議員日誌

「梅原猛の授業 仏教」を読む

 梅原猛さんが、中学生に授業した内容を書籍にした「梅原猛の授業 仏教」を読みました。

 生きる指針ともなる良書でした。

 学ぶことの多い本著でしたが、いくつかの点について紹介したいと思います。

 第一は、教育勅語についての梅原さんの認識です。

 「教育勅語には終身教育の原理が盛り込まれていますが、これを見ると、そのなかに仏教の思想はほとんどありません。ずーっと長いあいだ日本人の心を養ってきた仏教がなくなった。そこにあるのは、儒教を変形した忠君愛国の思想です。それに神道の思想がちょとだけ加わっている。けれども教育勅語の本当の思想は儒教でも神道でもなく、実は西欧から取り入れた十九世紀の国家主義思想で、それを儒教と神道で少し色をつけたにすぎないのです。」

 教育勅語の復活を叫ぶ声が多く聞かれますが、その方々にも知ってほしい視点です。

 第二は、マルクスについての梅原さんの認識です。

 「マルクスの資本主義批判は、私は当たっているところがあると思う。いまアメリカはマルクスの批判したような国になろうとしている。そういうときに今度の事件が起った。(同時多発テロ事件)事件の標的は世界貿易センタービル、まさに資本主義の中心です。それと国防省、これはアメリカの権力の象徴です。その二つが崩れた。これは私は、テロの計画者がねらった以上の効果があったと思いますね。」

 現代の社会を考える上でマルクスの思想が欠かせないことを梅原さんが指摘しています。

 第三は、多神論に対する梅原さんの認識です。

 「多神論は正義より寛容の徳を大切にします。いま世界で求められるべき徳は正義の徳より寛容の徳、あるいは慈悲の徳であると思います。この寛容の徳、慈悲の徳が仏教ではよく説かれています。私は今度の事件(同時多発テロ事件)で、前より以上に仏教が好きになりました。」

 梅原さんが指摘する「正義より寛容」の思想が、日本の政治に今、強く求められていると思います。

 これからも梅原さんの書籍を少しづつ勉強していこうと思います。

 梅原猛さんの書籍の中でお勧めの本があったらお教え下さい。

 

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