月別アーカイブ:2020年10月

中国電力が原発建設のためのボーリング調査申請

 今朝の毎日新聞は「中国電力(広島市)は7日、上関町で進める上関原発建設計画を巡り、建設予定地の埋め立て海域でボーリング調査をするために必要な専用許可申請を県に提出した。審査に要する標準処理期間は33日で、11月にも着手するとみられる。中国電力によると、調査は原発の新規制基準に基づく原子炉設置審査に備えたもので、活断層の有無を調べる。建設予定地である西方約200㍍沖、約600平方㍍で調査を予定し、期間は約3カ月。上関原発準備事務所の内富恭則広報部長は『県の許可が下り次第、速やかに調査に着手できるよう準備する』と話す。中国電力は2019年10月上旬にも占用許可を申請し、許可後の11月上旬から準備作業に着手したが、建設反対派の船の停泊による抗議などで1カ月以上作業が進まず、海象条件も厳しくなったため12月中旬に中断した。今回、作業台船の確保など準備が整い、再申請した。」と報じました。

 毎日新聞は、3日、「中国電力上関原発(上関町)の計画について、江島潔副経済産業相(参院山口選挙区)は2日、『進めていくとか、やめるとかという判断はしていない。白紙状態。判断はもう少し後のことになる』と述べた。」と報じました。

 本ブログでも報告してきたように、原子力規制庁の職員は、私が参加したグループでのヒアリングの中で、「新設する原発の新規制基準は出来ていない」と答えました。

 今、中電が行おうとしているボーリング調査に有効性があるとはいいがたい状況です。

 たとえ、ボーリング調査が完了しても、そもそもの原発の新設のための新規制基準が出来ていないのですから、原子力規制庁は審査のしようがありません。

 江島副大臣の発言の通り、政府が、原発の新設に対する明確な方針を持たない中でのボーリング調査は行うべきではありません。

 県は、中国電力のボーリング調査を許可すべきではありません。

 中国電力が2019年6月に行った、原発のための公有水面埋立免許の「工事竣功期間伸長許可申請書」には、2023年1月6日までに竣功するというもので、県は2019年8月に許可しました。

 中電が設定した竣功期間まで残り約2年半です。

 たとえ、中電が計画しているボーリング調査が終了したところで、原発の新設のための新規制基準が未定ですので、どのような形の埋め立てを行えばいいのか不明確な中で、竣功のしようがないと考えます。

 更に、県は、中電に埋立許可を出した際、「発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは埋立工事を施行しないこと」を要請しています。

 引用した江島副大臣の発言は「発電所本体の着工時期の見通し」が全くたたないことを意味します。

 現状では、発電所本体の着工時期の見通しが立つ段階には、しばらく到達する見通しはありません。

 中電が、県の要請を遵守すれば、あと、残り2年半で竣功できる見通しは現時点ではないと言わなければなりません。

 よって、中電のボーリング調査の申請を県は許可すべきではないことを重ねて指摘したいと思います。

 更に、東京電力福島第一原発事故の被災者約3830人が国と東電に慰謝料や居住地の放射線量低減を求めた生業訴訟控訴審の判決で、仙台高裁は、9月30日、一審・福島地裁判決に続き国と東電の責任を求め、原告3550人に約10億1000万円を支払うように命じました。

 上関原発で福島原発のような事故が起きないと中国電力はいうのでしょうか。

 再びの安全神話で原発を上関に建てることは許されません。

 福島事故の甚大さに鑑み、中国電力は、上関原発の建設を断念すべきです。

 国は、原発の新設を中止する判断を行うべきです。

 中国電力がボーリング調査のための申請を県に行いました。

 皆さんは、この問題をどのように考えておられますか。お聞かせ下さい。

 

カリフォルニア州で墜落したF-35Bはかつて岩国基地所属機

 昨日、中国四国防衛局から県と岩国市に、米国カリフォルニア州で発生した米海兵隊F-35Bの墜落事故について、追加の情報提供がありました。

 内容は以下の通りです。

 〇墜落したF-35Bは、かつて在日米海兵隊岩国基地所属であったが、事故当時は岩国基地には所属していなかった。

 〇事故当時、F-35Bは在日米海兵隊の下で運用されておらず、またパイロットは岩国基地の所属ではなかった。

 〇事故原因は、引き続き調査中。

 〇今回の事故は、空中給油中の事故であると承知しており、防衛省として、直ちにF-35Bの機体そのものの安全性に疑念が生じるものではないものと認識している。

 この報告を受けた県も市も、今回の機種更新に対する「理解する」との立場が変わるものではないと考えているとのコメントは発表しています。

 しかし、事故機と岩国基地所属機が同型機であるということと、かつて岩国基地所属機であったとういうことは、全く違う、新たな事実です。

 事故を起こした戦闘機がかつて岩国基地に配備されていたという事実は重大です。

 事故原因が解明されない状態で、岩国基地にF-35Bが配備されており、これから追加配備されようとしている。県と岩国市は、追加配備に、墜落事故後も、そして、事故機がかつて岩国基地所属機であったという事実が判明した後も「理解する」との立場を変更しないことは重大です。

