昨日の山口新聞は、夜間中学の問題を次のように報じました。
「不登校などで学校に通えなかった人が再び学びの場を確保できるようにするため、文部科学省が来年度予算の概算要求に、夜間中学に関連する経費として本年度の3倍近い1億3千万円程度を盛り込む方針を固めたことが24日分かった。夜間中学については、在留外国人が増える中で、義務教育を終えず来日した人の学習の場としても需要が高まっている。文科省は全都道府県と政令市で設置を目指しており、新設を検討する自治体を手厚く支援する。夜間中学は戦後、生活困窮のため昼間に働く少年や少女らのために誕生し、多い時は全国に80校以上あった。近年になって再評価され、いじめを受け、ほとんど授業を受けず中学校を卒業した『形式卒業者』に門戸を開いた。2016年12月、設置を促す教育機会確保法も成立した。今年4月、千葉県松戸市と埼玉県川口市に新たに夜間中学が開校。『各都道府県に少なくとも1校設置』を促進すると閣議決定されているが、現在のところ、9都府県の33校にとどまる。文科省によると、茨城県常総市や徳島県、高知県などが具体的な時期を挙げて新設を表明しているが、多くの自治体では検討が進んでいない。」
文科省の資料では、夜間中学校が設置されているのは、8都府県25市区31校です。今年度開校した二校を入れると、9都府県27市区33校となります。
今後は、高知県、徳島県、茨城県、北海道、静岡県で、設置に向けた具体的な動きがあるようです。
そうなると、近い将来13都道府県に設置されることになります。
文科省の「夜間中学の設置推進・充実に向けて(案)」によると、「全国に義務教育未修了者が12万8千人以上いる」とあります。
文科省は、「全ての都道府県に少なくとも一つの夜間中学が設置されるよう、引き続き促進する」「都道府県・指定都市等を対象に夜間中学の意義や実態、設置のプロセス等について理解を深める効果的な説明会を開催する」などとしています。
文科省は、2018年8月「第三期教育振興計画等を踏まえた夜間中学等の設置・充実に向けた一層の推進について(依頼)」を各都道府県教育委員会」に送っています。
文書は、市町教委への周知徹底を求めています。
山口県内にも多くの義務教育未修了者の方がおられます。不登校などで学校に通えなかった方や在留外国人など夜間中学の開設を心待ちにしている方も多いと思います。
私は、県教委のこれまでの取組みを調査し、県内に一日でも早く夜間中学が設置されるよう必要な発言を行う決意です。
夜間中学に関する皆さんのご意見をお教え下さい。
昨日、山口市民会館で行われた山口県などが主催した「人権ふれあいフェスティバルIN山口」に参加しました。
オープニングステージは、県立山口高校書道部が「『望郷』~中原中也と故里山口~」と題してパフォーマンスを披露しました。
オープニングセレモニーでは、人権に関する児童生徒のポスターの表彰が行われました。
アトラクションでは、山口市立川西中学校有志合唱団が4曲を披露しました。
私が印象に残ったのは、竹内まりあの「いのちの歌」という曲でした。
「いつかは誰でも この星にさよならする時がくるけれど 命は繋がれていく 生まれてきたこと 育ててもらえたこと
出会ったこと 笑ったこと そのすべてにありがとう この命にありがとう」
中学生の歌声と歌詞の重さに思わず涙しました。
午後からは講演会が行われました。講師は、ダイビーノン代表の飯田亮瑠さんです。演題は「性別で見る多様性と人権」です。
飯田さんは、生物学的性別は女性として生まれましたが、性自認は男性であるというトランスジェンダーとしての生きづらさを次のように語りました。
「『本当の自分』が脱げない着ぐるみに閉じ込められているみたいだった。」
大学生の時に性の多様性について学んだ飯田さんは「社会・環境は変えられることを経験した」と語ります。
飯田さんは、オリンピック憲章の定める権利及び自由について「人権、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」と書かれてあると説明しました。
オリンピック憲章に性的指向による差別の禁止が明記されたのは2014年からです。来年オリンピックを開催する日本では、オリンピック憲章を活かす取り組みが更に求めらていると感じました。
性の多様性について過去は、治療や指導の対象だったと話す飯田さんは、現代の認識について「自分の性を生きることは人権である」との認識になった」と語ります。
飯田さんは私たちが偏見から抜け出すポイントとして三つ挙げました。
第一は、選択してそうしているわけではない。
