10月17日、しんぶん赤旗日刊紙は、中央教育審議会の審議内容について次のように報じました。
「中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は16日に総会を開き、新しい時代の学校教育のあり方に関する『中間まとめ』を了承しました。複数の委員から少人数学級の実現を求める声が上がりました。『中間まとめ』は新型コロナウイルス対策などとして、少人数編成を可能とする人材確保や施設の計画的整備を求めています。討論では『国の責任で計画的に少人数学級を進めるべきだ』(村岡嗣政山口県知事)、『少人数学級は教師にとっても子どもにとっても大変メリットが大きい。最適人数も議論してもらいたい』(萩原なつ子立教大学教授)との声があがりました。」
村岡嗣政知事は、昨年2月15日発令の第10期中央教育審議会委員を務めています。都道府県知事の中では唯一の委員です。
10月16日に了承された「中間まとめ」の「新時代の学びを支える環境整備について」では、「新時代の学びを支える指導体制等の計画的な整備」として次のように書いています。
「義務教育9年間を見通しつつ、学習履歴(スタディ・ログ)の蓄積・分析・利活用をはじめ、『1人1台端末』の効果的な活用等による児童生徒一人一人の特性・学習定着度等に応じたきめ細かな指導の充実や、『新しい生活様式』を踏まえた身体的距離の確保に向けて、教室等の実態に応じて少人数編成を可能にするなど、少人数によるきめ細かな指導体制や小学校高学年からの教科担任制の在り方等の検討を進め、教師の人材確保を含め、新時代の学びを支える指導体制や必要な施設・設備の計画的な整備を図るべきである。」
中央教育審議会の議事録は開示されていますが、10月16日の審議会の議事録はまだ公開されておらず、村岡知事がどのような発言を行ったのは定かではありませんが、しんぶん赤旗「日刊紙」の報道が正しいなら、知事の発言は前向きなものだと言えます。
11月11日、萩生田文科相は、BSフジの番組で、少人数学級について「思い切って1クラス30人を目指したい」との考えを明らかにしました。
菅政権は、新年度、子どもたちに少人数学級をプレゼントすべきだと思います。
前川喜平さんなど少人数学級化を求める教育研究者有志は、「少人数学級を求める署名」に取り組んでいます。
昨日、この「少人数学級署名」を進める宇部の会のスタート集会が開かれました。
「『少人数学級署名』を進める宇部の会」スタート集会の様子です。
「少人数学級署名を進める宇部の会」は、私を含む12名が呼びかけ人となっています。
昨日のスタート集会では、「宇部市内で2万筆を目標に署名に取り組んだらどうか」「山口県や宇部市に少人数学級を求める請願書を提出する運動にも取り組んだらどうか」などの意見が出されました。
宇部の会として、当面、今月中に署名を集めることを確認し、その他の活動については、随時、協議しながら取り組んでいくこととしました。
新年度予算に少人数学級化の予算が計上されるよう、今月中に「少人数学級署名」を集めていきたいと思います。
私が、署名を預かっています。関心のある方は、本ブログのトップページの問い合わせから私に連絡下さい。署名をお渡しします。
また、ネットでも署名が可能です。「少人数学級を求める署名」で検索してください。
教育問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
NHKは、昨日、「ため池」の防災対策を強化するため、国は、財政支援を拡充する方針を確認したと次のように報じました。
「武田総務大臣、野上農林水産大臣、小此木防災担当大臣は、『ため池』の防災対策を検討するために、13日総務省で会談しました。おととしの西日本豪雨や昨年の台風19号などでは、『ため池』の決壊による大きな被害が出ました。『ため池』は全国各地におよそ16万ありますが、つくられた時期が古く、所有者が分からず管理が不十分なものもあるということです。武田大臣らは、『ため池』の防災対策をさらに強化する必要があるとして新たな方針を確認しました。新たな方針では、堤防の補強など自治体が行う工事に対する国の財政支援の割合を今のおよそ6割から拡充するとしています。また、『ため池』や農業用の水路『クリーク』にたまった土砂の除去を財政支援の対象に加え、費用の7割を国が負担するとしています。