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農業者の皆さんへの持続化給付金のお知らせ

  日本共産党山口県委員会農漁民部で農業者の皆さんを対象にした、「持続化給付金のお知らせ」を農水省や農民連の資料を元に作成したチラシが以下のものです。

 チラシをダブルクリックしていただくと、PDRのチラシを見ることができます。

持続化給付金チラシ1

持続化給付金チラシ1-1

 農業者への持続化給付金について、農民連の長谷川副会長のメッセージを掲載しますので参照して下さい。

・・・

持続化給付金を全農家に知らせ、離農者を出さない

2020年9月17日 

農民連副会長 長谷川 敏郎

コロナ禍の長期化で、農畜産物価格の低迷

 新型コロナウイルスが全国に広がり、収束の目処が立たず長期化が予想されます。今後も外出自粛・営業自粛が需要を消滅させ、農畜産物の価格に影響が及ぶことが懸念されます。
2020年産米価格の概算金や買い取り価格が、昨年比1000円から1500円下落しています。原因は新型コロナの影響で22万㌧も需要が落ち込み、6月末民間在庫が昨年より12万㌧も増えたことにあります。農民連は稲作だけでなくすべての農家に、コロナ危機から営農と地域経済を守るために持続化給付金活用の取り組みを呼びかけています。

食と農の危機を打開し、新しい社会をめざす

 コロナ禍は、世界同時多発で発生し、農業生産に重大な影響をもたらし、主要な米麦輸出国が輸出禁止や規制に乗り出しました(最高時19か国、現在は13か国)。今後、輸出制限や農業生産の混乱が拡大すれば、カロリー自給率37%、穀物自給率28%の日本への打撃は計り知れません。
 コロナ危機の体験を通じ海外に依存する食料・農業政策の危険性、さらに、新自由主義政策の破たんが明らかになり、「こんな社会でいいのか」と消費者は前向きに変化しています。コロナ禍の終息後、破綻した新自由主義の暴走か、その道を大もとから転換し、家族農業を基本とした持続可能な農業で国民食料を守る道かが問われています。これまで通りの世界に後戻りさせないために、農民連を強く大きくすることが、いまほど強く求められているときはありません。
 日本では一時的に玉ねぎなどの農産物の輸入が途絶え、米・パスタ・冷凍食品などの品目ではスーパーで欠品が出ましたが、食料パニックが至らなかったのは、まさに奇跡といえます。これは日本の農家がきびしい条件のもとで必死に頑張っているからです。単なる偶然ではありません。この10年で基幹的農業従事者は65万人減少し140.4万人へ、3人に1人は離農しました。現在頑張っている人の平均年齢は67.0歳(2019年)です。販売農家数も50万戸減少し113万戸だけになりました。
 それだけに、コロナ禍で米価暴落をはじめ牛肉価格の低迷など農畜産物価格の低迷が長期化すれば、相当の離農者や経営破綻が出てくることが予想されます。大規模経営農家ほど打撃は深刻です。

経産省の「減収補填」から、農水省の「農業生産持続」への変化

 農水省は、農業という産業の特別な性格からコロナ禍で日本の農業生産基盤が縮小しはじめると取り返しのつかないことになるとの危機感もあり、思い切った持続化給付金の活用を提起していると思われます。現に江藤拓農水大臣は、「農林水産業では極めて柔軟な対応が可能で、ほぼほぼすべての農業者が対象になると理解している」と農水委員会で答弁しています。(後述)
 6月26日、首相官邸の「農林水産業・地域の活力創造本部」は、食料安全保障の強化と見直しを関係閣僚に一斉に指示を出し、「需要の急減を理由に今生産を止めてしまえば、将来的な食料供給に支障が出る可能性があることから,生産を止めない」ことが最重要としました。これまで「官邸農政」の司令塔といわれたところからの指示です。
 これを受けて、農水省は農水産物・食品の在庫量や流通状況を毎日ホームページに掲載しています。
 当初、「持続化給付金(仮称)」は、「コロナ対策緊急経済対策」(4月7日閣議決定)の一つとして、「事業収入が前年同月比50%以上減少した事業者について、(略)前年度の事業収入からの減少額を給付する」減収補填の意味合いが強いものでしたが、農水省は食料の安定供給や農業生産の持続・維持を重点に、すべての農家を対象にすることに変化しました。

