月別アーカイブ:2023年10月

山口県は、中間貯蔵施設が県勢にどのような影響を及ぼすかについて独自に検証すべき

    29日付、中国新聞に、東洋大学の中澤高師教授のインタビュー記事が掲載されていました。
 中澤教授は、広域市町の合意形成について次のように述べています。
 「中国電力が山口県上関町で検討する使用済み核燃料の中間貯蔵施設を巡り、周辺自治体で風評被害などへの懸念や困惑が広がる。広域の合意形成はどのように進めればいいのかー。東洋大学の中澤高師教授(環境政治学)は『ごまかしのない電力会社の説明と県の関与が鍵になる』とみる。-上関町での建設計画と周辺自治体の関わり方についてどうみますか。高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定の文献調査に応じた北海道寿都町と神恵内村を研究で訪れ、『誘致なしでは消滅が避けられない』とする心情は理解できる。原子力関連施設の立地リスクを負う『受苦圏』と、電力の大量消費で多くの利便を得る『受益圏』が分離してしまう問題がある。立地を受け入れて得る財源でどんな将来像を描くかの議論が重要だが、上関町は原発計画を巡る分断があり、賛否を越えて一緒に議論するのは難しいかもしれない。福島の事故後、周辺自治体の関与も強まっている。寿都や神恵内の周辺では核のごみの持ち込み拒否条例を作って反対する動きもある。『周辺』の定義も含め、合意形成は難しいのが実情だ。-中電に求められる対応は何ですか。本来なら、原発の再稼働や使用済み燃料の今後の見通し、中間貯蔵の必要性、立地の基準を示した上で、複数候補から絞り込むべきだ。地域振興を理由にした『狙い撃ち』は安全性やコストの議論が後になり、良い策ではない。受益圏の広島などの消費地が自分ごととして考える機会も逃す。事業者が『調査後に計画を示す』とし、計画が出た時には後戻りできない例がよくある。上関を選んだ理由や関西電力との関係など、周辺市町の合意形成に影響する要素について中電はごまかさずクリアにしたほうがいい。できるだけ早く判断材料を提供すべきだ。-関電との共同開発であることの影響は。誰も地域外のごみを受け入れたくない。最終処分場が建設中のフィンランドも、他地域のごみは受け入れない。使用済み燃料の輸送経路も重要だ。施設立地よりリスクが高いが、交付金もないままに広範囲に関わる。-山口県はどんな役割を担うべきでしょう。都道府県は多様な関わり方の選択肢がある。周辺自治体の意見の反映や利害の調整、産業や雇用などの社会的な影響の評価、専門家による安全性の議論などを行い、県独自に判断することもできる。(上関町の判断との)ねじれが生じるかもしれないが、県民投票の要否も含めて、山口県の対応に注目している。」
 中澤教授へのインタビュー記事は、今の山口県にとって重要な指摘だと感じます。
 最後の山口県への役割への指摘は特に重要です。
 中澤教授は、山口県の役割として「周辺自治体の意見の反映や利害の調整、産業や雇用など社会的な影響の評価、専門家による安全性の議論などを行い、県独自の判断を示すこともできる」と指摘しています。
 私は、9月県議会で①再処理工場の稼働の見通しを独自に判断すべき②市町の意見を聞く体制を構築すべき③原子力安全顧問に意見を聞くべきなどの点について一般質問を行いました。
 鈴森産業労働部理事の答弁は①核燃料サイクルをどうするかについては。国の責任において判断されるべき②現在はあくまでも、中間貯蔵施設が立地可能なのかどうか、その調査の実施について、上関町が中国電力に対し了承し、調査が開始された段階であるとして、県としての対応を申し上げる状況にないとするものでした。
 県は、中間貯蔵施設を誘致すると、県勢にどのような影響が及ぶのかについて、国や上関町の責任に転嫁せず、独自に判断すべきです。上関町とのねじれを恐れず、検証を開始すべきです。
 青森県は、六ケ所村への核燃料サイクル施設が誘致される際に、むつ市では、中間貯蔵施設が誘致される際に、住民投票条例制定を求める直接請求運動が起き、法定数を超える署名が提出され、知事と市長は、議案を議会に提出しました。
 山口県は、「県民投票の要否」についても検討すべきです。
 中間貯蔵施設に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
 

