月別アーカイブ:2008年8月

広島・長崎63年

 広島に原爆が投下されて63回目の夏を迎えました。ラジオから原爆慰霊祭の様子が流れてきました。小学生が平和のメッセージを訴えていましたが、その中に「行ってきます。お帰りという当たり前の日常を原爆は奪った」というくだりがありました。私は、この言葉に朝から胸を打たれました。先日のテレビでの原爆特集では、広島で、全校児童の8割以上が原爆で亡くなった小学校があったことを報じていました。あの日、広島や長崎で何が起きたのか、繰り返し繰り返し学び、二度と悲劇を繰り返さないことを誓う一週間にしたいと思います。

 世界は、核廃絶に動いていることが今日の特徴ではないでしょうか。その象徴が、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された米元政府高官4氏の論文です。この論文は、キッシンジャー元国務長官、ナン元上院軍事委員長、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官の4氏が昨年1月に発表したものです。「核保有国の指導者とともに核兵器のない世界という目標を共通の事業に考える」よう米国に求めました。そして、昨年に続き今年も4氏は次のような論文を発表しました。

 「1年前、われわれは、本紙への寄稿で、核兵器が潜在的な危険な手に拡散することを防止し、最終的に世界への脅威であることを終わらせるため、核兵器への依存を減らす地球規模の取組みを呼びかけた。」

 米国のNGOの調査で、2003年3月以降の米軍主導のイラク戦争による二酸化炭素排出量は少なくとも1億4千百万トンに達することが分かりました。これは、世界の最貧国50カ国の年間排出量の総計に匹敵します。

 近年、地球温暖化が人類の死活問題であると議論が進んでいますが、まさに、戦争をなくすことこそが人類を守る道であることがこの調査で明らかになりました。世界に今も2万6000発の核兵器がありますが、核兵器が使用されたら、二酸化炭素の排出云々の話しではすみません。核兵器の使用こそ、人類の死活に直結する問題であることを再認識する1週間にしたいと思います。米元政府高官4氏の論文は人類に対しこのことを警告したのです。

 しかし、唯一の被爆国である日本政府の姿勢はどうでしょう。4月の参院外交防衛委員会でわが党の井上議員は、この米元高官の提言をどう受け止めるか高村外相に質問しました。高村外相は、「核抑止力を含めた米国の抑止力は、わが国の安全を確保する上で極めて重要な役割を果たしている」と答えました。

 福田首相は、今日の原爆慰霊祭で、「核兵器廃絶に全力を尽くす」と発言しました。しかし、「米国の核抑止力は重要な役割」と発言する外相を留任するようでは、首相の核兵器廃絶の決意はいかばかりかと疑います。

 日本政府は、アメリカいいなりではなく、唯一の被爆国の政府として、本気で核兵器廃絶のために、世界の先頭に立つべきです。このことを政府に求める1週間にしたいと思います。

厚東川通信No235(2008年8月15日号)

知事選挙をたたかって 2008年8月4日


日本共産党山口県委員会委員長 山本丈夫
 
  選挙戦の評価は福江候補の大健闘と言える。現職は全自治体で減票して、県政運営の姿勢に県民の批判が大きいことを示した。岩国市などの結果は、知事への厳しい審判の象徴だ。国の悪政が県民を直撃しているとき、「権限がない」の言い逃れは通らない。県民に優しい県政を求めていく。

 

後期高齢者医療に対し不服審査請求を集団提出

 

