一昨日に続き、日本共産党理論政治誌「前衛」9月号の日本共産党政策委員会の山根隆志さんの「トランプ政権の核・宇宙戦略と日米同盟」から山口県に関わる問題についての指摘された部分を紹介したいと思います。
一昨日は、山陽小野田市に建設されようとしている自衛隊の宇宙レーダー基地について紹介しました。
今日は、萩市と秋田市に計画されているイージス・アショアについてです。
山根さんは、トランプ大統領が、今年2月にINF(中距離核戦力)条約を廃棄声明した問題点を次の項目で指摘しています。
①INF条約破棄と核軍拡競争②INF条約破棄の日本への影響③MDR(ミサイル防衛見直し)のもとで米宇宙戦略に組み込まれる自衛隊を中心に、核・宇宙分野で進んでいる日米軍事同盟の危険な実態
③については、山口県には、山陽小野田市に自衛隊宇宙レーダー基地建設という形で影響が表れています。
②に関連して、山根さんは、イージス・アショアの問題を次のように論じています。
「ロシアは米国のイージス・アショアをINF条約違反と批判してきた。日本はINF条約の締約国ではないが、ロシアは安倍政権が導入をすすめているイージス・アショアについてもINF条約に関連させて批判してきた。ラブロフ外相は2月、『INF条約とクリール(千島)諸島の問題は明確に関連している』と主張、日本のイージス・アショアがINF条約に違反し、平和条約交渉を進める日ロ間の安全保障上に障害になっていると強調した。INF条約が廃棄されれば、米国がイージス・アショアを攻撃用に転用するうえで法的な規制はなくなる。そのため、ロシアなどがイージス・アショアに対抗する動きを強める可能性もうまれてくる。もともと、安倍政権が中期防衛力整備計画にもなかったイージス・アショアをトランプ政権の要求で導入したのは、このシステムが、グアムやハワイなど『米国を防衛する』ためのものだからである。トランプ大統領が1月に公表した『ミサイル防衛の見直し(MDR)』は、日本のイージス・アショアについて、『日本が多層防衛に加わることで、(ほかの)移動式ミサイル防衛システムを極めて柔軟に配備することができる』とのべ、日米の一体的な運用を強調している。さらに、米国の戦略国際問題研究所(CSIS、安倍政権とも関係の深いシンクタンク)が2018年5月に発表した論文『太平洋の盾 巨大な(イージス駆逐艦)としての日本」は、日本列島を米国防衛の巨大な盾=巨大なイージス駆逐艦とみなして、日本へのイージス・アショア配備の目的・意義を詳述し、日本のイージス・アショアによってハワイやグアムが防衛できるとのべている。北朝鮮北部からハワイに向かうミサイルはおおむね秋田の上空を通過し、グアムに向かうものは山口の上空を通る。防衛省は秋田、山口を選んだ理由について、『日本全域を守れるから』としか説明していないが、射程が2500キロメートルもある迎撃ミサイルはどこにおいても日本全域が防衛圏に入る。秋田と山口に配備する理由にはならない。岩屋防衛相は、『あくまで、わが国を守るための、わが国の全空域を守るための装備だ』という一方で、『ミサイル防衛に関して、同盟国である米国と通常から様々な情報交換を行っていることは事実で、仮に有事と言われるような状況、あるいは存立危機事態のような状況が生じた場合には、当然、よりしっかりと情報交換していかなければならない』と米国と一体で対応することを強調し、ハワイに向かうミサイルを『迎撃できる』と言明している(6月18日の記者会見)もともと米国を守る『太平洋の盾』としての日本のイージス・アショアは、INF条約破棄後、巡航ミサイルを発射できるようにすることも可能になる。そのような事態になれば、日本は米ロなどの対立に巻き込まれる危険性もある。この危険性は、米軍が計画している『HDR(米本土防衛レーダー)』とよばれる最新型高性能レーダーが日本に配備されるようになれば、いっそう大きくなる。」
山口県にイージス・アショアの配備計画が取りざたされて約2年。この問題を私なりにウオッチしてきましたが、トランプ大統領がINF条約を破棄した後の日米同盟との関係で、イージス・アショアを位置付けた論説は、この山根さんの論文が私自身初めてでした。
ロシアが、日本のイージス・アショアをINF条約違反と捉えているということは、ロシアは、日本のイージス・アショアに核巡航ミサイルが搭載される可能性があると見てるということです。
