本日、県教育委員会主催の「山口県PTA指導者研修会」に参加しました。
所管説明や事例発表の後、福岡教育大学の井上豊久教授の講演会が行われました。井上先生のお話は、大変参考になりました。井上先生は、世界各国の教育視察を行った経験を話されました。ヨーロッパでは、父親が積極的に育児に参加できる体制があること、少人数学級でゆきとどいた教育が行われていることを話されました。特に、学力世界一と言われているフィンランドでは、父親が約50分、子どもに読み聞かせをしているそうです。
また、日本の子どもたちのメディアの影響についても話されました。テレビ、ゲーム、コンピューター、ケータイなど、子どもたちがメディアに接している時間は、小中学生の過半数が4時間以上になっていると報告されました。コンピュータでは、感情を司る前頭葉が発達しずらいことが最近の研究で明らかになっていることも語られました。
日本の子どもたちの睡眠時間が短いこと、体力が低下していることもメディアと接する時間が長いことが原因だと話されました。
日本の教育にとって必要なのは、子どもの発達に社会が責任を持つということではないでしょうか。
98年、国連子どもの権利委員会は、日本に対して、「高度に競争的な教育制度により、ストレスにさらされ、かつその結果として余暇、身体的活動および休息を欠くにいたっているため、子どもが発達障害におちいっていることを懸念する。」と所見を出しました。
日本子どもたちを取り巻くこの状況は、改善されるどころか、深刻さを増しているのではないでしょうか。
親も子どもも競争に晒され、発達障害におちいっている状況が広がっています。
子どもの発達を保障するために、親の労働環境を改善する。そして、子どもの教育環境を改善する。この二つの改善が急務だということを、研究会で井上先生の話を聞いて痛感しました。
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