持続化給付金の取り組みを全ての農家を対象に

 農水省の農家への周知の仕方も、経産省とは違うものになっています。しかし、この動きが読み取れず、米農家の持続化給付金の受給は不正申請の恐れがあるので農民連が組織として取り組むのはいかがなものかとか、米価下落を体験しないとコロナの影響が実感できないので、申請を控え、農家への呼びかけもしない(米の収穫前)などの意見がありました。
 これは、6月18日、熊本県議会で自民党議員が県内のナシ農家を不正受給としてやり玉に挙げ攻撃したことを熊本日日新聞が報道して以来、7月28日の河北新報「コメ農家にも給付金 申請はモラル任せ 農閑期の収入ゼロ コロナの影響どこまで」、さらに、同新聞8月12日「給付金申請サポートにコメ農家殺到 大崎・古川会場 国の姿勢に疑問の声も」など、「コロナの影響を受けていない農家の申請は不正」という誤解に基づいた報道の影響です。

行政・農協も対象を限定する誤解が

 秋田県農林水産部が5月に農家向け「持続化給付金」資料で、「収入減少の原因は、新型コロナウイルスの影響であると説明できることが必要」、さらに「計算上は50%以上の収入減少となりますが、新型コロナの影響とは言えず、(米農家は)対象外」の間違ったメッセージを発信しました。(秋田県農民連から抗議を受け、後で謝罪し、撤回しました)
 JAしまねの持続化給付金チラシでも「取引先の休店、需要の減少による価格の低下など、2020年1月以降、新型コロナウィルス感染病拡大の影響によると認められるものに限ります」と対象が極めて限定されるように説明しています。
 これらの誤った見解は広く農協関係者や行政にあり、持続化給付金制度が正しく農家に知らされないままになっています。

悪質な不正申請の報道に委縮しない

 持続化給付金の不正受給が各地で摘発されマスコミ報道される中で、これらと同類ではないかと持続化給付金の申請に慎重になる農家もいます。
 しかし、これらの不正受給は、給付対象のもう一つの大事な要件である、「2019年以前から事業による事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思がある事業者」ではないのに、架空の事業による確定申告書を作成し申請している点が共通しています。
 コロナ禍に便乗した許されない犯罪行為です。
 (7/22山梨県で大学生逮捕、8/12神戸市で3人逮捕・暴力団がらみ、8/26愛知県で3人逮捕、9/13沖縄タイムズ社員が不正受給)
 農家の場合は、これまでも、これからも頑張っていくわけですから、十分に給付対象の要件を満たしています。申請を何ら遠慮することはありません。

資料1、そもそも、持続化給付金の不正受給とは、

政府答弁書                          2020年6月26日閣議決定
 個々の事案が不正受給にあたるか否かについては、具体の事実に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難であるが、ご指摘の「事業収入の減少が、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等によらない場合」や、「事業収入が生じた日を意図的に操作する目的で月間の事業収入を少なく」する場合については、不正受給にあたる可能性があるものと考えている。        (平山佐知子参議院議員提出の質問主意書に対して)

経産省の「前年同月比50%以下」では、農家は対象にならない
…経産省パンフレット ひと月の売上が、前年同月比50%以上減少している事業者は申請できます

 青色申告の場合、確定申告書の添付資料である青色申告決算書(一般用)には、月別売上(収入)金額欄があり、農業以外の青色申告では「前年同月比50%以上減少」を事実上、証明しなければなりません。

…農水省パンフレット  今年のいずれかの月の事業収入が平均月収の50%以下であれば対象になります

 経産省が当初示した「売り上げが前年同月比50%以上減少している事業者」が対象としたことから、農業も「売り上げが半分になった」ことを証明すべきではないかという誤解があります。
 しかし、農家の青色申告決算書・白色申告の収支内訳書に月別売り上げの項目はなく、公的な税務資料から「前年同月比」を比較,証明することは不可能です。この基準を元にすれば申請できるのは農業法人のみです。農家が「前年同月比」を証明できないのは、税金申告の制度によるものであり、農家の責任ではありません。
 経産省も個人事業者で白色申告の場合は「前年同月比」が証明できないために、「前年の年間事業収入の12分の1」を「売り上げ減少の対象月の前年売上額」として、その50%以下になった月を対象月とすることにしました。これにより、確定申告をしているすべての農業者も対象になりました。
 さらに、農水省は農産物を販売しているが事業規模が小さく確定申告を要しない農家も、住民税の申告・納税証明があれば対象にしました。(資料2)
 経済産業省は外食産業や宿泊業などコロナ禍であからさまに大ダメージを被った業界の支援・被害の補填、農水省は農業でコロナ禍の影響を受ける農家に対し、将来的な生産能力の低下を招かないように国が先手を打ったといえます。農業は一度生産能力を失うと取り戻すのに時間もお金もかかります。食料供給という国民の生命の根幹にかかわる部分を国が重く考えていることは健全な危機意識です。

