村岡知事は、「県内事業者の皆さんへの休業のお願い」という文書を昨日発出しました。
「令和2年4月16日から5月6日までの間、全都道府県に『緊急事態宣言』が発令され、県民の皆様に不要不急の外出の自粛を強く呼びかけているところですが、感染が拡大している近隣県から、遊興・遊技施設等への人の流入の増加が懸念されます。こうしたことから、県では、関係事業者の皆様に対し、新型インフルエンザ等特別措置法第24条第9項に基づき、下記のとおり休業を要請することとしました。事業者の皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、県民のいのちを守るため、新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、ご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。」
区域は、山口県全域。期間は、今日から5月6日まで。
対象は、遊興施設(キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、スナック、バー、個室付浴場業に係る公衆浴場、ネットカフェ、漫画喫茶、カラオケボックス、射的場、場外馬券・舟券・車券売場、ライブハウス)、運動施設・遊技施設(体育館、水泳場、ボーリング場、スポーツクラブ、マージャン店、パチンコ店、ゲームセンター)。
問い合わせ先は、防災危機管理課 電話 083-933-2370 です。
県のホームページの「知事記者会見録」に昨日の動画が配信されています。
その中で、村岡知事は、休業要請に応じた県内事業者に協力金を支給する方針を明らかにした上で、「今週中には内容を示したい」と述べました。30日に、新型コロナウイルス関連の補正予算を審議する臨時議会が開会される見通しです。臨時議会に向けての議会運営委員会が24日に行われます。24日には、補正予算の内容が示されるものと思われます。その際に、休業要請に応じた県内事業者に対する協力金の内容が明らかにされるものと思います。このような日程も考慮して、村岡知事は、協力金について「今週中に内容を示したい」と述べたものと思われます。
今朝の毎日新聞に、都道府県が独自に行った休業要請の状況が以下のように報じられていました。
「毎日新聞が20日に調査したところ、店舗などへの休業要請を決めたのは23都道府県に達することが分かった。しかし、休業に努力した店舗などに支援を行うのは18都道府県にとどまり、財政力のばらつきがみられた。調査によると休業要請を決めた23都道府県以外にも、宮城県や長野県など13県は要請を検討している。感染拡大の抑制には特定施設や店舗の休業要請が不可欠と考える自治体は多い。休業への支援策については差が出た。群馬県など5県は休業要請を決めたものの、支援については未定のまま。」
山口県は、休業要請を決めた23都道府県に入っていますが、支援が未定の5県に入っています。
政府は昨日、新型コロナウイルス感染対策として、一律10万円を給付するとした補正予算案の組み替えを閣議決定したことに対して、日本共産党の小池書記局長は一律10万円を給付することについては「世論の力」と評価した一方、「補正予算案には『休業補償』という考えがまったくないことが最大の問題だ」と指摘しました。
小池氏が指摘しているように、地方が休業要請して損失を受けた事業者に対して政府として補償することが強く求められています。
休業要請と補償はセットであることは、全国知事会も求めています。
地方の足並みをそろえるためにも政府が補償について明確な姿勢を示す時です。
その上で、山口県がどのような協力金制度を創設するのか見極め、臨時議会の中でしっかり議論していきたいと思います。
昨日の知事記者会見の中でも記者の方々から出されていましたが、休業要請をしていない業種の方々の中にも、休業状態の事業者が県内でも多数おられます。これらの方々を県として支える制度の創設も求めらていると思います。
今日から、休業要請が出された事業者の皆さん、その他の事業者の皆さん、皆さん方のお声をお聞かせ下さい。
臨時議会での発言に生かしていきたいと思います。
今日は、新型コロナウイルス感染症の検査・医療体制について述べてみたいと思います。
まず、検査体制についてです。
昨日のNHK日曜討論で、日本共産党の小池書記局長は、医療現場の課題について次のように述べました。
「『医療崩壊になるから』とPCR検査を抑えてきたことで、逆に医療崩壊の危機が生まれている。検査数を大幅に増やし、感染の広がりをつかまなければいけない」
小池氏は、かかりつけ医に電話で相談し、医師が必要と判断すればPCR検査センターへ紹介して検査をし、陽性の場合は治療するという見直しの方向を紹介し、「大量の検査ができるし、保健所の負担軽減になるし、医療従事者を守り、院内感染のリスクを防げる」と指摘しました。
