8月25日、防府総合支援学校を視察しました。
裏町校長、山本教頭、岡原事務長から丁寧にご説明いただきました。
防府総合支援学校中央廊下は百メートル以上です。
防府総合支援学校は、1968年に開校しました。開校52年目を迎えます。
開校当時は、肢体不自由児が中心の学校でしたが、現在は、153名の児童生徒の内、肢体不自由児は36名だということでした。
児童・生徒は、自宅の他に、華の浦園や海北園から通学しています。
153名の児童生徒の内、139名が防府市出身であり、地域の特別支援学校として役割を発揮していることが分かりました。
見学して感じた課題は、2点です。
第一は、老朽化した校舎の建て替え計画を立てることです。
支援学校には、開校当時の築50年以上の校舎が多く残されていました。
小学部教室(築53年)、管理棟(築52年)、中学部棟(築52年)、寄宿舎南棟(築53年)、寄宿舎中棟(築52年)。
内装が改修されている箇所も多く、古さは感じない箇所もありましたが、やはり、築50年を超えた校舎は、改築計画を立てるべきだと思います。
同行した県教委の方に、50年を超した総合支援学校の校舎一覧の提供をお願いしました。
山口県特別支援教育推進計画が2018年に策定され、2022年に改訂時期を迎えます。
次期計画策定の中で、防府総合支援学校を含む築50年を超した校舎の建て替え計画を県教委は検討すべきだと思います。
二つ目は、学校給食の提供です。
支援学校では、200食の給食が提供できるとのことでした。児童生徒が約150食ですので、残りは約50食。
教職員が約100名ということでしたので、教職員の二人に一人しか給食が提供されていない状況です。
宇部総合支援学校、山口総合支援学校での、厨房の規模から、教職員全員に給食が提供できない状況にあるようですが、防府総合支援の状況を含め、総合支援学校で教職員全員に給食が提供できる体制を整備すべきだと思いました。
この点も、次期山口県総合支援教育推進計画改訂作業の中で検討すべきだと思います。
8月24日、朝日新聞は、全国で特別支援学校の開校が相次いでいる状況を次のように報じました。
「47都道府県の教育委員会に取材したところ、支援学校は18年度から今年度までに東京や愛知など12都道県が17校を開校。さらに来年度以降、埼玉、東京各6校、福岡3校など、19都道府県に36校の新設計画がある。」
8月20日、中央教育審議会特別部会は、中教審答申の作成に向けた骨子(案)を発表しました。
その中で、「国として特別支援学校に備えるべき施設等を定めた配置基準を策定することが求められる」との記述が、初めて盛り込まれました。
私は、過去の議会で、美祢市や長門市に総合支援学校を新設すべきだと質してきました。
宇部総合支援学校などの大規模校を二つの支援学校にするなどの対応も検討すべきではないでしょうか。
国の配置基準策定の動向を受け、次期山口県総合支援教育推進計画改訂作業の中で、山口県においても総合支援学校の新設を検討すべき時に来ていると思います。
特別支援学校に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、日本共産党山口県委員会新型コロナウイルス対策本部は、山口県予防保健協会がこの程導入した新型コロナウイルスのPCR検査機器を視察しました。
日本共産党から河合喜代副委員長、木佐木県議と私が参加しました。
県予防保健協会の板垣多樹郎総務グループリーダーから説明を受けました。
機器は、富士フィルム和光純薬製の「ミュータスワコーg1」です。全自動で1回に4検体を入れることができます。検査時間は約1時間15分ですので、6時間程度かかる従来の機器より大幅に早く、検査技師の感染リスク回避にも有効ということでした。1日最大30件を検査することが可能だとのことです。
左から三人目が私。その横の機器が検査機器
PCR検査機器は約677万円で、関連機器を含め総事業費は965万円です。
県は6月補正予算の中に、新型コロナウイルス感染症検査体制強化事業として2億8千万円余計上していますが、この中に、予防保健協会で購入したPCR検査機器の費用も計上されています。
