10月14日の読売新聞は、JR美祢線の利用促進策検討へ向けて「JR美祢線利用促進協議会」に作業部会を設置すると次のように報じました。
「県や美祢、長門、山陽小野田市などでつくる『JR美祢線利用促進協議会』(会長=篠田洋司・美祢市議)は13日、美祢市で臨時総会を開き、運休が続く美祢線の復旧後を見据え、作業部会を設置して利用促進策を検討していくことを決めた。復旧の見通しが立たない中、行政側から利用促進策を示すことで早期復旧につなげたい考えだ。美祢線は6月30日~7月1日の記録的な大前に伴う厚狭川の氾濫で鉄橋の崩落といった深刻な被害を受け、全線不通となっている。JR西日本によると、被災地点は計80か所。県や沿線自治体はJR西に早期復旧を要望しているが、JR西は復旧の可否について明言していない。運休によって協議会の事業計画を変更することが必要になったため、臨時総会を開いた。村岡知事は冒頭、復旧に向けて厚狭川の改修に重点的に取り組む姿勢を強調。その上で『実効性のある利用促進策の検討をスピード感を持って進めていくことが必要だ』と述べました。この後、作業部会の設置などが承認された。協議会事務局の美祢市地域振興課によると、3市やJR西、公共交通に詳しい有識者らで構成する方針で、篠田市長は終了後、『運休が続くことで住民が感じている不安感を払拭するため、協議会としてやるべきことをやっていく』と語った。美祢線は利用者数の減少に伴う慢性的な支出超過が問題となっており、2019~21年度平均は年間4億6000万円の赤字だった。1924年(大正13年)に全面開通し、来年は開通100周年にあたるが、協議会は運休の影響で計画していた記念イベントを中止することも確認した。」
私は、9月26日、一般質問で登壇し、JR美祢線の早期復旧について質しました。
京牟礼観光スポーツ文化部長は「(JR美祢線利用促進)協議会の中に新たな検討チームを設ける」と答弁しました。
この「新たな検討チーム」が、この報道にある「作業部会」となりました。
一般質問を行った議員として、JR美祢線利用促進協議会の中で、新たな作業部会が設置されたことを評価したいと思います。
引き続き、美祢線の早期復旧に向けて、必要な発言を続けていきたいと思います。
この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
昨日の中国新聞は、中間貯蔵施設に対する県内19自治体首長アンケートの結果が公表され、次のように報じていました。
「中国電力が原発から出る使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設を山口県上関町で検討していることを巡り、山口県内の全19市町のトップに賛否を尋ねたところ、『どちらでもない』『分からない』が9割を占め、『賛成』が上関町だけだったことが21日、中国新聞の調べで分かった。岩国市は『どちらかというと反対』と答えた。8月に突如浮上した計画に対して、周辺自治体を中心に、情報不足などから賛否のスタンスを明確にしていくトップの苦悩がにじむ。調査は今月初旬から中旬、19市町の首長を対象に実施。調査自体に無回答だった下関市を除く18市町から回答を得た。回答者のうち、『賛成』は上関町で、理由(選択式、複数回答)は『自治体の財政が安定する』『施設の安全性が一定に担保されている』『経済波及効果がある』とした。『どちらかというと反対』は岩国市のみで『農林水産業や観光、移住への影響を懸念』『電力会社の説明が不足』『国の説明が不足』を理由に選んだ。『どちらかと言うと賛成』『反対』とした市町はなかった。16市町(約89%)は『どちらでもない』『分からない』と賛否を明確にしなかった。『情報量が少ない』『国や電力会社から説明がなく判断しかねる』などの声があった。建設計画を巡る意思決定の在り方について選択式で尋ねたところ、『周辺自治体の意見を反映させるべき』が6市町(約33%)、『山口県も意思決定に加わるべき』が1市(約6%)。『その他』を選んだ市町は、計画が調査段階にあることなどを理由に『具体的に答える状況にない』などとした。中電は8月、中間貯蔵施設の建設を関西電力とともに検討し、上関町で調査に乗り出すと表明。同町は国の交付金による財政安定などを理由に調査受入れを決めた。中電が調査で『適地』と判断した場合、同町はあらためて建設を進めるかどうかを決める方針だ。」
中間貯蔵施設「賛成」は上関町だけというのは、驚きでした。
注目すべきは、「どちらかというと反対」とした岩国市の理由です。
「農林水産業や観光、移住への影響を懸念」これを岩国市長は反対の理由にあげました。
一方、上関町長は、賛成の理由に「経済波及効果がある」としたことです。
