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長門市油谷向津具半島沖に70基の浮体式風力発電計画

 長門市油谷向津具半島の沖合いの日本海に、全70基の風車を新設するという大規模な洋上風力事が進んでいることについて3日付「長門時事」が次のように報じました。
 「油谷向津具半島の沖合いの日本海に、全70基の風車を新設するという大規模な洋上風力発電事業が進んでいることが、このほど明らかになった。29日閉会した長門市議会の全員協議会で、計画を策定した民間事業者が説明し表面化した。これによると、事業費は数千億円規模。順調に進めば早くて5年後の2026年には着工。10年後の2031年頃には完成し稼働の予定という。計画を進めているのは、山口大学の大学研究機構内(宇部市)に本社を置くシンクタンク会社『MOT総合研究所』(木村俊之社長)。山口大学大学院の技術経営研究科の卒業生が中心となって9年前に設立したベンチャー企業。これまでに県内外の企業や新聞社、銀行をパートナーに、太陽光発電、バイオマス火力発電、投資型クラウドファンディング、完全人工光型の植物工場、AIソリューション(独自開発した人工知能)など全5つのプロジェクトを実現し成功に導いてきた。同社が次の大型プロジェクトとして注目したのが洋上風力発電。それも海底に風車を固定する『着床式』ではなく、風車本体を海面に浮かべる『浮体式』という形式。ヨーロッパなどでは多くの実績があるものの、国内では長崎県の五島列島沖合いでの事例があるだけ。この事業では最大10基を浮かべる計画で発電出力は全20ワット。まだ1基しか設置していないという。向津具沖での計画は、風車の本数だけでもこの7倍で全70基。発電出力でも1ギガワットと5倍もの規模。国内では他に例を見ない最大級の『浮体型』洋上風力発電と位置づけている。説明によると、設置する海域は向津具半島の川尻岬から約10キロの沖合い。油谷津黄の元乃隅神社や棚田、川尻岬からも、洋上に並んでいる風車がはっきりと目視できる距離。設置エリアの海域面積は約150平方キロメートル。水深は50メートルから150メートル前後。1基の高さはブレード(羽根)を含むと約250メートル。ブレードの直径は約220メートル。風車は海上に浮かべ、係留チェーンとアンカー(いかり)で固定する仕組み。風車間の間隔は約2キロ。平均風速は8メートル前後という。油谷湾内の大浦漁協の一角には、運用や保守メンテナンスなどのための補修基地を設置する構想も示している。洋上の風力発電事業は、経産省と国交省が再エネ海域利用法に沿って事業実施に向けた調整を図っているところ。これによると、まず山口県が長門市と調整しながら、地元漁業者ら利害関係者との協議の状況をはじめ、海況や水深、波高などの設置海域のデータを国に詳細に情報提供する。これを受けて国が『有望区域』と認定することが実現への第一歩。この後、県や市などの行政関係者、漁業者ら利害関係者らで『協議会』を組織。様々な問題点を審議し協議会としての意見を取りまとめる。この結果を国が判断して『促進区域』に認定。その後、実際に計画を進める事業者を公募。選ばれた事業者は環境アセスメントの手順を踏んだ後、着工に移る。MOT総合研究所では、具体的な計画策定を進める一方、パートナー企業を探して新しい事業会社を設立する予定。同社として国の公募に手を挙げ、事業に着手する方針だ。同研究所では、来年度末までには『有望区域』、令和5年度末までには『促進区域』の認定を受けて協議会を設置。問題点などをクリアし、早くて2026年には着工したいーとしている。完成はそれから5年後の2031年頃を目指している。計画推進のためにはまず漁業関係者の理解を得ることが必修条件。設置海域は、中型まき網漁などの絶好の漁場となっていることから同意が難しい局面も予想される。同研究所では、30日県漁協長門統括支店でも説明会を実施。まずは同支社の対応が実現への大きな鍵を握っている。」
 長門市油谷向津具半島沖10キロに、70基の風車を設置するという全国的にも最大級の浮体式の洋上風力計画です。
 漁業者に対する影響、海洋環境に与える影響など慎重な検討が必要だと思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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