県は、1日310件の検査が可能としていますが、この内、30件が県予防保健協会分とされています。
県予防保健協会は、山口・防府医療圏と宇部・小野田医療圏の地域外来・検査センターの検体の検査を主に請け負う予定です。
宇部・小野田医療圏内に今月末スタートする宇部市内の地域・外来検査センターの検体は、唾液で採取する予定です。
唾液の場合、検査機器にかける前に遠心分離機にかけるなどの対応が必要です。
県予防保健協会ではPCR検査用遠心分離機の納品が遅れていることなどにより、当面、宇部・小野田圏域の検体を引き受けることが難しい状況も話されました。
県予防保健協会では、県環境保健センターで行っているPCR検査のバックアップとしての検査や、今後、民間企業など団体からの依頼に対する検査なども行うことを計画しているということでした。
県予防保健協会では、更にもう一台の導入も検討しているとのことでした。
板垣さんは、PCR検査機器は付属して必要な試薬等の入手や機器の研修を含めて国内メーカーがベストだと話されました。
国内の製品が注文から納入までの期間が長くなってきているとも話されました
コロナ危機の中で、マスクなどを海外に頼っていたことが大きな問題となりましたが、コロナに対応する様々な物品や器械を国内で自給することが必要だということが分かりました。
実際のPCR検査機器を見学したのは初めてでした。9月から実際に稼働をはじめると、このような見学は難しいと思います。
ラストチャンスとも言える見学を快く引き受けていただいた県予防保健協会の関係者の皆さんに感謝申し上げます。
引き続き、県内で、PCR検査が拡大される体制づくりに向けて必要な発言を行っていきたいと思います。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
24日、山口県庁玄関ロビーと旧県議会議事堂正面玄関前に「祝 安倍晋三内閣総理大臣 総理連続在職日数歴代最長達成」の横断幕が設置されました。費用は約22万円。10月9日まで掲示する予定とのことです。また、過去行われていたような首相の足跡を紹介する展示会等の開催は現時点で未定とのことでした。
旧県議会議事堂玄関前に設置された横断幕
23日付しんぶん赤旗日刊紙「主張」は、「首相連続在職日数」として次のように述べています。
「安倍晋三首相の連続在職日数が23日で2798日になり、これまで最長だった佐藤栄作元首相に並びます。安倍首相は2006年に第1次政権を発足させたものの翌年に退陣、12年12月に政権に復帰しました。以来7年8カ月にわたる『安倍政治』は、憲法と平和の問題でも、暮らしと経済の問題でも、ことごとく民意に反する暴走を続けてきました。いま新型コロナウイルスへの対応の無策ぶりに世論の怒りは広がっています。国民が痛切に願っているのは、この政治の抜本的な転換です。今月の新聞やテレビの世論調査は、いずれも内閣支持率が3割台でした。『読売』(10日付)では支持率が37%で、不支持率は54%と第2次政権発足以降最高です。NHK(11日放送)では支持率が34%と、第2次政権発足以降最低でした。安倍政権が国民に見放されつつあるのは明らかです。批判が集中しているのは、コロナをめぐる首相の対応と姿勢です。政府のコロナ対応を『評価しない』が『読売』で66%、NHKで58%にも上ります。PCR等検査の戦略的拡充に踏み切らず、外出や休業を要請するだけで、補償は不十分なままの安倍政権に国民は不信を募らせています。臨時国会の早期開催を求める声は圧倒的多数なのに、安倍政権がそれに背を向け続けていることは重大です。経済の失政もあらわです。安倍首相は政権復帰時に、大企業のもうけを優先する経済政策『アベノミクス』を打ち出しました。2回にわたり消費税率の引き上げも強行しました。その結果、経済は『再生』するどころか、暮らしは悪化し、格差と貧困を拡大させました。そこにコロナが直撃し、国民生活への打撃は深刻です。失政を省みるどころか、無為無策の『安倍政治』では、暮らしも経済も守れません。