上関町でも、私が訪ねた青森県六ケ所村でもむつ市でも人口が減少しています。
これまで原発施設に関する交付金を交付されても、人口減少に歯止めがかからなかった原発に依存してきた自治体が、これからも原発の交付金に頼る方向しか選択できないのは残念です。
対馬市長は、岩国市長同様に、原発施設による交付金よりも「農林水産業や観光」などへの影響を考慮して原発施設誘致を拒否したのです。
昨日、上関町で、脱原発デー県民集会が行われ、講師の「はんげんぱつ新聞編集長」である末田一秀さんが、むつ市の中間貯蔵施設であるリサイクル燃料貯蔵(株)の従業員は88人と言われていました。
私は、この集会に参加し、デモ行進にも参加しました。
昨日、上関町で行われた脱原発デー山口県民集会のデモ行進の様子 出発前に撮影しました。右端が私
原発に頼らない地方自治を選択する方が、持続可能性が維持されると思います。
また、末田さんは、2000㌧Uの中間貯蔵施設規模では、「広島原爆の6~8万発分の死の灰」が貯蔵されることになると話しました。
上関町長は、「施設の安全性が一定に担保されている」と賛成理由を述べましたが、ならば、福井県や青森県知事が、繰り返し、当県を使用済み核燃料の最終処分地にすることがないようにと言うのでしょうか。やはり危険性が排除できないからです。
六ケ所サイクル施設を見学しました。近くに、米軍三沢基地があることから、施設を分厚いコンクリートで覆っているとの説明がありました。
上関町の近くにも米軍岩国基地があります。万が一の危険は、十分に考えて原発施設を誘致すべきかどうか考えるべきです。
上関町長は、8月の臨時議会の際に、あくまでも調査を受け入れた段階で、施設の賛否を述べたのではないという趣旨の発言をしています。
にも関わらず、中国新聞のアンケートに「賛成」としたことに対する上関町長の説明をお聞きしたいと思います。
産業・観光振興にはむしろ逆行し、重大な危険性がある、使用済み核燃料の中間貯蔵施設は山口県上関町に誘致すべきではありません。
18日、青森県庁を訪ねた後に、日本共産党青森県議団控室に立ち寄りました。
その際に、小山内孝著「六ケ所村核燃料サイクルの今」を購入し、移動中の交通機関の中で読了しました。
筆者の小山内さんは、青森県立高校の理科教員をされていた経験もおありのようです。専門用語の解説が丁寧で、分かりやすい記述がされていました。原子力政策を理解する上でバイブルになる本だと思います。
小山内さんの結論が「はじめに」で明確にされています。
「世界は10ほどの大きなプレートから成っています。そのなかで島弧日本列島は、4つのプレートで成り立ち、そのきしみ合いで誕生しました。しかもそのプレートは、年間約7~8センチも移動しています。北は亜寒帯・南は亜熱帯に位置する日本列島は、地震や火山噴火が頻発する世界でも危険な災害列島です。また、気候上も、ヒマラヤ山脈に端を発し、モンスーン地帯となり、現在は、地球温暖化の影響による『爆弾低気圧』と呼ばれる風速50メートル以上の台風と大雨や大雪による大災害列島です。原子力発電、再処理工場、核燃料サイクルなどをおこなうところではありません。リニア新幹線を走らせるところでもありません。また、高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を処分する地層もありません。」
まず、六ケ所村近くの活断層についてです。
小山内さんは、次のように書いています。
「六ケ所村を含む下北半島の東方沖の太平洋の海底には、活動が否定できないものとした大陸棚外外縁断層が100キロメートル近く南北に走っています。この活断層は、池田安隆『下北半島沖の大陸外縁断層』(科学 82巻6号)など、多くの科学者が活断層と考えています。活断層研究会編『日本の活断層ー分布図と資料』(1980年2月/東京大学出版会)にも掲載されています。文部科学省の検定教科書(基礎地学)では、活断層は、『最近数万年間に繰り返し活動していた根拠があり、今後も活動性が高い断層』としています。原子力規制委員会が、2006年改訂指針において、耐震設計上考慮する活断層は、後期更新世以降(12~13万年以降)のことです。それは、最近12~13万年間活動していない証拠がなければ、活断層として考慮することを求めているのです。この活断層は、高さ200メートル以上も東方に傾斜しています。もし、この活断層が動くとM9に近い大地震となります。日本原燃は、この活断層を認めると、再処理工場や高レベル放射性廃棄物等の施設の耐震設計ができなくなるので認めていません。」
