厚生労働省は、17日、2016年度の児童虐待件数とともに、15年度中に児童虐待で亡くなった子どは84人と発表しました。
84人のうち無理心中を除く虐待で亡くなった子供は14年度から8人増の52人(48件)。うち30人は0歳児で、月齢0か月が13人、全体の8割の42人が3歳までに亡くなりました。
加害者は実母26人、実父12人、実母と実父5人など。実母が抱える問題では「予期しない妊娠」が18人と最多で、次いで「妊娠献身見受診」17人、「若年(10代)妊娠」13人でした。
心中による虐待し32人では、加害者の9割は実母で、動機(複数回答)は「保護者自身の精神疾患、精神不安」が13人、次いで「育児不安や育児負担感」11人でした。
全国の児童相談所が対応した児童虐待件数は、前年度比18・7%増の12万2578件。1990年度に統計を取り始めて以降、26年連続で増加しました。
山口県は、前年度比43%増の551件でした。
「児童虐待の防止等に関する法律」に基づき設置さえた「児童虐待等要保護事例に関する専門委員会」は、13次の報告をまとめ、地方公共団体と国への提言をまとめています。
共通して提言されたのは、「児童相談所及ぶ市町村職員体制の充実強化及び援助技術の向上」です。
目の前のケースに忙殺される児童相談所職員の状況は相談件数の増加で悪化していることは推察できます。
児童相談所等の職員を増やすことは急務だと思います。
18日付け朝日新聞は、「厚生労働省は児相の『強化プラン』で、虐待に対応する児童福祉司を16~19年度の4年間で約2割増やすとしている。4月施行の改正児童福祉法では市区町村に支援拠点の設置を求めたが、努力義務だ。財政難の中、自治体によって虐待への取り組みに温度差がある。児童虐待に詳しい松本伊智朗・北海道大学大学院教授は『人数だけでなく、専門職育成には、専門性を担保できる研修と、現場での経験を積ませる自治体の人事体制が必要だ。児相だけでなく市町村が専門職を雇って支援する力をつけなければならず、国はもっと財政支援すべきだ』と指摘する。」と報じています。
人的体制と専門性を構築するために国の財政援助の強化は急務です。
朝日新聞は、「12年に乳児の虐待者が2件起きた三重県では、児相が一時保護の方針を強化した。リスクを見極める独自の評価シートを14年度に導入。『理由不明の傷やアザがある』『子どもが殴られているのを通報者が見た』など15項目に一つでもあてはまれば一時保護を検討し、保護しない場合は理由を必ず記録している。虐待の疑いによる一時保護の件数は12年度の約200件から16年度には約350件になった。保護者と話し、育児の悩みを把握、支援につなげるきっかけにもなっているという。」と報じています。
山口県は、宇部市に児相を設置するなど、体制の強化に取り組んでいることは評価しています。
しかし、中央児相以外の児相内で一時保護が行える体制がありません。一時保護が必要な場合は、児童養護施設に委託しています。
私は、県議の時代に、県内全ての児相で一時保護ができる施設備整備について質問してきましたが、体制の充実の中に、この課題に取り組みことが急務でると思います。
県内で、児童虐待件数が増加しています。職員体制の強化と児相での一時保護が行える施設整備が行われることを強く望みます。
児童虐待件数が増加しています。皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
20日付「しんぶん赤旗日曜版」に、沖縄の地元紙、琉球新報と沖縄タイムズの編集局長のインタビューが掲載されています。
沖縄タイムズ編集局長の石川達也さんの指摘に納得しました。
「米軍普天間基地(宜野湾市)に24機配備されているオスプレイの1機が昨年12月、名護市安部沿岸に墜落しました。別の機が同じ日に同基地で胴体着陸し、今回ほかの機が豪州で墜落し、3人の死者を出しました。24機のうち3機が事故やトラブルを起こしたことになります。こんな航空機がはたして安全なのか。日米両政府が言う『安全』をうのみにできません。私は、宜野湾市の大謝名(おおじゃな)に住んでいます。すぐ近くをオスプレイが飛んでいます。ヘリモードで通った時の振動は下からくる。落ちてくるかもしれないという恐怖で、大きなストレスがあります。オスプレイ配備には、『オール沖縄』で政府に撤回を要請し続けてきました。アメリカ側に立つのではなく、県民の立場に立ち、配備撤回を求めるべきです。」
普天間に配備されているオスプレイ24機中3機で事故やトラブルが発生している。