私は、日本共産党の宮本徹議員の国会質問を通じて、イージス・アショアは迎撃ミサイルだけではなく巡航ミサイルを装填できる可能性があることは知ってはいましたが、トランプ大統領のINF条約破棄後の日米同盟関係の中で、イージス・アショアに「核巡航ミサイル」が装填される可能性が生まれていることをこの山根さんの論文で知ることが出来ました。
アメリカのシンクタンクが、「日本のイージス・アショアによってハワイ・グアムが防衛できる」と指摘していることも重要です。
トランプ政権の核戦略の中で日本のイージス・アショアの役割を位置付けて考える重要性を山根さんの論文から学ぶことができました。
益々、イージス・アショアを日本に配備することは許されないとの決意を新たにしました。
イージス・アショアに関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
週刊新潮27号・28号・29号に軍事アナリスト豊田穣士さんの「『神の盾』に穴という『亡国のイージス・アショア』地元を憤慨させた混乱の舞台裏」が掲載されました。
豊田さんは、秋田市と萩市に配備しようとしているイージス・アショアを『現行案』のロッキード・マーチン社「LMSSR」を導入すると次の3つの問題が生じると指摘しています。
①電波の影響を実際に確認しないまま安全を宣言することになる。
②数千億円の導入費をかけるのに弾道ミサイルにしか対応できない。
②コストは必ず上振れする。
豊田さんの指摘の内、第一の「電波の影響を実際に確認しないまま安全を宣言することになる」について紹介していきます。
豊田さんは、ロッキード社のレーダー「LMSSR」について次のように指摘しています。
「実は、『LMSSR』なるレーダーは、19年7月現在、まだこの世に存在していない。19年4月に政府が示した答弁書によれば、LMSSRは、これから『約5年間で(中略)製造した後(中略)性能の確認や設置等の作業をできる限り速やかに行う予定』という。この点はすでに開発を完了して生産段階にあり、現にモノがある『SPY-6』とは状況が全く異なる。ある公表資料によれば、防衛省はレーダーを選定するにあたり、『同時多発のミサイル発射への対応能力』を重視したという。では、存在しないレーダーの能力を、防衛省は一体どのように『確認』し『評価』したのだろうか。この素朴な疑問に対し、レーダー技術に詳しい専門家はこう解説する。『米国側からの提案書に示されたLMSSRの性能は、理論値だと思われる。』確かに、防衛省としては、実物をもって確認できない以上、『理論上の値』を参考にする他ない。また提案する側としても、せいぜい研究開発の途中で得られたデータを示すことしかできないだろう。」
それでは、防衛省は、レーダーの「理論値」をどのように導き出したのかについて豊田さんは次のように書いています。
「防衛省は、LMSSRの代わりに、陸自が保有する中距離地対空誘導弾(自衛隊では『中SAM』と呼ぶ)用のレーダーを用いて調査を行った。だが、ある防衛省関係者は、次のように、本音を吐露する。『(この調査は)実際には意味がない』。なぜか?調査で使用した中SAM用のレーダーと陸上イージス用のレーダーとでは、電波の強さを意味する『出力』が違い過ぎるからだ。今回使用した中SAM用レーダーの探知距離は、一説によると数百キロ。一方、陸上イージス用のレーダーはその約10倍、数千キロ先の目標を探知できるとされている。レーダーの電波は、進む距離が延びるほど減衰してしまう。このため、10倍の探知距離を実現するには、それより遙かに強い電波を出す必要がある。レーダー技術に詳しい専門家によれば、「陸上イージス用レーダーの出力は、調査で使用した中SAM用レーダーの100倍は強いという。つまり陸上イージスのレーダーからは、調査で使用されたレーダーとは次元が異なる強さの電波が出るのだ。要するに防衛省は、実際に配備されるレーダーで調査せず、言い換えれば、実際に使用される電波の影響を現地で計測せずに『理論値』と『机上の計算』をもって『LMSSRの電波は安全』である旨、宣言しているのである。」
防衛省は、山口県での説明資料の西台の標高の間違いを認めました。
私は、地質学が専攻の君波山口大学名誉教授が地下水の流れが防衛省の資料は逆ではないかとの指摘を本ブログで紹介しました。
更に、軍事アナリスト豊田さんの防衛省の「LMSSRの電波は安全」は実測値ではないとの指摘を防衛省は重く受け止め、今後、県民に明確に説明をやり直す必要があると感じました。
陸上イージスの配備には様々な問題が山積しています。
その一つ一つを説明することを抜きに、防衛省は、陸上イージスの配備を強行してはなりません。
