月別アーカイブ:2021年1月

米軍岩国基地での感染者が今月だけで60名となる

 米軍岩国基地で新型コロナウイルス感染拡大が止まりません。
 14日までで、感染者の累計が147人、今月だけで60名となりました。
 12日、山口県、岩国市、柳井市、周防大島町、和木町で構成する山口県基地関係県市町連絡協議会は、米軍岩国基地及び防衛省岩国防衛事務所に対し、感染拡大防止対策に関する要請を行いました。
 米軍岩国基地へは、山口県基地関係県市町連絡協議会を代表して、村上武史岩国市基地政策課長が次のような要請を行いました。
 ①感染者に対する隔離措置などの感染拡大防止対策に万全を期すこと。
 ②岩国基地関係者は、基地内及び基地外での感染拡大防止対策を徹底すること。
 ③日本人従業員等への感染拡大防止対策に万全を期すこと。 
 ④感染経路・行動歴等、感染者に関する情報提供を適切に行うこと。」
 対応した米海兵隊岩国航空基地行政・連絡調整室は、次の内容の回答を行いました。
 「岩国基地は、日本全国で感染者が急増する中、積極的に対応にあたっており、今日まで継続して行ってきた感染対策には自信があります。基地関係者に対し、基地内外で課せられる厳しい感染対策は、岩国基地のためにも、『我が家』である地元コミュニティーのためにも、リスクを可能な限り最小のレベルまで軽減しています。岩国基地は、山口県を守るため、引き続き地元の医療当局と連携し、この世界的大流行と戦っていきます。今後も変わらぬご支援をいただければそれ以外に望むものはありません。山口県のご尽力に感謝いたします。」
 防衛省岩国防衛事務所へは、山口県基地関係市町連絡協議会を代表して村上武史岩国市基地政策課長が次の要請を行いました。
 「米軍岩国基地に要請した内容について、国の方からも米軍に働きかけること。
 ・感染者に対する隔離措置などの感染防止対策に万全を期すこと。
 ・岩国基地関係者は、基地内及び基地外での感染拡大防止対策を徹底すること。
 ・日本人従業員等への感染拡大防止対策に万全を期すこと。
 ・感染経路・行動歴等、感染者に関する情報提供を適切に行うこと。」
 対応した松本譲岩国防衛事務所長は次のように回答しました。
 「本日の要請については、直ちに上級機関に報告するとともに、改めて防衛局から岩国基地に対して申し入れてまいる。」
 1月4日の記者会見で村岡知事は、岩国基地の感染拡大について問われ次のように答えています。
 「現在基地におきましては、大規模なPCR検査(遺伝子検査)を基地の中で行っていたりとか、陽性者等の隔離措置を行う、そうしたことをわれわれも報告を受けていますけれども、しっかりと感染拡大防止対策については取られているものというふうに受け止めています。感染者の状況等の情報提供についても、われわれに対して適切に行っていただいていますので、引き続き、感染拡大防止に向けた取り組みをしっかりと行っていただきたいと思います。」
 更に、記者から「クラスターが発生しているとの情報は入ってないのか」との問いに、村岡知事は「クラスターが発生しているということは特にないですね。」と答えました。
 私が、11月県議会で、岩国基地内でクラスターが発生していないのかとの問いに、県は「クラスターかどうかの判断は基地が行う」という趣旨の答弁を行いました。
 知事が言う岩国基地内で「大規模なPCR検査を行っている」状況こそ、日本国内であれば「クラスター」に認定される状況と言えます。
 岩国基地内から県に対して、情報提供が行われていることは理解しますが、陽性患者数が増加し続けている状況は、由々しき事態です。
 日本共産党岩国市委員長の松田一志さんは、「岩国基地へ就航しているチャーター機利用者以外の基地関係者の感染拡大が生まれている状況だ。」と指摘しています。
 14日付、中国新聞は、岩国基地の感染拡大について次のように報じました。
 「人口約13万人の岩国市内の感染確認は13日時点で168人。人口が1万人超とされる基地内で人口当たりの累計感染者の割合は市内の10倍近くになる計算だ。9、10日には基地で働く日本人従業員と家族計5人の感染が判明。感染拡大が市民生活に影響を及ぼしている可能性がある。ある基地関係者は『クリスマス前後で広島県のほか、遠くは長野県まで家族やグループでスキーに出かける人がいた。ホームパーティーを開く人も多く、明らかに感染対策が緩んでいた』と打ち明けた。基地は3日に更新した公式フェイスブックで『ここ数週間で(感染対策の)シールドを下げた結果、基地内で新たな感染例が発生した』と、対策に緩みがあった事実を認め、25日まで他の家族との接触を一人に限定するなどの対策強化を打ち出している。しかし、基地からの情報は乏しい。市民が感染した場合、県はプライバシーに配慮しつつ行動歴や感染経路などを一定に公表しているが、基地は感染者の人数以外の情報をほとんど発表しておらず『なぜ感染が急増しているのか』という素朴な疑問に答えていない。感染拡大の具体的な説明を求める中国新聞の取材に対し、基地報道部は『必要な情報は全て地元の医療当局と共有している』と回答。情報を得ているとする県も、基地の発表を超える内容を公表していない。岩国市など基地周辺の2市2町と県でつくる協議会は12日、感染防止対策の徹底とともに、情報提供を適切に行うよう基地に要請。市基地政策課の村上武史課長は『現時点で県の保健当局への情報提供は適切になされている。今後も継続してもらう趣旨で要請した』としている。」
 この度、県基地関係県市町連絡協議会が岩国基地などに感染拡大防止対策の強化を要請したことは是としますが、県や周辺市町は、岩国基地は「県の保健当局への情報提供は適切になされている」との認識に加えて、米軍基地内でのPCR検査実施件数、感染経路、行動歴等の情報提供を追加して求めるべきです。
 「米軍基地内での感染拡大ななぜ止まらないのか」について、岩国基地と県保健当局間で認識が一致できるような情報交換が今こそ必要だと思います。
 そのために、防衛省は、米軍に対して、県保健当局に更に情報提供を行うよう働きかける時です。
 岩国基地内で、感染拡大が止まりません。皆さんのご意見をお寄せ下さい。

