月別アーカイブ:2017年3月

東電新々総合計画

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙は、「主張」で「東電新々総合計画」を取り上げています。

 「東京電力の持ち株会社・東京電力オールディングスが、国の原子力損害補償・廃炉等支援機構とともに、福島第一原発事故で支出増が迫らている除染や賠償、廃炉などの費用を確保し、経営を『再建』するための『新々総合特別事業計画』骨子をまとめました。株式を国に引き渡し、事実上『国有化』されている東電が、他社との事業再編や統合などで利益うぃ改善していこうとするものですが、見過ごせないのは原発の再稼働が前提になっていることです。福島第2原発はもちろん、柏崎刈羽原発についても住民の同意はありません。再稼働前提は断念すべきです。」「原発事故の廃炉や賠償、除染などの費用は、汚染者負担原則に立って事故の責任者である東電が第一義的責任を果たすのが当然で、電気料金や税金など際限なく国民につけを回すのは筋が違います。東電に出融資するメガバンクや原子炉メーカー、ゼネコンなどにも応分の負担を求め、国民負担を最小にすべきです。原発の再稼働を前提に、東電にやみくもにもうけを増やさせようというのは誤りです。再稼働は断念し、賠償、廃炉の費用負担の仕組みを根本から見直すべきです。」

 先日、山口市内で講演した安斎育郎さんの著作「福島原発事故 どうする日本の原発政策」に安斎さんが、1972年日本学術会議原発問題シンポジウムで基調演説された「原子力発電の問題点」が掲載されています。

 安斎さんが、1972年に示された「原子力発電の6項目の点検基準」は現在でも極めて重要な問題を提起していると思います。

 安斎さんが示された6項目の点検基準の概要は以下の通りです。 

 ①自国に根差した自主的なエネルギー開発であるのか否かという点

 ②経済優先の開発か、安全確保優先の開発かという点

 ③自主的・民主的な地域開発とどう抵触するのかしなのかという点

 ④軍事的利用への歯止めが保障されているのか否かという点

 ⑤安全性の確保、すなわち発電所労働者と地域住民の生活と生命の安全を確保し、環境を保全する十分な歯止めが、どれほどの実証性をもって裏づけされているのかという点

 ⑥原発開発に関して民主的な行政が実態として保障されているのか否かという点

 安斎さんがこの指摘をして以降に、世界は、チェルノブイリ、スリーマイル島、福島の原発事故を経験しました。

 福島原発事故を受けた後の日本の原発政策は、冒頭紹介した「東電新々総合計画」にあるように、原発再稼働を進めるものとなっています。

 日本は、引き続き、安斎さんの6項目の点検基準で原発政策を点検しなければならない時代が続きます。

 「勝つことは諦めないこと」これは、沖縄の基地反対闘争の教訓として語り継がれている言葉です。

 日本が福島原発事故を教訓として原発のない国に進むよう諦めないで運動を続ける必要性がかつてなく高まっています。

 上関原発は、山口県知事が中電に埋立免許の延長申請に許可を出しました。

 政府は、今年中にもエネルギー基本計画を改定しようとしています。

 この中に「原発の新設」を盛り込み、政府は、上関原発を一気に進めかねない状況も予測されます。

 再稼働も許されませんが、原発の新設が認められれば、未来永劫、日本は再び原発に依存した国になってしまいます。

 原発のない日本を実現するために、上関原発を建てさせないことは、ことのほか意義深い運動です。

 いよいよ今日、山口市の維新百年記念公園で、「上関原発を建てさせない山口県民大集会」が行われます。

 10時から開催です。私は、宇部市から直行バスのスタッフとして集会に参加します。

 一人でも多くの皆さんのご参加をお願いいたします。

 上関原発に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

 

 

大いなる陰謀

 尊敬する映画好きの先輩から「大いなる陰謀」のDVDをお借りし先日視聴しました。

 「大いなる陰謀」ロバート・レッドフォード監督のアメリカ映画で、日本では2008年に公開されたました。

 9.11同時多発テロ後のアメリカの中東への侵略戦争が泥沼化する中で新たにアフガニスタンへの侵攻を企てるアメリカ。

 その裏側を描いたのが「大いなる陰謀」です。

 映画の舞台は3つあります。

 一つ目は、トムクルーズ演じる未来の大統領候補の呼び声高いアーヴィング上院議員にメリル・ストリープ演じるベテランジャーナリストのジャニーンが一大スクープを語る議員執務室。

