月別アーカイブ:2015年7月

わたしの『やめて』

 一昨日に照会した京都大学の教員でつくる「自由と平和のための京大有志の会」が発表した安全保障関連法案(戦争法案)に反対する声明を埼玉県在住の山岡信幸さんが子供向けに訳されたものが、話題になっています。

 以下、子ども向けの訳「わたしの『やめて』」を紹介します。

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 わたしの『やめて』

 くにと くにの けんかを せんそうと いいます

 

 せんそうは 「ぼくが ころされないように さきに ころすんだ」

 という だれかの いいわけで はじまります

 せんそうは ひとごろしの どうぐを うる おみせを もうけさせます

 せんそうは はじまると だれにも とめられません

 

 せんどうは はじめるのは かんたんだけど おわるのは むずかしい

 せんそうは へいたいさんも おとしよりも こどもも くるしめます

 せんそうは てや あしを ちぎろ こころも ひきさきます

 

 わたしの こころは わたしのもの

 だれかに あやつられたくない

 わたしの いのちは わたしのもの

 だれかの どうぐに なりたくない

 

 うみが ひろいのは いとをころす きちを つくるためじゃない

 そらが たかいのは ひとをころす ひこうきが とぶためじゃない

 

 げんこつで ひとを きずつけて えらそうに いばっているよりも

 こころを はたらかせて きずつけられた ひとを はげましたい

 

 がっこうで まなぶのは ひとごろしの どうぐを つくるためじゃない

 がっこうで まなぶのは おかねもうけの ためじゃない

 がっこうで まなぶのは だれかの いいなりに なるためじゃない

 

 じぶんや みんなの いのちを だいじにして

 いつも すきなことを かんがえたり おはなししたり したい

 でも せんそうは それを じゃまするんだ

 

 だから

 せんそうをはじめようとする ひとたちに

 わたしは おおきなこえで 「やめて」 というんだ

 

 じゆうと へいわの ための きょうだい ゆうしの かい

 

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 子ども向け訳は、一層、私の胸に戦争法の廃案を誓わせます。

 私の10代の4人の子どもを戦場に送らないために

 私の子どもに通じる子ども達を戦場に送らないために

 この夏、戦争法案を国会で成立させていいのかみんなで考えましょう。

 

今年度、真締川の浚渫は土田橋上流です。

 昨日、時田宇部市議と一緒に宇部県土木建築事務所を訪ね、担当者から今年度の真締川の浚渫箇所をお聞きしました。

 今年度は、土田橋から真締川上流の固定堰までの間を約450万円の予算で行うということです。

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 今年度、浚渫工事が行われる土田橋上流地点

 真締川は、河床が堆積土でかなり高くなっており、近隣の住民から浚渫をしてほしいという要望が出されています。

 私も再三、宇部土木建築事務所に要望を伝え、ここ数年は、毎年のように浚渫工事が行われています。

 今後とも皆さんの身近な要望を関係機関に届けていきたいと思いますので、皆さんの要望を藤本にお寄せ下さい。

 なお、京都大学有志の声明文の子ども向け訳は明日掲載したいと思います。

 

戦争法案反対18大学に

 違憲の戦争法案を廃案にするために、学生と学者・教職員の共同が広がっています。

 しんぶん赤旗の調査(7月20日現在)で、教職員有志で戦争法案に反対する声明を出した大学は18です。

 私の母校、日本福祉大学や、地元の山口大学も戦争法案反対の声明を出しています。

 中でも「京都大学有志の会」の声明文が大きな話題を生んでいます。

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 「自由と平和のための京都大学有志の会」の声明文

 戦争は、防衛を名目に始まる。

 戦争は、兵器産業に冨をもたらす。

 戦争は、すぐに制御が効かなくなる。

 

 戦争は、始めるよりも終えるほうが難しい。

 戦争は、兵士だけでなく、老人や子どもにも災いをもたらす。

 戦争は、人々の四肢だけでなく、心の中にも深い傷を負わせる。

 

 精神は、操作の対象物ではない。

 生命は、誰からの持ち駒ではない。

 

