を『運用能力の確認のため』としている。19日には報道機関などへの公開を予定している。米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)所属のアメリカは全長約257メートル。岩国基地所属のステルス戦闘機F35Bなどの航空機を乗せ、米海兵隊が敵基地を攻める際の海上の出撃拠点となる。国が従来『補給物資の荷下ろしが目的』と説明していた同基地の港湾施設には、9月に海上自衛隊の護衛艦いずも、10月に米海軍遠征洋上基地ミゲルキースが入るなど、今年は大型艦船の寄港が相次いでいる。岩国市など2市2町と山口県でつくる県基地関係県市町連絡協議会は16日、中国四国防衛局に対し、入港にあたっては周辺住民に影響がないよう配慮し、同基地を軍艦などの母港、定期的な寄港地としないよう申し入れた。」
中国新聞の記事にあるように、山口県基地関係県市町連絡協議会として、16日、藤村県基地対策室次長が丹部中国四国防衛局企画部地方調整課長に口頭要請したことが、岩国市のプレス発表で明らかです。
要請内容は①基地周辺における運用にあたっては、騒音など、基地周辺住民に影響が及ぶことのないよう配慮すること。②岩国基地を米海軍等の母港及び定期的な寄港地とならないようにすること。です。
私は、2005年9月議会で、「沖合移設は『機能代替』が原則。新たな岸壁へ米艦船の接岸は、この原則を逸脱するため、容認できない」はずだと質し、当時の総務部理事は、国の見解を確認したところ「従来どおり燃料及び補給物資等の積み下ろしを行うためのもので、大型艦船停泊のために建設したものではない」という説明を受けた、と答弁しました。
中国新聞の報道の通り、米軍岩国基地の港湾施設に、9月に海上自衛隊の護衛艦いずも、10月に米海軍遠征洋上基地ミゲルキースが寄港し、今日にも、米海軍の強襲揚陸艦アメリカが寄港する予定です。
2005年の私の質問に対する県の回答=米軍岩国基地の沖合移設後の港湾施設は「大型艦船停泊のものではない」とする説明は、完全に破綻しています。
米海軍や自衛隊の大型艦船が米軍岩国基地港湾施設に入港する自体が、明確な「基地機能強化」にほかなりません。
基地周辺住民に影響が及ばないことや、米海軍等の軍艦の母港や定期的な寄港地にならなければ、「基地機能強化」にならないと県は説明するのでしょうか。
私は、この点について、今日、県基地対策課に見解を照会したいと思います。
米軍岩国基地の港湾施設に今日にも、米海軍強襲揚陸艦アメリカが寄港しようとしています。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
毎日新聞は、12日、村岡知事が、11日に党本部で開かれた党所属の県選出国会議員との会合に参加したと次のように報じました。
「任期満了に伴う知事選(2022年1月20日告示、2月6日投開票)へ3選出馬の意向を固めている村岡嗣政知事(48)は11日、自民党本部で開かれた党所属の県選出国会議員との会合で、立候補の意向を伝えた。既に党県連に推薦願を提出しており、会合で国会議員の承認を得たという。県連は近く党本部に正式に村岡知事の推薦を上申する予定だ。会合は、11日早朝、岸信夫県連会長(防衛相)や安倍晋三元首相、林芳正外相ら県選出国会議員が集まる中、非公開であった。同席した友田有県連幹事長によると、村岡知事から推薦願が提出されたことについて国会議員が拍手で承認したといい『(村岡知事には)党と連携しながら山口県のためにまい進してほしい』と話した。県連は近く選挙対策委員会などを開き、党本部に村岡知事の推薦を求めることを正式に決めるという。会合後、村岡知事は、国の22年度の予算編成や政策決定に対する要望のため各省庁を回った。訪問先の防衛省で取材に応じ、会合について『私の思いを述べさせていただいた。考えを整理し、環境を整えてきちんとした形で表明したい』と話した。30日開会予定の県議会11月定例会で正式表明する見通しだ。」
これらの報道を視聴した県民から「村岡知事が、党本部で開かれた会合に参加した際、県職員が同行していなかったか。」との問い合わせがありました。私が、県総務部秘書課に確認したところ、県職員は、予算要望等には、同行したが、党本部での会合については、「同行していない。」と答えました。
14日、NHK山口放送局は、岸防衛大臣が防府市の航空自衛隊基地を視察し、「第二宇宙作戦隊」を新設する意向を表明したと次のように報じました。
「宇宙領域での防衛能力強化に向けて、岸防衛大臣は、専門で対応にあたる『第2宇宙作戦隊』を、来年度、防府市の航空自衛隊防府北基地に新設する方針を明らかにしました。岸防衛大臣は14日、防府市の航空自衛隊防府北基地を視察しました。岸大臣は隊員への訓示で、宇宙領域の専門部隊『第2宇宙作戦隊』を、来年度、防府北基地に新設する方針を明らかにし、『宇宙空間の安定的な利用の確保が極めて重要で、しっかり準備を進めてほしい』と指示しました。『宇宙作戦隊』は日本の人工衛星を、他国からの攻撃や妨害、それに宇宙ごみから守るための部隊で、防府北基地は東京の航空自衛隊府中基地に次いで2カ所目になります。防衛省によりますと、おそよ20人体制で発足し、山陽小野田市に整備を進めているレーダーなどを活用しながら監視にあたる予定だということです。視察のあと、岸大臣は記者団に対し、『宇宙・サーバー・電磁波といった新たな領域と陸海空という従来の領域の組み合わせが死活的に重要だ。わが国の防衛を全うするため、積極的に宇宙領域における能力強化に取り組んでいく』と述べました。」
