吉田修一さんの「路」を読んでいます。
文庫版の裏表紙を引用します。
「台湾に日本の新幹線が走る。商社の台湾支局に勤める春香と日本で働く建築家・人豪の巡り合い、台湾で生まれ戦後引き揚げた老人の後悔、「今」を謳歌する台湾人青年の日常・・・。新幹線事業を背景に、中台の人々の国を超え時間を越えて繋がる想いを色鮮やかに描く。台湾でも大きな話題を呼び人気を博した著者渾身の感動傑作。」
北上次郎さんが「日刊ゲンダイ」に書いた書評を紹介します。
「ここにはさまざまな人間が登場する、そのそれぞれのドラマが克明に描かれていくから目が離せない。どんどん引き込まれていく。彼らの人生をともに生きることになるのだ。それだけでも十分なのだが、それらがうねるように合流していくのである。愛があり友情があり青春がある。家族がいて恋人がいて職場の友がいる。希望があり悔恨があり懺悔がある。7年間の物語のなかに人間の営みのすべてがある。」
北上さんの書評の通り、一人ひとりの人物が克明に描かれ、一人ひとりの生き様にグイグイ引き込まれます。
今読んでいるのは、クライマックスの一つであろう、春香と人豪の再会の直前です。
2人はどのように再会するのでしょうか。2人の関係はどうなるのでしょうか。
吉田修一さんの作品を本格的に読み始めたのはごく最近ですが、吉田さんの文章は人を惹きつける力があると思います。
言葉が心の奥に届きます。
人生・歴史などなどを包含した一つの大きな物語を紡ぐ吉田作品。
「路」という作品に出合えた幸せを感じています。
そして、台湾に行きたくなりました。台湾の新幹線に乗ってみたくなりました。
来年は、吉田さんの最新作「怒り」が映画化され上映されます。
この冬は、吉田作品とともに過ごし、年越ししたいと思う今日この頃です。
吉田修一ファンの皆さん、お勧めの作品を紹介して下さい。
新たな国際枠組みを話し合う国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)がきょうパリで開幕します。
温暖化の原因になる二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスを削減するための2020年以降の国際的な枠組みを決めることが目的です。
すでに日本、アメリカ、中国など150カ国以上が削減目標を提出していますが、いまのままでは地球全体の気温の上昇を産業革命前に比べ「2度未満」に抑えるという国際目標の達成は困難といわれています。
目標を定期的に見直すなど、効果的な対策の合意が求められます。
日本共産党の社会科学研究所所長の不破哲三さんが行った科学的社会主義セミナーの講演録「マルクスと友達になろう」を読んでいます。
この中で、不破さんは、「上陸した生命体が進化して、人類が誕生したのは約40万年前だと言われていますが、それ以前の動物はもちろん、人間の時代になっても、自分たちの活動で生命維持装置である地球の大気をかき乱すほどのことをやった世代は、どこにも生まれていませんでした。ところが、十六世紀に資本主義が生まれてから、様子が変わりました。」と指摘します。
不破さんは、マルクスが「資本論」第一部を公刊した1867年から2011年までに、エネルギー消費量が69倍増加し、二酸化炭素放出量は74倍に増えたことを紹介しています。
その上で、不破さんは、「資本主義が利潤第一主義で『高度成長』のあくなき追求、生産と消費の急膨張という道を進んできたことが、ついに、人類の生命維持装置である地球大気の構成を壊すほどの危機をいきおこしてしまった、ということです。」
京都会議を開いた1997年から2011年のあいだに、世界のエネルギー消費量と二酸化炭素放出量は、減少するどころか逆にどちらもほぼ1.4倍に増大したことを不破さんは紹介しています。
その上で、不破さんは、「これらの数字は、資本主義というものが、自分の経済活動を管理できない体制だということを、事実をもって示すおのです。まさに、資本主義は、自分が21世紀に生き残る資格があるかどうかを試さる最大の危機に直面しているのだ、と言わなければならないでしょう。」と結論づけています。
新たな枠組みはCOP21で合意した後、各国で批准などの手続きが必要です。今回の会合での効果的な対策の合意が不可欠です。
日本は世界で5番目の温室効果ガス排出大国として、温暖化対策の国際的責任を果たすべきです。
COP21は、「資本主義が生き残る資格があるかどうか試される」局面を迎えているのではないでしょうか。
COP21に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
本日、山口市維新百年記念公園・野外音楽堂(ビックシェル)で、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動やまぐち実行委員会」の発足総会と発足集会が行われました。
発足総会では、申し合わせ事項、役員体制などが協議され決定されました。
役員としては、児童文学者の那須正幹さんと弁護士の田川章次さんが共同代表に、戦争させない1000人委員会事務局長の岡本博之さんが、事務局長に選ばれました。
私は、宇部地区代表として世話人の一人に選ばれました。
発足集会では、共同代表の那須さん田川さんの挨拶で始まり、SEALDs KANSAIの野間さんと鈴木さんがゲストスピーカーとして発言しました。
シールズカンサイの野間さんと鈴木さん
野間さんらは、「政治家に憲法守れと当たり前のことを言わなければならない時代になった。政治家はどこを向いてるんだと言いたい」「安倍首相の地元である山口から『アベ政治を許さない』の声が上がる意味は深い」と発言しました。
次に、「立憲主義」を考える山口県議会議員連盟の西嶋代表と、ママの会やまぐちの中村代表が挨拶を行いました。