資料2 多くの農家は住民税申告だけ⇒確定申告書(控)がない

小規模農家は農業所得を確定申告していない (赤字なので申告をする必要がない?)

 給与収入2000万円以下の給与所得者は、給与以外の所得が20万円以下の場合は、原則として確定申告を要しない(所得税法121、122条)
 但し、医療費控除などで還付申告をする場合は、20万円以下でも農業所得を申告する必要がある。
 年金の場合も400万円以下の場合、または公的年金等に係る雑所得以外の所得が20万円以下の場合は確定申告を要しない

住民税については、上記の規定は適用されない。

 農業所得があれば必ず住民税は申告する必要があり、無申告なら推計課税される。
住民税申告は所得税の「収支内訳書」を準用している。赤字の場合、所得ゼロになる場合や、雑所得にされて損益通算してもらえない場合がある。(自分で税務署へ確定申告すれば大丈夫)

資料3、国会議事録
2020年5月12日 農水委員会議事録 江藤拓農水大臣の答弁    (下線‥長谷川)

木村次郎(自民)議員に対して

 「特にこの持続化給付金につきましては、ほぼほぼ全ての農業者の方々が、いわゆる農林水産業に係る所得を申告しておられる方々、全ての方々が対象になると理解しておりますけれども、現場では、自分は対象になるのかどうか自体にまず疑問を持っている方々もおられますから、それぞれの業態について、水産はこう、畜産はこう、漁業はこう、そういったことをしっかり細かく説明させていただくことが必要だと思っております」

近藤和也(国民)議員に対して

 「例えば、農林水産の場合は、農繁期である時期と農繁期でない時期があって、一年をならして十二で割って、そして、これから来年の一月十五日が持続化給付金の締め切りですから、その中で、所得の、売上げの低かった月と比較すればいいという極めて柔軟な対応を農林水産分野ではできるということになっております」

大串博志(立民)議員に対して

 「農業者の方々も、青申をやっておられる方もおられれば、それから白の方もおられれば、青も白もやっていない、だけれども農林水産業によって得られた収入自体はちゃんと報告している。税務報告をしているという方もおられます。こういう方はちゃんと救われるんですよという、持続化給付金の内容をしっかりと知っていただくことは、花の生産農家の方々にも大変必要だと思っています」
 「多くの農業者の方々が、自分は規模も小さいし、小規模であるから対象にならないだろうというような判断をされていることも多い。そして、農林の場合は、過去一年間の収入を十二で割って、この一月十五日までの期間で所得の低いときと比較していただければ、ほぼほぼこれは対象になる可能性が極めて高いということでありますから、(略)、農業者のもとに、一日も早くこの制度が理解され、そして利用されるように努力していきたいと考えております」
 「基本的に、私が声を大にして申し上げたいのは、確定申告も青とか白とかがありますが、これはもう当然、所得が確定しておりますから対象になりますし、住民税の申告、これについては、経産省とずっと実はちょっとやっておりまして、経産省のほうも住民税を申告してくれればいいということになりました。ということであれば、農林水産業からの収入を事業収入として報告している人はほぼほぼ全部ということになりますから、そうそう漏れる人はいないという仕組みになったと思います」

米単作地帯の農家も持続化給付金の対象に
6月9日 衆議院農水委員会議事録から

 日本共産党の田村貴昭議員が、経営継続補助金について質問し、農家の声は直接支援をしてくれないか、収入減少に対する補填をしてくれないかという声だ。ヨーロッパやアメリカでは損失補償や買い上げを、すぐに行っている。すぐ踏み出すべきだと質問。 
 江藤拓農水大臣は、「給付金がまず先に出て、その後に今度は補助金という形で立てさせていただきました」(略)「いろいろな業態によって厳しい状況がたくさんあるのはわかりますけれども、例えば、給付金については、ほかの業界と違って、例えば米の単作地帯でも、昨年の十二か月を、一年の収入を十二で割って、収入のない月と、あまり大きな声でいうといろいろあるかもしれませんが、比較することによって、給付金については受けやすいスキームになっておりますし、これについても、私はたくさん手が挙がるんじゃないかと思っています」と答弁しています。