民間機なら飛行を見合わすことになるのではないでしょうか。
軍用機なら飛行を再開していいのでしょうか。オスプレイが飛行する下には、私たち国民の暮らしがあることを日本政府は忘れているのか。忘れようとしているのか。
北海道で行われている日米合同訓練に、今日から、オスプレイが参加すると言われています。
普天間のオスプレイが岩国基地に3機駐留していました。
16日には、このオスプレイ3機が三沢基地に移駐しています。
石川編集局長の指摘通り、日本政府は国民の側に立ち、オスプレイの訓練参加中止、そして、普天間への配備撤回を求めるべきです。
横田基地へ米海兵隊オスプレイが今年度中に3機、21年までに7機追加配備される計画があります。
県営佐賀空港に、陸上自衛隊のオスプレイ17機の配備が計画されています。
それらをにらんで海上自衛隊木更津駐屯地にでは、今年の2月1日から、米軍と自衛隊のオスプレイの整備拠点の整備が始まっています。
相次ぐ、普天間基地所属のオスプレイの事故や墜落を受けて、欠陥機オスプレイが、日本全国で50機になる計画は再検討すべきです。
豪州墜落事故後、岩国基地にもオスプレイが飛来しました。
山口県民にとっても極めて重大な問題です。
昨日は、岩国基地で海自ヘリが転倒する事故が発生しました。自衛隊部隊と合わせて、岩国基地は、日米の戦闘機がひしめきあう基地になろうとしています。その間を民間機が飛行しています。
岩国基地の今を問い直す時期に来ていることを痛感する昨今です。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
中国新聞が15日より「村岡県政1期目」と題する特集記事を掲載しています。
15日付「決める力」は読みごたえがありました。
「基地や原発に限らず、国の製作や方針に絡む問題に関しては、政府と歩調を合わせるケースが目立つ。」
「艦載機移転容認から2週間後の7月14日。核兵器禁止条約締結を全ての国に求める『ヒバクシャ国際署名』について、村岡知事は記者会見で自身の対応を問われ『国のスタンツに関わる』として署名しない考えを示した。同条約の不支持を表明した国への配慮をにじませた。」
「政権との距離の地下さは、時に県政が自民党政治の映し鏡となる。」
「同党のベテラン議員が明かす。『国政が絡む問題で、知事と安倍政権と異なる政治判断をするわけがない。」
私は、村岡県政の1期目は「決める力」ではなく、安倍政権に「従う力」が発揮された3年半だったと考えます。
艦載機部隊移駐は、「地元」の意向を尊重することを隠れ蓑に、結局、安倍政権の意向に添った判断を行ったものです。
上関原発の公有水面埋め立て免許延長許可も、知事は。「原発本体の着工時期の見通しがつくまで埋め立て工事はしないように」中国電力に要請したことを隠れ蓑に、結局、安倍政権の意向に添った判断を行ったものです。
村岡県政は、県民の命を守る立場から、安倍政権と対峙する政策選択は行っていないと言っていいと思います。
「知事と安倍政権と異なる政治判断をするわけがない」県政なら、県民の命の前に安倍政権の政治判断があると言わなければなりません。
県民の命は二の次だと言わなければなりません。
村岡知事が、「イクメン」知事を標榜するのなら、子どもたちの未来のための政策選択こそ行うべきではないかと思います。
村岡県政1期目を皆さんはどう評価しますか。ご意見をお聞かせ下さい。
昨日、NHKスペシャルで「戦慄の記録 インパール」が放映されました。
今回、インドとミャンマーの国境地帯での現地取材が可能となり、現在、ミャンマー軍の兵舎としてして使われている旧日本軍の建物や国境地帯のコヒマなど現地住民の証言など貴重な映像が映し出されていました。
作戦を指揮した牟田口廉也司令官やイギリス国内での第一次資料などが新たに公開されました。
インパール作戦で亡くなった日本軍兵士は約3万人。
NHKがインパール付近で亡くなられた13577人の戦没者の死亡日と場所を調査しました。
その結果、作戦中止後に亡くなった兵士が約6割だったことが分かりました。
いかに、「インパール作戦」が無謀なものだったかが分かります。
イギリス軍は、航空機で、一日、250トンの食糧などを補給していました。
一方、日本軍にはそのような体制はなく、「兵站が困難なため、早く作戦を中止すべき」との意見が、牟田口司令官などに届きますが「馬鹿野郎」と一喝。作戦は中止されることなく、日本軍の兵士の死者数を増やしました。
インパールに派兵されていた日本兵の方々の証言も印象的でした。
亡くなった日本軍兵士の肉を売る兵士もいたとの発言には唖然としました。