『安保法制』=戦争法の制定を強行し、憲法に自衛隊を明記する改憲に固執する立憲主義の破壊も、国民の声に真っ向から逆らうものです。今年の終戦記念日の15日には安倍首相が侵略戦争を美化する靖国神社に玉ぐし料を納め、翌日を含め第2次政権発足後最多となる5人の閣僚が参拝したことは、過去の戦争に無反省な政権の姿をあらわにするものです。しかし、改憲議論の加速を狙った自民党改憲案の国会提示がいまだにできていないように、改憲策動は思惑通りには進んでいません。日本国民と世界の諸国民に甚大な被害を与えた75年前の教訓に学ばず、再び『戦争をする国』への道を突き進むことを国民は決して認めません。安倍政権は、自分に親しい人物を優遇するため行政をゆがめる『国政私物化』も際立たせました。『森友』『加計』『桜を見る会』など一連の疑惑は解明されるどころかいっそう深まるばかりです。第2次政権後に辞任した閣僚は10人に上り、多くが『政治とカネ』の問題に関わる辞任です。自らの疑惑についても、自ら任命した閣僚らの疑惑についても説明責任や任命責任を果たさない首相を、国民が信頼できるはずがありません。政権担当の資格がないことがいよいよ明らかになっている安倍政権を終わらせ、新しい政治へ道を開くことが必要です。」
私は、「戦争させない!9条壊すな総がかり行動うべ実行委員会」の事務局長を務めています。
戦争法が強行された月から、強行された19日前後に毎月「戦争法の廃止を求める行動」(宇部市役所前での集会とデモ行進)を行っています。8月19日の行動は第59回目でした。来月行う行動が第60回目となります。
安倍政治の最大の問題点は、立憲主義を破壊する「安保法制」=戦争法の強行だったと思います。その日から来月で丸5年になるのです。
宇部市役所前の集会では、参加者一同で、数年前に亡くなられた俳人の金子兜太さんが書かれた「アベ政治を許さない」という文字を印刷したチラシを掲げています。
私は、集会参加者の皆さんと「アベ政治を許さない」というチラシを5年近く掲げ続けてきました。そして、一日も早く、この紙を掲げなくていい時代を実現し、「安保法制」=戦争法を廃止し、この国の立憲主義を取り戻したいと思っています。
村岡知事は、このような県民がいるんだということを十二分に理解して県行政にあたり、財政を司っていただきたいと思います。
県庁内に「祝 安倍晋三内閣総理大臣 総理連続在職日数歴代最長達成」の横断幕が掲げられました。皆さんはこのことをどうお考えになりますか。ご意見をお聞かせ下さい。
8月21日付毎日新聞の社説は今後の地方自治の方向を示した素晴らしい内容でした。
表題は、「コロナの時代 地方の再生『稼ぐ競争』からの脱却を」です。紹介します。
「人口減少対策として、安倍政権は地方創生の取り組みを進めてきた。とりわけ、観光需要発掘によるインバウンド効果は、その柱だった。政府が強調する『自治体の競争』『稼ぐ自治体』というコンセプトに合致していたためだ。」「だが、コロナ禍は、地方の観光業界に深刻な打撃を与えている。昨年3000万人を超した訪日外国人は今年上半期、395万人に落ち込んだ。観光への傾斜は結果的に、地方の傷を深めた。」「同時に、地方創生が観光一辺倒になりつつあったことを省みなければならない。昨年、東京圏の人口は流入が流出を15万人上回った。その差は地方創生を掲げる前よりもむしろ拡大している。『稼ぐ競争』は東京集中の流れを変えるに至っていない。」「政府が『稼ぐ競争』を誘導し、自治体が人口を奪い合う発想からそろそろ卒業してはどうか。観光戦略に逆風が吹く中、政府は次の目玉に『スーパーシティ構想』を据えようとしている。AI(人口知能)やビックデータを活用した『未来都市』をつくるふれこみだ。だが、規制緩和で自治体を競わせる手法は変わらない。子育て、自然環境、住民の交流などの暮らしやすさや、地域の特徴を生かした持続的な取組にもっと光を当てるべきだろう。」「競争よりも自治体同士、あるいは地域内での連帯や連携を追及すべきである。」「地方全体が税を共有し、目的に応じて再配分し、連携するような仕組みも検討に値するのではないか。」「大都市圏に住む若者が地方での暮らしに関心を示すなど、『ポストコロナ』に向けた新しいうねりも起き始めている。人口減少が進む中で、地域の将来をどう主体的に構想していくか。立ち止まり、再考する契機としたい。」