 二つ目は、ロバート・レッドフォード演じるマレー教授の控室。授業を休みがちな生徒とマレー教授が激論を戦わせます。

 三つ目は、アフガニスタン侵攻の戦場。二人の青年は、マレー教授の教え子。一人は、アフリカ系。一人は、メキシコ系。「国を変えるために戦場へ行く」とアメリカを旅立った青年二人は、ヘリコプターからアフガニスタンの山中に転落します。

 この映画は、「戦争」がどのように作られるかを描いた作品だと思います。

 一つは、政府の意思が意図的にマスコミに流されるという事実です。

 「アフガニスタン侵攻」を対テロ戦争と言い、アメリカを救う戦いという政府。政府の意思を無批判に報道するマスコミ。

 二つ目は国民の無関心が戦争を引き起こすという事実です。中東では戦争が起こっているのに、アメリカ国内では、その事に無関心な国民が多数います。

 学生がアイドルの報道を観るシーンが出てきますが、この場面は映画「華氏456」にも同じようなシーンがありました。

 国民が無関心な中、戦争は起こることが分かりました。これも、政府による国民操作だと描かれています。

 三つ目は、貧困問題が戦争を引き起こすという事実です。戦場に向かった二人の青年の背景には貧困があります。アリン・ネルソンさんが海兵隊に入った経過と似ている状況が今日も続いていることをこの映画は語っています。

 政府が事実を隠して「正義」を掲げて戦争を起こす。その「正義」を無批判に報道するマスコミ。

 国民の多くは、政治に無関心。一方で、極貧の青年が戦場に追いやられる現実をこの映画は見事に描き切っています。

 日本を戦前にさせないためにも、この映画を多くの皆さんに観ていただきたいと思います。

 安保法制=戦争法を具体化させて、アメリカの侵略戦争に自衛隊を派兵させようとする政府。

 共謀罪を導入して、戦前の治安維持法下の状況を作ろうとする政府。

 社会保障施策を後退させ、格差と貧困を拡大させる政府。

 総じて「戦争する国」づくりを進めようとする政府の意図を見抜く国民的連帯を更に作ることの必要性をこの映画で感じました。

 戦争を続けるアメリカの今を知ることは、日本の未来を創る上でとても大切な事だと感じました。

 「大いなる陰謀」を観られた方は感想をお聞かせ下さい。

F35に276の重大欠陥

 19日付しんぶん赤旗は、「米国防省運用試験・評価局が1月に米議会に提出した最新の年次報告書で、米軍と自衛隊が次期主力戦闘機として配備を進めているF35ステルス戦闘機の最新段階(ブロック3F)の試験機に関して、「重大な276項目の欠陥を特定した」と明記していることが分かりました。」と報じました。

 しんぶん赤旗は、「実戦配備された前段階の機種についても、『欠陥が次の段階に引き継がれた』『非現実的な開発日程に合わせるため、(前段階からの)問題を残したまま配備された』としており、3月までに航空自衛隊に納入された4機(F35A)や、岩国基地(山口県)に配備された海兵隊10機(F35B)にも重大な欠陥が含まれている可能性があります。」「報告書は『F35の全面的な戦闘能力を伴う初期運用試験・評価は早くても2018年後半から19年前半になる。実際は20年以降になるだろう』と指摘しており、現状では『戦闘機』として訳に立たないことを指摘。その背景として、F35の開発部門に、8月までに実戦配備に向けた段階の一つである『初期運用試験・評価』を行うよう『圧力』がかかり、必要な日程の短縮が迫られた結果、276の欠陥が残ったとしています。」と報じています。

 しんぶん赤旗の解説で竹下岳記者は「米国防相のF35開発部門に何らかの『圧力』がかかり、欠陥を放置したまま開発・配備が進められています。そこには、巨大軍需企業を中心とした軍産複合体の影が見え隠れします。オバマ前政権に任命された国防総省の担当官は退任直前の今年1月、米議会に提出報告書で開発計画の延長を提言しました。」「安倍晋三首相は米国製兵器の購入で『米国の経済や雇用にも貢献する』(2月15日、参院本会議)と答弁しましたが、垂直離着陸オスプレイを含め、『欠陥商品』の大量購入はやめるべきです。」と報じています。