「図は、日本原燃サービス(株)の『内部資料』の『再処理施設の配置図』の部分です。やや斜めに引いてある縦の日本線は、施設を通る活断層を表しています。東側f-1、西側f-2断層で、断層上に施設があることを明確に示しています。はじめからとても再処理工場を建設すべき所ではないのです。その後の県議会に提示された図ではなくなっています。」
次に、高レベル廃棄物についてです。
小山内さんは、次のように書いています。
「当面問題になっているのは、フランスとイギリスで再処理され、搬入されている高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)です。現在、フランス、イギリス両国で再処理された使用済み核燃料は、1万228体あり、今後は約1万380体になるといわれています。貯蔵は、図ー『高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)の貯蔵』のようになっています。ガラス固化体の1本あたりの重さは5000キログラムで、2・5キロワット程度の熱を持ち、キャニスター湿度は200度から280度です。中心湿度は400度もあります。これが9本ずつ筒状に縦に並んでいて、外気によって冷却されています。外気温が30度を超えると、90度近い熱風が吹き出します。施設は外気温+50度~55度で設計されています。再処理工場近くに、活断層があり、通風菅が数ミリ歪んだだけで、ステンレス容器のキャニスターは崩壊し、外気に高レベル放射性廃棄物が放出されます。思っただけでゾ―ッとします。フランク・フォンヒッペル氏(核物理学者、米国プリンストン大学公共・国際問題教授。非政府団体『国際核分裂性物質パネル』共同議長)は、事故がなくても50年位で危険な状態になると言っています。また、核物理学者の高木仁三郎氏もステンレスからできている容器キャニスターは、粒界応力腐食割れ(IGCC)を起こし、耐用年数は極めて短いと言っています。すぐにでもキャスク容器に入れ替えるべきです。」
「3・11福島事故以来、低レベル放射性廃棄物でさえ受け入れる所がないのに、高レベル放射性廃棄物に至っては、スタートの処分地さえできないままに、50年を経過してしまうことが確実です。六ケ所が高レベル放射性廃棄物の置きっ放しになるのは必然です。高レベル放射性廃棄物を受け入れる自治体などあるとは考えられません。村民も県民もキャスクに入れ直して、搬出を迫る時です。」
小山内さんは、むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設については、次のように言及しています。
「現在むつ市はリサイクル核燃料貯蔵施設(RFS)として、事業開始を待っています。事業開始時期を、これまで2018年後半としていたものを2021年と修正し、再処理工場が操業する見通しがないまま、規制委員会は認可しようとしています。が、六ケ所再処理工場では必要がないので、搬入されるとむつに永久貯蔵されます。使用済み燃料は各原発サイトに貯蔵すべきです。」
2014年に山口大学名誉教授である増山博行さんが「日本の科学者」で発表された「上関原発計画の現段階と諸問題」には、上関原発の活断層について次のようにあります。
「上関町長島の陸域には活断層の露頭は報告されていないが、図で示したように予定地の数キロメートル西の海域を含め、海底には多数の活断層が見つかっている。これらの活断層は、西日本に特有な東北ー南西方向のリニアメント(棒状模様)を示す。海底活断層の延長線上には安芸灘断層群があり、北側には岩国断層帯、南側には伊予灘北西断層帯、中央構造線断層がある。1㎝/年で東進するユーラシアプレートに、1年あたり4㎝で北西に進むフィリピン海プレートが沈み込む影響で、大陸プレート内部で地盤のズレが生じることになる。プレート境界型巨大地震に比べると地震の規模は小さいが、原発敷地の近辺、直下で動くと、甚大な被害が懸念される。図に示した長島周辺にある、F-1、F-3、F-4、F-5の四つの断層帯が個別に活動するとして中国電力は基準地震動を算定した。しかし、素人目にも数多くの活断層が無関係であるとはとうていに読めない。原子力安全保安院の地盤耐震意見聴取会でも、専門家からは中国電力が別物と区別した断層の連続性や連動性、さらには岩国断層などの大きな活断層と関わりを指摘されており、基準地震動の見直しは必須と思われる。」
中間貯蔵施設を建設しようとする長島周辺に複数の活断層が存在しています。建設ありきではなく、周辺住民は県民の命を最優先した活断層の調査が必要です。
活断層の存在が明らかなら、中間貯蔵施設の建設は行うべきではありません。