更に、小池氏は、3月3日の参議院予算委員会で保健所を介さないPCR検査を求めたにもかかわらず、厚労省が通知を出したのは4月15日だったと指摘。「野党のいうことも聞いて、お互いに知恵を出して前に進めよう」と求めました。
小池氏が指摘をする厚生労働省の通知は、「行政検査を行う機関である地域外来・検査センターの都道府県医師会・郡市医師会等への運営委託等について」です。
通知は、「新型コロナウイルス感染症が拡大している地域においては、既存の帰国者・接触者相談センター及び帰国者・接触者外来等における業務が増加していることを踏まえ、更なる検査体制の確立が必要となるため、今般、既存の帰国者・接触者外来等の医療機関に加えて、都道府県医師会・郡市医師会等に対して行政検査を集中的に実施する機関としての帰国者・接触者外来運営委託ができることを改めて示す」としています。
16日までの県のまとめで、県内のPCR検査実施件数は977件です。県内の帰国者・接触者外来数は18カ所ですので、山口県内でも業務が増加している状況は明らかだと思います。山口県でも県医師会等の力も借りて新たな検査体制の構築を検討すべきだと思います。
山口県が15日の厚生労働省の通知を受けてどう対応しているのかについて担当課に確認したいと思います。
また、山口県の一日当たりの検査能力は、最大で60検体までです。検査能力を強化していくことも急がれます。
次に、医療体制についてです。
昨日の山口新聞は、新型コロナウイルスに対応できる病床の状況について次のように報じました。
「新型コロナウイルスに対応できる病床が感染者で埋まり、東京都や大阪府、滋賀、沖縄両県など8都府県で、空きが20%未満となっていることが18日、共同通信の調査で分かった。」「8都府県はほかに石川、兵庫、香川、福岡の各県。地方都市ではもともと病床数や医療従事者が少ない。ひとたび感染爆発が起これば必要な治療が行えず一気に医療崩壊につながる恐れがあり、体制整備が急務となる。」
調査は17日時点です。山口県の入院患者数は21人で、確保病床は40床、空床割合は47.5%でした。
山口県の感染症病床40床は、新型コロナウイルス感染症が問題になる前に確保された数です。
空床割合が5割をきった山口県において、感染症病床を増やすことが急がれます。
また、県内での軽症者の宿泊施設の確保も急がれます。
更に、それら施設への医療従事者とマスクや防護服の確保、それらへの財政支援が急がれます。
以上の対応状況について引き続き、担当部局に確認していきたいと思います。
新型コロナウイルスの検査・医療体制について皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
本屋大賞2020を受賞した凪良ゆう著「流浪の月」を読みました。
本屋大賞は、毎年チェックしているのですが、久々に大賞作品をじっくり読みました。
過去の大賞作品でじっくり読んだ作品は、2004年の小川洋子著「博士の愛した数式」。2008年伊坂幸太郎著「ゴールデンスランバー」。2009年の湊かなえ著「告白」。2010年の冲方丁著「天地明察」。2012年の三浦しをん著「舟を編む」。2016年の宮下奈都著「羊と鋼の森」です。
ここで挙げた全ての作品が映画化されており、それぞれの映画もヒットしました。
関係者の皆さん是非、「流浪の月」も映画化していただきますようお願いいたします。
「流浪の月」は、「流浪」の名の通り、主人公の更紗が流浪していくロードムービー作品です。
小説の序盤で、「少女誘拐事件」が発生します。
事件を追った作品といえば薬丸岳の「友罪」や角田光代「八日目の蝉」などを思い出します。
これらの作品は、事件に関わった被害者や加害者や周辺の人々の心理を見事に描いた秀作でした。
「流浪の月」に登場する更紗と文。二人ともマイノリティー。二人とも掛けがえのない存在として描かれています。
「誘拐事件」や「DV」など耐え難い事件が続く作品なのに、最後は、人間を信じようと思う暗闇に光を示す秀作です。
とことん、現代の闇を描きつつ、「一人一人が自分らしく生きていける社会」こそが未来の希望であることを堂々と示した作品でした。
私は、これまでにない読後感をこの作品から受けました。
「ジェンダー平等」が叫ばれるこれからの時代に相応しい新しい文学の地平を開く作品だとも思いました。
全ての新型コロナウイルス問題に関連付けてはいけないのかもしれませんが、混乱した今の時代だからこそ、この作品は未来に希望を示す作品だと思います。是非、多くの皆さんに、今、読んでいただきたい作品です。
凪良ゆうさんの他の作品も読んでみたいと思いました。