第二回藤本かずのりサポーターズ学習会に40名参加

 昨日、宇部市内で、第二回藤本かずのりサポーターズ学習会が行われ、40名の皆さんが参加しました。

 私は、議会報告を行い、センチュリー裁判の原告である松林俊治さんが、裁判の内容と今後の取組を話し、赤松義生平生町議が、上関町への中間貯蔵施設設置問題を話しました。

 第二回藤本かずのりサポータズ学習会の様子 松林俊治さんがセンチュリー裁判の内容を報告しています。

 私は、初めてパワーポイントを使って、議会報告を行いました。

 各スライドが見たいという方が、データをお送りしますので、ブログのトップページの「問い合わせ」から私と連絡を取ってください。

 私の報告内容は以下の通りです。

 昨日は、時間の関係で、中間貯蔵施設に関する問題を中心にお話をし、後半の議会報告の内容は、要点だけをお話ししました。

・・・

 第二回藤本かずのりサポーターズ学習会にご参加ありがとうございます。
 私からは、9月県議会報告と議会後に視察した青森県の核燃料サイクル施設と兵庫県立大学附属高校について報告いたします。時間が20分弱ですので、中間貯蔵施設の問題を中心に報告していきます。
 私は、9月26日に一般質問で登壇しました。
 第一は、使用済み核燃料中間貯蔵施設に関する問題です。
 
〇スライド2「1、中間貯蔵施設問題」
 上関町に、中国電力が関西電力と共同で、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の建設のための調査を開始する意向が示され、西町長は同意しました。
上関町への中間貯蔵施設の設置は、関西電力救済のためのものです。
 2021年、関西電力は、「2023年12月末までに、中間貯蔵施設の候補地を確保できない場合は、美浜、高浜原発の運転を停止する」と福井県に約束しました。
 私は、①上関町への中間貯蔵施設の建設は、関西電力を救済するためのものだ。②福井県が拒否する使用済み核燃料の受け入れは、山口県も拒否すべきだ。と質しました。
 鈴森産業労働部理事は「現在は、中間貯蔵施設の調査が、開始された段階だ、県として対応を申し上げる状況にない。」と答えました。

〇スライド3「再処理施設の稼働の見通し」
 青森県六ケ所村の再処理工場について原子力規制委員会は、「年明けから技術的な検討が始まる」などとしています。
 一方、中国電力は、「再処理工場は、24年度上期に竣工できる見通し」と記したチラシを住民に配布しています。
 私は、「再処理工場が24年度上期に竣工できるとの情報を持っているのか」質しました。
 鈴森理事は「国の責任で判断されるもの」と答えました。
〇スライド4 「2、青森県視察行程」
 日本共産党県議団は、10月17日から19日まで青森県を視察しました。
 10月17日は、午後に米軍三沢基地を視察しました。
 18日午前は、六ケ所原燃PRセンターを、午後は、青森県庁を
 19日午前は、むつ中間貯蔵施設を見学しました。
 
〇スライド5 「核燃料サイクル施設配置図」です。
 下北半島の付け根が六ケ所村で、再処理工場などがあります。
 下北半島の細い部分がむつ市で、中間貯蔵施設があります。

〇スライド6 「六ケ所村日本原燃PRセンター全容」
 原発施設や中間貯蔵施設から運ばれた使用済み核燃料は、六ケ所村の再処理工場に運ばれます。工場で、ウラン・プルトニウムの燃料と、高レベル放射性廃棄物に分けられます。
 六ケ所村には、高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センターと、低レベル放射性廃物埋設センターなどがありました。

〇スライド7「再処理工場」
 写真は、PRセンターから再処理工場を撮影したものです。
 再処理工場のしゅん工予定は、24年度上期です。
 併設されている貯蔵施設に、使用済み核燃料が3000㌧近く貯蔵されています。
 再処理工場で、これまでに425㌧の使用済み核燃料が試験的に処理されています。

〇スライド8「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター」
 フランスから1310本、イギリスから520本のキャニスターが返還され、六ケ所村で貯蔵されています。
 高レベル廃棄物の最終処分場が未定の中、六ケ所村最終処分地です。

〇スライド9「低レベル放射性廃棄物埋設センター」
 原子力発電所から出た放射性の低い廃棄物が、200㍑ドラム缶で、35万本、六ケ所村に埋設されています。この施設は、最終処分場です。