現在、六ケ所リサイクル施設内に、高レベル放射性廃棄物が大量に保管されていることへの危険が存在することと同時に、六ケ所再処理工場が稼働すれば、更に大量の新たな高レベル放射性廃棄物が発生します。これら高レベル放射性廃棄物を長期的に埋蔵する場所が決まっていない以上、小山内さんの指摘の妥当性は高まっています。
小山内さんのむつ中間貯蔵施設に対する指摘も重大です。
むつに搬入された核燃料廃棄物は、「永久保存になる」のなら、上関町の中間貯蔵施設に搬入された核燃料廃棄物だけが、永久保存にならないとは言えないのではないでしょうか。
核燃料サイクルシステムは、あらゆる面で破綻しています。
破綻しているシステムを破綻していないとして、中間貯蔵だけを進めても、中間が永久になることは必然だと、青森県の各原発関連施設を見学し、小山内さんの著作を読み痛感する私がいます。
日本共産党の大平よしのぶ、垣内京美両衆院中国比例候補と、私と木佐木県議、尾村島根県議らは、昨日、中国電力本社を訪ね、同社が進める使用済み核燃料の中間貯蔵施設建設計画の撤回と、島根原発2号機の再稼働断念などを要請しました。
中国電力本社で中間貯蔵施設建設中止を求める要請行動 写真奥左側から私、木佐木県議、垣内比例候補、大平比例候補
山口県委員会として中間貯蔵施設建設の中止を求める要請分は以下の通りです。
・・・
中国電力社長 中川 賢剛 様
2023年10月20日
日本共産党元衆議院議員
大平よしのぶ
日本共産党国会議員団
中国ブロック事務所
所長 石井ひとみ
日本共産党山口県委員会
委員長 吉田貞好
上関町への使用済み核燃料「中間貯蔵施設」建設計画に関して
【要望事項】
1,上関町への使用済み核燃料「中間貯蔵施設」建設計画を撤回すること
中国電力は8月2日、上関町の西哲夫町長に対し、同町に原子力発電所の使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」を建設するための調査を申し入れ、西町長は8月18日、了承し、立地可能性調査が行われています。
日本共産党山口県委員会は、上関町への「中間貯蔵施設」建設に断固として反対します。
第1の理由は、貯蔵される使用済み核燃料の危険性です。
国内で原発敷地外に建設された中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電が共同で設置した「リサイクル燃料貯蔵施設」(青森県むつ市)の1か所のみです。同施設の最終的な貯蔵量は5000トンで、含まれる「死の灰」(核分裂生成物)は、広島型原発の17万発分とも指摘されています(小出裕章・元京都大原子炉実験所助教)。
第2は、「中間貯蔵」は名ばかりで、「最終貯蔵」となることが避けられないためです。
「中間貯蔵」は、使用済み核燃料の「再処理」を前提にしたものです。青森県六ケ所村に建設中の「再処理工場」は、運転開始が再三延期され、電力業界が「夢の原子炉」と宣伝して福井県に建設していた高速増殖炉の「もんじゅ」は、事故やトラブル続きで実現の見通しがつかないまま、廃炉が決まるなど、「再処理」の実現の目途は全く立っていません。「中間貯蔵施設」は「最終貯蔵施設」となることは必至です。
第3は、使用済み核燃料の保存技術が確立されていないことです
国内で唯一の「リサイクル燃料貯蔵施設」(前出)では、金属製のキャスクと呼ばれる巨大な容器の中に5トンの使用済み核燃料を入れ、それを1000基保管する計画です。しかし、使用済み核燃料の放射能が、もとのウラン鉱石と同じレベルに下がるまでにかかる時間は10万年といわれます。その間は安全に保管する必要がありますが、どのような保管方法でも、その健全性が保障できるのは数十年、どんなに長く見積もっても数百年の単位でしかありません。にもかかわらず、安全に保管できるという主張には、およそ科学的な根拠がありません。
以上、指摘した理由から、日本共産党山口県委員会は、上関町への使用済み核燃料「中間貯蔵施設」建設計画を撤回することを求めます。
【質問事項】
1. 現在、実施している立地可能性調査の調査事項と審査基準を明らかにすること。
2. 現在、検討されている「中間貯蔵施設」の建設予定地、貯蔵量、付属施設(港湾、道路)の概要を明らかにすること。
3. 共同事業者とされている関西電力との共同の形態を明らかにすること。
4. 福井県から使用済み核燃料の県外搬出を求められている関西電力は、一刻も早い「中間貯蔵施設」のしゅん工を望んでいると、推察されるが、中国電力及び関西電力として、いつ頃のしゅん工を想定しているのか。
5. 貴社が上関町で配布している「中間貯蔵施設の設置に係る調査・検討の実施について」について
①「中間貯蔵施設は、使用済み燃料を再処理施設に送るまで、一定の期間、安全に貯蔵(保管)するための施設です」、「『キャスク』といわれる頑丈な金属の容器に入れて密閉します」と記しているが、「キャスク」の耐用年数は検証されているのか。
