池永永一原作でNHKでドラマ化された「テンペスト」を盆休みを利用して視聴しました。
最後の琉球王国の国王である尚泰王の歴史はまさに「テンペスト」=大嵐。歴史の激流の中で生きた王といえます。
時は、江戸末期。父王が急逝し、尚泰王が、わずか4歳で即位します。5年後の1853にペリー率いる黒船艦隊が来琉し、琉米条約を締結します。
1879年、明治政府は琉球処分を断行し、琉球藩が沖縄県となります。
ドラマでは染谷将太さんが演じる尚泰王が、琉球処分に対して「余は民を犠牲にしてまで王位にとどまりたいと望まぬ。人が生きてこその国だ。命どぅ宝」と応じる場面がありました。
小説では、尚泰王の琉歌が書かれてあります。
「いくさ世も済まち弥勒世もやがて嘆くなよ臣下命どぅ宝」
(争いの世は終わり、平和な時代がやってくると信じよう。臣下よ泣くな命こそ宝なのだ)
12日に開かれた「翁長知事を支え、辺野古に新基地を造らせない県民大集会」で、翁長知事は決意表明の最後でこう述べました。
「米軍統治時代、苛烈を極めた米軍との自治権獲得闘争を粘り強くたたかってきた沖縄県民は日米両政府が辺野古新基地を断念するまでたたかい抜くものと固く信じております。グスーヨー、マチケーナイビランドー(みなさん、負けてはいけませんよ)。」
沖縄は琉球王国時代から非武装中立の立場を取り外交を行ってきました。
琉球処分の際も無血で受け入れました。
その精神は、「命どぅ宝」だったと思います。
沖縄県民は、戦後、自治権獲得闘争を粘り強くたたかってきました。
その時の精神も、「命どぅ宝」だったと思います。
そして、今、沖縄県民は、日米両政府が進める辺野古新基地建設を断念させようとたたかっています。
この時の精神も、「命どぅ宝」だと思います。
赤旗のインタビューに浦添市の高橋さんが、「沖縄では私たちの命の安全が保障されていない。沖縄の実態をもっともっと本土の人に知ってほしい。沖縄では県民の安全は保障されておらず、本当に憲法が届いていない。それどころか安倍政権は、この憲法すら壊し法律の解釈まで変えて基地をつくろうとしている。とても危機感を感じています。」と話しています。
清水寛編著「沖縄から平和を拓く」の中で、清水寛さんが沖縄で感じた「ぬちどぅたから」について次のように述べています。
「この言葉は、武力をもたず交易と文化、礼節ある外交をもって栄えた琉球王朝時代からすでに用いられていたとのことである。豊かな自然と文化をもつ平和な島を『血の島』に変えさせられた沖縄戦の中にあっても絶えることなく受け継がれてきているこの沖縄の民衆のこころこそ、先に述べた日本国憲法の平和主義の原則とその根底において深く響き合うものをもつ。この沖縄の『ぬちどぅたから』を広く国民の、さらには人類全体の共有の思想としていくことは、日本が世界に誇りうる日本国憲法の平和主義の原則を国際社会に広げていくためいも大切な課題ではなかろうか。」
今日は、72周年の終戦記念日です。
「命どぅ宝」の世の中の実現を沖縄の人たちと連帯して実現したいと思います。
「テンペスト」は、琉球王国の後半の歴史をドラマチックに知ることができる好資料です。
池永永一さんの作品からしっかり学びたいと思います。
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