第二は、わがままや反抗でしているわけではない。
第三は、家族や育ちの環境によるわけではない。
その上で、飯田さんは、「人権課題を知り、想像して、行動できる」ことが大切だと語ります。
飯田さんは、日本でLGBTのいずれかの属性に該当すると感じている人の割合を7.6%=13人に一人だと説明しました。(2015年4月電通総研によるLGBTの調査)
この数字は、日本人の苗字上位7位まで(佐藤、鈴木、高橋、田中、伊藤、渡辺、山本)の合計とほぼ一致するそうです。
「LBGTの方々がマイノリティーとは言えない」と話した上で飯田さんは、「人それぞれに性があり、自分も多様性の中の一人である」と考えるべきではないかと語りました。
展示ホールに、県内全ての市町の本人通知登録申請書が置かれていました。
宇部市など多くの自治体では性別欄を無くしていました。
飯田さんは、戸籍上の名前も変えておられます。しかし、昔の名前を書いていた当時「手がふるえた」と当時を振り返ります。
「自分の性を生きることは人権である」と感じられる地域にしていくために、「知り、想像し、行動」していきたいと感じました。
フェスティバルの最後は、ラッキー兄妹マウンテンマウスのコンサートが行われました。
「おかえり」という曲に感動しました。
この曲は更生保護を支援する歌です。
「一人の周りには、たくさんの人の助けと支えがあって、みんなの想いが一つになって 初めて新しい未来へと踏み出せるのです さあ手をつなごう」
素晴らしい歌詞でした。
私は、西宇部校区の人権教育推進委員協議会の会長として、人権が大切にされる地域づくりを進めるために、昨日学んだことを少しづつ活かしていきたいと思いました。
行事を開催された皆さんに感謝いたします。
この夏、真宗大谷派圓光寺住職である大東仁さんの著作「元来宗教家ハ戦争ニ反対スベキモノデアル 反戦僧侶・植木撤誠の不退不転」を読みました。
大東さんは、「はじめに」の中で、本書の意義を次のように書いています。
「明治時代の日清・日露戦争。大正時代の第一次世界大戦。昭和時代の『満州事変』、日中戦争、アジア・太平洋戦争。真宗大谷派は仏教組織であるにもかかわらず、すべての戦争を肯定し、協力していました。昭和の戦争時代だけでも、大谷瑩潤・宮谷法含・武内了温などの本山職員。金子大栄・曽我量深・河崎顕了などの仏教学者。布教使としては暁烏敏など、戦争協力で名を馳せた僧侶はたくさんいます。彼らの『活躍』は教団にもたくさんの利益をもたらしました。ところが一方では、教団や国家を裏切り、仏教・浄土真宗の教えに従って戦争反対を訴え続けた真宗大谷派僧侶がいます。つまり、仏様の味方になり、僧侶の敵になったということです。それは和歌山の高木顕明(日露戦争)、岐阜県の竹中彰元、そして三重県の植木徹誠(本名・植木徹之助)の三人です。たった三人ですが真宗という『真実』を守り続けていたのです。この三人に共通していた価値観は『平和と平等』です。彼らの姿勢には、反戦と反差別が存在します。仏教に『平和と平等』が存在するのは当たり前のことです。しかし現実の仏教界には存在しませんでした。『仏教は机上の空論』、こんな批判も成り立ちます。しかし空論ではありません。現実世界に表すことができることを証明した僧侶がいたのです。」
大東さんは、高木顕明と竹中彰元に関する評伝を書き上げ、そして、この程、「植木徹誠」に関する評伝を上梓したのです。
昭和の爆笑王の一人である植木等さんの父親が植木徹誠です。
植木等さんは「夢を食い続けた男 おやじ徹誠一代記」を書いています。
この本は私の書棚にもあり、この本のことは本ブログでも紹介したことがあると思います。
さて、撤誠は、1938年に逮捕されます。徹誠の「犯罪」は水平社の活動をしたこと、全国農民組合支部を結成したこと、社会大衆党支部を結成したことです。
撤誠の言動を特高警察が、聞き取り「特高外事月報」として残されています。
徹誠が、真宗僧侶として発言した部分を大東さんが本書に書いている部分を紹介します。
「人間ハ世界中皆同ジ関係ニアルノヤデ、戦争ヲシテ殺シ合ヒスルト云フ様ナコトハ馬鹿ナコトデ、本当ニ人ガ人ヲ殺スト云フ様ナ事ハムゴタラシイ事ヤ。」
「戦争トイウモノハ、人生ノ最悪ナコトダカラ、宗教的ニ考ヘテモ避ケネバナラヌ。」
「宗教家ガ戦争ヲ弁護スルノハ矛盾シテヰル。宗教家ガ戦争ヲ弁護スルトハ恐入ッタ。元来宗教家ハ戦争ニ反対スベキモノデアル。」
素晴らしい言葉だと思います。
大東さんは、戦後の徹誠について次のように書いています。
「1962年、徹誠は日本共産党に入党します。そして1963年から1968年に目黒民主商工会の会長を勤めました。」