陸上イージス配備に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
日本共産党理論政治誌「前衛」9月号が手元に届きました。
巻頭論文は、日本共産党政策委員会の山根隆志さんの「トランプ政権の核・宇宙戦略と日米同盟」です。
トランプの核戦略の中でのイージス・アショア配備の問題についても詳細に書かれてあります。
この問題の紹介は後日に譲るとして、今日は、トランプ政権の宇宙戦略と自衛隊に関する記述を紹介していきたいと思います。
トランプ大統領は、「宇宙軍」を創設しようとしています。山根さんは、この点を次のように書いています。
「昨年12月、『宇宙統合軍(USSPACECOM)』の創設を指示する覚書に署名し、今年度中の発足をめざしている。さらに、トランプ氏は2月、大統領令に署名し、米国防総省に『宇宙軍(USSF)』創設に向けた法案を作成するように指示した。国防総省は、2月末、第六の軍種(陸、海、空、海兵、沿岸警備に次ぐ)としてUSSFを創設するための法案を議会に送った。成立した場合、2020年度からUSSFは宇宙力の編成・訓練・整備を担うことになり、5年間で約1万5千人の体制を整える。」
これらトランプ政権の動きと連動して安倍政権が宇宙領域で自衛隊が活動できるように改変しようとしています。
この点を山根さんは次のように書いています。
「安倍政権の新「防衛大綱』は、新たに『領域横断作戦に必要な能力強化』として、『宇宙・サイバー・電磁波の領域における能力の獲得・強化』を強調している。従来の『宇宙領域を活用した情報収集、通信』などの能力をいっそう向上させるだけでなく、①宇宙空間の状況を地上及び宇宙空間から常時継続的に監視する体制を構築、②機能保証能力や相手の指揮統制・情報通信を妨害する能力を含め、平時から有事までのあらゆる段階で、宇宙利用の優位確保能力の強化をうたっている。そして、2019年度予算で宇宙関連経費896億円(これ以外に弾道ミサイル防衛関連の宇宙関連経費に2705億円)を計上し、具体化を急いでいる。」
そして、日米両政府は、4月に開催した日米安全保障協議委員会(2プラス2)で次のことを確認したと山根さんは書いています。
「『日米同盟の領域横断作戦』として、『宇宙関連能力にかかる協力の深化』を強調し、①宇宙状況監視(SSA)の協力、②日本のディープ・スペース・レーダーの開発、③23年打ち上げ予定の準天頂衛星システムへの米国のSSAペイロード搭載などを確認した。23年度から米国と自衛隊の宇宙状況監視(SSA)システムを連結して、他国衛星などの情報を共有するとともに、将来的に他国衛星の攻撃などに備えた体制構築を目指す方針を打ち出したのである。」
宇宙状況監視(SSA)の重要なレーダーが、山陽小野田市の施設だとして山根さんは次のように書いています。
「防衛省はSSAの精度をあげるため光学望遠鏡を搭載したSSA衛星の調査研究を19年度予算に計上し、地上(航空自衛隊の宇宙状況監視施設は、山陽受信所跡地=山口県山陽小野田市に整備予定)と宇宙の両方から監視するシステム構築をすすめようとしている。自衛隊のシステムは23年度の運用開始時に米軍のシステムと連結し、すでに米軍と情報共有を始めているJAXAともつないで、三者の情報交換の迅速化を目指している。」
山口県に日米同盟の核・宇宙戦略にとって重要な施設が相次いで建設されようとしています。
萩市に建設されよとしているイージス・アショアと同時に、山陽小野田市で建設が進められてようとしている宇宙レーダー施設についても、私たちは、急いで情報共有しなければならないと感じました。
山陽小野田市に建設されようとしている宇宙レーダー施設に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
2日の山口新聞は、「全国知事会で次世代育成支援プロジェクトチームリーダーを務める村岡嗣政知事は2日、内閣府や厚生労働省、文部科学省を訪ね、虐待や貧困など困難な生活環境にある子どもへの支援策と少子化対策の抜本的強化を求める提言書を提出した。内閣府では、宮腰光寛少子化対策担当相と面会。村岡知事は子どもの貧困の実態に関する都道府県別のデータがないことを指摘し、国による調査の実態と情報提供を求めた。宮腰氏は『対策に結び付くような全国的調査を行いたい』と応じた。厚労省は大口善徳副大臣、文科省は中村裕之政務官と面会した。村岡知事は要請後、記者団に『提言をしっかり受け止めていただいた。地方の実情を踏まえ、政策にしっかり反映してほしい』と述べた。提言は7月23、24の両日に富山市で開催した全国知事会議で採択された。」と報じました。