トビイロウンカ被害で補償金は前年の29倍

 昨日、NHK山口放送局は、昨年のウンカ被害について次のように報じました。
 「去年、イネを枯らす害虫トビイロウンカで大きな被害を受けた山口県で、農家に支払われた補償金は、総額およそ9億8800万円で、前の年の29倍に達していたことがわかりました。これは、県農業共済組合が加入者の被害状況をまとめたものです。それによりますと去年、県内でトビイロウンカの被害を受けた田んぼの面積は、合わせておよそ2946㌶でした。これは、去年1年間で農業被害を受けた田んぼのおよそ84%で、トビイロウンカの被害が突出しています。また、共済組合から農家に支払われた補償金の総額は、およそ9億8850万円で、前の年の29倍にまで増加しています。」
 いかに、県内でトビイロウンカの被害が大きかったかを示す報道です。
 改めて、トビイロウンカ被害に対する県の対応について農林水産部に聴きました。その内容は以下の通りです。
 一部本ブログで紹介してきましたが、11月県議会で可決された補正予算に「やまぐち米次年度生産応援事業1億463万8千円があります。
 この事業の第一は、優良種子確保対策です。県産種子の不足分補充のため他県産種子購入に伴う価格上昇分を補助するものです。事業主体は山口県米麦改良協会であり、補助率は2分の1です。
 第二は、種子購入緊急助成対策です。水稲生産者の次年度作付に要する種子購入経費を補助するものです。事業主体は山口県農業協同組合で補助率は2分の1です。
 更に、県では、今年度のトビイロウンカの被害発生を踏まえ、農協等関係機関と新たな防除対策を進めます。
 第一は、トビイロウンカに効果の高い薬剤への変更です。
 具体的には、田植時に施用する箱施用剤は、トビイロウンカに効果が高い成分「トリフルメゾピルム」を含む全面切り替えを進めます。
 第二は、トビイロウンカの発生程度に応じた新たな防除体系の構築です。
 具体的には、多飛来の場合、発生初期密度抑制のため、出穂25日前の防除を追加します。
 第三は、迅速な情報伝達体制の検討です。
 飛来情報を県ホームページなどに加え、新たにJA山口県と連携し、SNSを活用した伝達方法を検討します。
 第四は、防除体制の強化です。
 保管防除が必要になった場合は、無人ヘリコプターやドローン散布業者に対して柔軟な対応を要請します。
 県では、今後、生産者への防除体系変更の周知や無人ヘリコプター、ドローン散布業者へ周知を図っていきます。
 県内の各市町でも12月議会において独自のトビイロウンカ対策を補正予算に計上しています。宇部市でもトビイロウンカ対策予算が計上されています。
 私も、実家で家族とともに3反の稲作を続けています。
 我が家では、坪枯れ程度の被害ですみましたが、田んぼ全体の稲がトビイロウンカの被害を受けているところを多数見ました。
 先日お話した美祢市の農家の方は、全ての稲作地がトビイロウンカにやられ、収入はゼロだったと話しておられました。
 私も年末、今年の田植えに向けてトラクターで田起こしを行いました。
 昨年並に今年も県内の農家が米作を続けていける環境整備が必要です。
 昨年、中国四国農政局に出向いて要望しましたが、国の対応の不十分さを痛感しました。
 引き続き、必要な発言を県行政に行ってまいりたいと思います。
 稲作農家の皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

