4月22日、山口県教育庁学校安全・体育課は、市町教育委員会教育長に、「『新しい生活様式』を踏まえた学校の行事基準における地域の感染レベルについて」という通知を発出しました。
県教育庁は通知で、「この度、県教育委員会では、県内の感染者数やPCR検査の状況等を踏まえ、県知事及び県衛生主管部局と協議の上、令和3年4月26日から、県立学校における地域の感染レベルを『レベル1』から『レベル2』に変更することを決定しましたのでお知らせします。」
としました。
県教委は、1月21日に感染レベルを「レベル2」に引き上げましたが、その後、「レベル1」に引き下げ、この度、再び「レベル2」に引き上げました。
本ブログ(1月23日)に記載している通りですが、文科省の「新しい生活様式」を踏まえた学校の行動基準(以下、学校の行動基準)では、レベル2は、身体的距離の確保は「1メートルを目安に学級内で最大限の間隔を取ること」、感染リスクの高い教科活動は感染拡大局面では「感染リスクの高い活動を停止」、部活動は「感染リスクの低い活動から徐々に実施し、教師等が活動状況の確認を徹底」するとしています。
4月21日の現状値でのモニタリング指標で、ステージ3になっているのは、確保病床利用率です。確保病床使用率は、20%以上がステージ3ですが、現状値は25.8%です。
ここ数日、県内で二桁の患者さんが生まれており、他の指標も、ステージ3に近づきつつあるのが現状です。
モニタリング指標がステージ3になると、学校の行動基準もレベル3を検討する段階となります。
山口県内で学校の行動基準がレベル3になれば、身体的距離の確保が「できるだけ2メートル程度」となります。
文科省がレベル3地域の教室を図で示していますが、20人クラスにしなければ、児童生徒間の距離を2メートル程度に保つことはできません。
今、県立学校での感染が猛威を振るい、県内の3つの県立高校と一つの県立中学校が臨時休校する事態となっています。
変異株が猛威を振るい、第4波の本格的到来が懸念されます。
山口県は、学校現場での感染防止の観点から、35人学級から30人学級に移行を検討すべきです。
私の元に、昨年7月、吉部小学校の保護者から次のような要望が寄せられました。
「今小野方面や山中方面から小学校までの間の児童は登校時に船木鉄道くすのき号が利用できるが、藤ヶ瀬から大棚に住む児童が登校時に利用できる公共交通がない。登校時の公共交通を確保してほしい。」
選択肢は3つありました。一つは、船木鉄道くすのき号の路線を増やす方法です。二つは、吉部・万倉地区デマンドバスを運行させる方法です。三つは、楠中学校スクールバスを運行させる方法です。
この間、市総合戦略局交通政策推進グループ・市教育委員会などの行政機関と吉部小学校・関係保護者など教育関係者との協議が行われてきました。
その結果、今年度から、楠中学校スクールバス(吉部便)が7:25分に藤ヶ瀬バス停(児童が乗車)をスタートし、吉部小学校に7:33分(児童が下車)に停車するコースが新たに運行されることになりました。
私は、藤ヶ瀬の児童に向けた公共交通の確保を要請してきた者として、関係者の方々、取り分け、市教委のご理解により、楠中学校スクールバスが藤ヶ瀬を経由することになったことに心から感謝を申し上げたいと思います。
私は、吉部小学校の卒業生の一人でもあります。今後とも、吉部小学校を始め、宇部市北部地域の子どもたちの教育環境の向上のために、大いに発言していきたいと思います。
宇部市北部地域の皆さん方の想いを藤本にお伝えください。
4月22日、長門市と美祢市にまたがる花尾さん付近の上空を飛行中の航空自衛隊築城基地所属のF2戦闘機2機が、接触事故を起こし、機体の一部を落下させる事故を起こしました。
この問題に関し、27日、村岡県知事に対し、日本共産党県議団(木佐木大助団長)、同美祢市議団(三好むつ子団長)、同長門市議会議員(林哲也議員)の連名で、以下の申し入れ書を提出しました。
自衛隊戦闘機接触事故を受けて申し入れ書を武田防災危機管理副課長に渡す私
(右から、私、林長門市議、三好美祢市議、山下美祢市議)