全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームは、今年5月17日、「少子化対策の抜本的強化に向けた緊急提言」「困難な環境にある子どもへの支援策の抜本強化に向けた緊急提言」「児童福祉法等の改正についての緊急要望」をまとめています。
山口新聞の報道の中にある「子どもの貧困の実態に関する都道府県別のデータがない点について、全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームの提言では「困難な環境にある子どもへの支援策の抜本強化に向けた緊急提言」で「貧困の世代間連鎖の解消に向けた支援に当たっては、対象となる子どもの把握が困難なことや、都道府県別の『相対的貧困率』や『子どもの貧困率』党のデータがなく施策効果を図る指標がないことから、国の責任において、世帯や子どもの実態を把握する仕組みの構築や全国統一的な基準を用いた指標の設定などを行い、都道府県別のデータを提供すること」とあります。
子どもの貧困の実態を国が統一的に都道府県別のデータを出すことは重要だと思います。
その上で、2018年6月のデータで、都道府県の中で、27県が子どもの貧困に係る実態調査を実施(8県は2018年に実施予定)で、県内でも4市で実施している実態があります。
日本共産党県議団が、県独自の子どもの貧困に係る実態調査の実施を求めてきましたが、村岡知事は、山口県独自の調査を行ってきませんでした。
村岡知事は、国に子どもの貧困についての調査を依頼するのなら、県独自としての調査も併せて実施すべきではないでしょうか。
全国知事会次世代育成支援対策プロジェクトチームの「少子化対策の抜本強化に向けた緊急提言」の中に、「全ての子どもを対象にした医療費助成制度の創設」があります。
私は、国の制度として子どもの医療費助成制度が創設されることには大賛成です。
その上で、村岡知事は、今年5月21日、山口県市長会から「平成31年4月定例山口県市長会議における要望決議について」とする要望を受けています。
この要望項目の第一は「山口県福祉医療費助成制度における一部負担制度の撤回及び制度の拡充について」です。山口県市長会は「山口県が進める『結婚から子育てまでの切れ目ない支援』の実現に向け、県民が安心して子育てできる環境を創設するための最優先の施策として、山口県福祉医療費助成制度における一部負担金の撤回、所得制限の撤廃や子どもの医療費の対象年齢拡大など、制度の拡充を強く要望する。」と具体的に要望しています。
「福祉医療費制度助成制度について、将来に向けた制度のあり方等を協議検討する」ことを目的とした県と市町担当者で構成する「山口県福祉医療制度検討協議会」は、村岡知事就任後、開催されていません。
村岡知事は、国に対し、子ども医療費助成制度の創設を求めるのであれば、県市長会が「県民が安心して子育てできる環境を創設するための最優先の課題」と位置付ける山口県福祉医療費助成制度の「一部負担金の撤回、所得制限の撤廃や子どもの医療費の対象年齢拡大」などの制度の拡充要望に応えるべきです。
村岡知事就任後、山口県医療費助成制度の拡充は行われていません。
村岡知事は、子育て支援策について国の制度創設までの間、県知事として、他の都道府県で実施している子どもの貧困に係る実態調査や子どもの医療費助成制度の拡充などに着手すべきです。
子ども貧困などに対する施策について、皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
私は、5日に宇部総合支援学校を、6日に、萩総合支援学校長門分教室と宇部総合支援学校美祢分教室を視察しました。
現場で気づいた事をお伝えしたいと思います。
宇部総合支援学校は、小学部と中学部の普通教室の新設工事が行われていました。
来年3月11日までの工期で工事が行われていました。
今年度中に普通教室が完成見込みの宇部総合支援学校
平成28年度時点で、宇部総合支援学校は不足教室が12ありましたが、普通教室の新設工事が完了すると不足教室はなくなるとの説明でした。
この数年間、児童生徒は、一部、プレハブ校舎で勉強していましたが、それも解消される見通しです。
宇部総合支援学校の今後の課題として私が、現場で、気付いたいくつかの点を報告します。
第一は、プールの老朽化です。昭和46年3月に整備されたもので、約50年が経過しています。