武田大臣は『政府が進める防災・減災・国土強じん化の取り組みにも資するものであり、年末の予算編成で3府省が連携して政策を実現していきたい』と述べました。『ため池』の防災対策は、おととしの西日本豪雨で広島県福山市でため池が決壊し、近くの住宅にいた3歳の女の子が犠牲になるなど、大きな被害が出たことを受けて、強化が進められています。国が優先的に対策を講じる『防災重点ため池』の基準を見直し、それまでのおよそ6倍にあたる6万3000余を対象にしました。また、所有者が分からず対策が進まない『ため池』が多かったことから、去年7月には新たな法律が施行され、危険な状態の『ため池』は、所有者に代わって都道府県などが必要な工事を行えるようになりました。さらに先月には、議員立法の特別措置法の施行で国が必要な財政上の措置をとり、今後10年で『防災重点ため池』の防災工事などを集中的に進めることになっています。」
7月16日の本ブログで、私は、「県内のため池は、国、県、市町の負担により、農家負担は、2%以下となっています。県内市町の補助の嵩上げによって、農家負担がゼロになっている所があります。また、全国的には、県による負担増により、農家負担をゼロにしている所があります。山口県は、県の負担を増やし、農家負担をゼロにすべきです。」と書きました。
来年度に向けて、国がため池に対する補助を拡大するのであれば、山口県は農家負担をゼロにした制度に改善すべきです。
更に。昨年4月18日の参議院農林水産委員会で、日本共産党の紙智子議員がため池について次のような質問を行いました。
紙参議院議員「防災工事についてお聞きするんですけれども、危険なため池と認定されて、改修費用が掛かるわけですよね。それで、データベースに登録されているため池のうち、集落、個人等が管理者になっているため池が5万6千か所というふうに書いてありますよね。地震、豪雨に備えて防災工事をする際に、これ自己負担はあるのでしょうか。」
この質問に、室本隆司農林水産省農村振興局長が次のように答えました。
「これは、当該管理者である集落等が自ら工事を行う場合は当然自己負担でやっていただきますが、普通はそういう莫大なお金を自己投資できるわけではありませんので、ほとんどは県営事業で行うことになります。その場合、豪雨対策、地震対策ということで工事を行うということであれば、農家負担はゼロということになっております。」
昨年の国会で、農水省の幹部が「豪雨対策、地震対策ということで工事を行うということであれば、農家負担はゼロにする」と答弁した事をここで指摘しておきたいと思います。
県内に防災重点ため池は、1265カ所あります。これらのため池で防災工事が一日も早く完了することを望みます。
日本共産党山口県委員会など中国地方各県委員会は、24日に中国四国農政局に農業問題の様々な要請を行います。
この中で、トビイロウンカ被害への対応を要望します。
また、「危険ため池の整備を促進するために、国の負担を増やし、農家負担をなくすこと。」も要望項目に入れる予定です。
農政局への要請の内容は、後日のブログで報告していきます。
農業問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、中国新聞は、上関原発建設のために中国電力が行おうとしている海上ボーリング調査について次のように報じました。
「中国電力が上関原発(山口県上関町)の建設予定地でボーリング調査前の準備作業を始められずにいる。昨冬同様に原発反対派の漁師が連日、現場海域に抗議に押し掛けているため。開始予定日から1週間が過ぎた11日も作業できず、先行きは不透明だ。準備作業は2日間、海上で掘削地点を決め、潜水して安全を確認する。この日は午前10時ごろ、中電側の船が現場海域に着くと対岸の祝島に暮らす反対派漁師の漁船が集まっていた。中電は約10隻の漁船に対し個別に繰り返し移動を呼び掛けたが応じてもらえず、午後4時ごろ諦めて帰港した。海上の抗議を踏まえ実際に作業する船は港に待機させたままだった。作業予定だった4日からこうしたにらみ合いが続く。中電は昨年12月も準備作業が終わらず、調査に入れないまま当初計画を断念した。連日繰り出す漁師橋本久男さん(68)は『今回も中電がやめるまで何カ月だろうと続ける』としている。準備作業後の調査は海底を掘削し活断層の有無を調べるもので現地作業は約2カ月を想定する。中電上関原発準備事務所の内富恭則広報部長は『一日でも早く取りかかりたいが安全が最優先。調査の趣旨を説明し協力を願うしかない』と話す。」