・・・
山口県知事
村岡嗣政様
2021年4月27日
日本共産党山口県議会議員団
団 長 木佐木大助
日本共産党美祢市議会議員団
団長 三好むつ子
日本共産党長門市議会議員
林 哲也
航空自衛隊F2戦闘機の接触事故に関する申し入れ
航空自衛隊築城基地(福岡県築上町など)所属のF2戦闘機2機が、4月22日午後3時7分頃、山口県長門、美祢両市にまたがる花尾山(標高約670㍍)付近の上空を飛行中、接触事故を起こし、機体の一部を落下させました。落ちた部品は見つかっていません。
航空幕僚監部は、この2機はF2B(2人乗り)とF2A(1人乗り)で、前方を飛んでいたF2Bの垂直尾翼にF2Aの先端部分が接触し、垂直尾翼に設置された衝突防止用ランプ(約400㌘)とひも状の放電装置(約5㌘)が落下したと説明しています。
花尾山は、日本海と瀬戸内海の分水嶺に位置し、眺望が優れていることから登山者も多く、周辺には集落も点在しています。一歩、間違えば県民の生命、財産に多大な影響を及ぼす惨事になりかねない事態です。
築城基地所属のF2は2018年11月2日にも同基地の西約200㎞の訓練空域で2機が接触事故を発生させ、2019年2月20日には同基地所属のF2Bが山口県見島沖20㎞の海上に墜落しています。
この3年間余に接触事故と墜落事故を起こし、そのたびに再発防止策がとられていたにも関わらず、再び接触事故を発生させたことは重大です。
よって、下記事項について申し入れます。
《要請事項》
▽政府に対し、今回の事故原因が究明され、再発防止策が講じられるまで飛行訓練の中止を求めること
▽自衛隊に対し、今後、訓練空域への移動に際して、山口県上空を飛行しないよう求めること
・・・
防災危機管理課の武田副課長は、「事故が発生した23日の午後4時半、高橋総務部理事が、築城基地に『航空機の接触事故という重大性に鑑み、原因究明及び再発防止につとめるとともに、航空機の安全管理の徹底等により飛行の安全確保に努める』よう要請した。飛行訓練の中止や山口県上空の飛行中止を基地に求める考えはないが、飛行訓練の見直しは自衛隊が自主的に判断されるものだと考えている。」と答えました。
更に、この問題に関して、私と、美祢市議団(三好むつ子団長)は、篠田美祢市長に対して、村岡知事への要望と同様の要望を行いました。
波佐間美祢副市長に申し入れ書を提出する三好むつ子美祢市議(右中央・右手前山下市議、右奥が私)
対応した波佐間副市長は、「事故当日、防衛局からの連絡を受け、築城基地に対して、事故に関し再発防止と原因究明の徹底を要望した。今後の状況次第では、飛行ルートの設定に関し改善を要望することもあり得るのではないか。」と答えました。
航空自衛隊築城基地は、宮崎県の新田原基地とともに、米海兵隊普天間基地の「有事展開拠点機能」の移転先とされ、滑走路を普天間基地と同じ2700㍍にするための現地調査が進められています。
築城基地から山口県萩沖の訓練空域に戦闘機がこれからも頻繁に飛来することが考えられます。
美祢市や長門市では戦闘機騒音を聞いたという市民から苦情が市役所に寄せられている状況にあります。
防衛省に要請をして美祢市や長門市に騒音測定器を設置するなどの対応が求められています。
また、防衛省は、戦闘機の飛来を事前に地元自治体に伝えるべきです。
航空自衛隊築城基地から訓練空域に向かうため戦闘機が山口県上空を頻繁に飛来していることが、今回の事故などで明らかになりました。
引き続き、この問題で発言を続けていきたいと思います。
皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
4月21日、県道路整備課は、「県道防府停車場線新橋の緊急点検の結果と今後の対応について」とする文書を公表しました。
公表文書は「4月14日(水)から20日(火)の間、緊急点検を実施した結果、約6万本のボルトのうち10本の抜けや緩みの不具合を確認し、ネットによる応急対策やボルト交換」を行ったとしました。