児童生徒が移動するプールサイドは、コンクリート張りで、全面改修が必要だと感じました。
車イスでも移動が可能なバリアフリーで、校舎からの移動が簡単な場所での新設が求められると感じました。
第二は、寄宿舎の老朽化です。現在、寄宿舎には、高等部の16名の生徒が生活しています。昭和49年5月に整備されたもので、45年が経過しています。丁寧に管理されていましたが、建物に段差が残されていました。バリアフリー化された寄宿舎の新設が求められていると感じました。
第三は、厨房についてです。寄宿舎に厨房が併設されていますが、この厨房も寄宿舎と同時期に整備されたもので、40年以上が経過していると思われます。300人を越える本校児童生徒の給食を提供していますが、187名の教員などの給食が提供できていない状況だとお聞きしました。
寄宿舎と合わせて厨房を新設し、教員へも給食が提供される体制にすることが急がれます。
第四は、通学バスの運行についてです。現在、6路線が運行されています。学校要覧によると、その内、運行時間が60分を越える路線が4便でした。保護者の負担を増やすことなく、運行時間が1時間程度になるように運行の改善が求められていると感じました。
次に、萩総合支援学校長門分教室について報告します。
萩総合支援学校長門分教室は、2015年4月に長門市立深川小学校の一部を借りて開設されました。
現在、小学部6名、中学部2名の子どもたちが通学しています。
子どもが明るい教室で学ぶ萩総合支援学校長門分教室
現場を訪ねると新しく明るいイメージの学校だと感じました。
日常的に分教室の子どもたちと深川小の子どもたちが交流できている様子が想像できました。
その上で、私が、長門分教室で気づいた点について報告します。
第一は、施設が狭隘だと感じた点です。
後ほど訪れた美祢分教室と児童生徒数は同数です。美祢分教室は、4教室を使っていましたが、長門分教室は2教室です。
保健室と職員室が同じ部屋で、保健室がカーテンで仕切られていました。
深川小学校に空き教室はなく、長門分教室で現在以上の児童生徒を受け入れることは困難な状況であり、中長期的に施設整備をどう図っていくかが課題だと感じました。
第二は、児童生徒全員を、保護者が送迎している点です。
美祢分教室は、美祢市が運行しているバスに分教室の子どもたちも利用できていました。
一方、萩総合支援学校の通学バスは、先崎線・油谷線があり、長門市内から12人の子どもたちが通学バスで、本校に通っていました。
萩総合支援学校学校の要覧によると、長門分教室の西に位置する日置から萩市の本校まで通学バスで通っている児童が2名おられます。
私は、美祢分教室のように長門市の協力を得るのか、長門分教室独自でバスを運行するかの方法で、通学バスを確保し、長門市の子どもたちが、分教室に通え易い条件を整えていくことが大切だと感じました。
最後に、宇部総合支援学校美祢分教室についてです。
廃校となった旧美祢市立桃木小学校が美祢分教室と活用され、2015年4月に開設されました。
小学部が6名、中学部が2名が通っています。
旧桃木小学校に立地する宇部総合支援学校美祢分教室
校舎も新しく、りっぱな体育館がグランドもありすばらしい施設でした。
地域との交流も熱心に取り組まれているとのことでした。
その上で、いくつかの気づきを述べたいと思います。
第一は、美祢市から、宇部総合支援学校に通っている子どもたちが17名いることです。(小学部7名、中学部4名、高等部6名)
旧桃木小学校に分教室として使用していない空き教室が3部屋程度ありました。
保護者の希望をお聞きしながら、分教室への通学手段も確保しながら、美祢分教室に高等部の生徒も含めて受け入れる体制の整備が必要なのではないかと感じました。
現在の山口総合支援学校のように、美祢分教室を分校にする。将来的には、学校にして、美祢市内から長距離通学をしている子どもたちが、地元の総合支援学校に通える環境を整えていくべきだと感じました。
その事は、長門分教室にも言えることです。長門分教室も分校へ学校へと展望していくべきだと感じました。
そして、分教室で共通している問題は、健康診断が本校で行われている点です。これも学校へと展望していくなかて改善していくべきだと感じます。
「山口県特別支援教育推進計画(第二期)」は、2022年度までの計画です。
次期計画には、分教室を分校や学校に展望することを明記すべきだと思います。
視察を受け入れていただいた、宇部総合支援学校と萩総合支援学校並びに関係者の皆さんに感謝を申し上げ、視察の報告といたします。
