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下小鯖太陽光発電所開発事業に現地視察行う

 昨日、「小鯖の自然環境を守る会」の原田正暁会長の案内で、山口市下小鯖で建設中の太陽光発電所開発事業の現場を視察しました。

 視察には、私と河合前県議、大田山口市議が同席しました。

 村岡知事は、昨年8月28日に、「合弁会社下小鯖ソーラー」に対して、条件を付して林地開発行為を許可しました。

 条件の中には、「防災工事を先行し、事業の完了を待たずに順次緑化工事を行うこと」「盛土は、30㎝程度毎に十分な締固めを行うこと」「残置森林及び防災施設(長生息、沈砂池等)の維持管理を適切に行うこと。

 村岡知事は、林地開発許可と同時に、次の要請を開発業者に行いました。

 ①事業にあたっては、丁寧な情報提供に努めるとともに、資源エネルギー庁策定「事業計画ガイドライン(太陽光発電)」を遵守し、地域との関係構築を十分図ること。

 ②工事車両の通行にあたっては、近隣住民の生活環境にも十分配慮して事業を進めること。

 ③地域住民への丁寧な工事計画等の説明に務め、住民理解の下に工事を進めること。

 渡辺山口市長は、この開発に対して、次の要望を村岡知事に「意見書」として示しています。

 ①事業に当たっては、丁寧な情報提供に努めるとともに、国のガイドラインを遵守し、地域との関係構築を十分に図るよう御指導されたい。

 ②工事車両の通行する近隣住民の生活環境(交通安全、騒音、粉じん等)にも十分配慮して事業を進めること。

 ③調整池や水路等を適切に維持管理するとともに、下流域で土砂等の堆積が発生した場合は、浚渫等の措置を講じること。

 ④災害や生活環境への問題が生じた場合は、周辺自治会及び関係機関に通知し、必要な措置を講じること。

 視察は、まず、太陽光発電所開発事業の下流を流れる千坊川を視察しました。

 ほたるが飛び交い川底の石が透き通り見える清流でしたが、粒の小さい土砂が堆積し、川が濁っていました。

 次に開発事業の現場を視察しました。沈砂池は1カ所しか整備されていません。

 表土が大きく抉れている箇所もあり、盛土など十分に締め固められているのか疑問を抱きました。

 真砂土の表土に直接、パネルを設置する基礎の杭が打たれていましたが、豪雨などの際、表土が崩壊し、パネルごと流れる恐れを感じました。

 山口市小鯖地域は、2009年7月21日から25日にかけての断続的な豪雨で河川の決壊や斜面の地滑り等が頻発しました。また、床上浸水や床下浸水の被害も数多く出ました。

 甚大な災害のあった地域に太陽光発電所開発事業で30ヘクタールという膨大な面積の森林が伐採されることに対する地元住民の不安の声が出されています。

 小鯖の自然環境を守る会では、村岡知事に対して「下小鯖太陽光発電所開発事業に伴う防災工事の拡充について」とする要望書を来週にも提出することにしています。

 要望書には署名が付けられており、現在までに約250筆が集まっています。

 村岡知事への要請項目は次の通りです。

 ①許可条件である調整池、沈砂池等防災工事の遅れを先行し進めること

 ②安全対策をさらに備えるため沈砂池の増設と砂防堰堤の建設に着手すること

 ③大雨注意報発令中は、7区自治会との緊急連絡体制を図るため、管理事務所に24時間常駐する監視員を配置すること

 ④監視カメラを整備し下流住民とも監視できる装置と緊急通報装置を設置すること

 ⑤防災工事が停滞する等許可条件を怠り下流住民の命と生業を脅かす状況に至れば、直ちに開発事業を中止し、見直しすること

 私も「小鯖の自然環境を守る会」の署名提出に同席する予定です。

 9月県議会ではこの問題を取り上げ、林地開発許可を行った県の見解を質したいとも思っています。

 下小鯖太陽光発電所開発事業に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

 

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