7月24日付しんぶん赤旗は、自治体問題研究所理事長である岡田知弘さんのインタビュー「新型コロナが問う 日本と世界」を掲載しています。
岡田理事長は、「東京圏へのコロナ感染者の集中は、東京をグローバル都市圏に育成しようとした安倍政権の『地方創生政策』の破綻を示すものです。第一期の地方創生総合戦略によって人口の東京への一極集中はむしろ進みました。この点の総括なしに、第32次地方制度調査会は新たな地方創生改革を答申しています。全国的にも『選択と集中』政策として、中核市・政令市を中心とする連携中核都市圏づくりを行い、各県の中心都市に人口も経済機能も集中させようとしてきた政策が、コロナ感染拡大の素地をつくったといえます。」「国には国境措置とともに本来、地方自治体の施策を行財政面から支える役割をもっています。ところが、市町村合併や『行財政改革』の結果、自治体はその役割を十分果たせない状況です。これも対応が遅れた一因です。」「コロナ禍のなかで、『公共』の大切さ、役割が国際的に再認識されたと思います。日本でも必要なものは『新しい生活様式』ではなく『新しい政治・経済・社会のあり方』です。何よりも住民の感染防止と命を守るために公共の責任を全うすることです。行き過ぎた行財政改革を根本的に見直し、公共・公的病院の再編計画を即時に中止し、地域の公衆衛生・医療体制を整えなければなりません。あわせて住民の暮らしを支えるための産業、福祉行政も、地域の個性に合わせて地方自治体が中心になった立案、実行すべき時です。コロナ禍のなかで、地域になくてはならないものがわかり、自治体による独自の防疫・医療・産業支援がなされ、地域のなかでの『連帯経済』の取り組みが広がっています。新たな地域社会や自治の展望が示されているのではないでしょうか。」と述べています。
コロナ前の地方について、毎日新聞社説は「自治体の競争」「稼ぐ自治体」と表現しています。この点について、岡田理事長は、安倍政権の「地方創生政策」の破綻を表しています。
コロナ後の地方について、毎日新聞社説は、「競争よりも自治体同士、あるいは地域内での連帯や連携」が重要と指摘しています。この点について、岡田理事長は、「地域の中での『連帯経済』」が重要と述べています。
毎日新聞社説と岡田理事長のインタビューは、共通しています。
二つの指摘の共通点を一言で言えば、コロナ前の地方自治は「公共」をないがしろにしてきた。コロナ後の地方自治は「公共」を大切にしたものでなければならない。それを推進していくために、地方自治体同士の競争ではなく連帯や連携が大切だと指摘していると思います。
今こそ、「公共」を取り戻す改革こそが求められている中、毎日新聞社説は、政府は、「スーパーシティ構想」を進めようとしているとし、これは「規制緩和で自治体を競わせる手法は変わらない」と指摘しています。
岡田理事長は、安倍政権は「地方創生政策」の破綻を総括することなく「第32次地方制度調査会は新たな地方制度改革を答申した」と指摘しています。
この二つの指摘も共通しています。
安倍政権は、これまでの自治体政策の破綻を総括することなく、破綻を拡大する政策をコロナ後も取ろうとしているとの指摘です。
私は、山口県での「地方創生」の破綻を明らかにし、山口県がコロナの時代に「公共」を再構築できる自治体となるよう必要な発言を行っていきたいと、毎日新聞社説と岡田理事長のインタビュー記事を読んで痛感しました。
コロナの時代に、あなたはどのような自治体を求めますか。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
盆過ぎに県民の要望を関係機関に伝えました。この間の成果と合わせて報告します。
第一は、県道琴芝際波線小羽山地区の横断歩道の白線が消えかかっているという問題です。
県道琴芝際波線小羽山地区横断歩道の白線
地域住民の方から指摘を受け、県宇部警察署に要望を伝えました。県警の担当者は「要望を県警本部に伝える。出来るだけ早く改善したい。」と答えました。