 海は、基地に押しつぶされてはならない。

 空は、戦闘機の爆音に消されてはならない。

 

 血を流すことを貢献と考える普通の国よりは、知を生み出すことを誇る特殊な国に生きたい。

 

 学問は、戦争の武器ではない。

 学問は、商売の道具ではない。

 学問は、権力の下僕ではない。

 

 生きる場所と考える自由を守り、創るために、私たちはまず、思い上がった権力にくさびを打ちこまなくてはならない。

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 この声明文に感銘した埼玉県在住の山岡信幸さんが、こども向けの訳「わたしの『やめて』」を作成し、今話題になっています。

 明日は、子ども向けの訳を紹介したいと思います。

 京都大学有志の会の声明文に対する感想をお聞かせ下さい。

かえる通信No4(2015年8月1日)

うべ憲法共同センター主催の講演会に350名集う

 

小林節さんが戦争法案を斬る

 

集団的自衛権は憲法違反

 

 七月十九日、うべ憲法共同センター主催の憲法学者・小林節さん講演会が宇部市内で行われ、県内各地から超満員の三百五十名の市民が宇部市男女共同参画センターに集まりました。
 小林節さんは、「戦争法案」の潮目を変えたといわれる衆議院憲法審査会で「戦争法案は憲法違反」と発言した三名の憲法学者の一人です。
 小林さんは、「集団的自衛権の行使は、アメリカが海外で起こした戦争に、日本の自衛隊が支援するもの。憲法九条とは相いれない」と話ました。
 その上で、小林さんは、「新安保法案の違憲性を裁判で争う『違憲訴訟』を展開したい」と決意を語りました。
 更に、小林さんは、「自民党政権に代わる新しい政権を樹立し、新安保法案を廃案に追い込もう」と訴えました。
 講演会の成功は、安倍首相の地元と言われる山口県内で、戦争法案に対する怒り、安倍政権への怒りが広がっていることを示しました。

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  宇部市で講演する小林節慶應大学名誉教授

 

参院山口選挙区に松田氏擁立

 

 日本共産党山口県委員会は、十二日、県庁で記者会見し、来年夏の参議院選挙山口選挙区に党県委員の松田一志氏(五七・新)を立ててたたかうと発表しました。
 松田氏は「戦争法案反対を貫き、県民の平和を守りぬく」と語りました。

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 山口県党会議で発言する松田一志選挙区候補

 

衛官僚として40年の柳沢協二さんが

 

法無視の新安保法制の問題点を論じる

 

日時 9月6日(日)午後2時~4時
場所 宇部市男女共同参画センター 3階軽運動室
柳澤協二(やなぎさわ・きょうじ)さんのプロフィール

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   9月6日に宇部市で講演する柳澤協二さん

1946年、東京都生まれ。防衛庁(当時)に入庁。防衛審議官、運用局長、官房長などを歴任し、2002年、防衛研究所所長。04年から09年にかけて、内閣官房副長官補。
主催 うべ憲法共同センター 宇部市五十目山町15-2 
   山口民医連内 ℡ 0836-35-9355 
   藤本 携帯 090-3747-2855
共催 憲法9条の会うべ 宇部緑橋教会内
   ℡・fax 0836-21-8003
後援 宇部日報社

 

一気 

 

念仏者九条の会・山口の学習会で、名古屋大学名誉教授の平川宗信さんのお話を聞きました▼平川先生は「真宗念仏者はいかなる国家と憲法を求めるのか」と題して話をされました。平川先生は、「阿弥陀の第一願『国に地獄・餓鬼・畜生あらば、正覚を取らじ』という『無三悪趣』がある。この考えは、憲法前文に通じる」とのべました▼平川先生は、自民党の憲法草案の9条部分について「国を戦争に向かわせるものであり、地獄を求めるもの」と批判しました。更に、自民党の憲法草案の前文で、経済成長をうたっていることについて「世界は持続的な発展を求めている時代だ。餓鬼を目指すものと言える。」と批判しました。平川先生は、自民党の憲法草案は、「地獄・餓鬼・畜生を目指すものであり、『三悪趣国家』を目指す改憲案だ」と厳しく批判しました。戦争法案廃案を訴えました。