〇スライド10「青森県庁視察」
 青森県庁では、エネルギー総合対策局などから説明を受けました。
 むつ市に中間貯蔵施設が設置されることで調査段階から交付される電源立地地域対策交付金は24億円交付されました。
 しかし、青森県は、交付を受けていないとのことでした。
 現在は、核燃料サイクル交付金が10年間で149億円交付されました。中間貯蔵施設の関係で8市町に交付されています。
 六ケ所再処理工場の年内のしゅん工は難しいとの認識を示しました。
 再処理工場に対する住民投票条例制定を求める直接請求が成立し、議案が県議会に提出された歴史があることも分かりました。

〇スライド11「むつ市中間貯蔵施設」
 原子力船むつの寄港地として下北半島の北側に関根浜港が築港され、そこに使用済み核燃料を積んだタンカーが接岸し、専用道路約1キロを経由して、中間貯蔵施設に運ばれます。緩やかな丘陵地です。
 面積は120㌶ 東京ドーム26個分です。
 むつ市は、第6次エネルギー基本計画のパブリックコメントに「使用済み核燃料の搬出先の明確化」が争点と意見を出しました。
 中間貯蔵施設に係る住民投票条例制定を求める直接請求 法定数の6・8倍集まりました。

〇スライド12 「動画」

〇スライド13「青森県核サイクル施設まとめ」
 青森県は国の核燃料サイクルのへそ中心となる施設が集積していることが分かりました。
 核燃料サイクルシステムの破綻は明瞭なことが分かりました。
 住民投票条例制定を求める直接請求運動は山口県でも学ぶべきです。

〇スライド14「山口県人権指針の改定」
 今の山口県人権推進指針に、LGBT問題を「性同一性障害」と表記し「疾病」と解説しています。WHは、性同一性障害を精神疾患から除外しました。私は、山口県人権推進指針の早期改訂を求めました。
 藤田環境生活部長は、「改定に向け検討を行っている」と答えました。

〇スライド15「JR美祢線・山陰線の早期復旧」
 京牟礼観光スポーツ文化部長は「JR美祢線利用促進協議会」に「新たな検討チーム」を作ると答え、10月12日、ワーキンググループが設置されました。

〇スライド16「柳井・周南地域の高校再編計画」
 県議会文教警察委員会で、柳井・周南地域の5校を2校にする提案がされました。私は、11月県議会で成案を出すなと質しました。

〇スライド17「山口県立大学附属高校」
 9月21日、県立大は、26年4月開校を目指し、県立周防大島高校を附属高校にするよう県教委に設置者変更を求めました。
 私の情報公開請求で、兵庫県立高校は、定員割れ、寮があり宿直する先生の確保が大変との視察報告がされていたことが分かりました。
 私は、兵庫県立大学附属高校の定員割れのことなどは協議されたのか質し、水野学事文書課長は、「協議されてない」と答えました。

〇スライド18「兵庫県立大学付属校高校視察」
 兵庫県立大付属高校の職員は県教職員でした。ならば、県立大学附属高校にする意味はありません。周防大島と山口は100キロあります。

〇スライド19「県立高校の校則見直し」
 今年3月に、県教委は県立高校に更なる校則見直しを通知していることが分かりました。全ての県立高校で校則が公開されています。

