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沖縄県議会が、自民党の西田氏の「ひめゆりの塔」などを巡る発言で、抗議決議 可決させる

 18日、しんぶん赤旗日刊紙は、自民党の西田昌司参議院議員が「ひめゆりの塔」の説明を巡り、「歴史の書き換え」などと発言した問題で、沖縄県議会が抗議決議を採択したと次のように報じました。
 「自民党の西田昌司参議院議員が沖縄戦で犠牲になった学徒らを追悼する『ひめゆりの塔』の説明を巡り、『歴史の書き換え』などと冒瀆したことに対し、沖縄県議会は16日、日本軍の作戦で沖縄が『捨て石』とされた戦争の実相をゆがめ、否定する発言だとして抗議決議を可決しました。日本共産党や自民党など、維新を除く全会派による賛成多数でした。決議は、西田氏に学徒への冒瀆と改めて認めた上で謝罪と発言の撤回を要求。自民党にも厳格な処分を追っています。自民党も含め党派を超えた可決を追求するため、西田氏への辞職要求は見送られましたが、辞職などの対応は譲れないと主張してきた維新は反対しました。決議は『(県史において日本軍が)本土決戦を遅らせるため沖縄で時間稼ぎの持久作戦を続け、本土防衛の(捨て石)にされたと表現されている』と強調しています。県民の4人に一人が命を奪われたことについて、『日本軍の作戦による犠牲であることは紛れもない歴史上の事実である』と指摘。『歴史的事実である県民殺害の記述が削除されていることは容認しがたい』として、県議会が過去に3回、教科書検定の意見書を全会一致で可決したことにも言及しています。自民党が『捨て石』などの記述を削除するよう求め、文案調整は難航したものの、日本共産党などの与党は『県民の立場に立つべきだ』と粘り強く説得。可決は午後10時すぎまでもつれまししたが、日本軍の加害の事実に目を背けず、歴史修正を許さないと決議した画期的内容といえます。」
 沖縄県議会が可決した西田氏の発言に抗議する決議は、次の通りです。
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西田昌司参議院議員による沖縄戦の実相をゆがめ、否定する発言に対する抗議決議

 令和7年5月3日の憲法記念日に那覇市で開催された憲法シンポジウムにおいて、自民党の西田昌司参議院議員が、ひめゆりの塔の展示をめぐり、「歴史の書換え」や、「沖縄の場合には地上戦の解釈を含めて、かなりむちゃくちゃな教育のされ方をしている」等と発言した。西田氏の発言は、沖縄戦の実相をゆがめ、戦没者や戦争体験者を冒瀆し、県民の尊厳を踏みにじるものである。
 沖縄戦体験者の証言や、沖縄戦研究から明らかになってきた事実は、国体護持を至上命令とする日本軍が1944年に配備され、本土決戦を遅らせるため沖縄で時間稼ぎの持久作戦を続け、本土防衛のための「捨て石」にされたと沖縄県史などに表現されている。日本軍は旧制中学校や旧師範学校の生徒たちを、ひめゆりをはじめとする学徒隊や鉄血勤皇隊などとして戦場に駆り出した。さらに、首里城の地下に造った司令部を放棄し、住民が避難していた本島南部に撤退した結果、軍民混在の状況の中、住民を巻き込んだ激しい地上戦となり、県民の4人に1人の貴い命が奪われた。これらは日本軍の作戦による犠牲であることは紛れもない歴史上の事実である。
 また、西田氏は憲法シンポジウムという場で、「要するに、日本軍がどんどん入ってきて、ひめゆり隊が死ぬことになっちゃった。そしてアメリカが入ってきて沖縄は解放された」と述べ、「自分たちが納得できる歴史をつくらないと」と発言している。西田氏の発言は、沖縄戦の実相を認識せず、歴史を修正しようとするものである。
 西田氏は「ひめゆりの塔」に言及したことを、「TPO(時、場所、場面)をわきまえるべきだった」と弁明したが、沖縄の歴史教育や平和教育を非難した根幹部分は謝罪も撤回もしていない。
 これまで本県議会は、「沖縄戦での日本軍」による記述について、「歴史的事実である県民殺害の記述が削除されることは到底容認し難いことである」として、「教科書検定に関する意見書」を過去3度にわたり全会一致で可決してきた。
 西田氏に求められているのは、戦後80年たった今も、癒えることのない戦争体験者や遺族の深い悲しみの声に真摯に向き合い、沖縄戦の実相・史実を正しく認識することである。
 よって、沖縄県議会は再び沖縄を戦場にさせないことを表明するとともに、戦没者や戦争体験者を冒瀆し、県民の尊厳を踏みにじる西田昌司参議院議員の発言に対して、満身の怒りをもって抗議するとともに、以下の事項を強く要求する。
・・・
 私は、4月下旬にひめゆり平和祈念資料館を見学しました。1989年に作成された「設立について」の文章に、「地獄の戦場に放り出したこの解散命令が、学徒隊の犠牲を更に悲惨なものにしました。陸軍病院に動員された240人中136人、その他の地域でも91人、学徒職員併せて227人が尊い生命を失いました。」とあります。日本軍が学徒隊を結成し、戦火の中で、解散命令を出したことが、多くの学徒隊の死者を生んだという歴史の事実を忘れるわけにはいけません。
 皆さん、この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせください。

1 西田昌司参議院議員は、史実に基づかない自身の発言や認識が、ひめゆり学徒や沖縄戦体験者の証言をゆがめ、否定するものであったことを認めた上で謝罪し、発言を撤回すること。
2 自由民主党は、ひめゆり学徒や沖縄戦体験者の証言をゆがめ、否定した西田氏への厳格な処分を行うと同時に、党としての沖縄戦への認識を示すこと。
3 自由民主党は、党所属議員が歴史の事実や戦争被害に対して無理解な発言を繰り返すことの重大性を直視し、再発防止のため、党内教育体制の再構築を速やかに実施すること。

上記のとおり決議する。

令和7年5月16日

参 議 院 議 員 西田 昌司
自由民主党総裁 石破 茂
沖 縄 県 議 会
宛て

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