牟田口司令官に同行した斉藤という若い兵士が当時の様子を綿密に記録していました。
斉藤兵士は幹部らの会議で「5000人殺せば陣地が取れる」との発言を記録しています。
殺すのはイギリス軍兵士ではなく、日本軍兵士の犠牲者数です。
1944年5月中旬には、師団長を全て更迭して、「肉薄作戦」を強行します。
肉薄作戦とは、自分の体に爆弾を付けて、イギリス軍に向けて追突するものです。
現在の「自爆テロ」を彷彿させる残虐な作戦です。
斉藤兵士は、存命でした。牟田口司令官は早々と帰国しましたが、斉藤さんは現地に残されましたが、生きて帰国できたのです。
現在は老人施設に入所されていますが、「何人殺せば陣地が取れるか」話していたと当時を回想しておられました。
斉藤さんの当時の記録の一部分が最後に朗読されました。
「世の指導者に問う 望み無き作成を遂行した(インパール作戦)世にころほど悲惨な事があるだろうか」
このような趣旨の言葉を当時、斉藤さんが書き残していました。
「軍人勅語」に「ただただ一途に己が本分の忠節を守り、義は山嶽より重く、死は鴻毛より軽しと覚悟せよ」
「こうもう」とは鳥の羽のことです。天皇への忠義は巨大な山よりも重いが、軍人の命は鳥の羽ねよりも軽い、その覚悟で軍人の任務を果たせという意味です。
まさに、軍人の命を鴻毛のように扱い、兵站が十分でない無謀な作戦で3万人の犠牲を出したことを深く反省すべきです。
安倍首相は、72回目の終戦記念日に行われた政府主催の全国戦没者追悼式での挨拶の中で、歴代首相が踏襲してきたアジア諸国への「損害と苦痛」や「深い反省」には一切触れませんでした。
安倍首相は、9条改憲を進めようとしています。
不戦の誓いをあきらかにする終戦記念日にあたって、日本を再び「戦争する国」にしようとする安倍政権の暴走政治を許さない決意を新たにしています。
斉藤さんが当時書いた「世にころほどの悲惨な出来事があるだろうか」の侵略戦争の歴史をこれからもしっかり学んでいきたいと思います。
二度とこの悲劇を繰り返さないとの憲法9条を守りぬくたいと思います。
NHKスペシャル「戦慄の記録 インパール」はとてもすばらしい番組でした。
これからもこのような番組の制作を強くのぞみたと思います。
証言された兵士の皆さんは90歳前後です。当時の知る貴重な記録としてしっかり残しておいてほしいと思いました。
終戦記念日にあたり皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
池永永一原作でNHKでドラマ化された「テンペスト」を盆休みを利用して視聴しました。
最後の琉球王国の国王である尚泰王の歴史はまさに「テンペスト」=大嵐。歴史の激流の中で生きた王といえます。
時は、江戸末期。父王が急逝し、尚泰王が、わずか4歳で即位します。5年後の1853にペリー率いる黒船艦隊が来琉し、琉米条約を締結します。
1879年、明治政府は琉球処分を断行し、琉球藩が沖縄県となります。
ドラマでは染谷将太さんが演じる尚泰王が、琉球処分に対して「余は民を犠牲にしてまで王位にとどまりたいと望まぬ。人が生きてこその国だ。命どぅ宝」と応じる場面がありました。
小説では、尚泰王の琉歌が書かれてあります。
「いくさ世も済まち弥勒世もやがて嘆くなよ臣下命どぅ宝」
(争いの世は終わり、平和な時代がやってくると信じよう。臣下よ泣くな命こそ宝なのだ)
12日に開かれた「翁長知事を支え、辺野古に新基地を造らせない県民大集会」で、翁長知事は決意表明の最後でこう述べました。
「米軍統治時代、苛烈を極めた米軍との自治権獲得闘争を粘り強くたたかってきた沖縄県民は日米両政府が辺野古新基地を断念するまでたたかい抜くものと固く信じております。グスーヨー、マチケーナイビランドー(みなさん、負けてはいけませんよ)。」
沖縄は琉球王国時代から非武装中立の立場を取り外交を行ってきました。
琉球処分の際も無血で受け入れました。
その精神は、「命どぅ宝」だったと思います。
沖縄県民は、戦後、自治権獲得闘争を粘り強くたたかってきました。
その時の精神も、「命どぅ宝」だったと思います。
そして、今、沖縄県民は、日米両政府が進める辺野古新基地建設を断念させようとたたかっています。
この時の精神も、「命どぅ宝」だと思います。
赤旗のインタビューに浦添市の高橋さんが、「沖縄では私たちの命の安全が保障されていない。沖縄の実態をもっともっと本土の人に知ってほしい。沖縄では県民の安全は保障されておらず、本当に憲法が届いていない。それどころか安倍政権は、この憲法すら壊し法律の解釈まで変えて基地をつくろうとしている。とても危機感を感じています。」と話しています。