県内の投票所、14年間で132カ所減る

 昨日の読売新聞は社説で「投票所の減少」について次のように報じました。
 「過疎化や市町村合併の影響などで、選挙の時に設置される投票所の数が減少している。有権者の足が遠のき、投票率の低下を招くことがないよう手立てを尽くしてもらいたい。(中略)投票所の数の法的な定めはなく、市町村の判断に委ねられている。01年参院選で5万3439あった全国の投票所は、19年参院選では4万7044に減った。人口減や高齢化で立会人らの確保が難しくなっている以上、投票所の減少はやむを得ない面はある。だが、投票所が遠くなったことで投票意欲のある有権者が棄権する事態は避けなければならない。今年は衆院選の年でもある。」
 2019年度決算特別委員会資料に投票所の数の経過を示した表があります。
 県全体で、2005年9月11日に行われた衆議院選挙時では、970カ所あった投票所が、2019年7月21日に行われた参議院選挙時では、838カ所です。この14年の間に、県内で132カ所投票所数が減っています。
 市町別でみると防府市のように2005年33カ所から2019年34カ所と増やしているところがある一方、山口市は、102カ所から78カ所と24カ所も減少させている自治体もあります。
 私の故郷は、宇部市吉部荒滝です。荒滝集会所に投票所がありましたが、合併後、吉部ふれあいセンターに投票所が集約されました。荒滝からふれあいセンターまで4キロ、バスの本数も少ない状況です。
 読売新聞は、「地域の公民館などに期間限定の投票所を設置したり、バスを移動投票所として使ったりする取り組みを広げたい。」「選挙管理委員会が指定した投票所に限らず、市町村内の有権者なら誰でも投票できる『共通投票所』を設けた自治体もある。」と全国の取り組みを紹介しています。
 山口県内でこのような取り組みを強化していくことが必要です。
 更に、投票所削減には財政的理由が挙げられます。
 国が地方で行う投票所事務にしっかりとした予算を確保していくことが投票所削減を招かない大前提だと考えます。
 各種選挙で低投票率が続く中で、これ以上の投票所削減は民主主義を維持していく上で避けなければなりません。
 山口県で、投票所をこれ以上削減させないために皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

米軍岩国基地の月別新型コロナ患者数、今月が最高に

 米軍岩国基地の新型コロナウイルス感染者が急増しています。
 昨日(10日)の感染者数は、7名で、今月に入って50名となりました。
 中国新聞社作成の「山口県の新型コロナウイルス感染症数」を見ると、米軍岩国基地の感染者数は、昨年10月が2名、昨年11月が34名、昨年12月が44名となっています。今月は、まだ10日であるにも関わらず、昨年12月の陽性患者数を突破し、今月が月別患者数で最高の人数となりました。
 私は、昨年12月2日、一般質問で、岩国基地での感染拡大について質問しました。
 私は、「米軍岩国基地では、連日のように新規感染患者が発生し、現在44名(累計)である。11月24日、日本共産党山口県委員会が中国四国防衛局に実状を聞いたところ、『11月中旬、岩国基地内で数百人規模のPCR検査を実施した』と述べた。岩国基地内で、クラスターが発生している状況と考えるが、県の認識はいかがか。」と質しました。
 弘田健康福祉部長は「米軍岩国基地において、感染状況を踏まえ、クラスターの有無を判断されるものと考えている。」と答えました。
 私が質問した時点で分かっていた患者数の状況は11月分です。11月よりも12月、12月よりも今年1月、米軍基地内で感染者数が増加しているのです。
 県は、岩国基地に対して、クラスターが発生していると認識しているのかどうか照会すべきです。
 岩国基地の軍人・軍属の基地外居住は増えており、日本人従業員も多く基地内で働いています。フェンスを挟んで、岩国市民と米軍関係者は深い繋がりのある生活を送っています。
 米軍岩国基地は、患者数の公開に留まらず、感染拡大の認識を山口県と共有し、感染抑制に力を合わせる時です。
 米軍岩国基地内の新型コロナウイルス感染者数が、月ごとで今月が最高になりました。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