そして、今年の本屋大賞の2位以下の作品も読んでいきたいと思います。
今、本屋大賞2020第二位の小川糸著「ライオンのおやつ」を読んでいます。
皆さんが最近読まれた本でお勧めの作品をお教え下さい。
日本共産党は、16日「新型コロナ対策補正予算案への提起」を発表しました。(全文は、日本共産党のHPで公開しています。)この中で、「DV・子どもの虐待への相談体制と緊急避難先確保をはじめ、コロナ対策でもジェンダーの視点を重視する」提案を行っています。
具体的には「DVや虐待に対する相談窓口やワンストップ相談センターなどの相談・支援体制を緊急に拡充し、緊急避難先(ホテル、公共施設など)を確保します。休暇の長期化で子どもの状態がわかりにくくなっており、子どもを虐待から守るため、教育と児童相談所の連携強化を行います」と提案しています。
国連女性機関は、「女性と新型コロナウイルス」と題する声明で、国や自治体のコロナ対策が社会的・経済的に女性を取り残したものになっていないか注意喚起しました。声明は、外出禁止や行動の自由の制限がDVや女性への暴力を誘発する危険を指摘し、被害者のためのホットラインと避難所は『基本的なサービス』として補償されるよう求めています。
厚生労働省は、10日、「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言等を踏まえた支援対象児童等への対応について」との事務連絡を都道府県などに行いました。
文書は外出自粛の中で「今後、生活不安やストレスによるDV被害等の増加も懸念」されると述べ、「支援が必要な子どもや家庭に適切に対応」するよう要請しています。
具体的には①児童相談所や教員、保健師らによる支援対象の児童や妊婦の状況の変化の確認②児童虐待の通報にかかわる周知③児童相談所、配偶者暴力相談支援センターなど関係機関の連携強化などを求めています。
山口県は新年度から男女共同参画相談センターにDV被害者等の子どもを支援する「児童虐待防止対応コーディネーター」を配置して、DV防止と児童虐待防止対応を連携して行う体制を整備しました。
山口県の担当者は、先の厚生労働省の文書について、「市町や関係機関に周知している」と答えました。
山口県においても、DVや虐待に対する支援体制がさらに拡充されるよう引き続き、対策の強化を求めていきたいと思います。
山口県も緊急事態宣言の対象地域となり、外出自粛要請が強まることが予想されます。このような中で、DVや児童虐待が増加することが予想されます。
県内でのDVや児童虐待への体制強化に対する皆さんのご意見をお聞かせください。
今朝の毎日新聞は、上関原発の海上ボーリング調査について次のように報じました。
「中国電力は16日、上関町で計画する上関原発建設の埋め立て海域で予定した海上ボーリング調査について、4月にも予定していた調査着手が10月ごろに延期される見通しを明らかにした。中国電上関原発準備事務所は、調査台船の調達が4月末までにできなかかったためとしている。調査に必要な条件を満たす大型台船を所有する船会社と交渉したが、いずれも9月末まで工事などで使用中だったという。中国電は2019年6月に、埋め立て免許の3年6カ月の延長を申請し、6カ月間の海上ボーリング調査後、3年間で埋め立てを完了するとして、県から7月に23年1月までの延長が許可された。しかし、台船調達などに手間取り、19年10月になって調査に必要な海域の占用許可を申請し、県から許可を受けた。11月に準備作業後、調査に着手する予定だったが、反対派住民の海上での抗議活動などにより準備作業にも入れず、12月に県に占用申請廃止を届出て調査を一時中断。20年4月ごろの着手を目指していた。準備事務所は『期間的にタイトな状況となっているが、免許期間内に埋め立てを完了できるよう取り組む。そのために海上ボーリング調査を確実に実施できるようにする』としている。」
上関原発用地埋立禁止住民訴訟の会などが行った昨年6月7日に実施した原子力規制庁とのヒアリングの中で、原子力規制部審査グループ実用炉審査部門管理官補佐の正岡秀章氏は、上関原発は、新設の原発であり、新設の基準はないでのではないかとの私たちの問いに「その通りである。(新設の原発のための規制基準は)検討すらしていない。」と答えました。
中国電力が仮に今年10月からボーリング調査を開始し、23年1月で23年に完了させることができても、原発新設の規制基準が明確になっていない以上、その埋立が、原発の新設に耐えうるものになるかは定かでないのです。
そもそもこのような状態で許可した県の責任は重大であり、原発新設の埋め立て工事を行うためのボーリング調査を継続しようとする中国電力の責任も重大です。
原発新設のための規制基準が明らかになる前の原発新設のための埋め立ては行うべきではありません。