ママの会やまぐちの中村代表の発言
次に、900名の参加者一同で「アベ政治を許さない」をかざしました。
900名の参加者で「アベ政治を許さない」をかざす
次に、「安保法制を一切実行せず、廃止にすることを求めていきましょう。」とする集会アピールを参加者全員で確認しました。
最後に、参加者は市内をデモ行進しました。
デモ行進する宇部市からの参加者の皆さん
SEALDsの学生さんは、19歳と20歳の方でした。丁度我が子の世代です。
とてもしっかりした発言で元気をいただきました。
子どものたちの未来のために、安保法制を廃止するために引き続き力を尽くしたいと思います。
役員として、宇部市で県内で、この運動を高めるためにがんばりたいと思います。
誉田哲也さんの「あなたが愛した記憶」を読んでいます。
文庫本の裏表紙を写します。
「興信所を営む曾根崎栄治の前に、女子高生・民代が現れる。19年前に突然姿を消した恋人・真弓が産んだ栄治の娘だと主張する彼女は、二人の人物を探して欲しいと依頼する。半信半疑ながら栄治が調査を進めるうち、民代は、調査対象者のどちらかが世間を騒がす残虐な連続監禁殺人事件の犯人だと言い出し・・・。この子は一体、何者なのか。犯人の正体は何なのか。ノンストップ恋愛ホラーサスペンス!」
今読んでいるのは、民代が連続殺人事件の犯人を知っていると言い出す場面です。
民代は何者なのか。犯人の正体は何なのか。これらが大きな山場です。
これまで、ノンストップで読んでいます。
久々に、ハラハラドキドキのサスペンスものです。
誉田さんの作品は、キャラクターが立っていて、どんどん引っ張っていってくれます。
小説の後半が楽しみです。
誉田ファンの皆さん、あなたのお勧め作品をお教え下さい。
環境NPO「気候ネットワーク」が一目でわかる「石炭発電所新設ウォッチ」をホームページで公開しています。
これによると、全国で石炭火力発電所の新規建設計画が計48基に上り、これらが全て稼働した場合、推計で年間約1億4100万トンの二酸化炭素が排出されることが分かりました。
この内、山口県内には、防府市に、2018年運転開始予定のエア・ウォーター&エネルギア・パワー山口((株)の発電所と宇部市に2023年開始予定の山口宇部パワー(株)による西沖の山発電所(仮)1号機があります。
24日付の読売新聞によると、環境省が地球温暖化を防ぐ観点から異議を唱えている石炭発電所が全国で5カ所あり、その内の一つが、宇部市の山口宇部パワー(株)による石炭火力発電所です。
世界ではいま、温室効果ガス削減のため「脱炭素」の大きな流れが起きています。
イギリスでは今月、2025ン’までに石炭発電所の「全廃」方針を明らかにしました。アメリカでは、既存・新設の発電所にCO2排出規制を導入。フランスでも発電所の閉鎖が進められています。
一方、安倍政権は石炭を原発と並ぶ「重要なベースロード電源」とし、推進する姿勢を見せています。
イギリスシンクタンクE3Gはこうした日本の秕政を、G7の中で唯一、石炭発電所を新設するなど「孤立」し、「国際的にも悪影響」を及ぼしていると指摘しています。
私は、温室効果ガス削減のために、「脱炭素」を進めるべきだと思います。
全国で進められている48もの石炭発電所の新設は中止すべきだと思います。
取り分け宇部市で進められている石炭火力発電所計画は、環境相からも異議が出されているものであり、ただちに中止すべきだと思います。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
昨日、本願寺山口別院で行われた帰敬式に参加しました。
浄土真宗必携「み教えと歩む」に帰敬式とは、「阿弥陀如来・宗祖親鸞証人の御前で浄土真宗の門徒としての自覚をあらたにし、お念仏申し日暮らしを送ることを誓う、最も大切な儀式です。帰敬式を受け、仏弟子となった方には、本願寺住職(ご門主)より法名が授与されます。法名をいただくということは、み教えに生かされてて生きていくことへの決意をあらわす名をいただくことです。」とあります。
今年4月、浄土真宗本願寺派山口教区宇部北組常光寺の責任役員を引き受けました。
帰敬式を契機に、常光寺責任役員としての役割をなお一層果たしていきたいと思っています。
帰敬文の最後に「この上は、ますます聞法にいそしみ真宗念仏者の本文をつくし報恩謝徳につとめます」とあります。
これからは、念仏者の一人としてしっかり勉強していきたいと思います。
本願寺住職よりいただいた法名は、「釋諦観」です。
諦観の解説文がありました。
「顕浄土真実教行証文類」「化身土巻」に「言諦観彼国浄業成者」という言葉があり、その一部から諦観を取ったとありました。
広辞苑で諦観とは「(仏)明らかに真理を観察すること」とあります。
「諦」はあきらめるとも読みます。
仏教TVというインターネットサイトによると、「あきらめる」は「あきらかにみる」が元で短縮されて「あきらめる」になったとあります。
「あきらかにみるとはその原因を明らかに見よということ」「あきらめるとは180度正反対の努力家になること」とあります。
私は、20代の頃から科学的社会主義を勉強してきました。
そして、50代になって仏教の勉強をはじめました。
これからの人生はこの二つ視点で物事をあきらかにみていきたいと思います。
諦観(たいかん)。いい法名をいただきました。
彫刻家の重枝新治さんに木彫の阿弥陀如来像の作成をお願いしておりましたが、丁度昨日、私の手元に届きました。
頂いた釈迦如来像は、昔の箪笥の引き出しだった桐の箱の中に入っていました。
この桐箱が今日から我が家の仏壇になりました。
ほんのり微笑む重枝さんによる阿弥陀如来を拝んで一日をスタートさせました。
帰敬式と木彫、これらのご縁に感謝したいと思います。