26日土曜日の中国新聞に「子ども医療費市町の助成拡充相次ぐ」との記事が掲載されました。
中国新聞は、「県内の市町で、子どもの医療費助成を拡充する動きが相次ぐ。本年度に入って周防大島町など3市2町が国の地方創生向け交付金などを活用して実施し、10月から防府、山口両市も取り組む。」と報道しています。
周防大島町は、「4月、小学校卒業までだった無料化の対象を中学校卒業まで引き上げた。」と報道。
阿武町も4月から所得制限なしの中学校卒業まで無料を実施しています。
防府市は、「10月から、県内13市で初めて小学校卒業まで所得制限を設けない無料化を導入する」と報道。
山口市は「10月から市民税の所得割が非課税の世帯に限って小学校卒業まで無料化。」と報道。
県内全ての市町が、一部負担金を助成すると同時に、対象年齢拡大や所得制限を撤廃するなど、県制度に上乗せした独自の助成制度の創設を行っています。
県の助成制度の対象年齢は未就学ですが、県内19自治体の内、一部自己負担ありや入院だけなどの限定はありつつも、対象年齢を小学校卒業以上としているのが、10市町に及んでいます。
また、県内19自治体の内、所得制限を部分的にも撤廃しているのが、10自治体に及んでいます。
更に、中国新聞は、鳥取県の動きとして「11年、市町村と連携して全域で中学校卒業まで助成を拡大。来春は高校卒業まで引き上げる方針だ。」と報道しています。
山口県は、県内市町の動きや鳥取県の動きを受けて、「現状維持が妥当」の方針を見直し、こどもの医療費助成の拡充を決断する時です。
昨日ブログを書いてから宇部市立図書館で木喰に関する書籍を借りてきました。
1979年に刊行された学習研究社の日本美術全集23巻「江戸の宗教美術 円空・木喰/白隠・仙厓/良寛」
2003年に刊行された東方出版の「木喰仏」
2008年に刊行された東方出版の「生誕290年 木喰 庶民信仰の微笑仏」
木喰の彫刻が写真により数多く紹介されています。
2002年に刊行された小学館の立松和平著「木喰」
木喰を扱った小説です。
そして、山口県内の木喰上人の足跡を追った二つの書籍に出会いました。
一つは、昭和46年に宇部市の新見亮助さんと片山徳五郎さんが著された「山口県下の木喰仏」。
500部限定で発行された貴重な本です。
二つ目は、昭和54年に刊行されたマツノ書店の内田伸著「防長お微笑佛」。
この二つの書籍が発刊される通り、県内に極楽寺だけでなく数多くの木喰仏が造立されていることが分かります。
まずは、これら著作で木喰のことを学び、少しづつ、まずは県内の木喰仏を訪ねてみたいと思います。
シルバーウィークに、島根県立美術館で「祈りの仏像」を見学してきました。
この中に、「木喰上人の微笑仏」のコーナーがありました。
図録から引用します。
「江戸時代、甲斐国(山梨県)に生まれた木喰(1718~1810)は、14歳で生地を離れ、二十二歳のときに出家したと伝えられます。45歳で木喰戒(修行のため穀物等の摂取を絶つこと)を受け、以後「木喰」と名乗るようになりました。
56歳のとき、廻国修行を始め、北は北海道から南は鹿児島までその足跡は全国各地に及びました。
61才から滞在した先々で多くの木彫仏を造立し奉納しました。
寛政9年(1787年)から11年にかけて中国地方にも来訪し、多くの像を遺しています。
木喰の造る仏像は、台座なども含めて一材からなる素朴な造りで、独特の微笑を浮かべた表情が印象的です。」
そして、この展示会では、8体の木喰の仏像が展示されていました。
そのうちの5体が「極楽寺(山口県)」のものでした。
図録の資料に、極楽寺についてこうあります。