そもそも、コロナ禍の「影響等」とは

 申請をためらう農家に共通するのは、「コロナで影響を受けたといえるか、証明しろ」と言われてもできないという心配や不安です。
 6月25日、秋田県農林水産部のチラシについて、農民連が農水省に問い合わせた結果、農水省経営局経営政策課は、「確かにコロナの影響があることが求められているが、それを証明することまで求めているわけではなく、そもそも証明も難しいことであると考える。水稲単作農家の例を出して『対象とならない』とするのは国の方針より踏み込んでいる。申請者がコロナ影響対策の給付を受けたいという趣旨で申請してもらえばよい」と回答しました。
 つまり、コロナ禍により自らの農業経営がどのように影響を受けたと考えているかであり、その受け止め様は、個々別々であり、申請理由に証明は要しないのです。
 選択した月の売り上げが、前年同月より減少したことを証明しなければならないと指摘する人があります。しかし、求められているのはあくまで給付要件に該当する対象月を任意に選択することです。もともと、農産物の売り上げは、天候・作況・需給・品質など様々な条件で常に変動します。逆に、コロナの影響だけと断定することは相当難しいことになります。

(参考) 新型コロナウイルスによる日本農業への影響

 6月19日、農林中金総合研究所は「コロナ禍における食品関連産業への影響と農政の動向」というレポートを発表し、コロナの農業への影響について、次のように整理しています。
 そのものによるもの‥輸出不振・外食需要の減少・労働力不足・資金繰りの困難、
すでにある課題が増幅しているもの‥A 農業就業者数や農地面積の減少など生産基盤が一層脆弱化する懸念、B 中山間地を中心に農村人口の減少で地域コミュニティが困難になる懸念、C 国際化の進展により、関税削減などに対する懸念や不安、D 頻発する自然災害や家畜疾病の発生、地球温暖化による影響への懸念
直接的影響だけでなく、間接的に「懸念」が広がることもコロナ禍の影響と指摘しています。

 

結論 持続化給付金制度を正しく農家に知らせ、広く活用を

 「自分は対象にならない」と思い込んでいる農家も多くいます。しかし、農業を持続化するための給付金であり、多くの農家が対象になることがわかると、農家の目が輝きます。
 「コンバインが壊れたら農業をやめようと思っていた」などギリギリで頑張っている農家への大きな励ましです。「農機具修理のめどが立ち、気持ちが楽になりありがたかった」と感謝されています。世話をした農民連の仲間も元気になり、仲間を増やす活動に張り切っています。
 申請には去年の確定申告書を見せてもらうことから、農民連に入ればもっと節税できると税金の取り組みにもつながり、さらに米価下落の中で農民連の米準産直にも参加したいなど、次々と要求が広がり、農民連の活動そのものを変える力になっています。

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 農民連の方から持続化給付金の必要書類を例示いただきましたので、参考にしてください。

持続化給付金必要書類

確定申告第一表控
一般的な申請方法を選択

収受印のあるもの       収受印のないもの

              納税証明書その2(税務署)
売上台帳           売上台帳
運転免許証表写真       運転免許証表写真
運転免許証裏写真       運転免許証裏写真
預金通帳写真表写真      預金通帳写真表写真
預金通帳写真P1・2写真   預金通帳写真P1・2写真

税務署への確定申告をしていない人

市県民税申告控
A-1証拠書類等の特例を選択

収受印のあるもの         収受印のないもの

                 市県民税の課税証明書
売上台帳 売上台帳
運転免許証表写真         運転免許証表写真
運転免許証裏写真         運転免許証裏写真
預金通帳写真表写真        預金通帳写真表写真
預金通帳写真P1・2写真     預金通帳写真P1・2写真

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 持続化給付金の期限が来年1月と迫っています。

 持続給付金を活用したいと思われる農家の方や、知人が困っているなど相談したい方は、本ブログのトップページの「問い合わせ」をクリックしていただいき、私にご連絡下さい。農民連の方と一緒に対応したいと思います。