②「六ケ所村にある再処理施設は、現在、建設工事が行われており、2024年度の上期に、しゅん工する見通しです」と記しているが、その具体的な根拠を明らかにすること。
以上
・・・
中国電力地域共創本部コミュニケーション推進グループの吉田マネージャーが回答しました。
1、については、「立地可能性調査については、データを取得するためにボーリング調査などを行う。法令を順守し行う。詳細な内容については、現時点で示すことができない。」という趣旨の回答を行いました。
2、については、「現時点で、示すことができない。」という趣旨の回答を行いました。
私は、「8月2日に中国電力が行った記者会見で、記者から海上輸送なのか問われ、そうなると回答したことが報道されている。港湾を作ることになるのではないか。」と質しました。
吉田マネージャーは「一般的には、港湾施設は想定されるが、具体的な施設の概要については、現時点で示すことができない。」と答えました。
3、については、「現時点で示すことができない。」という趣旨の回答を行いました。
吉田マネージャーは「関西電力と共同で事業を進める」ことが前提であることは説明しました。
4、については、「しゅん工時期については、今後の調査による。現時点で示すことはできない。」と答えました。
5、①については、「キャスクについては、現時点で示すことはできない。」という趣旨の答弁を行いました。
5、②については、「六ケ所再処理施設計画を進めている日本原燃は、24年度上期のできるだけ早期にしゅん工したいと言っている。」という趣旨の答弁を行いました。
私は、「青森県の担当者は、六ケ所再処理施設計画について『年内のしゅん工は困難』な状況だと述べていた。規制委員会での審査の議事録を読んでも、24年度上期(24年9月まで)のしゅん工は困難だと考える。中国電力が、住民向けチラシに、再処理施設が『24年度上期にしゅん工する見通し』としているのは、ミスリードではないか。」と質しました。
吉田マネージャーは、最初の答弁を繰り返しました。
木佐木県議は、「計画地に活断層があった場合、計画を中止するのか。」と質しました。
担当者は、「中間貯蔵施設の設置に影響を及ぼす活断層があるのかどうか調査を行うことになる。」と説明しました。
私は、「中間貯蔵施設は、現在、県に公有水面埋立申請を行っている長島田ノ浦海岸付近が含まれるのか。上関原発は今後どうするのか。」と質しました。
吉田マネージャーは、「中間貯蔵施設の予定地について、現在点で示すことはできない。上関原発は、中間貯蔵施設と並行して取り組むこととしており、撤回は考えていない。」と答えました。
私は、「六ケ所再処理工場の稼働が見込めない状況は明らか、たとえ、六ケ所再処理工場が稼働しても、分離された高レベル廃棄物を埋蔵する施設の設置が見通せていない状況であることが、六ケ所サイクル諸施設を見学して分かった。核燃料サイクルは、完全に破綻している。核の廃棄物は、これ以上増やすべきではない。中間貯蔵施設計画は中止すべきだ。」と訴えました。
引き続き、中間貯蔵施設について調査を続けていきたいと思います。
日本共産党県議団の会派視察で、10月19日、青森県むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設を視察しました。
現地を案内頂いたのは、日本共産党下北地区委員会の櫛部孝行地区委員長とむつ市議会議員の工藤祥子さんです。
1968年、日本最初の原子力船が着工します。
しかし、1974年9月、原子力航行試験中に、放射線漏れを観測しました。
1993年に、原子力船は、関根浜港岸壁で、原子炉が撤去されました。
1974年8月、原子力船が始めて臨界に達した時には、反対する漁業者の船が原子力船を取り囲みました。
その原子炉は、中間貯蔵施設に隣接するむつ市むつ科学技術館で展示されています。
2000年11月、むつ市が、東京電力に中間貯蔵施設の立地可能性調査を依頼したことからこの計画がスタートします。2003年7月、市長が、東京電力に対し、施設立地を要請しました。
2003年3月、中間貯蔵施設の誘致を問う住民投票を実現する「住民投票を実現する会」が発足しました。
住民投票条例制定を求める直接請求署名は、法定数801筆(有権者数1/50以上)の688.4%の5514筆の有効署名数で2003年9月市議会に提出されましたが、賛成少数で不採択となりました。
中間貯蔵施設の名称は、リサイクル燃料貯蔵センターです。事業主体は、リサイクル燃料貯蔵株式会社(略称:RFS)です。最終的な貯蔵量は5000㌧ですが、現在、3000㌧規模の貯蔵建屋1棟が建設されており、今後、2000トン規模の2棟目の建屋が建設予定です。
