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長門と美祢の市境の風力発電計画に坂水地区が反対決議

 12月3日付「はぎ時事」は、長門と美祢の市境で計画が進む天井山風力発電事業について次のように報じました。
 「長門と美祢の両市境の山間部に大型風車の建設計画が進んでいる中で、建設予定地近くに位置する美祢市秋芳町嘉万の坂水地区(配川武彦区長・13戸)が自治会として反対を決議し、調査のための区内への立ち入りも禁止(県道など公道は許可)していることが分かった。これが大きな要因となって、事業主体の『ジャパン・リニューアブル・エナジー』(JRE・本社=東京)が、現在、本格的な調査を中断しているという。同社は『地域の皆さんの理解を得ないまま、強行して進めることはしない』とし『坂水地区をはじめ周辺の関係地域の皆さんから理解を得て、調査に入っていきたい。現段階では、その時期についてはっきりと分からない』と話している。坂水地区は三隅から秋芳町に抜ける『大水峠トンネル』から約3キロ南側の集落。県道秋芳三隅線沿いに位置し、風車の建設予定地エリアから1・2キロ前後の距離。昨年度まで区長を務めていた山本勝彦さんを中心に計画への検討を進めてきた。昨年8月、JREが美祢市内で開いた説明会をきっかけに、疑問点や問題点などを検討し、様々な角度からJRE側に質問を投げかけてきた。これに対してJRE側も回答。しかし、坂水地区では①騒音や低周波問題による健康への影響について納得できる回答が得られていないこと②建設予定地の賃貸借や譲渡に伴う地上権設定契約案に疑問や問題点があること③自治会にも周知しないで調査が実施され、それについて謝罪が遅れたことーなどを理由に、今年1月に開いた坂水区の初集会で反対を決議。4月の同区の総会でも反対を再確認し、①集会所や自宅訪問による事業説明を受けない②農道・林道など同区で管理している道路への立ち入りを禁止③個人所有の山林、田畑などへの立ち入りも禁止ーと決めた。この動きを受けて、JRE側も本格的な調査に入れないまま。今のところ、クマタカなど猛禽類の生息調査以外は実施していないという。先月24日には、坂水地区などを対象にした事業説明会が嘉万公民館で開かれた。地元住民や美祢市議ら約10人が出席。関係者の話によると、山本さんが事前に用意した質問に沿って質疑応答が繰り返されたという。今年3月下旬には経産省の再生可能エネルギー発電事業計画として認定を受けていることが分かった。同計画によると建設候補地として全20カ所を示した。長門市の市有林が7カ所、美祢市の市有林が7カ所、残りの6カ所は美祢市の個人所有。同計画の申請時には、地権者が建設予定地の賃借や譲渡することに『用意がある』との証明書の添付が必要となっているーなどから、『地権者の長門市、美祢市とも、昨年秋までに、この証明書を提出したことで計画に同意したもの』と参加者の一部は理解したーという。しかし、長門市によると、民間の地権者とは違い、地権者が行政の場合、計画の『協議をしている証明書』の添付で申請できることから、昨年11月までにJRE側と『市有林を賃借または使用させるための協議を開始した』という証明書を取り交わしているだけという。このため、現段階で『長門市が計画に同意したーという認識は違う』と説明している。美祢市も同様ではーという。今のところ、JREでは20カ所のうち15カ所で建設を想定しているーとし、その場所を地図上で示した。。三隅に近い権現山の山頂付近に4基、天井山の山頂付近に3基、渋木の市ノ尾に近い山間部に2基をそれぞれ設置。三隅の宗頭や辻並、もみの木、麓の各地区から1・5キロ前後、近いところでは1キロ前後の距離。渋木の市ノ尾でも1・5キロ弱の地点に風車建設が想定されている。地元住民の一番の関心は騒音問題。嘉万公民館の説明会でもこの問題が浮上。大型風車が稼働している島根県浜田市の事例が示され、『浜田市の環境審議会では、直線距離で約6キロ離れていても音がすごく聞こえるーという意見が出ている』とし、『8月のJREの説明会では(ほとんど聞こえない)と説明されたがどうか。あり得ないのではないか』との質問も上がったという。JREの説明では、風車からもっとも近い民家までの郷里は690メートルとし、『その音の大きさは40㏈程度と考えられる。その音の大きさは、(図書館の館内)と同程度』と示している。しかし、これに対して坂水区では『とても納得できない』としている。このほか、この日の説明会では、土地の賃貸借に伴う地上権設定契約や、水問題、予定地周辺にある渋木活断層への影響など様々な角度から質疑応答が続いたという。計画では、長門市の渋木真木から三隅辻並、宗頭に連なる山頂付近に最大で全17基の大型風車を建設する予定。1基の高さは最大で185メートル。総出力は最大6万3千キロワット。事業が順調に進めば、3年後の2024年から着工。2027年から事業運転を目指す。この事業に対して今年は春頃から反対の動きも展開。三隅の登山家で組織する『天井山を愛する会』(会長=岩藤睦子市議・会員5人)が慎重に対応したいーとして研究を続けているところ。今月初めから湯免や兎渡谷など自治会ごとに勉強会も開かれている。美祢市では市民団体の『つなげよう笑顔の会』(吉田麗子代表)が計画中止を求める署名活動を続け、7月には長門、美祢の両市長、県知事に対して署名簿を提出した。JREでは、『地元の皆さんの同意がない状態では調査を進めることはない』とし、事業推進のためには関係地域の理解が必須条件ということを強調している。今のところ、自治会としてははっきり反対を表明しているのは美祢市の坂水区だけ。まず同地区の同意をどうとっていくのかー今後の動きに他地区からも注目が集まっている。」

 坂水地区の反対決議は、この計画だけではなく、周辺の巨大風力発電計画にも大きな影響を与えるものだと思います。

 天井山風力発電所の地元自治会が反対決議を上げたとの報道に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

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