 ついに山口県でも後期高齢者医療へ不服審査請求が行われました。音頭を取ったのは、山口県社会保障推進協議会です。藤本県議は、昨日行われた不服審査請求の集団提出に同席しました。
 第一次の不服審査請求を行ったのは、一〇一名。内訳は、下関市四一名、山陽小野田市五名、山口市五〇名、宇部市五名です。
 不服審査請求の理由には、「加入手続きは、行政上の処分であるが、事前に本人に説明もなく、加入の意思確認もなかった。そればかりか加入手続きをしたとの通知さえもなく、一方的に強制されたものである。」と書かれてあります。
 集団提出に参加された方は、口々に、「黙って、年金から後期高齢者医療の保険料を天引きすることは許せない。」と怒りを露わにされていました。また、後期高齢者医療審査会の場で、直接、意見陳述をさせてほしいと訴えました。
 国重医務保険課長らは、「審査会は、直接、請求者の意見を聴くことが出来ると法律で定められている。」と答えました。また課長らは、県の審査会の要綱は、今後、審査会の中で決めていくとも答えました。
 山口県の審査会は、要綱で、請求者が直接意見陳述出来るよう定めるべきです。
 県社会保障推進協議会は、9月上旬に、第二次の不服審査請求の集団提出を計画しています。ぜひ、多くの方がこの運動に参加していただき、後期高齢者医療制度を廃止に追い込みましょう。

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 申請の集団提出の様子(前列左端が藤本県議)

 

6月県議会報告シリーズ③

 

遅れている学校耐震化を急げ

 

 藤本県議は、国会で成立した学校耐震化を促進する法案を生かし、一気に学校の耐震化を促進すべきと質しました。これに藤井教育長は「県教委としては、国の制度を活用して、対象となる危険性の高い学校施設を優先的な事業着手と、早期耐震化に向けた計画の前倒しを、市町教委に要請している」「庁内にプロジェクトチームを設置して、市町ごとの個別の課題に応じた技術支援などの検討を行っていく」と答えました。

 

一気

 

県知事選挙は、二井氏の勝利となりました。選挙結果についていくつかの特徴がありました▼第一は、福江氏が大健闘したと言うことです。福江さんは、前回よりも得票数で、三三四三八票、率で八、四八%伸ばしました。これは、八〇年以降八回の知事選挙で革新候補が得た得票率のベスト二となります▼第二は、福江氏の得票の伸びが東部地域で顕著だということです。得票数を前回と比較すると、岩国市で二.〇一倍、周防大島町で一.七六倍、和木町で一.五倍という状況でした。これは、岩国地域で依然、空母艦載機部隊移転反対の大きな世論があることを示すものだと思います▼第三は、二井氏が多くの市町で票を減らしたことです。二井氏は、全体で、五三七九八票減らしました。その内、岩国市で、一〇三〇七票減らしたことが特徴的です。

後期高齢者医療への不服審査請求

 ついに山口県でも後期高齢者医療へ不服審査請求が行われました。音頭を取ったのは、山口県社会保障推進協議会です。私は、昨日行われた不服審査請求の集団提出に同席しました。

 第一次に不服審査請求を行ったのは、101名。内訳は、下関市41名、山陽小野田市5名、山口市50名、宇部市5名です。

 不服審査請求の理由にはこう書かれています。

 「上記加入手続きは、行政上の処分であるが、事前に本人に対する説明もなく、加入の意思確認もなかった。そればかりか加入手続きをしたとの通知さえもなく、一方的に強制されたものである。上記処分の根拠となったのは、高齢者の医療の確保に関する法律第四章第二節五十条(被保険者)であるが、年齢とは本人の意思にもとづく選択の余地のないものである。その年齢で区分して、特定の医療保険制度の被保険者としたことは、憲法14条の「法の下の平等」に反するものである。また、加入に際して、本人の意思確認や自発的な手続きを経ていない。これは、憲法13条の「個人の尊重」に反するものである。また、生存を脅かす保険料の賦課及び医療の制限は、憲法25条の「生存権」保障に反するものである。憲法に違反する上記処分の取り消しを求めるものである。」

 集団提出に参加された方は、口々に、「黙って、年金から後期高齢者医療の保険料を天引きすることがは許せない。」と怒りを露わにされていました。また、後期高齢者医療審査会の場で、直接、意見陳述をさせてほしいと訴えました。