 県民の反対の声を無視して、米海兵隊岩国基地に駐留米軍基地では初めてF35B10機が配備されました。

 実戦配備された前段階の機種についても「結果’が次の段階に引き継がれた」「非現実的な開発日程に合わせるために、(前段階からの)問題を残したまま配備された」F35が、岩国基地のF35Bが含まれるのならば、山口県民の命に係わる大問題です。

 私は、これまでもF35の欠陥を指摘し、岩国基地配備撤回を求めてきましたが、この報告書を受けて、改めて、配備されたF35Bの米国への帰還と、新たなF35Bの配備撤回を訴えたいと思います。

 F35に重大な276項目の欠陥があることが明らかになりました。

 この問題に対する皆さんのご意見をお聞かせ下さい。

愚行録

 昨日、石川慶監督の映画「愚行録」を北九州市の映画館で観ました。

 映画のパンフレットの中で、松原耕二さんが、「未解決の一家惨殺事件を記者が追う。そうした設定だと事前に聞いていた私は、記者の果敢な取材が真理を明らかにする、といった類いの映画なのだろうと勝手に想像していた。つまり悪の側にいる犯人を、善の側にいる記者=主人公が暴いていのだと。」「そしてふと気づく。この物語は私たちが生きている世界そのものではないだろうか。他人を分類分けし、傷つけ、殺し合う。ふつうの人々が悪意すらなく愚行を犯す。もしろん私も、そしてあなたもそのひとりなのだ。」と述べていますが、2時間、スクリーンに映し出されたのは、現代社会の現実そのものだったのでしょう。

 田向浩樹を演じた小出恵介さんは「非常に人間的な映画だと思います。人間の愚かさや暗部を照れずに表現して、普通は、『愚かだけど愛おしい』みないな人間賛歌になりがちなところを、ちゃんと愚かなまま突き抜けていく。中途半端なすくいのない作品も個人的にあ好きなので、それが伝わるといいなと思います。」と述べていますが、人間の本質をえぐり出した作品と言えます。

 貫井徳郎さんの原作「愚行録」を昨日までに読み終えて映画を観ようと思っていたのですが、後半部分を残したまま観ました。

 だから、後半部分の展開と結末は、全く予想が出来ないものでした。

 帰りの電車の中で、小説は全部読みました。

 全部読んだ上でも、妻夫木聡さん演じる田中武志は、小説の中には実体が登場しません。 

 田中武志が登場する中で、この小説の全体像を理解することが出来ました。

 映画と小説を両方観て読んで「愚行録」の世界観を深く理解することができました。

 貫井徳郎さんは、映画のパンフレットで、「僕は人を見下したり見下されることが嫌いなんです。嫌いなものをどうして書くのかというと、それがどんなに嫌なことか気づいてもらいたいからです。この作品は読んで本気で怒ってしまい人が結構いたんですよ。作者としては成功なんですけど、何が自分のカンに触ったということを考えておらえたらなと思うんです。」と書いています。

 「愚行録」を通して、作家の貫井徳郎さんと石川慶監督の熱情を感じることができました。

 とにもかくにも「愚行録」を観て読んで、一緒に語り合いましょう。

 「愚行録」を観た読んだみなさん。感想をお聞かせ下さい。

 

安斎育郎さん講演会

 安斎育郎講演会実行委員会などが主催した「安斎育郎さん講演会」が18日、山口市内で行われました。

KIMG1086_20170321155737

  山口市内で行われた安斎育郎さん講演会

 安斎さんは、東京大学工学部原子力工学科の第一期生でした。

 「粗悪な原発政策に深く失望し、批判の側に身を置くようになった。」と語る安斎さん。

 東大助手時代は、「反国家的イデオローグ」の烙印を押され、村八分・ネグレクト・差別・恫喝・懐柔など様々なハラスメントを体験した安斎さんでした。

 安斎さんは、福島原発事故に対して「このような破局的事故を防ぐ国民的な抵抗線の構築に十分役立てなかった非力を、いまさらながら悔やんでいる。」と語ります。

 安斎さんは、発災直後に、同じ想いで福島原発事故の調査に取り組んでいた科学者やエンジニアと共同して「福島プロジェクト」を立ち上げます。

 以来、安斎さんは「福島プロジェクト」のメンバーとともに、毎月のように福島原発事故現場に足を運んでいます。

 安斎さんは、「帰宅困難区域」の民家の実態を次のように報告しました。

 「空き巣、ネズミ、アライグマ、ハクビシン、イノシシ、猿などによって荒れ放題に荒らされている。」

 安斎さんは、「『帰村』ならぬ『棄村』にならざるを得ないような災害-それが牙を剥いた原発がもたらす放射能災害の特性であることをしっかり見据え、この国が原発依存を続けるべきかどうかを含め真正面から考えなければなるまい。」と述べました。