 先日、本ブログで報告した通り、日本共産党県委員会と県議団は、10月2日、県知事に対し次の要請を行っています。

 ①F-35Bについては、追加配備はもとより、現在、駐留している16機も米国内基地に移駐するよう求める。

 ②少なくとも、今回の事故についての最終的な事故報告書が提出され、再発防止策が講じられるまで、追加配備は容認せず、現在、駐留しているF-35Bの訓練は中止するよう求める。

 事故機がかつて岩国基地に所属していた事実が明らかになった今、改めて、県が、上記の二つの立場に立ち、日米両政府に対処することを再度要請するものです。

 カリフォルニア州で墜落したF-35Bは、かつて岩国基地に所属していました。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

 

毎日新聞が、県が購入した貴賓車兼議長車問題を報じる

今朝の毎日新聞は、「地方財政が年々厳しくなり多くの自治体が歳出抑制に取り組む中、全国の12県が公用車としてトヨタの最高級車『センチュリー』や取得費1000万円超の高級乗用車を所有していることが毎日新聞の調査で明らかになった。」と報じました。

  山口県が貴賓車兼議長車として購入したセンチュリー(2090万円)

 毎日新聞は更に「財政難や『無駄使い』などの批判を受け、自治体が安価な公用車の導入を進めて久しい反面、この10年でセンチュリーなどの高級車を購入したのは山口、徳島、埼玉など8県に上る。中でも山口県は今年7月、皇族などが来県した際の『貴賓車』兼議長車として、一般会計予算から2090万円を取得。しかし5日時点で皇族や海外からの賓客といった貴賓を乗せる当面の予定はなく、専ら議長車として使っている。」「貴賓が来県した際の車両について、調査では『公用車のクラウン(取得費630万円)などを使う』(福岡)、『ハイヤーを用意する』(広島)といった対応が全国の大勢だった。専用車両を所有しているのは、全国で5県だが、山口県は『貴賓対応の車は必要。本県は安全性を考えてセンチュリーにしており、県内には借りられるハイヤー業者がないため購入している』と理由を説明する。」と報じました。
 2090万円の貴賓車を購入した山口県に対し、全国から批判の声が届けられているようです。
 その中心点は、車両は高額であることと、貴賓車の必要性についての疑問だと思われます。
 また、議長車として使用される車両の購入であったにも関わらず、議員に十分な説明がなかった点は、議員の一人として残念に思います。
 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

総選挙に向けて西部地域でつどい開催

 昨日、日本共産党宇部市西部後援会主催の総選挙に向けての「つどい」が行われました。

 

 日本共産党宇部市西部後援会主催の総選挙に向けてのつどいでお話をする私(中央・左が藤井宇部市議)

 私がお話した報告の要旨は以下の通りです。

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  西部後援会の集いにお集りの皆さん、県議の藤本です。県議会は、明日が閉会日です。議会で取り上げた内容は、最新号の「かえる通信」でしっかり報告しましたので。今日は、国政問題を中心に訴えます。
 行き詰まった安倍政治を継承した菅新内閣のもとで、来るべき総選挙を野党共闘のもとで政権交代をはかる歴史的政治戦に出来る情勢が進展しています。
 首相指名選挙で、日本共産党は立憲民主党の枝野幸男代表に投票しました。22年ぶりの判断です。その結果、衆議院で134票、参議院で78票が枝野氏に投じられました。衆議院では、野党がプラス100議席になれば、政権交代できます。
 まず、総選挙で、日本共産党を躍進させることです。私は、前回の総選挙は、中国ブロックの比例代表候補でした。国会議員になったらどうしようと思った瞬間がありましたが、結果は、大平さんを国会に送ることができませんでした。宇部市での躍進で大平さんを国会に送りましょう。
 そして、市民と野党の共闘を先進させることです。
 9月25日、市民連合が、日本共産党などの野党に要望書を提出しました。要望書の第一は立憲主義の回復、二つ目は新自由主義からの転換です。
 私は、5年前に、総がかり行動うべ実行委員会事務局長となりました。戦争法が強行さて戦争法廃止を求める行動を毎月行い、先月は60回目の行動でした。立憲主義が壊されて丸5年。野党連合政権の実現で、立憲主義を取り戻しましょう。
 そして、新自由主義の転換です。
私は、9月の一般質問の冒頭で「住民生活維持の最前線である自治体の空洞化が、コロナ危機への対応に困難を生んでいます。背景の一つは、20年におよび自治体が、緊縮政策下にあることです。緊縮政策の背景には、市場原理を優先し、政府による介入を縮減する新自由主義あります。コロナ危機から住民生活を守るため、新自由主義から決別し、新しい地方自治の方向に踏み出す時です。」と訴えました。
 10月10日、14時にフジグラン宇部、15時にスバル宇部店前で野党統一街宣を行います。是非、足を運んで下さい。