 国重医務保険課長らは、「審査会は、直接、請求者の意見を聴くことが出来ると法律で定められている。」と答えました。また課長らは、県の審査会の要綱は、今後、審査会の中で決めていくとも答えました。

 山口県の審査会は、要綱で、請求者が直接意見陳述出来るよう定めるべきだと思います。

 県社会保障推進協議会は、9月上旬に、第二次の不服審査請求の集団提出を計画しています。先述した不服審査請求の理由に賛同された皆さんは、私に一報下さい。ともに、たたかい、後期高齢者医療制度を廃止に追い込みましょう。

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 不服審査請求の集団提出の様子(前列左端が私)

県知事選挙の結果について

 県知事選挙が終わりました。二井氏の勝利となりました。私は、福江氏を応援したものとしてとても残念です。福江氏に寄せていただいた多くのご支援に感謝しつつ、私なりに、今度の選挙のいくつかの特徴について、ランダムに書いてみたいと思います。

 まず、私は、選挙結果について3つの特徴があったと思います。第一は、福江氏が健闘したと言うことです。福江さんは、前回よりも得票数で、33438票、率で8、48%伸ばしました。これは、80年年以降八回の知事選挙で革新候補が得た得票率のベスト2となります。(第一位は、88年、細迫朝夫氏の29.07%)

 選挙結果の第二の特徴は、福江氏の得票の伸びが東部地域で顕著だということです。得票数を前回と比較すると、岩国市で2.01倍、周防大島町で1.76倍、和木町で1.5倍という状況でした。これは、岩国地域で依然、空母艦載機部隊移転反対の大きな世論があることを示すものだと思います。上関町では、福江氏が得票を70票減らしましたが、福江氏は依然、28.04%の高い得票率を維持しています。このことは、この地域に原発反対の批判が根強いことを示しています。

 選挙結果の第三の特徴は、二井氏は、上関町以外の全ての市町で票を減らしたということです。二井氏は、全体で、53798票減らしました。その内、岩国市で、10307票減らしたことが特徴的です。二井氏は選挙戦で、岩国基地問題に対して「知事には権限がない」との発言に終始しましたが、今後、このような対応では岩国地域の住民は、許さないことを示しているのではないでしょうか。

 次に、投票率についてです。投票率は、過去最低を更新しました。私は、この低投票率を生んだ背景として3つ揚げます。

 第一は、二井氏の争点そらしです。福江氏は、今度の選挙は、①米軍岩国基地への空母艦載機部隊の移転問題②上関原発計画問題③後期高齢者医療制度問題が争点だと鮮明に示しました。しかし、二井氏は、先述したように、「知事には、権限がない」と争点そらしに終始しました。今朝の朝日新聞にこのことが、「米軍岩国基地への空母艦載機移転や上関原発計画は公約にも盛り込まず争点化を避け、福祉氏の批判をかわした。」と書かれています。争点そらしが低投票率の遠因になったのではないでしょうか。

 第二は、オール与党のなれあい態勢が今度の選挙も二井氏を支えたということです。この点も朝日新聞は、「自民党県連や公明党県本部が推薦を決め、民主党県議も大半が支援。これまでと変わらない『相乗り』態勢を築いた。」と書いています。オール与党によるなれあい態勢が、政府不信を広げ、低投票率の遠因になったのではないでしょうか。

 第三は、選挙制度の弊害です。日本ほど選挙の自由が認められていない国はないと言われています。選挙中は、ビラには、候補者名は書けません。動かせる車も候補者カーと届出団体の宣伝カーだけです。ですから、広い山口県で、両陣営の合計で、4台しか車から政策を訴える音が出せないことになります。いくら、「投票に行きましょう。」という一般的な広報を尽くしても、何が争点で、何が議論されているのかが有権者に伝わらなければ、投票行動に結びつかないのではないでしょうか。