第二は、国道490号線小野地区下小野手前の歩道周辺の除草についてです。
左側が国道490号。歩道が草で覆われている
地域住民の方からの指摘を受け、県宇部土木建築事務所に伝えました。県土木の担当者は「今年中には除草を予定している。出来るだけ早く除草したい。」と答えました。
第三は、県道小野田美東線吉部地区小松小野の市道との三差路の中央線などの引き直しについてです。
県道小野田美東線吉部地区小松小野で改善進む
今春に、改善を要望していました、中央線や付加車線や停止線など白線、黄色線の引き直し工事がこの程完了しました。
引き続き、皆さんの声を県政に伝えていきます。皆さんの要望を県政に伝えていきたいと思います。
8月20日、NHKEテレ特集は「サヘルの旅~傷みと生きるということ」を放映しました。
昨年11月3日、同じくEテレこころの時代は「砂浜に咲く薔薇のように」を放映し、サヘルローズさんのこれまでの道のりと現在の活動を紹介しました。
私は、「砂浜に咲く薔薇のように」を観た感想を昨年11月25日のブログで書きました。
そこにある通り、私は、サヘルローズ著「戦場から女優へ」という本に感動し、私が事務局長を務めている団体で、サヘルさんの講演会を開きました。
講演会は、今から11年前、サヘルさんが24歳の時、サヘルさんにお会いした時の感動を今も忘れることが出来ません。
それ以来、サヘルさんの活動を応援し続けています。
サヘルさんは、イラン・イラク戦争の最中、後に養母になるフローラさんによって戦火の中で奇跡的に救出されます。
サヘルさんは、家族全員を失い戦争孤児になり、孤児院に入所します。
フローラさんは、国王の医者を務める名家の一員。サヘルさんを養女にすることに反対されます。
これまでの放送で明らかにされていない事実が、今回の放送で、サヘルさんが告白した事実が二つ明らかになりました。
当時のイランでは、養母は子どもが産めない人に限られていました。
どうしてもサヘルを養女にしたいフローラさんは、不妊手術をしてサヘルさんを養女にした事実が、今回の報道でサヘルさんが告白した第一の事実です。
フローラさんに乳がんが発見されます。
フローラさんは常日頃、サヘルさんに「あなたと同じ思いをした人たちと交流しなさい」と話しました。
サヘルさんは、母の病気を契機に、世界の戦場や貧困地域に足を運び、戦争孤児のための児童養護施設などに足を運んでいます。
その一つが、イラクにある女性保護施設です。
この施設は、戦場で、性的虐待を受けた女性たちが働きながら入所している施設です。
サヘルさんは、自らの経験を語り始めますが、彼女らの表情は硬いままです。
それどころか、ある女性は「この施設に来て、『ここで聴いた事実を世界に届ける』とみんな言うが、みんなはその約束を果たさない」と言い返されます。
サヘルは意を決してこう語ります。この内容が、サヘルさんが告白した二つ目の事実です。
「日本で生活していたが、10代後半にイラクに帰った。ある男性から性的虐待を受けた。止めに入ったフローラに、その男性は、『戦争孤児だから何をやってもいいと思った』と語りました。」
サヘルは泣き崩れて次の言葉が出ません。
泣き崩れるサヘルに、彼女たちが励ましの手を差し伸べます。「あなたと私たちの経験は同じものだ」と。
私の父は、昭和6年生まれ、生きていれば、90歳近い年となります。しかし、兵隊としての経験はありません。
私より20歳年下のサヘルが、戦場で孤児となり、フローラの養女となり、多くの苦難を経験して現在に至っている事実に、私は、改めて戦争の悲惨さに胸がつまりました。
サヘルは、未だに、「孤独」を感じるといいます。戦争で家族を失った傷とたたかい続けていると語ります。
サヘルは、戦争の犠牲を受けた人たちと語る中で、「傷みと生きることを学んでいる」と語ります。
「サヘルの旅~傷みと生きるということ」を一人でも多くの方に観ていただきたいと思います。
これからのサヘルローズさんの活動を応援していきたいと思います。
この番組を観られた感想やサヘルローズさんの活動についての感想をお聞かせ下さい。