徹誠は、私にとって二つの大先輩でした。
宗教上の大先輩であると同時に、党員としての大先輩でした。
安倍政権の元で戦争する国づくりが強硬に進められています。
このような時代だからこそ、「平和と平等」を貫いた植木徹誠から学ぶものは大きいと思います。
大東さんの他の著作「戦争は罪悪である-反戦僧侶・竹中彰元の叛骨」「大逆の僧 高木顕明の真実-真宗僧侶と大逆事件」も読み進めていきたいと思います。
これからも、平和な世が続くように仏教を少しづつ学んでいきたいと思います。
この間、宇部市内の県道や市道の改善を要望してきましたので報告します。
まず、県道からです。
第一は、県道小野田美東線と県管理国道490号線の合流部に関する要望です。
当該地域の県道及び国道の白線がほとんで消えた状態で、改善を求める要望が私に寄せられました。
宇部土木建築事務所維持管理課に要望を伝えたところ「改善していきたい」との回答でした。
道路の白線がほとんど消えている国道490号
第二は、県道美祢・小郡線に関する要望です。
猪が泥を掘り起こし、道路側溝が埋まってしまいました。
その結果、雨水が道路に流れ込むようになり、改善してほしいという要望が私に寄せられました。
宇部土木建築事務所に改善を求めたところ、「改善したい」との回答が寄せられました。
側溝が埋まり、雨水が道路に流れている県道
次に市道に関する問題です。
市道の第一は、県道小野田美東線と市道国近口ノ坪線との交差点に関する要望です。
降雨時、通学路になっている道路に水たまりが出来ているので改善してほしいという要望が私に寄せれました。
市道部分の水たまりが大きいということで、市道路整備課に改善を要望しました。
通学路に水たまりが出来ている市道
担当者は、「現地を調査したい」と答えました。
市道の第二は、市道里の尾線に関する要望です。
視覚障害を持った方から、市道側溝に転落する危険を感じるとの要望が寄せられました。
宇部市道路整備課に要望を伝え、この程、側溝を暗渠にする工事が行われました。
側溝に転落する危険があるとの要望が実現
県道や市道に関する要望がありましたら、藤本にお寄せ下さい。
月刊「保育情報」No.513は、保育料等の「無償化」の一方、補助対象から外れる副食費について地方自治体の補助が広がる実態を次のように報じています。
「『無償化』対象から外れ、新たに実費徴収化される2号認定こどもの副食(材)費については、徴収義務が付加される保育所にのみ責任を押し付ける問題点等を指摘してきました。この課題を解消するためにも、子どもに平等で豊かな食を保障する観点から、自治体が独自補助事業を創設し、副食(材)費を無償ないし軽減することが求められています。徐々にその動きが広まっているようです。」
全国民間保育園経営研究懇話会のホームページは、保育園等の副食費への自治体の対応について、7月31日付けの新着情報で以下のように報じています。
「国は、各施設が副食材費を実費徴収すると定めました。これに対し、独自の対策を検討している自治体も出てきました。兵庫県加西市では、保育所・認定こども園等で3~5歳児の副食費を実費徴収せず無料にします。明石市でも保育所・認定こども園の3~5歳児の副食費について、『明石市独自の補助を行い、無償化する』方針が示されています。県レベルでは、秋田県が市町村を実施主体とする、県の副食費助成事業を創設します。」
秋田県では、6月県議会に副食費助成事業を提出しています。
秋田県の資料によると、保育所(2号認定)の3歳~5歳児であり、世帯年収360万以上の子どもの副食費は、これまで保育料に含まれていましたが、「無償化」後、月額4500円実費徴収となります。
また、幼稚園(1号認定)の3歳~5歳児であり、世帯年収の360万円以下の子どもの副食費は、これまで実費徴収でしたが、「無償化」後、全額無償化となります。
秋田県は、県2分の1、市町2分の1の負担割合で、副食費助成制度を創設しました。
対象は、保育所(2号認定)の3歳~5歳児であり、世帯年収360万円以上の子どもの副食費を月4500円を上限に補助するものです。
幼稚園(1号認定)においても、3歳~5歳児であり、世帯年収360万円以上の子どもの副食費を保育園同様に補助するものです。
山口県内で、同様の補助を行う自治体の有無について情報は得ていません。
また、秋田県以外の都道府県で、同様の補助を行う自治体の有無についての情報は得ていません。
しかしながら、子育て日本一を標榜する山口県は秋田県と同様の制度を創設すべきです。