岡本喜八監督の映画「日本のいちばん長い日」を観て

 YCAMシネマで上映前に「名画座手帳あります」との「宣伝」がありました。
 私はアナログで、未だに手帳派です。
 見本を観て一目ぼれして、今年は、「名画座手帳」を使っています。
 この手帳は、日本映画の旧作を鑑賞することを推奨する内容です。
 毎日の日付の下に、日本映画の俳優や監督さんたちの生まれた日は赤字で、没した日は黒字でびっしりと名前が書かれてあります。
 手帳の後半には、映画監督の活動期が示された表や全国で日本映画の旧作が鑑賞できる劇場が列挙されています。
 この中に、YCAMシネマが山口県では唯一例示されていました。
 手帳を見るだけでも日々が楽しくなります。
 今年も激動が予想される年ですが、「名画座手帳」とともに、楽しい1年にしていきたいと思います。
 さて、今日は、日本映画の旧作を紹介したいと思います。1967年に作成された岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」です。
 昨年購入した春日太一著「日本の戦争映画」で紹介されている作品の中からネットフリックスにあった唯一の作品がこの映画でした。
 この作品は、東宝の「8.15シリーズ」の第一作目として制作された映画です。
 春日さんは、自著の中で「8.15シリーズ」について次のように述べています。
 「1960年代後半になりますと、高度経済成長により日本は世界有数の経済大国になります。その一方で、1960年の安保闘争が終わり70年の安保闘争へ向かっていく中での学生運動の激化、さらにアメリカが介入するベトナム戦争への反戦の動きなどもあり、大衆的な広がりは欠きながらも文化・芸術・マスコミの世界を中心に、反体制・左翼的なアプローチで表現する・・・という風潮が大きくなっていきます。そうした中で、映画界でも個人の情念だけではなく巨視的な視点から、ジャーナリスティックに戦争を捉えよという動きが出てきます。その象徴ともいえるのが、東宝の『8・15シリーズ』でした。」
 春日さんは、「日本のいちばん長い日」についてこう解説しています。
 「この作品のポイントは、その巨視性にあります。メインになるのは、大きく分けると、前半はポツダム宣言受諾か否かを巡る鈴木貫太郎内閣の閣議における駆け引き、後半は降伏を認めずに玉音放送阻止と戦争続行を望む陸軍士官たちのクーデター未遂ーということになります。それに加え、戦争が終わることを知らず、8月14日の夜に飛び立っていく特攻隊のシーンを入れ、会議が長引いている間に若者たちが次々に死んでいくという描き方をしている。さらに、。厚木基地にいる将校たちが車に乗り込んで鈴木首相を襲おうとする。こうした多方面の描写が同時進行で描かれています。作品を観ている我々は、既に戦争の終結を知っているわけですが、それでも、次々と来る妨害の前に『戦争は本当に終わるのかー』とスリリングに見守ることになります。」
 私は、2015年に製作された原田眞人監督の映画「日本のいちばん長い日」も観ましたが、「スリリングさ」が、1967年の作品の方があるように感じました。
 1967年の本作には原作があります。当時は、大宅壮一編とされていましたが、実際は、当時「文藝春秋」編集部次長の半藤利一さんが書いた「日本のいちばん長い日」です。
 1995年に出版された「決定版」の文庫版をもとに、8月14日の夜に飛び立つ特攻隊の様子を書いた半藤さんの文書を紹介します。
 「埼玉県の児玉基地では、空襲警報のサイレンの鳴りやまぬなかで、房総沖に遊弋する敵機動部隊に猛攻撃を加えんと、第27飛行団の主力36機の出撃準備が整えられている。飛行団長野中俊雄少将は、期待をこめて準備の進捗を見守っていた。最前線の指揮官は、戦争が午後11時を持ってすでに終わったことなど知るはずもなかったから、いまこそ猛訓練の成果を発揮してくれと、可愛い部下たちを死地に投ずる決心をあらためて固めるのである。児玉町民が陸軍飛行部隊の出撃を知って、日の丸の旗をもち、続々と飛行場に集まってきた。町民もまた、祖国が降伏したことを知るべくもない。ただかならず『神風』が吹くものと信じているのである。」
 春日さんは、岡本監督が、橋本忍さんの脚本を一部改変した部分の一つに、ラストシーンのテロップがあると指摘しています。
 テロップには、こう書かれてあります。
 「太平洋戦争に兵士として参加した日本人1000万人 戦死者200万人 一般の死者100万人 計300万人(5世帯に1人の割合で肉親を失う)」
 私は、戦争が終わって児玉基地から出撃した36機の少年兵の姿がこの映画で印象的でした。
 今年は、憲法が公布されて75年の節目の年です。
 憲法の前文には、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを決意」しています。
 また、憲法前文では「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」とあります。
 日本共産党が総選挙に向けて示した「5つの提案」の一つは「憲法を守り、立憲主義・民主主義・平和主義を回復する」です。
 再び戦争の惨禍を起こさないためには、自民党が進める憲法9条の改定を許さない新しい政府をつくることです。憲法違反の「敵基地攻撃」能力の保有を認めない政府をつくることです。
 「日本のいちばん長い日」を観て、そのことを実感しました。
 1967年作成、岡本喜八監督の映画「日本のいちばん長い日」を一人でも多くの皆さんにご覧いただきたいと思います。