 引き続き、農林水産に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 24日には、農水省中国四国農政局に行ってまいります。

県がトビイロウンカ被害の水稲農家を支援

 昨日の山口新聞は、県のトビイロウンカ被害の水稲農家支援策について次のように報じました。

 「県は、県内で被害が拡大している水稲の害虫『トビイロウンカ』の影響で収入が落ち込んだ生産者の支援に乗り出す。農業団体の要請を踏まえ、県内で水稲を生産する全ての農家を対象に、来年度の種子購入費を助成する。県農業振興課によると、助成額は種子の原価の半額。25日開会予定の11月定例県議会に提出する本年度一般会計補正予算案に、助成費用約1億円を計上。県の同様の支援事業は、台風による水稲被害が大きかった2004年度以来。トビイロウンカは、イネの株に寄生し汁を吸って枯らす。例年より早く中国大陸から飛来し、局所的な『坪枯れ』に加えて『全面枯れ』の被害もあり、下関市をはじめ県内の被害が過去最悪ペースで推移している。中国四国農政局が公表した県内20年度産水稲の作況指数(10月15日現在)は全国で最も低い73の『不良』。県内のこの時期としては最低の数値となった。」

 山口新聞は、美祢市がトビイロウンカ被害増で全水稲農家に給付金を支給することを決めたと次のように報じました。

 「美祢市は、トビイロウンカで多くの被害が出たことを受け、市内全ての水稲作付け農家に給付金を支給する。26日開会の市議会定例会に提出する本年度一般会計補正予算案に、経費4021万円を盛り込んだ。市内で水稲を作付けしている全1319戸、計1598㌶が対象。被害の有無に関係なく、10㌃(0.1㌶)当たり2500円を支給する。市農林課によると、県農業共済組合に加盟する市内の水稲作付け農家で、トビイロウンカの被害面積は全体の39%、戸数は73%(いずれも10月30日時点)に上る。市は収量が大幅に減少しただけでなく、農薬散布を余計にせざるを得なかった農家の状況を鑑み、独自の支給金を決めた。市議会の議決を経て、12月中の支給を予定している。」

 日本共産党山口県委員会をはじめとする中国5県の日本共産党県委員会は、24日、午前中に、中国四国農政局交渉を行います。テーマの一つは、トビイロウンカ被害に対する国の対応を求めることです。

 山口県や美祢市の対応を評価しつつ、国に抜本的な対策の強化を求めていきたいと思います。

 私は、この程、日本共産党山口県委員会農漁民部の担当となりました。

 中国四国農政局交渉にも参加します。農林水産業に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

「上関大橋の段差」橋台の鋼材破断の可能性が指摘される

 11月15日の中国新聞デジタルは、上関大橋に高低差約20センチの段差が生じている問題を次のように報じました。
 「調査には、中国地方整備局職員や山口大学大学院の麻生稔彦教授(橋りょう工学)、橋の施工業者たちが同行。路面や桁の内部を目視点検したところ、本土の室津半島側の桁が約20センチせり上がり、逆に橋中央部がシーソーのように約1センチ沈んでいたという。構造上の異常は見当たらず、原因は特定できなかった。」
 この新聞報道を読んだという県民の方から次のようなメールをいただきました。
 「原因として重量車両が夕方暗くなってから通過したためではないか?住民で重量車両の通過を目撃した人はいないか?行政に重量車両の通行許可申請等は出ていなかったのか?」
 特殊車両等は、県土木建築事務所に通行許可申請を行う制度があります。上関大橋に段差が出来る前に、通行許可申請等が行われていなかったのかについて、土木建築部に調査を依頼しました。
 18日の朝日新聞は、「橋桁が浮き上がった原因は調査中だが、15日に現地調査した山口大大学院の麻生稔彦教授(構造工学)から、橋桁を本土側で支える橋台の鋼材が破断した可能性を指摘されているという。」と報じました。
 この報道に対し、先述した県民の方から「橋中央部に重量物が載ると、中央部で二つの橋台を固定している鋼材に破断が起き、中央部から真っ二つに折れる危険はないのか」との指摘を受けました。この点について、県土木建築部に問いただしていきたいと思います。
 いずれにしても、上関大橋周辺の住民の方の生活に甚大な影響が及んでいます。橋の復旧は急がれますが、十分に原因調査を行った上で、十分に復旧対策を行う必要があります。
 上関大橋の段差が生じた問題に対する皆さんのご意見を引き続きお聞かせ下さい。
 

