議員日誌

県知事選挙の結果について

 県知事選挙が終わりました。二井氏の勝利となりました。私は、福江氏を応援したものとしてとても残念です。福江氏に寄せていただいた多くのご支援に感謝しつつ、私なりに、今度の選挙のいくつかの特徴について、ランダムに書いてみたいと思います。

 まず、私は、選挙結果について3つの特徴があったと思います。第一は、福江氏が健闘したと言うことです。福江さんは、前回よりも得票数で、33438票、率で8、48%伸ばしました。これは、80年年以降八回の知事選挙で革新候補が得た得票率のベスト2となります。(第一位は、88年、細迫朝夫氏の29.07%)

 選挙結果の第二の特徴は、福江氏の得票の伸びが東部地域で顕著だということです。得票数を前回と比較すると、岩国市で2.01倍、周防大島町で1.76倍、和木町で1.5倍という状況でした。これは、岩国地域で依然、空母艦載機部隊移転反対の大きな世論があることを示すものだと思います。上関町では、福江氏が得票を70票減らしましたが、福江氏は依然、28.04%の高い得票率を維持しています。このことは、この地域に原発反対の批判が根強いことを示しています。

 選挙結果の第三の特徴は、二井氏は、上関町以外の全ての市町で票を減らしたということです。二井氏は、全体で、53798票減らしました。その内、岩国市で、10307票減らしたことが特徴的です。二井氏は選挙戦で、岩国基地問題に対して「知事には権限がない」との発言に終始しましたが、今後、このような対応では岩国地域の住民は、許さないことを示しているのではないでしょうか。

 次に、投票率についてです。投票率は、過去最低を更新しました。私は、この低投票率を生んだ背景として3つ揚げます。

 第一は、二井氏の争点そらしです。福江氏は、今度の選挙は、①米軍岩国基地への空母艦載機部隊の移転問題②上関原発計画問題③後期高齢者医療制度問題が争点だと鮮明に示しました。しかし、二井氏は、先述したように、「知事には、権限がない」と争点そらしに終始しました。今朝の朝日新聞にこのことが、「米軍岩国基地への空母艦載機移転や上関原発計画は公約にも盛り込まず争点化を避け、福祉氏の批判をかわした。」と書かれています。争点そらしが低投票率の遠因になったのではないでしょうか。

 第二は、オール与党のなれあい態勢が今度の選挙も二井氏を支えたということです。この点も朝日新聞は、「自民党県連や公明党県本部が推薦を決め、民主党県議も大半が支援。これまでと変わらない『相乗り』態勢を築いた。」と書いています。オール与党によるなれあい態勢が、政府不信を広げ、低投票率の遠因になったのではないでしょうか。

 第三は、選挙制度の弊害です。日本ほど選挙の自由が認められていない国はないと言われています。選挙中は、ビラには、候補者名は書けません。動かせる車も候補者カーと届出団体の宣伝カーだけです。ですから、広い山口県で、両陣営の合計で、4台しか車から政策を訴える音が出せないことになります。いくら、「投票に行きましょう。」という一般的な広報を尽くしても、何が争点で、何が議論されているのかが有権者に伝わらなければ、投票行動に結びつかないのではないでしょうか。

 私もこの選挙戦、数回、候補者カーと届出団体の宣伝カーに乗って訴えましたが、「県内に4台の宣伝カーでは、政策論戦を巻き起こすのは難しい」ことを痛感しました。両陣営が、節度は持ちつつも大いに論戦を交わす場を大いに保障していくことなしに、今後の投票率の向上は望めないとのではないかと今度の選挙で感じました。

 逆説すると、その限られた論戦の場の中で、福江氏は、健闘し、岩国問題などを争点に浮かび上がらせたと言えると思います。

 投票に行った方も行かなかった方も、今度の知事選挙をどう感じたのか、私に意見をお聞かせください。

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