私は、昨日、赤松平生町議の案内で、中国電力が原発を立地しようとしている上関町の田ノ浦海岸を訪ねました。
中国電力が公有水面埋立許可を取っている上関町の田ノ浦海岸。
この海岸の沖で、ボーリング調査が計画されています。(写真、左側が私)
昨日は、晴天であるにも関わらず中国電力は作業を行っていませんでした。
そのため、祝島の漁師さんの船もみられませんでした。
中国電力は「一日も早くとりかかりたい」としていますが、来年1月までの期限までにボーリング調査を完了させる見通しはあるのでしょうか。
何度も本ブログに書いていますが、そもそも、原発の新設に対する新たな規制基準はなく、今回の中国電力のボーリング調査は、ない基準を想定した調査です。
更に、菅政権は、「原発の新増設は想定していない」と述べており、新設である上関原発そのものの見通しが全く立たない中でのボーリング調査です。
中国電力は、ボーリング調査が行えなかった場合、再度、海の占用の申請を県に行うのでしょうか。
中国電力は、上関原発を断念すべきです。
昨日は、原発が立地されようとしている海岸を訪ね、海岸の美しさを再認識しました。
11月県議会では、この美しい海を守るために、しっかり論戦を行っていきたいと思っています。
上関原発建設計画に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
10月21日付中国新聞は、「2015年の改正水防法は、都道府県知事が『相当な損害』が生じる恐れのある海岸を選び、最大級の高潮を想定して浸水区域を指定、公表する仕組みを導入。区域図作成に関する国の手引きによると、中心気圧は室戸台風、半径は伊勢湾台風を基本に想定する。
海に面する39都道府県のうち、今月15日現在時点で浸水区域を公表したのは神奈川県(東京湾)兵庫(大阪湾、播磨、淡路)愛媛(伊予灘、燧灘、豊後水道)福岡(豊前豊後、有明海、玄界灘)など9都府県。公表済みの海岸が一部だけで、別の海岸についても検討を続けている自治体も含まれる。国交省によると、広島、山口、岡山など13道県は区域指定に向けて検討に着手、佐賀、長崎両県は今後、検討を予定している。」と報じました。
2015年の改正水防法を受けた最大級の高潮を想定した浸水想定区域について、山口県の取り組み状況について県土木建築部港湾課の担当者に尋ねました。
担当者は「現在、瀬戸内海側で浸水想定区域の検討を行っている。検討が終わり次第公表したいと考えている。」と答えました。
10月10日、読売新聞は、「都道府県が管理する河川は約2万本。このうち流域面積の広い河川など計1678本は、水防法で『洪水浸水想定区域』の指定が義務づけられている。残る1万8796本の中小河川は、浸水想定区域の指定が必要かどうか各都道府県が判断する。過去1年間の新たな指定は12府県の689区域で、2割の増加にとどまった。」と報じました。
山口県の河川における状況を県土木建築部河川課の担当者に尋ねました。
担当者は「現在、水防法で『浸水洪水想定区域』を指定する河川が県内に67河川ある。その内、52河川で、『洪水浸水想定区域』を指定した。残る15河川について、引き続き、『洪水浸水想定区域』の指定を進めていきたい。その他の河川について、『洪水浸水区域』を指定する河川かどうか市町と協議を進めている。」と答えました。
県内で、最大級の高潮を想定した『浸水区域』の指定と河川で『洪水浸水想定区域』の指定が進められていることが分かりました。
それぞれの『浸水区域』の作業の進捗を急ぎ、それぞれの浸水区域が、周辺住民に早く伝えられることを要望します。
災害に強い山口県を作るために皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
山口県民主医療機関連合会(以下、山口民医連)は、9月、県内の医療機関、介護事業所の経営状態を把握するためのアンケートを行いました。
結果は、医科、歯科、介護それぞれ利用者、収益とも大きく減少しているというものでした。
この結果を受けて、昨日、山口民医連は、村岡嗣政知事に対して「医療崩壊を防ぎ、コロナ禍から県民のいのちを守るための緊急要望」を行いました。
要望項目は次の通りです。
①「全ての医療機関・介護事業所」を対象とする財政的保障を速やかに執行してください。
②医療・介護の経営崩壊を防ぎ、第三波以降に備えるために更に大規模な緊急財政支援を国に対して要請してください。