ピエール・ルメートル著「監禁面接」を読む

 今日と明日、大雪で、予定が全てキャンセルとなりました。
 11日から日常が戻るといいのですが。
 困るのは、生活と仕事に欠かせないものが枯渇することですね。
 例えば、灯油。仕事では、プリンターのインクと紙がなくなりました。
 車での移動は出来そうにありませんので、バスで買い物に出ようと思います。
 さて、今日は、フランスのミステリー作家・ピエール・ルメートルの「監禁面接」について書きたいと思います。
 日本では、「その女アレックス」が「本屋大賞」翻訳小説部門で第1位となり、日本での多くのファンを持つのが、ピエール・ルメートルさんです。
 本ブログでも度々紹介しているように、私も彼の作品のいくつかを読んでいます。
 まず、文庫の裏表紙さら本作品の概要を紹介しましょう。
 「リストラにあい失業4年目のアラン、57歳。再就職も出来ずアルバイトで糊口を凌いでいたところ、一流企業の最終試験に残ったという朗報が届く。しかしそれは『就職先企業の重役会議を襲撃し、重役たちを監禁、尋問せよ』なるものだったー。予測不能、驚天動地。知的企みに満ちたノンストップ・サスペンス!」
 ピエール・ルメートルらしい驚天動地の小説ですが、この作品は、彼の作品の中でも社会性の強い作品だと思います。格差と貧困が拡大する資本主義社会へのアンチテーゼ一杯の作品です。
 文中に次のようなくだりがあります。
 「『汚いのは社会だ』と言ってみた。『失業者じゃない』」
 「今日では、従業員は企業試算の保全に対する『最大の脅威』と見なされている」
 「入ろうとする人間が出ていく人間を選ぶという究極の押し出し方式。資本主義がついに生み出した永久機関。」
 「おれにこんなことをさせる社会システムをけっして許すまい。」
 本書の解説で諸田玲子さんが次のように書いています。
 「今、世界は、危機的状況にある。本書でも描かれているように、手段をえらばず暴利をむさぼる大企業がある一方で、人格さえ認められずに首を切られる失業者や低賃金にあえぐ非正規雇用者が数多いる。しかもコロナ禍で、失業者は増加の一途をたどっている。格差や差別がこれ以上蔓延すれば、社会への恨みがところかまわず爆発するにちがいない。第二第三のアランが生まれる土壌は、日々、醸成されているのだ。本書はまさに時流の正鵠を射ている。フランスで発売されたのは2010年だそうだが、今こそ必読の書といえるのではないか。」
 「仕事を奪うな。失業者を増やすな。だれもが働ける社会をつくれ。アランの怒りを通して、ルメートルの声が聞こえてくる。怒涛のサスペンス巨編は、私たちに生きる意味を問いかける真摯な一冊でもあった。」
 日本共産党は、総選挙に向けて「新しい日本をつくる5つの提案」を行っています。
 第一は、「新自由主義から転換し、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治をつくる」です。
 この中に次の項目があります。
 「人間らしい雇用のルールをつくります。コロナ危機で最も深刻な打撃を受けているのは、非正規労働者、フリーランスの人々、とりわけ女性と若者です。労働法制の規制緩和路線を抜本的に転換し、最低賃金を時給1500円に引き上げ、8時間働けばふつうに暮らせる社会をつくります。」
 これまでの選挙政策は野党として政府に実行を迫っていくものでしたが、今回の提案は、野党連合政権が実行する「政権公約」に向けた日本共産党の提案です。
 第二第三のアランを生まないために、今こそ政権交代が必要です。
 「監禁面接」を読んで、政治の転換の必要性を感じました。
 この作品は、フランスでドラマ化され、ネットフリックスで視聴することができます。
 ドラマ作品もとても良く出来ています。小説とドラマに多くの方に触れていただきたいと思います。
 大雪での巣ごもり生活も悪くはないと思う日々です。
 皆さんは、いかがお過ごしでしょうか。