「極楽寺は宇部市木田に所在する浄土宗寺院。元来、山口市今市にあったが、明治の始め山中上市の専念寺跡に移り、さらに現在地へと移ったという。当時の木喰仏が元々どこで造立され、安置されていたのかは不明であるが、各像背面の墨書銘により、寛政10年11月に造立されたことが明らかである。」とあります。
様々な経緯があったにせよ、宇部市に木喰の仏像が現存していることに感銘を受けました。
木喰上人の微笑仏のまさに微笑が未だに脳裏に蘇ります。
そして、全国で仏像を作ってあるいた木喰上人の人生にも興味を抱きました。
これから少しづつ、木喰上人の事についても勉強していきたいと思います。
県内の他の寺院にも木喰上人の仏像があるのではないかと思います。
何か情報がありましたらお教えいただければと思います。
安倍晋三首相が総裁に再選された記者会見を聞いて怒りを禁じ得ません。
国民の反対を押し切って戦争法を成立させて最初の記者会見にも関わらず、一言も触れませんでした。
一方で、安倍首相は、「一億総活躍社会」を目指すとして、①希望を生み出す強い経済②夢をつむぐ子育て支援③安心につながる社会保障の新たな「3本の矢」を打ち出しました。
目先を経済にそらし、戦争法の強行採決を忘れてもらおうという国民を愚弄する姿勢です。
安倍首相は、経済では、国内総生産600兆円の達成、子育て支援では、現在1.4に落ち込んでいる出生率を1.8まで回復、社会保障では、直近の調査で10万人を超えた介護離職者をゼロにするなどと説明しました。
安倍政権下で大企業は利益を上げ内部留保を増やしましたが、労働者の実質賃金は上がらず、介護保険や保育制度の改悪などで社会保障を後退させました。
これらの路線への反省もなく、アベノミクスの転換がなければ「1億総活躍社会」の実現など望むべきもありません。
日本共産党は6月~8月、全国の地方議員に呼びかけて「介護事業所の廃止等の緊急調査」を行いました。
介護報酬削減が実行された今年4から5月の在宅介護事業所の「廃止・休止」件数の合計は、3612件と昨年同期の3119件より493件多く、15.8%増加しました。
医療介護の大改悪をしながら介護離職者ゼロをめざすなどと言う安倍総理の発言に怒りが湧きます。
首相のいう「経済最終戦」が大企業最優先、社会保障・雇用破壊であることは、多くの国民が実感をもって見抜いています。
島根県では、日本共産党の尾村議員の質問に、介護報酬削減の影響について健康福祉部長が「事業者や利用者などへの影響を具体的に把握したい」と答えました。
安倍総裁がどんなバラ色の発言をしようとアベノミクスにより、国民の苦しみは深まっています。
島根県のように地方からその実態を明らかにし、政府に突きつけていくことが重要だと思います。
山口県でも、まず、介護報酬削減の影響について、島根県同様の調査を行うべきだと思います。
昨日の安倍総裁の発言をどのように受け止めておられますか、ご意見をお聞かせ下さい。
DVDビデオで吉田修一原作、大森立嗣監督の映画「さよなら渓谷」を観ました。
渓谷の谷間で暮らす尾崎夫婦。隣に住む立花里美が息子殺しの容疑で逮捕される。
夫の俊介は、大学時代に集団レイプ事件を起こしていた。
妻かなこにも想像を絶する過去があった。
ネタバレになるので、この辺りにします。
吉田修一さんの名前を記憶に留めたのは、映画「悪人」の原作者だということでした。
映画「悪人」は過去にDVDかテレビかで観ていました。
妻夫木演じる「悪人」の主人公と、「さよなら渓谷」の尾崎夫婦、そして、立花里美は、共通した「罪」を背負った人たちです。
私は、この人物たちが救われるのかが吉田修一さんの問いだと考えます。
それを考える時に、親鸞聖人の説いた「悪人正機」を思い出します。
親鸞聖人の教えを門弟の唯円が著した「歎異抄」に「善人なほもって往生をとぐ。いわんや悪人をや」という言葉があることは有名です。