・・・

 引き続き、県政全般に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

財政審が、イージス搭載艦レーダーに警告

 28日付、しんぶん赤旗日刊紙は、財政制度等審議会で、イージス搭載艦レーダーに警告が出されていることを次のように報じました。
 「財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は27日の分科会で、防衛省の2024年度の概算要求で計画されている装備品の調達価格が軒並み高騰していることを問題視し、調達費が1年もたたないうちに2000億円も高騰したイージス・システム搭載艦について、『今後LCC(ライフサイクルコスト=調達・維持費を含めた総額)が大きく増加していくおそれがある』と警告しました。とりわけ、搭載されるSPYレーダーを問題視。『地上固定式レーダーとしては米国で導入実績があるものの、艦載機用としては例がない』『米国の次期イージス艦は、別のSPYレーダーを採用予定であるため、SPY7レーダーの補用品や本体価格にはスケールメリット(規模の拡大による財政効率の向上)が働きにくい』としています。さらに、『新たなレーダーと組み合わせるイージス・システムの開発・試験・維持などの相当部分を我が国の事業単独で行う必要がある』ことも指摘しています。もともと、SPY7レーダーは陸上配備型迎撃システム『イージス・アショア』に搭載される予定でしたが、この計画が破綻。SPY7レーダーを延命させるため、艦体を大きくして収容するという非現実的な計画が、イージス・システム搭載艦です。その背景には、SPY7のメーカーである米軍需企業ロッキード・マーチン社や米ミサイル防衛庁による防衛省、自民党議員への圧力があったと見られています。さらに財政審は、新たな艦載レーダーについて、『米海軍とも相互運用性も注視していく必要がある』と指摘。事実上、SPY7レーダーの追加調達を否定しています。」
 今年、2月14日、浜田防衛大臣の記者会見の中で、記者から「イージス艦のイージスレーダー、50海里沖合に出ないと使用できないというのが電波法で決まっている」との指摘がされました。
 この際、浜田防衛大臣が「お答えできない」と答えました。
 10月26日、萩市役所において、イージス・アショア配備計画の撤回を求める住民の会(森上雅昭代表・以下住民の会)と防衛省との懇談が行われました。
 この際、住民の会が7月10日に求めていた申し入れに対する回答がありました。
 申し入れには、「海上自衛隊のイージス艦は電波法の規制によって、沖合50海里(90㎞)にまで陸地から離れないとイージスレーダーを作動できないとされている。SPY7レーダーは、既存イージス艦よりもアンテナ直径が大きく、メインビームとサイドローブによる漁船や航空機等への電波の影響を防ぐためには、SPY7レーダーの『実測による安全性の確認』(イージス・アショアの配備についてー各種調査の結果と防衛省の検討結果についてー73頁2019年5月防衛省)が必要とされている。具体的な実測計画の説明を求める。」との項目がありました。
 防衛省は、「海上自衛隊のイージス艦は電波法の規制によって、沖合50海里(90㍍)にまで陸地から離れないとイージスレーダーを作動できない」とする規定そのものを否定する趣旨の回答を行ったとの連絡が私に入りました。
 電波法の規制によりイージス艦は、沖合50海里にまで陸地から離れないとレーダーを作動できないという規定が本当にそもそもないのか、日本共産党の国会議員団に調査を明日にも依頼したいと思います。

 イージス・システム搭載艦に関する皆さんのご意見をお聞かせください。
 

第一回山口県みほり学園機能強化基本構想検討委員会が開催される

   26日、KRY山口放送局は、山口市のみほり学園の新たな施設に向けて検討会議が行われたことについて次のように報じました。
 「建設から50年が経過した県内唯一の児童心理治療施設=山口市のみほり学園。新たな施設を検討する会議が初めて開かれました。山口市のみほり学園には現在、小学生10人、中学生14人が軽度の発達障害や虐待などを理由に入所し、隣接する『総合支援学校みほり分校』に通学しています。学園では、医師の面談、セラピストによるカウンセリングなどが行われ、『施設の内・外全てが治療』という位置づけです。ただ、建設から50年が経ち老朽化し、機能面でもいまのニーズに合っていないとされています。会議では建て替えも含め施設の機能強化を検討することにしていて学識経験者や福祉の専門家らが委員として出席。入所だけでなく、通って治療ができる体制や個室の整備の必要性といった意見が出ました。また『みほり学園は長年かけて地域の人たちから理解されてきた施設で、近くで建て替えるべき』との意見が出され、県側は『隣接する場所に県有地があり、そこに建て替えは可能』としました。(藤田久美委員長)『お母さんたちが悩みながら大変な思いをしながら子育てしていると思う。困難な状況を抱えた子どもたちだけでなく、家族に対してもしっかり支援できるような施設になって欲しい』県内の児童数は減っているものの不登校の児童・生徒は増加。心理治療の対象となる子どもは減っていないということで50人の定員は維持を求める意見が出されました。今後、協議を重ね、来年3月に基本構想を策定する予定です。」
 私は、今年の6月県議会で、みほり学園と隣接する山口総合支援学校みほり分校の建て替えについて質問を行い、國吉健康福祉部長がみほり学園について「建替えも含め、施設の機能強化に係る具体的な検討に着手する」と回答し、木村副教育長がみほり分校について「今後、知事部局において進められる、みほり学園の建替えを含めた、施設の機能強化にむけた検討の中で、その取扱いについても協議してまいる」と回答しました。
 私は、みほり学園の機能強化について①通所による治療支援機能の強化②診療所の設置運営を行うよう要望しました。
 みほり学園の建て替え問題について、過去2回、一般質問を行ってきた議員として、この度、みほり学園の建替えを含む機能強化を検討する検討会が開催されたことを評価したいと思います。
 隣接地に、県中央児童相談所跡地があります。現在地付近で建て替えと機能強化がしっかりおこなれるようみほり学園の今後をしっかり見守っていきたいと思います。
 みほり学園の機能強化について皆さんのご意見をお聞かせください。