日本共産党中央委員会理論政治誌「前衛5月号」に党政策委員会の山根隆志さんの「増大する日米軍事同盟の危険性(上)は自衛隊に宇宙作戦隊が発足したことに対し次のように書いています。
「1969年に衆院本会議において全会一致で採択された『我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議』は『宇宙に打ち上げられる物体及び利用は、平和の目的に限り(中略)行うものとする』と明記されていた。いわゆる憲法9条にもとづく『宇宙の平和利用』である。ところが、2008年の『宇宙基本法』で『我が国の安全保障に資する宇宙開発利用を促進する』ことが加えられたことを契機に、内閣府や防衛省、自衛隊による宇宙の軍事利用に道が開かれた。『宇宙の平和利用』の国会決議をないがしろにするものにほかならない。さらに、2015年の新日米ガイドラインで、初めて『宇宙システムの抗たん性を確保し、宇宙監視状況に係る協力を強化する』ことが明記され、自衛隊と米軍の間で宇宙協力ワーキンググループもつくられた。こうした憲法9条を踏みにじる宇宙の軍事利用と日米協力をさらに加速させるために、新『防衛大綱』で宇宙領域での新たな軍拡と日米連携を打ち出したのである。」
憲法9条を踏みにじる宇宙の軍事利用と日米協力をさらに加速させる「第2宇宙作戦隊」が航空自衛隊防府北基地に新設されることは重大です。山陽小野田市に設置されようとしている宇宙監視レーダーとバックアップする形で「第2宇宙作戦隊」が機能することは重大です。
山口県には、東アジア最大の米軍岩国基地があります。萩市沖にイージスアショア搭載艦を配備する動きもあります。その上、山陽小野田市の宇宙監視レーダーとバックアップする宇宙作戦隊が県内に設置されようとしています。
まさに、山口県が「増大する日米同盟の危険性」が集中する地域になろうとしています。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
しんぶん赤旗日曜版(2021年11月14日号)に、作家である深沢潮さんのインタビューが掲載されていました。
「父は在日韓国人1世、母は在日2世です。2012年に在日コリアンの婚活を描いた『金江のおばさん』でデビューして以来、在日の葛藤やアイデンティティーを掘り下げる作品を発表してきました。」
インタビューの中で紹介してあった最新作の「翡翠色の海へうたう」は書店に注文し、棚にあった「海を抱いて月に眠る」を一気に読みました。
文庫本の背表紙を引用します。
「離婚して働きながら一人娘を育てる梨愛。横暴で厳格だった在日一世の父は、親戚にも家族にも疎まれながら死んだ。しかし、通夜では見知らぬ人たちが父を悼み、涙を流していた。父はいったい何者だったのか。遺品の中から出てきた古びたノートには想像を絶する半生が記されていた。新しい在日文学の傑作!」
私は、「長生炭鉱の水非常を歴史に刻む会」の役員を務めています。
1943年に海底炭鉱で起きた水没事故で、183名の労働者が亡くなり、136人は朝鮮人労働者でした。
私たちは、毎年、事故が起きた時期に、韓国から遺族を招き、追悼集会を開催してきました。
その中で、韓国で暮らす方、在日一世や二世の方々、朝鮮半島に関する運動団体の方々と交流してきました。
また、韓国が独裁政権だった時代を描いた映画を観てきました。
小説を読みながら、今まで出会った朝鮮半島に関する方々の顔が浮かんできて、とてもリアルにこの本を読みました。
この本は、朝鮮半島をめぐる戦後の歴史と、在日の方々が日本で歩んできた歴史を知る最良の入門書だと痛感しました。
日本による朝鮮半島の統治。解放後の朝鮮半島の政治の混乱。朝鮮戦争。韓国の独裁政権誕生。日本での在日の方々への政治の希薄さ。
日本と朝鮮半島の政治の混乱の中で、在日一世の方の人生は、筆舌に尽くしがたいものだったことをこの小説でリアルに感じることができました。
先のしんぶん赤旗にある深沢さんの経歴から見ても、この小説は、フィクションですが、深沢さんの家族の歴史が根底にあるから、リアルな小説になったのだと思います。
深沢さんは、しんぶん赤旗のインタビューで述べています。
「それまで生きづらかったのが、小説を書くようになって楽になりました。普段の生活では背負うものがたくさんあるので、小説を書いている時は、すごく解放されて自由な感じです。もともと自己肯定感の低い人間だったんですが、書いたものを読んでくれる人がいることが励みになっています。いま、こうして小説を書かせてもらえていることへの、感謝の気持ちでいっぱいです。」
読者の私こそ、深沢さんの小説に出会えて感謝の気持ちでいっぱいです。
最新作「翡翠色の海へうたう」の到着を待ちながら、今、昨年刊行された「乳房のくにで」を読んでいます。
総選挙後、11月県議会前のひととき、深沢潮さんの世界に浸っています。
深沢潮ファンの皆さん、お勧めの作品をお教え下さい。