特別支援教育に関する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。
8月2日、「日刊いわくに」は、岩国市美和町に計画されているメガソーラー計画について次のように報じました。
「岩国市美和町の元ゴルフ場を開発用地に、東京に本社を持つ開発会社が大規模な太陽光発電施設を建設するため、今年、3月頃、森林開発申請書を山口県に提出したことが分かった。計画に反対している美和町の立岩地区(14世帯)の廣兼輝雄自治会長と片山地区(10世帯)の林雅之自治会長が7月31日、開発中止を求める請願書を岩国農林事務所(山本富夫所長)に提出、岩国市役所内で会見してメガソーラー施設に対する不安を語った。◇両自治会長によると、美和町にメガソーラー開発を計画しているのは全国で太陽光発電事業を展開している事業者。ゴルフ場跡地約215㌶のうち約110㌶を造成、ソーラーパネルを設置する。発電容量は一般家庭3万世帯分の98メガワット。2024年度完成を目指して来年度着工、完成後は電力会社に売電する。開発地まで市内中心部から車で約1時間。計画地域は林。開発地域から約100㍍離れた山のふもとに計画に反対する立山地区、下流部に片山地区がある。計画は約2年前から始まり、立山地区で住民説明会があったが、片山地区では説明会がなかったため、美和総合支所を通じて説明会開催を要望、説明会が行われた。その後は新たな説明はないまま、今年に入り、社長が交代したことで計画の一部見直しが行われ、2月9日に改めて愛初地域周辺の5自治会合同の説明会が行われた。▽自然地形を活かした造成▽近年の豪雨災害の洪水を想定した水処理▽貯水池による水処理▽分水嶺を保持した水処理-などが示されたが、詳細な造成内容が行われず、貯水池構造などを示す図面の提示はなく、住民側が詳細な資料提供を求めたが、新しい資料の提出は行われていない。業者側が県に森林開発許可申請を出したことを知った住民’側は不審感を募らせ、県知事に『太陽光発電事業計画の中止』を求める請願書を提出した。請願書は『森林伐採と土地の形状変更による生活や自然環境への影響、パネル設置後の管理や耐用年数、パネル設置工事に伴う様々な騒音・振動・大気汚染などについて何ら説明がない。資料の提供もなく、周辺住民の不安と不信は広がるばかり。太陽光発電所の開発行為で自然環境が破壊され、集中豪雨による土砂崩れの原因の一つとしても指摘され、開発地域で住民反対運動が起こり、行政機関を含め、大規模な太陽光発電事業について対策が強化されている。開発行為によって影響を受ける地域住民の同意が得られていない今回の開発計画は許可できないとの判断をお願いします』と求めています。両自治会長によると、開発地域は急傾斜の危険区域に指定されている。十数年前に大規模な土石流が発生したという。両自治会長は『生見川と島田川の分水嶺に位置している。両側に大きな川がないため、開発行為で樹木が伐採されると山が保水力を失い、大規模な土砂災害が発生する恐れがある。私たちは井戸水を使っているが、水が枯れると飲料水はもとより、農作業にも大きな影響が生じる』として賛成している。開発業者は、開発地域に設置する貯水池はコンクリート製ではなく、造成時に発生した土砂を持って作ると説明していることにも『老朽化した貯水池が崩壊したり、河川の護岸が崩壊して大規模な浸水被害が起きている。盛り土による簡易な貯水池が近年の豪雨に耐えることができるのか』と不安を示す。また、大規模なソーラーパネルが設置されると、施設から発生する熱が山のふもとに流れ込み、暑さが増す恐れもあるとしている。会見に立ち会った中村覚弁護士は『県の環境アセス条例が6月1日に改正され大規模な太陽光発電所も環境アセスの対象になった。地元への十分な説明、理解がない中、開発業者が開発申請を行ったことは、この条例改正を逃れるため駆け込みで申請をしたとしか捉えることができない』と説明しました。」
岩国市美和町に計画されているメガソーラーの規模は、県内では最大級のものだと思われます。
計画地付近の二つの自治会が村岡知事に対して「太陽光発電事業計画の中止を求める請願書」を7月31日付で提出された事を県議会議員の一人として私は重く受け止めたいと思います。
地元住民の方々の意見をお聞きし、必要な発言を行っていきたいと思っています。
岩国市美和町へのメガソーラーの計画に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。