山口県は無人駅率が全国ワースト4位

 16日の朝日新聞は、無人駅の数が2020年3月時点で全体の5割近くになっていることが国交省の集計で分かったと次のように報じました。
 「国交省が鉄道会社の各年度末の駅数と無人駅数を集計した。データを取り始めた20年3月には全国で9514駅あり、うち無人駅は43.3%にあたる4120駅だった。それが20年3月時点では、駅数は9465駅とほぼ変わらないが、無人駅は4564駅と全体の48・2%を占めた。無人駅の増加に伴い、転落事故など安全面での課題も少なくない。各社は無人駅にインターホンを設置して別の駅から遠隔操作したりするが、障害者からは『鉄道を使うための介助に事前連絡が必要な駅があるのは差別ではないか』との声もあがる。大分県では9月、車いす利用者が駅の無人化によって移動の自由を制限されたのは違法だとして、JR九州に損害賠償を求める訴訟が起きた。都市部では、業務を効率化させるため、日中だけ駅員がいる『時間帯無人駅』も広がっている。介助の必要な障害者からは『駅員の勤務時間(午前7時半~午後7時)以外では介助の対応ができないと言われている』などと不満が出ている。こうした動きもあり、今春のバリアフリー法改正でも、無人駅で事業者が障害者のために取り組むべきガイドラインをつくるよう、国に求める付帯決議がついた。国交省は無人駅のデータを整理。来春までに鉄道会社向けのガイドラインをつくる方針だ。」
 この記事の中に無人駅の割合の高い都道府県が示されいます。以下の通りです。
 ①高知県 159(93.5%)
 ②徳島県  62(81.6%)
 ③長崎県 109(79.6%)
 ④山口県 118(77.6%)
 ⑤岐阜県 144(76.6%)
 私が住む宇部市内にはJRの駅が15カ所あります。その内無人駅は、13カ所です。有人駅は、宇部駅と宇部新川駅です。宇部市の無人駅の割合は86.7%になります。
 私は、10年程前まで「宇部市の障害者の福祉を進める会」として、JR駅が障害者の方々にとって使いやすいものになっているのか毎年調査する活動に参加していました。
 電車とホームの段差の解消など一定の改善もされました。
 また、バリアフリー法により、宇部駅にエレベーターが設置されました。
 JR宇部線に関しては、無人化となった後に、シルバー人材センターに委託して、日中だけ有人駅とされた時期もありましたが、今は、二駅以外は完全に無人駅となっていると思います。
 山口県は、全国で4番目に無人駅の割合の高い県であることが分かりました。
 国のガイドライン作成により、鉄道会社による無人駅解消の取り組みが進むことを願うと同時に、山口県として、鉄道会社への働きかけや無人駅解消へ独自に対策を講じるなどの対応を取ることが求められていると思います。
 JRの利活用に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

新型コロナ対応に係る申し入れ(第5次)行う

 昨日、日本共産党山口県委員会と日本共産党県議団は、村岡知事と浅原教育長へ「新型コロナウイルス感染症の対応に係る申し入れ(第5次)」を行いました。

 武田防災危機管理課副課長に日本共産党の第五次の申し入れを渡す

(左から武田副課長、私、河合副委員長、木佐木団長)

 武田防災危機管理課副課長が申し入れ書を受け取り、「担当課に申し入れ内容を伝え、11月県議会開会日までに文書で回答したい。」と答えました。

 第五次の申し入れ書は以下の通りです。

・・・

2020年11月16日

山口県知事  村岡 嗣政 様
山口県教育長 浅原  司 様

日本共産党山口県委員会 
委員長   吉田 貞好
日本共産党山口県議団  
団 長   木佐木大助

新型コロナウイルス感染症の対応に係る申し入れ(第5次)