清水寛編著「沖縄から平和を拓く」の中で、清水寛さんが沖縄で感じた「ぬちどぅたから」について次のように述べています。
「この言葉は、武力をもたず交易と文化、礼節ある外交をもって栄えた琉球王朝時代からすでに用いられていたとのことである。豊かな自然と文化をもつ平和な島を『血の島』に変えさせられた沖縄戦の中にあっても絶えることなく受け継がれてきているこの沖縄の民衆のこころこそ、先に述べた日本国憲法の平和主義の原則とその根底において深く響き合うものをもつ。この沖縄の『ぬちどぅたから』を広く国民の、さらには人類全体の共有の思想としていくことは、日本が世界に誇りうる日本国憲法の平和主義の原則を国際社会に広げていくためいも大切な課題ではなかろうか。」
今日は、72周年の終戦記念日です。
「命どぅ宝」の世の中の実現を沖縄の人たちと連帯して実現したいと思います。
「テンペスト」は、琉球王国の後半の歴史をドラマチックに知ることができる好資料です。
池永永一さんの作品からしっかり学びたいと思います。
昨日、NHKテレビの「NHKスペシャル」は、「731部隊の真実~エリート医師と人体実験」を放映しました。
今回NHKが、終戦後、旧ソ連で行われたハバロフスク裁判の音声録音を発掘しました。
部隊中枢メンバーが、国防や国益のためとして細菌兵器を開発した実態を浮き彫りにしました。
また、旧満州で日本に反発していた中国や旧ソ連の人々を「死刑囚」として、細菌兵器開発の「実験材料」として扱っていた実態が赤裸々となりました。
さらに、軍だけではく学術界からも多くの研究者が部隊に参加していた実態が明らかになりました。
満州事変以降、学術界が軍と関係深める過程で、日本軍が旧満州で反発する人々を死刑にすることについて世論が高まる中で「死刑囚」を研究に活用する動きが相次いでいた実態も明らかになっています。
「観光コースでない満州」から、作者の小林慶二さんが、ハルビン郊外の「侵華日軍七三一部隊罪証陳列館」を訪れた部分を引用します。
「対ソ連戦に備え、通常兵器の不足を補うため、『細菌兵器』製造を名目につくられた部隊である。最近兵器の効果を確かめるため『生体解剖』、つまり生きた人間を解剖するなど残虐行為をしたことで知られる。この実験のため約3000人の中国人、朝鮮人、ロシア人などが犠牲となった。彼らは『マルタ』と呼ばれた。生きた人間を切り刻むことは誰でも抵抗があるが、人間ではなくて材料、『マルタ』と思えば気になるまい、と考えたからという。この部隊の存在は日本では終戦後長い間知らされなかった。司令官・石井四郎中将が、終戦と同時に施設を破壊、生き残ったマルタ、使用人など全員を口封じのため殺害し、部下に秘密保持を約束させ、研究資料を密かに持ち帰ったからである。」
私は、瀋陽までは足を運んだことがあります。機会があれば是非、ハルビンの陳列館に足を運びたいと思いました。
NHKスペシャルは、最後に、軍事研究を議論する日本学術会議の様子を映していました。
望月衣塑子著「武器輸出と日本企業」によると、日本学術会議は、太平洋戦争で、軍事に科学技術の研究を利用された負の歴史の中から「戦争を目的とする科学の研究は絶対従わない」とする声明を1950、67年の二度にわたり発表しています。
2016年4月に開催された日本学術会議第171会総会の活動報告の中で、大西隆会長が、「自衛隊の目的にかなう基礎的な研究開発を大学などの研究者が行うことは許容されるべきではないでしょうか」との私見を明らかにしました。
この私見には当然、異議も出され、現在、日本学術会議の中に「安全保障と学術に関する検討委員会」を設置して、学術会議としての議論が慎重に行われているところとあります。
NHKスペシャルで、映し出された学術会議の中で、ある女性学者が、「科学者が戦争の犠牲を拡大させた側面は否めない」という趣旨の発言をしました。
歴史を闇に葬るのはではなく、72年前の太平洋戦争で何があったのかの真実を明らかにすることがこの夏強く求められています。
そして、その歴史に学び、私たちは、よりよき未来のために、何をなすべきか、なすべきではなのか考えていくことがこの夏強く求められています。
私たちは平和を拓くべきであり、戦争をすべきではないと私は深く思う夏です。
このような番組は、どんどん制作していただきたいと思います。
今回のNHKスペシャルは大変勉強になりました。
731部隊について改めて勉強したいと思いました。
太平洋戦争について皆さんのお考えをお教え下さい。