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 今日は、議会閉会日です。引き続き、県政全般に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

かえる通信No66(2020年10月1日)

 藤本かずのり議会報告「かえる通信」2020年10月号を発行しました。

 表面のPDFを添付しました。下の文字をクリックしてください。

かえる通信No66(2020年10月1日)

次のインフルエンザ流行に備えた県の体制について

 私は、毎月、県議会報告「かえる通信」を発行しています。

 表面は、「議会報告」に貼り付けています。

 裏面は、「かえるレポ」として、県政に関わるレポートを紹介しています。

 かえる通信No66(2020年10月1日)号の裏面に「かえるレポ⑤」として「次のインフルエンザ流行に備えた県の体制について」と題するレポートを掲載しました。

 以下、転載します。

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 9月4日、厚労省は「次のインフルエンザ流行に備えた体制整備について」という文書を都道府県に発出しました。
 この文書は、これまでの感染症対策の体制の変更を求めるものです。私は、この文書への県の対応について、一般質問と環境福祉委員会で質疑しました。
 まず、帰国者・接触者相談センターを「受診・相談センター(仮称)」に変更する点です。
 厚労省の文書には、「発熱患者等は、事前に帰国者・接触者相談センターに相談することなく、かかりつけ医等の身近な医療機関に直接相談・受診することとなるため、帰国者・接触者相談センターは、症状のある患者の相談を受け、帰国者・接触者外来を案内するという従来の役割を解消することとなる。しかし、今後は、急に症状が悪化して夜間・休日に受診可能な医療機関を探す方のように、住民が相談する医療機関に迷った場合の相談先として、帰国者・接触者相談センターは『受診・相談センター(仮称)』として、体制を維持・確保すること」「『帰国者・接触者相談センター』は『受診・相談センター』等、各都道府県で適切な名称に変更し、都道府県は、『受診・相談センター(仮称)』としての体制を、本年10月中を目途に整備すること。」とあります。
 私は、環境福祉委員会の質疑の中で、山口県の各健康福祉センターにある「帰国者・接触者相談センター」を「受診・相談センター」に移行するのか質し、石丸健康増進課長は、「県内の帰国者・接触者相談センターを『受診・相談センター』に移行する」と答えました。
帰国者・接触者相談センターは、ほぼ保健所に付合して県内9カ所(県内8健康福祉センターと防府支所)に設置されています。これが、「受診・相談センター」に移行されます。 
 次に、「地域外来・検査センター」についてです。かかりつけ医から直接、検体採取の依頼を受け実施する「地域外来・検査センター」は、今後とも存続します。8医療圏に1カ所以上の地域外来検査センターを設置する目標でしたが、9月議会で知事は、14カ所の「地域外来・検査センター」を設置すると述べました。宇部・小野田医療圏では、スタートした宇部市だけではなく、今後、山陽小野田市、美祢市にも設置される見通しです。
 9月4日の厚労省の通知に「かかりつけ医等の地域で身近な医療機関等を相談・受診し、必要に応じて検査を受けられる体制について、本年10月中を目途に整備すること」とあり、厚労省は、それを「診療・検査医療機関」としています。
 国は、9月15日に、「新型コロナウイルス感染症に対応した医療機関等への更なる支援」を発表しました。この中に「インフルエンザ流行期に備えた発熱患者の外来診療・検査体制確保事業」があります。内容は、「都道府県の指定を受けた診療・検査医療機関(仮称)が発熱患者等専用の診療室を設けた上で、住民に周知し、又は地域の医療機関等と情報共有して、発熱患者等を受け入れる体制をとった場合に、外来診療・検査体制確保に要する費用を補助する」ものです。私は、一般質問で、この制度の周知を医療機関に図るべきと質しました。弘田健康福祉部長は、「こういった制度をしっかりと医療機関にご説明させていただきたい」と答えました。

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 引き続き、県政全般に係る皆さんのご意見をお聞かせ下さい。