県からは土屋健康増進課主幹らが対応しました。
山口民医連の要望書を提出する深谷事務局長(右手前)、受け取る土屋健康増進課主幹(左手前)右手奥が私
深谷山口民医連事務局長は、県内の医療機関への次のような調査結果を県職員に伝えました。
県内の医療機関への調査は、今年9月に行われ、93の医科事業所、38の歯科事業所から回答が寄せられました。
「経営への影響」の有無について尋ねたところ、「一定程度」・「深刻」をあわせて医科で71%、歯科が81%が影響があると答えました。
外来患者の減少について尋ねたところ、医科・歯科とも約半数が、20%以上減少したとの回答でした。
深谷事務局長は「インフルエンザのシーズンを迎え、今後発熱患者の鑑別診断を行う『診療・検査医療機関』として地域医療を担う一般の医療機関の役割が期待される中、医療崩壊を防ぐためにも、これら事業所の財政面についての状況を十分把握し、必要な支援策を緊急に行う必要がある」と指摘しました。
土屋健康増進課主幹は「県の6月補正予算に、医療機関等を支援する財源45億3千万円を計上した。現在、2割弱の執行状況だが、速やかな予算執行を図り、医療機関を支援していきたい。また、『診療・検査医療機関』は県内で437事業所を指定した。また、これら事業所への補助金について、郡市医師会などに丁寧な説明を行っているところである。」と答えました。
佐々木医療生協健文会在宅介護福祉事業部長は、介護事業所に対して行った次のような調査結果を県職員に伝えました。
県内の154の介護事業所から回答が寄せられました。
利用者実人数は、前年度に比べ5月6月ともに約40%の事業所が利用者が減少したと答えています。
2カ月続けて前年度に比べ経常利益が減少したと答えた事業所は、約33%に及びます。
5月は68%、6月は49%の事業所で利用休止者が生まれました。
介護報酬算定の臨時的な取扱いについて、通所系では55%が2区分上の報酬を算定していました。
一方で、33%の事業所が算定していませんでした。制度を利用することで利用者負担増になり、限度額を超えると10割負担になるなど、臨時的取扱いの弊害が明らかになりました。
佐々木部長は「長期化するといわれる新型コロナに対して今後も引き続き、財政的な支援、医療・衛生材料の十分な提供が必要である。また、利用者負担にならない、介護事業所への財政支援が必要だ。」と指摘しました。
長寿社会課の担当者は「県として、介護事業所の職員への慰労金支給、かかり増し経費の差額の支給などを行っている。これらの制度を徹底したい。介護事業所への更なる財政支援について、県として国に要請をしている。」と答えました。
山口民医連のアンケート調査の結果の内容や知事への要望内容は重要な内容ばかりです。来る11月県議会にしっかり反映したいと思います。
新型コロナ対策に対する医療・介護現場での要望を引き続き、お聞かせ下さい。
11月8日、山口市内で、政治学者・白井聡さんの講演会が開かれました。
山口市内で講演を行う政治学者の白井聡さん
テーマは「新自由主義と日本の戦後教育」です。
最近の国政選挙で、20歳代の投票率が3割台で推移しています。この事について白井さんは、「国が豊かになっているから投票率が下がるのではない。豊かさは下がり、若者の投票率が下がっている状況はこの社会の大きな問題だ」と指摘しました。
2019年7月参議院選挙での「がんペー」さんのツイッター投稿にこうあります。
「選挙のことで彼女と喧嘩までしたんだけどな、どこの政党を支持するとかって話じゃなんですわ。『わからないものはわからない』って言われたんです。学校で政治や選挙のことなんか教えられていないから、選挙に行けとか言われると上から目線に聞こえる、って言われたんでですわ。」
白井さんは、若者にとって選挙がこれだけ遠い存在になっている状況について「自分が何もないよう状況だ。」と指摘しました。
その上で、白井さんは、「サッチャー元イギリス首相は『社会なんて存在しない』と言ったが、社会の蒸発が現在の状況だ。」と話しました。白井さんは、「戦前の天皇の役割が、今日のアメリカだ。」という現在の「国体論」を説明しました。白井さんは、「戦前の国体が明治以来、約70年で、崩壊したように、今は、戦後の国体が崩壊期に来ている。社会の蒸発は歴史の蒸発であり、それは、戦後の国体が崩壊の危機にある現れだ。」と話しました。
これからも白井聡さんから学んでいきたいと思います。