敷地総所要面積は約120㌶です。
2016年にRFSが国提出した資料では、初年度に東京電力柏崎刈羽原発から約12㌧を受け入れ、3年間で、169㌧とする計画です。概ね10年で、3000㌧の建屋がほぼ埋まり、その後、2棟目の建屋に貯蔵を進める計画です。
RFSは、中間貯蔵施設のしゅん工時期を「2023年度下期から24年度上期」としています。
しかし、現在、23年度下期に入りました。
RFSは、「柏崎刈羽原子力発電所における特定核燃料物質の移動禁止の措置の解除時期について見通せない」ことを認めています。
これらの状況から、むつ市とRFSとの安全協定は締結されていません。
資源エネルギー庁が、「第6次エネルギー基本計画」のパブリックコメントを行った際、むつ市が、「操業が真近に迫っている中間貯蔵施設については、再処理工場が搬出先とされているものの、50年後に搬出先とされている再処理工場が明確にされていない。第6次エネルギー基本計画において、長期的な再処理工場の考え方について明記すべきと考える。このままでは、今後の中間貯蔵事業に係る諸プロセスにおいて中間貯蔵施設に貯蔵した使用済燃料の搬出先が明確化が大きな争点となることは必至である。国の大きなエネルギー政策の柱であるエネルギー基本計画において、この課題を解決するため是非とも、長期的な再処理工場の考え方について明確にすべきと考える。」との意見を提出していたことが明らかになっています。
工藤むつ市議らは「六ケ所再処理工場の稼働の見通しが不明なまま、再処理工場の稼働を行うべきではない。柏崎刈羽原発の搬入が不能な場合は、他電力との施設共用を認めてはならない。安全協定締結前に、住民説明会を実施すること、オフサイトセンターの設置を急ぐ。以上のことなどをむつ市とRFSに求めていきたい」と述べています。
櫛部地区委員長は「2013年7月から8回にわたって、朝日新聞は、東京電力が用地を買収する過程で、元むつ市長に金銭支援を行っていたのではないかとの疑惑を報じている。引き続き、これらの問題についても追及していきたい。」と語りました。
むつ市の関根浜港の岸壁に接岸したタンカーに陸揚げされたキャスクは専用車に乗せ、貯蔵施設に運ばれます。
キャスクを運ぶ車両は、傾斜15度以上は運行できないと聞いています。
3000㌧の使用済み核燃料を貯蔵する1棟目の建屋。現場は、平たんな丘陵地でした。
現場は、平たんな丘陵地帯で、専用道路の傾斜は、分からないほどでした。
櫛部地区委員長は、現地について、「元々は湿原だった。その後、水田となったが、減反政策で、酪農のための牧草地となった。酪農も困難を極め、農家の方々が牧草地を手放し、中間貯蔵施設用地となった。」と語ります。
これを、上関町に当てはめた場合、港の建設をどうするのか、専用道路をどうするのか、5000㌧規模で、120㌶という土地(むつ市の場合)を上関町長島でどう確保するのかと考えました。
長島の急峻な山を大規模に切土し、巨大な法面を造成して、平たんな土地を確保しなければ、中間貯蔵施設は出来ないことが分かりました。巨大な森林を喪失させる計画になるのではないか心配されます。
また、現在、公有水面埋立申請中の田ノ浦海岸の開発は今後どうするのか。
本日、日本共産党山口県委員会は中国電力に対して、中間貯蔵施設の問題で、申し入れを行う予定です。その際に田ノ浦の今後についても質していきたいと思います。
むつ市が、「第6次エネルギー基本計画」のパブリックコメントで述べた「中間貯蔵施設に貯蔵した使用済み核燃料の搬出先の明確化が大きな争点となることは必至」の認識は、上関町と山口県としても十二分に共有すべきであることを六ケ所村とむつ市を視察し痛感しました。
今日は、中国電力との交渉です。この内容は、明日以降のブログで報告していきたいと思います。
中間貯蔵施設に関して、皆さんのご意見をお聞かせください。
私のブログの最初のページで中間貯蔵施設に対するアンケートを実施しています。
当面、年内までで、中間貯槽施設の賛否をお聞きしていますので、ご協力ください。
日本共産党山口県議会議員団の視察で、18日、午前中は、青森県六ケ所原燃PRセンターを視察しました。
PR施設から、六ケ所再処理工場の建設現場を望む
この施設は、六ケ所再処理施設を運営する日本原燃株式会社が、様々な使用済み核燃料などの再処理施設を紹介する施設です。
青森県のむつ小川原開発計画区域に、1984年、電気事業連合会が青森県および六ケ所村に使用済み核燃料サイクル3施設(濃縮、埋設、再処理)の立地申し入れを行い、1985年、基本協定書が締結され、施設整備が進められてきました。