今後の対応として県は「①橋利用者の安全対策として、応急対策を実施した第1径間桁下と第3径間については、落下防止キャップの設置を4月27日に着手予定②ボルトの不具合の原因について調査し、後日、お知らせ」するとしています。
他橋の緊急点検として県は、「県が管理する同様のボルトが使用された可能性のある期間に建設された176橋すべてについて、現在、緊急点検中であり、結果をお知らせ」するとしています。
緊急点検の対象リストは県のホームページの「やまぐちの橋メンテナンスまるごと情報」に掲載されてあります。
宇部市内で緊急点検されるのは次の4橋です。
①串橋 一般県道(宇部停車場線) 宇部市大字際波
②神原横断歩道橋 一般国道(490号) 宇部市神原町
③串横断歩道橋 一般県道(宇部停車場線) 宇部市西宇部北
④大沢西横断歩道橋 一般県道(宇部空港線) 宇部市西岐波
緊急点検の結果を注視したいと思います。
引き続き、県内の橋梁の安全確保を関係機関に求めていきたいと思います。
橋梁の安全確保に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
2021年本屋大賞第1位に輝いた町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」を読みました。
2020年本屋大賞第1位の凪良ゆうさんの「流浪の月」も良かったですが、町だそのこさんの本書もとても読み応えのある作品でした。
二つの作品に共通しているのは、現代の社会の空気を鋭く描いている点だと感じました。
本作の裏表紙からストーリーを引用します。
「52ヘルツのクジラとはー 他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され『ムシ』と呼ばれてきた彼らの出会い、孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。」
この作品には、ヤングケアラー、虐待、DV、LGBTQなど今日的な問題が次々に登場します。
映画「マザー」の原作ともなっている山寺香著「誰もボクを見ていない なぜ17歳の少年は、祖父母を殺害したのか」に描かれた少年と母親を彷彿させる貴瑚が大分で出会う母親の少年に対する肉体的精神的な虐待です。虐待の場面は凄まじくリアルです。
その貴瑚も母親から精神的虐待を受け、高校卒業後、父親の介護を強いられていました。
本作の後半に貴瑚が少年にこのように語る場面があります。
「わたしはあんたを救おうとしてたんじゃない。あんたと関わることで、救われてたんだ」
貴瑚は少年と一緒に生きていく術を探します。
読後感が爽やかなのは、貴瑚の今を支える九州の人々の温かさがあるからでしょう。町田さんは、福岡県在住で、作家活動を続けています。馴染みのある地名が次々出てきて、近隣の山口県に住む私には心地良い作品となっています。
5年後、10年後の貴瑚と少年を読んでみたいと思える作品でした。
「52ヘルツのクジラたち」。一人一人の人間が紡ぎだすヘルツはそれぞれだと思います。特に、格差と貧困の中で、ケアの必要な人たちが紡ぎだすヘルツに耳を傾けていける社会になっているのか考えさせれる作品でした。
第二第三の少年がきっと私の周りにも居るはずです。彼らのヘルツをキャッチできる第二第三の貴瑚が今の社会は必要なのだと感じました。
町田そのこさんの作品はこれからも注目していきたいと思います。
2021年本屋大賞第1位、町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」は一人でも多くの方に読んでいただきたい作品です。読まれた方は感想をお聞かせ下さい。
ワイカムシネマでウ・ミンホ監督の映画「KCIA 南山の男」を観ました。
映画のパンフレットからストーリーを引用します。
