議員日誌

サヘルの旅~傷みと生きるということ

 8月20日、NHKEテレ特集は「サヘルの旅~傷みと生きるということ」を放映しました。

 昨年11月3日、同じくEテレこころの時代は「砂浜に咲く薔薇のように」を放映し、サヘルローズさんのこれまでの道のりと現在の活動を紹介しました。

 私は、「砂浜に咲く薔薇のように」を観た感想を昨年11月25日のブログで書きました。

 そこにある通り、私は、サヘルローズ著「戦場から女優へ」という本に感動し、私が事務局長を務めている団体で、サヘルさんの講演会を開きました。

 講演会は、今から11年前、サヘルさんが24歳の時、サヘルさんにお会いした時の感動を今も忘れることが出来ません。

 それ以来、サヘルさんの活動を応援し続けています。

 サヘルさんは、イラン・イラク戦争の最中、後に養母になるフローラさんによって戦火の中で奇跡的に救出されます。

 サヘルさんは、家族全員を失い戦争孤児になり、孤児院に入所します。

 フローラさんは、国王の医者を務める名家の一員。サヘルさんを養女にすることに反対されます。

 これまでの放送で明らかにされていない事実が、今回の放送で、サヘルさんが告白した事実が二つ明らかになりました。

 当時のイランでは、養母は子どもが産めない人に限られていました。 

 どうしてもサヘルを養女にしたいフローラさんは、不妊手術をしてサヘルさんを養女にした事実が、今回の報道でサヘルさんが告白した第一の事実です。

 フローラさんに乳がんが発見されます。

 フローラさんは常日頃、サヘルさんに「あなたと同じ思いをした人たちと交流しなさい」と話しました。

 サヘルさんは、母の病気を契機に、世界の戦場や貧困地域に足を運び、戦争孤児のための児童養護施設などに足を運んでいます。

 その一つが、イラクにある女性保護施設です。

 この施設は、戦場で、性的虐待を受けた女性たちが働きながら入所している施設です。

 サヘルさんは、自らの経験を語り始めますが、彼女らの表情は硬いままです。

 それどころか、ある女性は「この施設に来て、『ここで聴いた事実を世界に届ける』とみんな言うが、みんなはその約束を果たさない」と言い返されます。

 サヘルは意を決してこう語ります。この内容が、サヘルさんが告白した二つ目の事実です。

 「日本で生活していたが、10代後半にイラクに帰った。ある男性から性的虐待を受けた。止めに入ったフローラに、その男性は、『戦争孤児だから何をやってもいいと思った』と語りました。」

 サヘルは泣き崩れて次の言葉が出ません。

 泣き崩れるサヘルに、彼女たちが励ましの手を差し伸べます。「あなたと私たちの経験は同じものだ」と。

 私の父は、昭和6年生まれ、生きていれば、90歳近い年となります。しかし、兵隊としての経験はありません。

 私より20歳年下のサヘルが、戦場で孤児となり、フローラの養女となり、多くの苦難を経験して現在に至っている事実に、私は、改めて戦争の悲惨さに胸がつまりました。

 サヘルは、未だに、「孤独」を感じるといいます。戦争で家族を失った傷とたたかい続けていると語ります。

 サヘルは、戦争の犠牲を受けた人たちと語る中で、「傷みと生きることを学んでいる」と語ります。

 「サヘルの旅~傷みと生きるということ」を一人でも多くの方に観ていただきたいと思います。

 これからのサヘルローズさんの活動を応援していきたいと思います。

 この番組を観られた感想やサヘルローズさんの活動についての感想をお聞かせ下さい。

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