 政府は、新型コロナウイルス感染症収束後に開始するとしていた「Go To トラベル」事業を早々に始め、東京も対象にし、「Go To イート」事業も始めています。その結果、観光業関連に観光客のもどりが始まったとはいえ、県内でも人の流出入により、感染者が生まれています。人の命や健康より経済活動を優先する従来型の政策が進められており、一部で潤う一方、仕事と収入の減少による生活困窮は、特に非正規労働者や小さな自営業者に集中しています。このままでは、年内に60万を超す事業所などが廃業するのではないかといわれています。さて、そのような状況下、県民や県内事業者も例外ではありません。
 長引く感染症対策で様々な分野で問題が行き詰まりを見せています。自助・共助では限界にきており、公助の支援が緊急に必要です。
また、県内では、3例目のクラスターが発生するなど新型コロナウイルス感染拡大の第三波の始まりを予見する状況です。
 これまで、4回に渡って新型コロナウイルス対策に関する申し入れを行ってきました。一定の対応を取っていただいていることに感謝いたします。
今回は特に、大学生と医療機関、教育分野への救済を求めて要望いたします。
 尚、要望項目については、11月県議会開会日(11月25日)までに、文書での回答を求めます。

1、 医療崩壊を防ぐための対策を強化する
① 医療機関を支援する緊急包括支援交付金の県内での交付状況を把握し、医療機関への交付金の交付を急ぐこと。
② 県内で指定された「診療・検査医療機関」、437院所に国からの外来診療・検査体制確保に要する費用を助成する補助金を早急に届けること。対策が不十分な場合は、県が補うこと。
③ 県内の病院では依然として、減収が続いており、経営を追い詰めている。直ちに損失補てんをするよう国に強く要請すること。
④ 県が感染症対応病床に指定した病床の単価が低いため、赤字になるとの報告もある。感染症対策に現場の最前線で尽力している医療関係者と病院に対し、経済的な負担と不安を強いることがあってはならない。赤字にならない単価となるよう国に強く要請すること。また、県としても補うこと。
⑤ 保健所の体制を強化する。10万人以上の人口の都市で、保健所のない防府市の保健所の支所を保健所に格上げすること。

2、 県内の大学生の学習権を保障する
① 山口県立大学生の学費を新型コロナウイルス対策として、県独自の減免制度を創設し、すべての学生の学びを保障すること。
② 山口県内のほとんどの大学生や専門学校生のバイトがなくなったり減ったりして、生活に困窮している。国の「住居確保給付金」の緩和し、親の収入減や学生のバイトの収入減に応じてアパート等の家賃を補助できる制度になるよう国に改善を要望すること。国が補助するまでは県独自の支援制度を創設すること。
③ ある県内のゴミ回収業者によると、夏頃から学生アパートの家財の処分が続いているとのことである。学校を続けられなくなる学生が生まれている可能性がある。県内の各大学・専門学校と連携をとり、実態を把握し、退学しなくて済むよう、必要な手立てを打つこと。
④ 期間限定の「給付型奨学金制度」を県独自で急いで創設し、誰もが大学・専門学校を続けられるよう支援すること。
⑤ 学生向けの「休業支援金」を緩和し、多くの学生が支援金を受けることが出来る制度になるよう改善を国に求めること。
⑥ コロナ禍で、新卒の求人も減少している。緊急対策として、地元の高校・専門学校・大学を卒業した若者の雇用対策を強化すること。その一つとして、県職員の採用枠を拡大すること。

3、 子どもたちの学習環境を改善する
① これから寒さに向かうため、窓を開けたままの授業では子どもたちも風邪を引くため、窓を開けなくても授業ができる空間を確保するよう、一日でも早く20人程度の少人数学級実現を国に働けること。また、県独自の少人数学級化を拡大すること。
② 学校現場では、いつ休校になってもいいように「二倍速授業」が常態化しており、先生も子どもたちも落ち着かず、先生はその授業のために今まで以上に時間外労働をせざるを得ない状況である。県教委は、「二倍速授業」の実態を把握し、改善を市町教委に求めること。
③ 新型コロナウイルス感染防止のため、学校(先生)と保護者とのコミュニケーションがとりにくい状況があり、トラブルも増えている。子どもや保護者との心の通った公教育を保障するために、正規教員を抜本的に増やすことは急務だ。学校現場の非正規職員を正規職員にする対策を強化すること。

