議員日誌

731部隊の真実

 昨日、NHKテレビの「NHKスペシャル」は、「731部隊の真実~エリート医師と人体実験」を放映しました。

 今回NHKが、終戦後、旧ソ連で行われたハバロフスク裁判の音声録音を発掘しました。

 部隊中枢メンバーが、国防や国益のためとして細菌兵器を開発した実態を浮き彫りにしました。

 また、旧満州で日本に反発していた中国や旧ソ連の人々を「死刑囚」として、細菌兵器開発の「実験材料」として扱っていた実態が赤裸々となりました。

 さらに、軍だけではく学術界からも多くの研究者が部隊に参加していた実態が明らかになりました。

 満州事変以降、学術界が軍と関係深める過程で、日本軍が旧満州で反発する人々を死刑にすることについて世論が高まる中で「死刑囚」を研究に活用する動きが相次いでいた実態も明らかになっています。

 「観光コースでない満州」から、作者の小林慶二さんが、ハルビン郊外の「侵華日軍七三一部隊罪証陳列館」を訪れた部分を引用します。

 「対ソ連戦に備え、通常兵器の不足を補うため、『細菌兵器』製造を名目につくられた部隊である。最近兵器の効果を確かめるため『生体解剖』、つまり生きた人間を解剖するなど残虐行為をしたことで知られる。この実験のため約3000人の中国人、朝鮮人、ロシア人などが犠牲となった。彼らは『マルタ』と呼ばれた。生きた人間を切り刻むことは誰でも抵抗があるが、人間ではなくて材料、『マルタ』と思えば気になるまい、と考えたからという。この部隊の存在は日本では終戦後長い間知らされなかった。司令官・石井四郎中将が、終戦と同時に施設を破壊、生き残ったマルタ、使用人など全員を口封じのため殺害し、部下に秘密保持を約束させ、研究資料を密かに持ち帰ったからである。」

 私は、瀋陽までは足を運んだことがあります。機会があれば是非、ハルビンの陳列館に足を運びたいと思いました。

 NHKスペシャルは、最後に、軍事研究を議論する日本学術会議の様子を映していました。

 望月衣塑子著「武器輸出と日本企業」によると、日本学術会議は、太平洋戦争で、軍事に科学技術の研究を利用された負の歴史の中から「戦争を目的とする科学の研究は絶対従わない」とする声明を1950、67年の二度にわたり発表しています。

 2016年4月に開催された日本学術会議第171会総会の活動報告の中で、大西隆会長が、「自衛隊の目的にかなう基礎的な研究開発を大学などの研究者が行うことは許容されるべきではないでしょうか」との私見を明らかにしました。

 この私見には当然、異議も出され、現在、日本学術会議の中に「安全保障と学術に関する検討委員会」を設置して、学術会議としての議論が慎重に行われているところとあります。

 NHKスペシャルで、映し出された学術会議の中で、ある女性学者が、「科学者が戦争の犠牲を拡大させた側面は否めない」という趣旨の発言をしました。

 歴史を闇に葬るのはではなく、72年前の太平洋戦争で何があったのかの真実を明らかにすることがこの夏強く求められています。

 そして、その歴史に学び、私たちは、よりよき未来のために、何をなすべきか、なすべきではなのか考えていくことがこの夏強く求められています。

 私たちは平和を拓くべきであり、戦争をすべきではないと私は深く思う夏です。

 このような番組は、どんどん制作していただきたいと思います。

 今回のNHKスペシャルは大変勉強になりました。

 731部隊について改めて勉強したいと思いました。

 太平洋戦争について皆さんのお考えをお教え下さい。

 

トラックバック

コメントはまだありません

No comments yet.

コメント

コメント公開は承認制になっています。公開までに時間がかかることがあります。
内容によっては公開されないこともあります。

メールアドレスなどの個人情報は、お問い合せへの返信や、臨時のお知らせ・ご案内などにのみ使用いたします。また、ご意見・ご相談の内容は、HPや宣伝物において匿名でご紹介することがあります。あらかじめご了承ください。