26日、しんぶん赤旗日刊紙の書評の欄に、木寺一孝著「正義の行方」があり、次のように書いています。
「福岡県飯塚市で92年、女児2人が殺された飯塚事件。その操作に当たった福岡県警、事件を追い続けた西日本新聞のジャーナリスト、犯人とされた人物の死刑後に冤罪として再審査請求した弁護団、それぞれが職務を全うしようとする姿を映し出し、その諸相から真相を考える執念のドキュメンタリー映画の活字版。DNA型鑑定への疑問。異例の早さで執行された死刑。司法がはらむ矛盾を照射。自社報道の検証をしたジャーナリストの姿勢に希望をみます。(講談社・1700円)」
私は、議会視察の移動中の車中などで、木寺一孝著「正義の行方」を読んでいます。
92年、女児2人が殺された同じ小学校に通うアイコちゃん失踪事件が1988年に発生しています。その事件も合わせて久間元死刑囚が犯人とされます。
久間元死刑囚が証言した場所にアイコちゃんの遺留品が発見されますが、読者の疑問は深まります。
久間元死刑囚は、「無実」を訴えながら、死刑確定後、わずか2年で死刑が執行されます。
久間元死刑囚の死後、再審査請求を弁護団が求めます。死刑制度の在り方にも、疑問が深まる事件です。
書評にもありますが、西日本新聞が、「検証 飯塚事件」を特集することに希望を感じます。
この本の冒頭に「事件の捜査を担った警察官たち、被告人の妻と弁護士たち、そして事件報道に携わった新聞記者たち。三者それぞれが拠って立つ『正義』があった。いったい何が真実なのか、そして、誰の正義を信じればいいのだろうかー。」
私は、この本を読んで、誰に正義があるのか分からなかったし、何が真実なのか分かりませんでした。
だからこそ、真実が不確かな中で、死刑が執行されたという事実は、今後、私たちの国に、大きな警鐘を鳴らすものだと感じました。
そこに、この本の意義があるのだと感じます。
YCAMシネマでも近くドキュメンタリー映画「正義の行方」が放映されます。
映画としての「正義の行方」を観て、「飯塚事件」について考えていきたいと思います。
「正義の行方」を読まれたり、観られた皆さんのご意見をお聞かせください。
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