4、 県民の生活を守る対策を強化する
① コロナウイルス感染症への影響から被保険者の生活を守るため、国保料、介護保険料、後期高齢者医療保険料の減免が行われている。県内市町のそれぞれの減免状況を把握すること。各種保険料の減免が進むよう県として市町担当課と連携し対策を強化すること。
② 政府は、PCR検査を希望する高齢者らに市町が検査する場合、最大半額を補助する制度創設した。県内で高齢者へのPCR検査が促進されるよう、市町と連携し半額補助を実施すること。
③ 全国では、11県で、高齢者などのインフルエンザ予防接種を原則自己負担なしとしている。山口県も子どもに続き、高齢者のインフルエンザ予防接種を原則自己負担なしにすること。

以 上

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 引き続き、新型コロナウイルスに対する要望をお寄せ下さい。

「人新世の『資本論』」読書ノート①

 斎藤幸平さんの「人新世の『資本論』」を読んでいます。
 今日から少しづつこの本の感想を書いていきたいと思います。
 斎藤さんは、大阪市立大学大学院の准教授です。1987年生まれですので、33歳です。親子ほど違う斎藤さんですが、この本から学ぶことは大です。
 ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンさんが地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、それを「人新世」と名づけました。
 「人新世」の意味について斎藤さんは、「はじめに」で「人間たちの活動の痕跡が、地球の表面を覆いつくした年代」と書いています。
 齋藤さんは、近代化による経済成長は、「豊かな生活を約束していたはずだった。ところが、『人新世』の環境危機によって明らかになりつつあるのは、皮肉なことに、まさに経済成長が、人類の繁栄の基盤を切り崩しつつあるという事実である。」と指摘しています。
 齋藤さんは、「より良い未来を選択するためには、市民の一人ひとりが当事者として立ち上がり、声をあげ、行動しなければならないのだ。そうはいっても、ただ闇雲に声を上げるだけでは貴重な時間を浪費してしまう。正しい方向を目指すのが肝腎となる。この正しい方向を突き止めるためには、気候危機の原因にまでさかのぼる必要がある。その原因の鍵を握るのが、資本主義にほかならない。なぜなら二酸化炭素の排出量が大きく増え始めたのは、産業革命以降、つまり資本主義が本格的に始動して以来のことだからだ。そして、その直後に、資本について考え抜いた思想家がいた。そう、カール・マルクスである。」と書いています。
 更に斎藤さんは、「これまでのマルクス主義の焼き直しをするつもりは毛頭ない。150年ほど眠っていたマルクスの思想のまったく新しい面を『発掘』し、展開するつもりだ。」と書いています。
 斎藤さんは、スウェーデン人の環境活動家グレタ・トゥーンベリを登場させています。
 斎藤さんは、グレダの主張は、「資本主義が経済成長を優先する限りは、気候変動を解決できないというものである。」と述べ更に「ここまできたら、今のシステムのうちには解決策がない、だから、『システムそのものを変えるべきだ』とグレタは、COP24の演説を締めくくった。世界中の若者たちは、グレタを熱狂的に支持した。子どもたちの声に応えようとするなら、私たち大人は、まずは現在のシステムの本質を見極め、次なるシステムを準備しなけれならない。もちろん、グレタの言う無策のシステムとは、資本主義のことである。」と指摘しています。
 斎藤さんは、「はじめに」で、「SDGsはまさに現代版『大衆のアヘン』である。」と指摘し、その意味について「アヘンに逃げ込むことなく、直視しなければならない現実は、私たち人間が地球のあり方を取り返しのつかないほど大きく変えてしまっているということだ。」と書いています。
 「SDGsはアヘン」だという言葉は、資本主義というシステムそのものを問題にしていかなければ、地球環境は維持できないという斎藤さんの強いメッセージを表現したものだと私は理解しました。
 この本には、「ポイント・オブ・ノーリターン」という言葉が繰り返し使われています。「以前の状態に戻れなくなる地点」は、もうすぐこそに迫っていると言う斎藤さんの気迫が迫ってくる本書です。
 菅政権が、「2050年までの温室効果ガス排出ゼロ」を提起し、アメリカ大統領選で勝利確実にしたと報じられているバイデン氏も「2050年までの温室効果ガス排出ゼロ」を提起しています。
 「ポイント・オブ・ノーリターン」を目前にした私たちが、学ぶべき示唆を与えてくれるのが本書です。
 引き続き、この本の感想について述べていきたいと思います。
 この本は、6万部を突破したそうです。
 この本を読まれた皆さんの感想をお聞かせ下さい。