 安斎さんは、「今こそ声を一つに原発依存を脱してより安全な電力政策への転換を求める時だと確信している。」「『福島プロジェクト』は、『虫の目』であり、草の根分けても事故の実態を明らかにする重要な活動だと信じているが、一方で、われわれは、『鳥の目』をもって歴史の流れを俯瞰し、福島原発の教訓を盛り込んで日本の対米従属的な電力政策を中間総括し、後世に『負の遺産』を残すことのない道を選び取る必要があると考える。」と訴えました。

 安斎さんは、「原子力発電を続けるかどうかは、子どもたちの未来のかかった大問題である。時を超えた民主主義を行使して、原子力依存の電力政策を転換していく必要がある。」と最後に語りました。

 原子力研究の第一人者である安斎さんが語る脱原発の訴えには気迫が感じられました。

 安斎さんが福島原発事故直後に書かれた「福島原発事故 どうする日本の原発政策」を読み直しています。

 未来の子どもたちのためにも原発を続けるわけにはいかない。上関原発を建てさせるわけにはいかない。

 この事を痛感した講演会でした。原発に対する皆さんの想いをお聞かせ下さい。

新日本婦人の会宇部支部第50回支部大会

 昨日、宇部市内で、新日本婦人の会宇部支部第50回支部大会が行われ、日本共産党を代表して挨拶しました。

KIMG1094_20170319141413

 写真奥で立って挨拶しているのが私です。

 挨拶の要旨は以下の通りです。

・・・

 新日本婦人の会宇部支部第50回支部大会にあたり、日本共産党を代表しての挨拶を行います。

 京都大学の総長、山極壽一(やまぎわじゅいち)さんと、旭川市旭山動物園前園長小菅正夫さんの共著である「ゴリラは戦わない」を読みました。

 「人間とゴリラの違い、例えば相撲の力士はぶつかりますね。でも、ゴリラはドラミングをしてもぶつからない。ドラミングは、ぶつからないための『架空の闘争』なんですよ。」

 ゴリラは。「そもそも負けるという観念、あるいは社会的ルールというものがない。それはつまり、勝つという観念や社会的ルールもないわけですよ。負けるという概念があれば、勝つという概念があるわけですよ。でもゴリラにはそれがない。」

 さて、米国による広島・長崎への原爆投下から72年。人類が生み出した最悪の残虐兵器=核兵器の禁止・違法化を図る国際条約を作る初の国際会議がいよいよ今月27日からニューヨークの国連本部で始まります。

 昨年10月、核兵器禁止条約を交渉する会議の開催を決議した会合でアメリカ政府の代表は、「安全保障で核兵器に依存する国々がどうして核兵器に汚名を着せる交渉に参加できるだろうか」と発言し、各国に対し、条約の交渉開始に反対するよう求めました。

日本政府は、このようなアメリカの恫喝に屈して、核兵器禁止条約に反対の姿勢をとっているのは、唯一の戦争被爆国政府にあるまじき態度です。

 昨年12月に国連総会は、核兵器禁止条約の締結交渉を開始する決議を113カ国の賛成で採択しました。

 2月に国連で開かれた準備会議でアイルランド政府の代表が、「虎にまたがっている人は食べられることお恐れて降りられない。しかし、彼らは降りなければならない。」と核保有国政府の姿勢を批判しました。

 「核兵器のない世界」の実現は、人類にとって死活的な緊急課題です。この問題で世界は前進しようとしています。

  新婦人の目的の第一は「核兵器の危険から女性と子どもの生命を守ります」です。勝ち負けのないゴリラの平和主義を人類は今こそ学び、「核兵器のない世界」を実現しましょう。

・・・

 核兵器のない世界を実現するチャンスです。

 核兵器廃絶に向けての皆さんのご意見をお聞かせ下さい。