県は許可を見直し、中電は、少なくともボーリング調査を行うべきではありません。
国は、原発の新設を行わないことを明確にし、この問題に決着をつけるべきです。
中国電力が上関原発のための海上ボーリング調査を10月まで延長するとの報道がありました。
皆さんのご意見をお聞かせください。
村瀬広著「映画は戦争を凝視する」をガイドに広瀬さんが紹介する戦争に関わる映画を順番に観ています。
第一章は、「9.11テロ以降の戦争と映画」です。
いつものように、宇部市で一番大きいレンタルビデオショップにあった映画を順番に観ています。
「ユナイテッド93」「告発のとき」「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」「アメリカン・スナイパー」を観ました。
どの映画も強烈に戦場や兵士の日常を描いた作品で、私の脳裏に焼き付くものばかりでした。
村瀬さんは、この本の中で「イラク戦争では、4500人以上の米軍兵士が戦死している。イラク戦争は終わったことになっているが、イラクから帰還した兵士の『戦争』は終わっていない。(中略)なお悲惨なのは、イラクの民間人が12万人も犠牲になっていることである。」
イラク戦争が国際法違反と指摘されている実態を鋭く表現した映画が「ドローン・オブ・ウォー」でした。
この映画は、オバマ政権のもとで行われた無人戦闘機ドローンをつかった攻撃を扱った作品です。
村瀬さんは、以下のようにこの実態を指摘しています。
「オバマ政権がアルカイダ幹部殺害など、無人戦闘機ドローンを使った秘密作戦をアフガニスタンやイラク、リビア、パキスタン、イエメンなどで展開してきたことは周知のことだ。政権発足後、非戦闘地域での無人機攻撃は数百件に上り、ブッシュ政権時をはるかに上回っている。無人機攻撃は米国兵の犠牲を伴わないが、現地の多数の民間人を犠牲にしている。パキスタン外務省は、アメリカの無人機攻撃を主権侵害、国際法違反と批判しているが、アメリカは続行の方針をまげていない。」
村瀬さんは、更に、無人戦闘機の攻撃について次のように指摘しています。
「ドローンはロボット兵士と並ぶ究極の兵器である。戦闘地域に行かず、母国の安全な場所から遠方の敵に的確な攻撃をヒットさせることができる。『アメリカ人の命を守る』ことが大義名分である。(中略)無差別爆撃ではなく、正確な標的殺害だから巻き添え被害は最小限で済むといわれるが、果たしてそうだろうか。攻撃はつねに過剰に行われているのではないか。(中略)2012年にアメリカ・スタンフォード大学やニューヨーク大学の研究機関がパキスタンにおけるドローンの犠牲者家族や目撃者、政府関係者などにインタビューした結果では、①一般市民が負傷し、殺害されている、②一般市民の日常生活に被害をもたらしている、③アメリカがより安全になったする証拠はあいまいである、④『法の支配』『国際法』による保護が軽視されている、などと指摘、批判されている。2010年時点の事実を背景にしたこの映画は、ドローンの使用倫理のみならず、科学・技術がもたらす現代戦争の深い闇を物語っている。」
映画の中で、無人戦闘機を操縦する兵士が「ここは、テロリスト製造工場だ」という趣旨の発言をしましたが、アメリカ軍による非戦闘員への攻撃が、新たなテロを生む温床となっていると感じました。
最近、金閣寺・銀閣寺住職である有馬頼底さんと立命館大学名誉教授である安斎郁郎さんとの対話本「宗教者と科学者のとっておき対話」を読みました。
その中で、安斎さんは「科学をきちんと管理し、制約しないと、とめどもない破壊のほうに向かいかねないわけです。こうした科学の行き過ぎた進歩にブレーキをかけるのは、科学それ自身ではなく、文学や芸術、宗教だと私は深く信じています。」「科学はいくらでも人を殺す道具立てをつくることができますし、ドローン兵器をはじめもっとやっかいなものができていくと思います。それに歯止めをかけるのは、命の大切さという普遍的価値を持つ仏教の思想が大事です。」とこの本の中で述べています。
ドローン兵器だけではなく、核兵器や原子などの科学の行き過ぎた進歩に、ブレーキをかけるのは、「命の大切さと言う普遍的価値」であることは間違いありません。
今、世界でまん延している新型コロナウイルス感染症をめぐる状況は、こうした科学の行き過ぎた進歩を見直し、「命の大切さという普遍的価値」を世界で共有していくことの重大さを世界に知らせていると思います。
新型コロナウイルスがまん延する最中、映画「ドローン・オブ・ウォー」を自宅で視聴しました。
この映画から多くのことを学びました。引き続き、村瀬広著「映画は戦争を凝視する」をガイドに、「戦争と映画」について学んでいきたいと思います。
皆さん方がご覧になった映画の感想をお聞かせ下さい。