総合支援学校の通学バス、60分超が13路線(70分超が9)、60分が13路線。

 昨日、山口県障がい児の教育を進める会の県教委交渉が行われました。
 交渉の中で特別支援教育に関わる教員や保護者から様々な問題が指摘されました。
 その一部を報告します。
 第一は、障がい児の高校受験への合理的配慮についてです。
 今年度山口県公立高等学校入学者選抜実施要領(抄)には、「障害のある者の受検に当たっては、障害のあることをもって不合理な取扱いをすることがないように十分に留意し、公正かつ適切に手続等を行う。障害等のあることにより特別な配慮を必要とする志願者は、希望する配慮の内容を特別配慮申請書により、出願締切日までのできるだけ早い時期に、中学校長を経由して、高等学校長に申請する。」とあります。
 参加者から「障害のある者の受検における配慮申請書が提出された件数は。」との質問が出されました。
 担当者は、「今年度の効率高校入学者選抜で、障害のある者の配慮申請者数は、54人だった。申請者数は増加傾向にある。」と答えました。
 第二は、特別支援教育支援員についてです。
 参加者から、「特別支援教育支援員が中々集まらない状況にある。香川県や和歌山県、長崎県では、支援員の手引きを県独自で作成している。山口県でも作成すべきではないか。」との質問が出されました。
 担当者は、「まずは、市町での手引きの作成状況を調査したい。」と答えました。
 第三は、特別支援学級の児童生徒の学力テストへの参加についてです。
 情緒障害児学級に在籍していた子どもさんを抱える保護者の方から「数年前、情緒障害児学級に在籍していた子どもが、全国学力テストへの参加が認められたが、集計には入れない。マニュアルがあるから。」との説明を受けたとの告発がありました。
 担当者は、「国のマニュアルはないと考える。」などの回答がありました。私は、当時、マニュアルはあったのか。現在は、どのように対応しているのか、県教委に質問書を提出しました。
 第四は、総合支援学校と近隣の小中学校との交流活動についてです。
 県東部の総合支援学校において、近隣の小中学校との交流活動において、交流場所が3階で、総合支援学校の車いすの子どもが参加するのに苦労した事例が関係者から示されました。
 私は、事実関係と、合理的配慮した交流活動の徹底をどう行うのかについて県教委に質問書を提出しました。
 第五は、医療的ケア児についてです。
 県東部の総合支援学校で、1クラスの医療的ケア児が2名在籍するクラスがあるが、担任と看護職員の2名に対応しているとの実態が出されました。
 私は、県内で同様の実態がどれだけあるのか、医療的ケア児一人に対し、看護職員を1名配置することはできないのかについて県教委に質問書を提出しました。
 第六は、県立高校での通級指導教室の体制強化についてです。
 今年5月1日現在、通級指導教室に通学している中学生は662名であること、公立高校で通級指導教室に通級している生徒は2校2名(昨年度は4校7名)であったことも明らかになりました。
 県立高校での通級指導教室の抜本的な体制の強化が求めらる実態が明らかになりました。
 第7は、総合支援学校の通学バス60分以上の路線についてです。
 今年5月1日現在、県内の総合支援学校の通学バスの60分以上の路線が13路線あることが判明しました。
 70分を超える路線が、岩国総合支援学校1、田布施総合支援学校2、防府総合支援学校1、宇部総合支援学校2、下関総合支援学校1、萩総合支援学校2の計9路線あります。
 運行時間が60分という路線が13あります。参加者から「運行時間を60分にするために、子どもたちに停車場まで遠距離通学を強いているケースがあるのではないか。」との指摘も出されました。
 私は、今回の交渉で出された意見、それを受けて、質問書を出している問題に対する回答を今後の県議会の質問や文教警察委員会で、質していきたいと思います。
 特別支援教育に関する皆さんのご意見をお聞かせください。

