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反戦情報(2024・5・15)N0.476 に私の小論が掲載されました。

 雑誌「反戦情報」2024・5・15 No。476 に私の小論が掲載されました。

 題名は、「衆院3補選結果と政治資金規正法改正の論点」です。

 雑誌の記述とは、一部、違いがあるかも知れませんが、私の原稿は、以下の通りです。

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衆院3補選の結果と政治資金規正法改正の論点

 山口県議会議員 藤本かずのり

1、衆院3補選の結果
1)3補選自民終わりの始まりに
 私の趣味の一つに川柳があります。最近の句に「三補選自民終わりの始まりに」があります。4月28日投開票の衆院3補選の結果は、まさに自民党政治の終わりの始まりを思わせるものでした。
自民党は東京15区と長崎3区では候補者を擁立できず不戦敗となりました。唯一擁立した島根1区では、1996年の小選挙区制度導入以来、自民党の野党時代にも確保してきた議席を失いました。
2)島根1区の結果
 4月30日、朝日新聞は、特集「自民党王国の崩壊」で、島根1区の自民党の選挙状況を赤裸々に報じました。島根県安来市で金属加工会社を営む藤原敏孝氏(70)は、旧伯太町の自民党の支部長を務めています。岸田文雄首相囲む自民党の政治刷新車座対話で、藤原氏は岸田首相に「我々党員、恥ずかしい気持ちでいっぱいです。保守王国は過去のこととなりました」と語ります。更に記事は、「年末年始にかけて、党のカレンダーを党員に配ろうとしたが、『いらんわ』と突き返された。衆院島根1区補選の告示前に自民党候補の資料を配りに回った際も、何度か突き返された。自民王国の繁栄を知るだけに初めて味わった党員としての恥ずかしさを岸田にぶつけた。」と報じます。
 藤原氏の「恥ずかしい」想いは、自民党の金権腐敗政治への「恥ずかし」さです。
 島根1区での共同通信の出口調査では、8割近い有権者が裏金問題を「重視した」と回答し、自民支持層の26%、無党派層は74%が立憲候補に投票したと答えました。
 島根1区では、自民党の裏金問題に対する無責任さが保守王国を崩壊させる結果になりました。
3)東京15区の結果
 東京15区では当選した立憲民主党の酒井なつみ氏と江東市民連合が「金で動く自民党の古い政治ときっぱり決別し、国民の声で動く政治を。企業・団体献金は禁止」など8項目での確認書を交わし共闘の行動を加速させました。
 江東市民連合の宇都宮健児筆頭共同代表は、選挙後の談話で、酒井氏の勝利について「自民党裏金問題での岸田首相の無責任な態度、江東区自民党の相次ぐ収賄・買収事件など、自公の金権政治と、暮らし・営業の困難をかえりみない政治に、有権者が鉄ついをくだしたもの」「この勝利は、2021年10月の衆院選、昨年12月の区長選での市民と野党の共闘の積み重ねを経た『3度目の正直』といえるもの」と述べています。
 市民と野党の共闘の力を最大限発揮した結果が東京15区で示されました。