「梅原猛の授業 仏教」を読む

 梅原猛さんが、中学生に授業した内容を書籍にした「梅原猛の授業 仏教」を読みました。

 生きる指針ともなる良書でした。

 学ぶことの多い本著でしたが、いくつかの点について紹介したいと思います。

 第一は、教育勅語についての梅原さんの認識です。

 「教育勅語には終身教育の原理が盛り込まれていますが、これを見ると、そのなかに仏教の思想はほとんどありません。ずーっと長いあいだ日本人の心を養ってきた仏教がなくなった。そこにあるのは、儒教を変形した忠君愛国の思想です。それに神道の思想がちょとだけ加わっている。けれども教育勅語の本当の思想は儒教でも神道でもなく、実は西欧から取り入れた十九世紀の国家主義思想で、それを儒教と神道で少し色をつけたにすぎないのです。」

 教育勅語の復活を叫ぶ声が多く聞かれますが、その方々にも知ってほしい視点です。

 第二は、マルクスについての梅原さんの認識です。

 「マルクスの資本主義批判は、私は当たっているところがあると思う。いまアメリカはマルクスの批判したような国になろうとしている。そういうときに今度の事件が起った。(同時多発テロ事件)事件の標的は世界貿易センタービル、まさに資本主義の中心です。それと国防省、これはアメリカの権力の象徴です。その二つが崩れた。これは私は、テロの計画者がねらった以上の効果があったと思いますね。」

 現代の社会を考える上でマルクスの思想が欠かせないことを梅原さんが指摘しています。

 第三は、多神論に対する梅原さんの認識です。

 「多神論は正義より寛容の徳を大切にします。いま世界で求められるべき徳は正義の徳より寛容の徳、あるいは慈悲の徳であると思います。この寛容の徳、慈悲の徳が仏教ではよく説かれています。私は今度の事件(同時多発テロ事件)で、前より以上に仏教が好きになりました。」

 梅原さんが指摘する「正義より寛容」の思想が、日本の政治に今、強く求められていると思います。

 これからも梅原さんの書籍を少しづつ勉強していこうと思います。

 梅原猛さんの書籍の中でお勧めの本があったらお教え下さい。

 

指の骨

 今年の5月頃、NHKラジオ「すっぴん」に高橋弘希さんがパーソナリティーの高橋源一郎さんと対談しているのを聞きました。

 そのラジオで、35歳の高橋さんが、第二次世界大戦中の日本兵になりきって小説を書いたことを知りました。

 この作品は、第46回新潮新人賞を受賞し、第152回芥川賞候補となりました。

 高橋さんの本のことが心のどこかでずっと気になっており、先日、ついにこの本を読みました。

 戦争中、南方の戦線で負傷し、野戦病院で生活するある日本兵の視点で、小説は展開します。

 戦場で仲間が次々に撃たれ亡くなっていきます。野戦病院でもマラリアなどで次々に仲間が亡くなります。

 「指の骨」とは、亡くなった兵士の遺品として衛生兵が遺体から指の骨を取っていたことからつけられたものだと思います。

 この作品は、35歳の高橋さんが、同年代の70年前の日本兵になりきって、南方の戦場をリアルに書き上げた秀作です。

 昭和6年生まれの私の父は戦争には行っていません。父は、8年前に亡くなりました。

 戦後70年となる今年、戦争体験を語ることのできる方が少なくなっています。

 戦争を知らない世代が戦争のリアルを書いた本作を多くの若い皆さんに読んでほしいと思いました。

 同時に、この本は安倍総理にも読んでほしいと思いました。

 戦場で人が死ぬとはどういうことなのか、戦後70年になるこの夏、国民みんなで考える時だと思います。

 戦争法案の問題を考えていく上でも、この作品は、一つの教材になると思いました。

 一人でも多くの方に「指の骨」を読んでほしいと思います。

 高橋さんの二作目「朝顔の日」は、第153回芥川賞候補となりました。

 この作品は発刊されたばかりですが、読んでみたいと思います。

 この夏、戦争と平和について考えたいと思っています。