広島県教委が、中山間地域に配慮した高校再編基準に見直す 山口県教委も見習うべき

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、広島県教育委員会が進める県立高校再編計画に対する広島県での反対運動と成果について次のように報じました。
 「広島県教育委員会が県立高校の統廃合を進めています。この中で上下(じょうげ・府中市)、西城紫水(さいじょうしすい・庄原市)、湯来南(ゆきみなみ・広島市佐伯区)の3校は来春の生徒募集の停止(3年後に廃校)が見送られました。県教委が2014年に策定した高校統廃合の基本計画(14~23年度)では、中山間地域の1学年1学級規模の小さな学校は『生徒数が2年連続で80人未満』になると廃校としていました。19日の県議会文教委員会で発表された新たな県教委の基本計画案(24~33年度)は『2年連続で新入生が20人または全校生徒数が60人未満』へ変更しました。さらに『近隣に高校がなく、他地域への通学が困難な学校については別途検討する』という基準が盛り込まれました。この県立3校はいずれも中山間地域にあるため一定の歯止めになります。しかし、それぞれの現在全校生徒数は上下52人、西城紫水60人、湯来南46人。新基準でも統廃合の火種が残ります。生徒数によって統廃合を狙う乱暴なやり方に、3校の地元住民たちは議会への要請行動や署名活動など高校存族に向けた運動を粘り強く続けてきました。上下高校ではわずか1カ月余で約7千筆の署名を集めて、県教委へ提出(7月)。同校を支援する会代表の黒木秀尚氏(上下町でクリニック開業)は語ります。『存続に向けての地域住民や卒業生らの寄付や署名などの運動が高まり、地元選出県議らも連携・協働してくれた。今後も(高校統廃合させないためには)住民運動の継続が必要だ』湯来南高校の地元の日本共産党湯来支部は、佐伯区選出の藤本聡志市議とともに要請書を提出(8月)。同行した県立廿日市高等学校砂谷分校(湯来南高校の前身)の元教員の高東征二氏は、『どこに住んでいても十分な教育が受けられることが必要だ』と訴えました。4月の県議選で議席を勝ち取った日本共産党の藤井敏子県議は文教委員会でこの問題を取り上げ、統廃合の対象校を訪れ校長と懇談を重ねてきました。『60人に基準が緩和され、市町から高校がなくならないなどの留意事項が入ったことは大きな成果』と評価します。今回の計画案には見過ごせない問題があります。中山間地域以外の高校について、『1学年3学級以下』だった旧基準から『1学年4~8学級以下』と統配合の対象を拡大しています。『この基準では、どの高校が統廃合されてもおかしくない』と藤井氏は指摘します。『数字で切り捨てるやり方をやめるべきです。どこに住んでいても安心して学べる環境を守り広げていきたい』」
 記事にある広島県教委の高校再編の基本計画案(24~33年)に「中山間地域以外の高校ついて、『1学年3学級以下』だった旧基準から『1学年4~8学級以下』との統廃合の対象を拡大して」とされた点は重大な後退です。
 その上で、記事にあるように広島県教委の高校再編の基本計画案に「近隣に高校がなく、他地域への通学が困難な学校については別途検討する」という文章を明記したことは大きな前進です。
 私は、9月県議会一般質問で、「山口県の高校再編基準は、4学級以上としているだけだ。中山間地域に学校を残す基準を明記すべきだ」と指摘しました。
 この点から、山口県教委は、広島県教委が中山間地域の学校を残す基準を明記したことを見習うべきです。
 更に、広島県教委の対応で見習うべきは、高校再編計画を住民の意見を聞いて見直したことです。
 山口県教委が、宇部西高校と高森みどり中学の募集停止を提案した時、それぞれの住民から多数の学校を残せの署名が県教委に提出されました。宇部西高校を残せの署名は最終的に2万筆が県教委に提出されましたが、県教委は、これら住民の声を顧みることなく、募集停止を強行しました。
 現在、柳井・周南地域の5校の高校を2校にする再編計画案が示され、住民説明会が開催されています。県教委は、住民の声を十二分に聞き取り、再編計画を見直すべきです。
 9月県議会を通じて、解せないのは、県立周防大島高校を再編対象にしなかったことです。
 山口県教委が、県立周防大島高校を周辺地域の学校を配慮して再編統合の対象にしなかったというのなら、その事を堂々と、高校再編基準に明記して、柳井・周南地域の高校再編に対する基準として適応すべきです。
 その立場から、平生町から県立高校がなるなるなどの事態は回避すべきだし、現在の提案をこの点から見直すべきです。
 広島県教委が高校再編基準を中山間地域の学校に配慮したものに変更しました。
 高校再編に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。