このエリアには、7つの使用済み核燃料サイクル施設が設置・計画されています。
まず、ウラン濃縮工場です。
この施設は、天然ウランに含まれる「核分裂しやすいウラン」の濃縮を高め、原子力発電の燃料を作るための原料に加工する施設です。
1992年3月に操業を開始し、2017年に新規制基準に基づく事業変更が許可され、2022年2月に、ウラン濃縮工場に係る設計及び工場の計画等について認可されました。
23年9月末現在、1702㌧UF₆の製品ウラン出荷量となっています。
次に、低レベル放射性廃棄物埋設センターです。
この施設は、全国の原子力発電所の運転等によって発生した「放射能レベルの低い廃棄物」を埋設・管理する施設です。
1992年12月に操業開始し、2023年9月末現在、200㍑ドラム缶本数換算で、1号埋設施設に約16.2万本、2号埋設施設に、約19.9万本が埋設されています。
2023年度に200㍑ドラム缶12824本を受け入れる予定です。
この施設は、低レベル放射性廃棄物の最終処分施設となるものです。
次に、高レベル放射性廃棄物埋蔵管理センターです。
この施設は、海外での再処理によって発生した「放射能レベルの高い廃棄物を、最終処分されるまでの間、一時的に貯蔵・管理する施設です。
1995年4月に操業を始めましたが、しゅん工予定期間は、2024年度上期のできるだけ早期となっています。
2023年9月末現在で、高さ1.3メートル、直径約0.4メートルのステンレス鋼容器で、フランスとイギリスから約2200本を受け入れています。
当貯蔵管理センターでは、30年から50年間の中間貯蔵施設とするとしています。
次は、使用済み核燃料受け入れ貯蔵施設です。
原子力発電所で一度使用した核燃料(使用済み核燃料)は、輸送容器に入れて運ばれてきます。市使用済み核燃料は、原子力発電所と再処理工場のプールで合わせて15年以上貯蔵します。
1999年12月に事業を開始し、現在、2968㌧Uga在庫量です。
受入れ容量が3000㌧ですから、六ケ所再処理工場にある使用済み燃料受入れ貯蔵施設は、ほぼ受入れ容量を満たす在庫量となっている状況です。
つまり、現時点で、新たな受入れは難しい状況です。
次に、再処理工場です。
原子力発電所で一度使用した核燃料(使用済み核燃料)からウランとプルトニウムを取り出す工場です。
1989年3月、再処理事業指定申請を行い、1993年4月に工事を着工しています。
2020年7月に、新規制基準に基づく事業変更許可が出されましたが、2022年12月第二回設計及び工事の計画の許可申請の変更認可申請を行っている段階です。
事業者は、2024年度上期のできるだけ早期に竣工できるとしていますが、現在のところしゅん工の見通しは立っていないものと私は考えます。
最後に、MOX燃料工場です。
再処理工場で取り出したウランとプルトニウムを原料にして、原子力発電所で使う新しい「MOX燃料」を作る施設です。
2010年10月に着工し、工事進捗率は、約12.8%です。
2020年に新規制基準に基づく事業変更許可は出されましたが、2023年2月に、第2回変更許可申請および認可申請を行った段階です。
事業者は、この工場について、2024年度上期にしゅん工予定としています。
この施設もしゅん工する見通しがあると言えるのでしょうか。
タンカーに積まれたキャスクなどを陸揚げする場所が、むつ小川原港です。
午後の予定地である青森県庁に向かう移動中に、むつ小川原港に立ち寄りました。
むつ小川原湊にある使用済み核燃料を収めたキャスクなどを荷下ろしする際に使用するガントリークレーン
港の近くに原燃輸送の会社の社屋があり、近くにキャスクなどを陸揚げする際に使用するガントリークレーンがありました。
ガントリークレーンは敷設されたレールで可動できる仕組みでした。
むつ小田原港は青森県営の港でした。
この場所に卸されたキャスクは、専用の車両に積まれ、専用道を通って、再処理工場に隣接した使用済み燃料受入れ貯蔵施設へ運ばれることになっています。
六ケ所使用済み核燃料等サイクル施設内に7つもの施設が存在しているこを直接見て、学ぶことが出来、貴重な体験となりました。
これら施設が一つでも稼働できなければ、国が進める核燃料サイクルシステムは、破綻します。
上関町に計画されている中間貯蔵施設も、六ケ所使用済み核燃料等サイクル施設が稼働しなければ、特に再処理工場が稼働しなければ、「中間貯蔵」の名称が破綻し、恒久的貯蔵施設になる可能性が広がることになります。