 私もこの選挙戦、数回、候補者カーと届出団体の宣伝カーに乗って訴えましたが、「県内に4台の宣伝カーでは、政策論戦を巻き起こすのは難しい」ことを痛感しました。両陣営が、節度は持ちつつも大いに論戦を交わす場を大いに保障していくことなしに、今後の投票率の向上は望めないとのではないかと今度の選挙で感じました。

 逆説すると、その限られた論戦の場の中で、福江氏は、健闘し、岩国問題などを争点に浮かび上がらせたと言えると思います。

 投票に行った方も行かなかった方も、今度の知事選挙をどう感じたのか、私に意見をお聞かせください。

「おいでませ吉部」オープン

 本日、私の故郷宇部市旧楠町の「吉部」に「おいでませ吉部」がオープンしました。世話人の方から案内をいただき、家族一緒に行ってきました。

 「おいでませ吉部」は、農産物などの直売場と食堂が一緒になった施設です。場所は、吉部農協の購買部の跡です。私も子どもの頃から通いなれた場所でとても懐かしい想いでした。

 この購買部(生活センター)は、数年前から閉鎖されていましたが、地元の方々が力を集めて、今日の「おいでませ吉部」のオープンとなりました。

 私が行ったのは、11時頃でしたが、大変な賑わいでした。笑い声が絶えず、吉部に活気が戻ったことを嬉しく思いました。

 「おいでませ吉部」は、毎週日曜日、水曜日に開催され、営業時間は、午前7時から午後2時までです。食堂は、午前11時からです。皆さん吉部を通られたらぜひ寄ってみて下さい。よろしくお願いいたします。

 来週の日曜日、10日の午後2時から、吉部ふれあいセンターで「農業の再生を考えるシンポジウム」を開催しますが、この案内ビラを「おいでませ吉部」に置いていただきました。

 中山間地域が元気にならないと山口県は元気になりません。その中心にある農業が元気にならないと、山口県は元気になりません。10日は、元気の出るような議論を行えたらと思っています。10日に吉部で開催する農業の再生を考えるシンポジウム(詳しくは、本ブログのトピック参照)にも多数の皆さんのご参加をお待ちしています。

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       おいでませ吉部の外観

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           食堂の様子

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          農産物直売所の様子

山口県PTA指導者研修会に参加しました。

 本日、県教育委員会主催の「山口県PTA指導者研修会」に参加しました。

 所管説明や事例発表の後、福岡教育大学の井上豊久教授の講演会が行われました。井上先生のお話は、大変参考になりました。井上先生は、世界各国の教育視察を行った経験を話されました。ヨーロッパでは、父親が積極的に育児に参加できる体制があること、少人数学級でゆきとどいた教育が行われていることを話されました。特に、学力世界一と言われているフィンランドでは、父親が約50分、子どもに読み聞かせをしているそうです。

 また、日本の子どもたちのメディアの影響についても話されました。テレビ、ゲーム、コンピューター、ケータイなど、子どもたちがメディアに接している時間は、小中学生の過半数が4時間以上になっていると報告されました。コンピュータでは、感情を司る前頭葉が発達しずらいことが最近の研究で明らかになっていることも語られました。

 日本の子どもたちの睡眠時間が短いこと、体力が低下していることもメディアと接する時間が長いことが原因だと話されました。

 日本の教育にとって必要なのは、子どもの発達に社会が責任を持つということではないでしょうか。

 98年、国連子どもの権利委員会は、日本に対して、「高度に競争的な教育制度により、ストレスにさらされ、かつその結果として余暇、身体的活動および休息を欠くにいたっているため、子どもが発達障害におちいっていることを懸念する。」と所見を出しました。

 日本子どもたちを取り巻くこの状況は、改善されるどころか、深刻さを増しているのではないでしょうか。

 親も子どもも競争に晒され、発達障害におちいっている状況が広がっています。

 子どもの発達を保障するために、親の労働環境を改善する。そして、子どもの教育環境を改善する。この二つの改善が急務だということを、研究会で井上先生の話を聞いて痛感しました。