この問題は、引き続き、県内や全国の状況を注視し、しっかり調査を行いながら、県政に必要な発言を行う決意です。
この問題に関する情報やご意見を藤本までお寄せ下さい。
今朝の山口新聞は、防衛省のイージス・アショアの再調査について次のように報じました。
「防衛省は、今月中にも業者の選定手続きを開始する予定。ずさんな調査で批判を浴びた反省から『スピードよりも正確性を重視』(同省関係者)し、慎重に進める。再調査では、新屋演習場を含め東北地方の20カ所の実地測定などを行う。むつみ演習場についても、標高データのずれが指摘された周辺の高台を実測する。」
防衛省が住民説明会のために作成した今年5月「各種調査の結果と防衛省の検討結果について」と題する資料を基に、防衛省の再調査の問題点を指摘したいと思います。
第一は、西台の標高問題です。防衛省の資料では、69ページです。
本ブログでも紹介したように、防衛省の資料では、576㍍となっています。
しかし、昨年8月の防衛省資料では、571㍍と明記していました。
防衛省はグーグルアースというソフトで標高を計算していましたが、国土地理院のデータは、574㍍となっています。
防衛省は、西台については実測を行う再調査を行うと今朝の山口新聞は報じています。
防衛省のむつみ演習場の再調査が西台の標高の実測だけでは極めて不十分です。
防衛省が再調査しなければならないと私が考える第一の問題は、地下水についてです。
防衛省の資料では、36ページに関わる点です。
7月27日に行われた学術シンポの中で、君波山口大学名誉教授の指摘を本ブログでも紹介しましたが再度紹介します。
「東台の下の地下水を北から南に流しているが、間違いだろう、逆向きの南から北が正解だと思う。」不透水層について「このエリアでボーリング調査がされていないのなら、なぜ、不透水層と言えるのか」
防衛省の資料の地下水の流れの矢印は「イメージ」とも書いているが、イメージでも、分からないことは書くべきではなく、防衛省は、改めて地下水の調査をやり直す必要があると思います。不透水層の有無についても防衛省は再調査すべきです。
防衛省は結論として「周辺の溜池には、地下水(演習場内の地中に浸透した雨水)が流れていないことが分かりました。」としていますが、君波先生は、「ボーリングが基盤まで到達していない」と指摘しています。防衛省は、ボーリング再調査を行うべきです。
防衛省が再調査すべき第二の問題は、電波環境調査についてです。
防衛省の資料は、7ページです。
防衛省の資料では、「電波による周辺への影響はないことが分かりました。」と結論づけています。
しかし、同じページの資料にあるように、レーダーは「中SAMレーダーによる実測値は、電波法令に基づく机上数値を大きく下回りました。」と防衛省が認めている通り、実際に設置される予定のLMSSRのレーダーをもとにした結果ではないのです。
この点は、週刊新潮に掲載された軍事アナリスト豊田穣士さんの指摘を本ブログで紹介しましたが、再度紹介します。
豊田さんは、LMSSRが製造中で完成は約5年後だろうと指摘した上で、「今回使用した中SAM用レーダーの探知距離は、一説によると数百キロ。一方、陸上イージス用のレーダーはその約10倍、数千キロ先の目標を探知できるとされている。」レーダー技術に詳しい専門家によれば『陸上イージス用レーダーの出力は、調査で使用した中SAM用レーダーの100倍は強いという。』」と書いています。
更に、豊田さんは「防衛省は、実際に配備されるレーダーで調査せず、言い換えれば、実際に使用される電波の影響を現地で計測せずに『理論値』と『机上の計算』をもって『LMSSRの電波は安全』である旨、宣言しているのである」と指摘しています。
防衛省は、中SAMレーダーを基に行った電波環境調査を実測調査とし、「電波による周辺への影響はないことが分かりました。」と結論づけましたが、この調査結果では、到底住民の理解を得ることは出来ません。
防衛省は、電波環境調査についても再調査すべきです。
防衛省の陸上自衛隊むつみ演習場での再調査は、西台の標高だけで終わりにさせてはなりません。
以上指摘したように、地下水や電波に関しても再調査をすべきです。
私は、来週行われる日本共産党中国ブロック主催の国会交渉に参加する予定です。
イージス・アショアの問題も取り上げる予定です。防衛省の担当者に再調査項目を増やすよう直接質問していきたいと思います。
イージス・アショアの問題について、引き続き、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。