午後は、青森県庁に移動して、青森県エネルギー総合対策局原子力立地対策小田桐立人課長らから①むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設②六か所村再処理施設についてをテーマに青森県の対応状況を聴取しました。
青森県の担当者から核燃料サイクル施設などについて説明を受ける 奥手前から私、木佐木県議、河合県議
まず、むつ市の使用済み核燃料中間貯蔵施設にいてです。
2000年11月にむつ市が、東京電力に立地可能性調査を依頼したことからこの問題がスタートしました。
東京電力は、2001年4月に現地調査を開始し、2003年4月に調査を終了し、立地可能性調査最終報告書をむつ市に提出しています。同年6月、むつ市長が施設誘致を表明しました。
その後、青森県は、専門家をメンバーとする「使用済燃料中間貯蔵施設誘致に係る安全性チェック・検討会」を開催し、諸団体の長などで構成する「青森県原子力政策懇話会」の開催、県民説明会の開催するなどしました。
2005年、県、むつ市長、東京電力、日本原子力発電で「使用済燃料貯蔵施設に関する協定」が締結されました。直ちにリサイクル燃料貯蔵が設立されました。
2010年リサイクル燃料貯蔵が使用済核燃料の中間貯蔵施設の工事を着工しました。
現在、リサイクル燃料貯蔵は、2024年度上期にしゅん工する見通しを示しています。
2005年10月19日に、青森県知事、むつ市長、東京電力社長、日本原子力発電社長で交わした「使用済燃料中間貯蔵施設に関する協定書」には、「使用済燃料の貯蔵容器の貯蔵期間は、容器を建屋に搬入した日から50年間とする。」「使用済核燃料は、貯蔵期間終了までに貯蔵施設から搬出するものとする。」とあります。
むつ市への使用済燃料中間貯蔵施設が誘致されていること、六ケ所村にMOX燃料加工施設があること、大間原子力発電所があることにより、2010年から2020年までに149億円の核燃料サイクル交付金が交付されました。
交付金充当事業としては、観光振興事業などの産業を支えるもの、防災対策などの生活を支えるもの、学校施設整備事業など人づくりを支えるものなど、事前に、地域振興計画を国に提出した事業に支給されます。
支給された市町は、8市町村と担当者は説明しました。
質疑の中で、私は、電源立地地域対策交付金の期間1、期間2にどう対処したのか質しました。
担当者は、「2001年度から2007年度までの間に、24億円の電源立地地域対策交付金の交付を受けた。全額むつ市に交付され、県は交付を受けなかった。2005年度に知事が同意し、期間2は、2005年度から2007年度までだ。」と説明しました。
私は、知事同意に当たっての対応を質しました。
担当者は、「法的な規定はない」として、交付金上の手続きとして知事同意を行ったにすぎなかったという趣旨の説明を行いました。
むつ市が、中間貯蔵施設に関する課税を事業者に行っていることに関連し、担当者は、「県として、事業者に課税を行っている。」と説明しました。
次に、六ケ所再処理工場についてです。
1984年に電事連が、青森県知事に対し、原子燃料サイクル事業の下北半島太平洋側立地について包括的協力を要請したことから、この事業がスタートしました。1985年に、県、六ケ所村、日本原燃サービス、日本原燃産業で「原子燃料サイクル施設の立地に関する基本協定」が締結されました。同年には、「核燃料サイクル施設建設立地に関する県民投票条例」制定請求が行われましたが、県議会は、県民投票条例制定議案を否決しました。
1993年11月には、日本原燃が、再処理工場の工事に着手します。2000年に、隣接6市町村及び日本原燃が「再処理工場の使用済燃料受入れ貯蔵施設等の隣接市町村住民の安全確保等に関する協定書」が交わされ、同年12月から使用済み核燃料の搬入が開始されました。
日本原燃は再処理工場について、年内は難しいが、2024年度の上期のできるだけ早い時期にしゅん工したいとの見通しを示しています。
核燃料サイクル交付金は、六ケ所サイクル施設内に、MOX燃料加工施設があることから交付されています。
担当者は、この交付金について「令和4年度に、8.5億円、県として交付を受けた」と説明しました。
中間貯蔵施設に関し、電源立地地域対策交付金の期間1と期間2の交付を青森県は受けなかったことが分かったことは重要でした。
中間貯蔵施設の建設に対して、核燃料サイクル交付金149億円が、8市町村に交付された実績があったことも重要でした。
六ケ所再処理施設について、事業者は、年内のしゅん工は難しいと公言していることが分かったことは重要でした。
再処理施設については、1993年の着工以来30年が経過したにも関わらずしゅん工していない事実も重要でした。
いよいよ、本日は、むつ市の中間貯蔵施設を見学する予定です。明日以降報告していきます。