「1979年10月26日、大韓民国大統領直属の諜報機関である中央情報部(通称:KCIA)部長キム・ギュピョンが大統領を射殺した。大統領に次ぐ強大な権力と情報を握っていたとも言われるKCIAのトップがなぜ?さかのぼること40日前、KCIA元部長パク・ヨンガクが亡命先であるアメリカの下院議会聴聞会で韓国大統領の腐敗を告発する証言を行った。更には回顧録を執筆中だという。激怒した大統領に事態の収拾を命じられたキム部長は、アメリカに渡り、かつての友人でもある裏切り者ヨンガクに接触する。やがて自らの運命をも狂わせる哀しき暗闘の幕開けとも知らず・・・。」
映画のパンフレットにある秋月望明治学院大学名誉教授の「『ナムサン』の今昔」は、この事件の背景を知る上で極めて参考になるコラムです。
秋月名誉教授は、KCIAのあったソウル市南山庁舎の歴史を遡り、こう解説しています。
「この南山庁舎のあった場所は、1905年に日本が統監府を置き、1910年の韓国併合以降は朝鮮総監府や総監官邸が置かれていた場所である。日本による植民地支配の総本山で『倭城台』と呼ばれていた。その奥まった場所に、1962年に中央情報部南山庁舎が建てられ、本館の周辺に別館の取調室などが数棟配されていた。(中略)1945年、日本により植民地支配が終わっても、抑圧のための場所は抑圧する機関に引き継がれたのである。1917年生まれの朴正熙も、1926年生まれの金載圭も、青春時代を日本の統治下で過ごした。1970年代には、好むと好まざるとにかかわらず、まだ日本の植民地支配の呪縛から逃れることができなかった。『あの頃はよかった』。やや唐突な日本語のこのセリフは、いろいろな意味で韓国近現代史の重苦しさと複雑な対日感情の交錯を感じさせるものである。」
解説文にあるように映画の中で、朴大統領と金部長が「あの頃はよかった。」と日本語のセリフを発して酒を酌み交わすシーンがあります。
戦中、日本の植民地支配に協力し、戦後、韓国人民の抑圧の最前線に立っている二人を象徴する場面であったことを解説で知りました。
ウ監督は、映画のパンフレットで「なぜ彼が大統領を暗殺したのか?全てはご覧になった皆さんがそれぞれに判断をしていただければと思っています。」と述べています。
私は、彼は、自分のというだけではなく、韓国のためにという思いもあり、大統領を暗殺したのだと思います。
しかし、暗殺という方法だったが故に、全斗煥独裁体制を生む結果になったのではないかと思います。血で血を洗う方法の誤りをこの映画で私は感じました。
軍事独裁政権といえば、ミャンマー国軍による人民への弾圧の問題が今日的に起こっています。これまでに700人以上の市民が犠牲になっていると言われています。
私は、広島県三次市の小武正教西善寺住職などが開催されている「ミャンマー(ビルマ)市民の訴えを聞く会」の取り組みにリモートで参加しています。
これまでに、2度、現地も含めてミャンマーの市民の訴えを聞いてきました。
4月19日の中国新聞の「洗心」の欄に、この取り組みが紹介され、小武住職のインタビューが掲載されました。
小武住職は、こう述べています。
「仏教には『利他』という教えがあります。何事も自分だけで独占してはいけない、他者とともに分け合って生きる。そうすれば争いはなくなると説いています。ミャンマーは敬虔な仏教国で、まさに他者を思いやる穏やかな国民性に触れました。なのにこんなことが起きている。悔しくて憤りに震えます。人間はこれほどまでに残虐な面を持っているのかー。だからこそ仏さまの教えが必要ということなのでしょうか。」
暗殺された朴独裁体制にもミャンマー国軍にも「利他」の精神の喪失があると感じられます。
日本の政治にも「利他」の精神の喪失を感じます。
ミャンマーで起きている軍部が人民を虐殺する事態を収めていく方法を考えるためにも映画「KCIA 南山の部長たち」は教訓的な作品だと思います。
この映画は、2020年の韓国年間興行収入ランキング1位となる大ヒット作品となりました。
自国の歴史にストレートに向き合う映画を作成するということは、自国の民主主義の発展のために意義あるものだと思います。
日本においても、近現代史を扱う骨太の映画が制作されることを願っています。
ワイカムシネマで「KCIA 南山の部長たち」は連休中も上映されています。この作品を一人でも多くの方に観ていただきたいと思います。