この下りが「悪人正機」と言われています。
浄土真宗必携「み教えと歩む」には、「悪人正機」をこう説明しています。
「私は、毎日いろいろな生きもののいのちを奪いながら生きています。またこころのなかには、とても口には出さないような恐ろしく自己中心的な考えが渦巻いています。社会の善悪を基準にすれば、それが理由で犯罪者になるあけではありません。しかし仏教の善悪を基準にすれば、いのちを奪い続け、自己中心的な煩悩に支配され迷いのなかにあり続ける私は、まぎれもなく悪人です。悪人正機の悪人とは、どこかの犯罪者といったような他人事ではなく、この私自身のことなのです。」
原作者の吉田修一さんが描く悪人は、「他人事ではなく、自分自身のことなのだ」と思わせてくれる人物です。
そして小説に登場する悪人は、救われていいんだと吉田さんは描いているように私は思います。
この辺りに共感する人びとに支えられ、吉田修一さんの作品や映画がヒットしているのだと思います。
今、小説「さよなら渓谷」を読んでいます。心がヒリヒリする場面が多い作品ですが、人間について深く考えさせる作品です。
吉田修一原作の映像化作品では最近「横道世之介」を観ました。
小学校5年生の娘は「とっても良かった」と言っていました。
これは「善人」を描いた作品と言われていますが、これまた、心に残る映像でした。
この辺りの感想は、後日、ゆっくり書きたいと思っています。
吉田修一さんの小説は、「さよなら渓谷」がほぼ初めてですが、惹きつけられる文章です。
一気に吉田修一ファンになりました。
映像化も多い作家さんなので、小説と映像化された作品をコラボしながら楽しみたいと思います。
吉田修一ファンの皆さん、お勧めの作品をお教え下さい。
島根県立石見美術館で開催されている「開館10周年記念企画展 祈りの仏像」を見学してきました。
島根県立石見美術館の「祈りの仏像」展覧会
石見美術館では、2009年に「千年の祈り石見の仏像」という企画展が行われました。
石見では重要文化財の仏像はわずか1点のみでしたが、展覧会の予備調査でいくつも文化財級の仏像があることが分かり、34体の仏像を展示することが出来ました。
今回の展覧会に向けて、石見美術館では、石見全域のお寺にアンケートを実施し、調査を行いました。
その結果、奈良時代の仏像が1体平安・鎌倉時代の仏像が8体見つかるなど大きな成果が生まれました。
私は、県立美術館として、その地域の美術の歴史を発掘し展示するという、石見美術館が果たした役割を高く評価します。
山口県立美術館でも同様の取り組みが行われてきたと思いますが、今後とも石見美術館が果たしたような役割を発揮してほしいと思います。
今回の展示は、石見地域だけの仏像の展示にとどまらず、中国地方の仏像が多く展示されていました。
私が住む近くの宇部市厚東、厚東氏の菩提寺である東隆寺に所蔵してある鎌倉時代に造立された地蔵菩薩坐像も展示されていました。
また、江戸時代に諸国を巡り仏像を作り続けた木喰上人が中国地方で作った微笑仏が展示されていました。
山口県の極楽寺に所蔵されている仏像も多く展示されていました。
このような、近隣の仏像の歴史を掘り起こし展示するという島根県立石見美術館の果たした役割についても私は高く評価したいと思います。
仏教・仏像ビギナーの私の興味に叶う素晴らしい展覧会でした。
1000年~数百年の時を超えて多くの仏像と対面して多くのことを学びました。
そして、阿弥陀仏などを見るとやはり心の安らぎを感じることが出来ました。
島根県立石見美術館の方々のご努力に敬意を表したいと思います。
人生を豊かにするシルバーウィークの締めくくりとなりました。
11月16日(月)まで「祈りの仏像」の展覧会は行われています。
一人でも多くの方が見学されることを望みます。