今朝の毎日新聞は「中国電力(広島市)は7日、上関町で進める上関原発建設計画を巡り、建設予定地の埋め立て海域でボーリング調査をするために必要な専用許可申請を県に提出した。審査に要する標準処理期間は33日で、11月にも着手するとみられる。中国電力によると、調査は原発の新規制基準に基づく原子炉設置審査に備えたもので、活断層の有無を調べる。建設予定地である西方約200㍍沖、約600平方㍍で調査を予定し、期間は約3カ月。上関原発準備事務所の内富恭則広報部長は『県の許可が下り次第、速やかに調査に着手できるよう準備する』と話す。中国電力は2019年10月上旬にも占用許可を申請し、許可後の11月上旬から準備作業に着手したが、建設反対派の船の停泊による抗議などで1カ月以上作業が進まず、海象条件も厳しくなったため12月中旬に中断した。今回、作業台船の確保など準備が整い、再申請した。」と報じました。
毎日新聞は、3日、「中国電力上関原発(上関町)の計画について、江島潔副経済産業相(参院山口選挙区)は2日、『進めていくとか、やめるとかという判断はしていない。白紙状態。判断はもう少し後のことになる』と述べた。」と報じました。
本ブログでも報告してきたように、原子力規制庁の職員は、私が参加したグループでのヒアリングの中で、「新設する原発の新規制基準は出来ていない」と答えました。
今、中電が行おうとしているボーリング調査に有効性があるとはいいがたい状況です。
たとえ、ボーリング調査が完了しても、そもそもの原発の新設のための新規制基準が出来ていないのですから、原子力規制庁は審査のしようがありません。
江島副大臣の発言の通り、政府が、原発の新設に対する明確な方針を持たない中でのボーリング調査は行うべきではありません。
県は、中国電力のボーリング調査を許可すべきではありません。
中国電力が2019年6月に行った、原発のための公有水面埋立免許の「工事竣功期間伸長許可申請書」には、2023年1月6日までに竣功するというもので、県は2019年8月に許可しました。
中電が設定した竣功期間まで残り約2年半です。
たとえ、中電が計画しているボーリング調査が終了したところで、原発の新設のための新規制基準が未定ですので、どのような形の埋め立てを行えばいいのか不明確な中で、竣功のしようがないと考えます。
更に、県は、中電に埋立許可を出した際、「発電所本体の着工時期の見通しがつくまでは埋立工事を施行しないこと」を要請しています。
引用した江島副大臣の発言は「発電所本体の着工時期の見通し」が全くたたないことを意味します。
現状では、発電所本体の着工時期の見通しが立つ段階には、しばらく到達する見通しはありません。
中電が、県の要請を遵守すれば、あと、残り2年半で竣功できる見通しは現時点ではないと言わなければなりません。
よって、中電のボーリング調査の申請を県は許可すべきではないことを重ねて指摘したいと思います。
更に、東京電力福島第一原発事故の被災者約3830人が国と東電に慰謝料や居住地の放射線量低減を求めた生業訴訟控訴審の判決で、仙台高裁は、9月30日、一審・福島地裁判決に続き国と東電の責任を求め、原告3550人に約10億1000万円を支払うように命じました。
上関原発で福島原発のような事故が起きないと中国電力はいうのでしょうか。
再びの安全神話で原発を上関に建てることは許されません。
福島事故の甚大さに鑑み、中国電力は、上関原発の建設を断念すべきです。
国は、原発の新設を中止する判断を行うべきです。
中国電力がボーリング調査のための申請を県に行いました。
皆さんは、この問題をどのように考えておられますか。お聞かせ下さい。
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