2、政治資金規正法改正の論点
1)企業・団体献金の禁止
 裏金事件を受けて、政治資金規正法改正を議論するため、衆議院政治改革特別委員会が設置され、4月26日に、各党の意見表明が行われました。
 政治資金規正法改正の論点の第一は「企業・団体献金の禁止」です。各党の意見表明の内容を検証します。
 自民党は、裏金事件の当事者だというのに、違法な裏金づくりを「不適切な会計処理」という言葉でかたづけました。自民党案は、「企業は社会的存在」といって企業・団体献金を引き続き受け取る姿勢を示すものです。公明党案には、企業・団体献金は言及すらしていません。
 30年前、リクルート事件などが相次ぎ、「政治改革」が唱えられました。1993年8月細川護熙首相は、企業団体献金は「廃止の方向に踏み切る」ことを表明しました。しかし、企業・団体献金について「政党・政党支部への献金」「政治資金パーティー券の購入」を認める抜け穴がつくられました。裏金づくりはこの抜け穴を利用したものです。政治資金規正法の改正の最大の論点は、裏金づくりの抜け穴である企業・団体献金を禁止することです。
 意見表明では、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、日本共産党が、企業・団体献金の禁止を打ち出し、政治資金規正法改正の共通要求となっています。
 2022年度の法人税減税は約2兆3000億円で、最大のものが「研究開発減税」(総額7636億円)。この「研究開発減税」は、資本金100億円超の企業が65%を占める、文字通りの大企業減税です。研究開発減税の22年度分の減税額トップ企業は、トヨタ自動車で、802億円に及びます。
 トヨタ自動車は、13年から22年に、自民党に6億1520万円の献金を行っていますが、同時期のトヨタの研究開発減税総額は8700億円です。
 日本共産党の小池晃書記局長・参院議員は参院予算委員会で「研究開発減税は企業献金の見返りだったのではないか。1400倍超のキックバック(還元)だ」「献金は自民党の懐に入るが、減税は国民の血税から出ている。きわめて悪質だ」と批判しました。
 岸田首相の団体献金禁止に踏み出す意思が皆無であることが浮き彫りになりました。
2)議員本人への罰則強化
 政治資金規正法改正の論点の第二は、議員本人への罰則強化です。
 自民党は「議員本人への罰則強化」として、政治資金収支報告書に議員の「確認書」添付を義務付ける案を示しました。これは①会計責任者が処罰された際、②議員が適切にチェックせず確認書を交付したと認めれば罰則を科す、という二重のハードルがあり、対象は限定的です。「秘書が悪意をもってやった」と言い逃れる余地を残しています。
 5月2日、毎日新聞は、ある与党議員の発言として「確認書の提出を課すことで『知らなかった。秘書に任せていた』という言い訳は通用しなくなる」とする一方で「『気づかなかった』という言い分はあり得る」と漏らしたと報じました。
 会計責任者らが違反した際には政治団体の代表者にも同刑を科す政治資金法の改正が求められます。
3)政策活動費の禁止
政治資金規正法改正の論点の第三は、「政策活動費」の禁止です。
5月4日、毎日新聞は、政党から政治家個人に支出された使途の公開義務がない「政策活動費」について「自民党本部の政治資金収支報告書によると、同党は2022年、党幹部ら15人に計14億1630万円を政策活動費として支出しました。このうち最多の茂木敏充幹事長は9億7150万円でした。二階俊博元幹事長は在任中の5年間に約50億円を受け取ったとされ」る、と報じました。
国民が、「政策活動」と言いながら、表に出せないようなやましい政治活動をやっているのではないかと疑問を持つのは当然です。
「政策活動費」を自民党は、見直さず、「検討課題」にとどめ棚上げしています。野党の批判を受けしぶしぶ公表した自民党案は、「透明性」を高めるとあるのみです。
 国民からみれば「つかみ金」になっている「政策活動費」はきっぱり禁止すべきです。

3、自民党裏金問題の国民的監視を
 4月30日放送の「大竹まこと ゴールデンラジオ!」(文化放送)で、フリーライターの武田砂鉄さんが、「政治資金規正法の前に今回の自民党裏金問題はどうだっていうのを、いま一度、明らかにする姿勢っていうのは弱めてはいけなんじゃないかな」と述べました。「朝日新聞」の世論調査で「裏金問題が解明されていない」と答えた人が92%に上っています。砂鉄さんは「国民の監視っていうんでしょうか。(自民党の裏金問題は)まだ終わっていないぞっていうところを強調していかなくちゃいけないんじゃないか。」と指摘しました。裏金が明らかになったのに、議員を続けていることへ国民が監視を続けることは重要です。

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 雑誌「反戦情報」に私の小論が掲載されたのは、これで4回目となります。

 私の小論が掲載された雑誌を数冊預かっています。

 読んでみたいという方は、私(090-3747-2855)に連絡ください。

 引き続き、県政全般に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

 

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