議員日誌

愚行録

 昨日、石川慶監督の映画「愚行録」を北九州市の映画館で観ました。

 映画のパンフレットの中で、松原耕二さんが、「未解決の一家惨殺事件を記者が追う。そうした設定だと事前に聞いていた私は、記者の果敢な取材が真理を明らかにする、といった類いの映画なのだろうと勝手に想像していた。つまり悪の側にいる犯人を、善の側にいる記者=主人公が暴いていのだと。」「そしてふと気づく。この物語は私たちが生きている世界そのものではないだろうか。他人を分類分けし、傷つけ、殺し合う。ふつうの人々が悪意すらなく愚行を犯す。もしろん私も、そしてあなたもそのひとりなのだ。」と述べていますが、2時間、スクリーンに映し出されたのは、現代社会の現実そのものだったのでしょう。

 田向浩樹を演じた小出恵介さんは「非常に人間的な映画だと思います。人間の愚かさや暗部を照れずに表現して、普通は、『愚かだけど愛おしい』みないな人間賛歌になりがちなところを、ちゃんと愚かなまま突き抜けていく。中途半端なすくいのない作品も個人的にあ好きなので、それが伝わるといいなと思います。」と述べていますが、人間の本質をえぐり出した作品と言えます。

 貫井徳郎さんの原作「愚行録」を昨日までに読み終えて映画を観ようと思っていたのですが、後半部分を残したまま観ました。

 だから、後半部分の展開と結末は、全く予想が出来ないものでした。

 帰りの電車の中で、小説は全部読みました。

 全部読んだ上でも、妻夫木聡さん演じる田中武志は、小説の中には実体が登場しません。 

 田中武志が登場する中で、この小説の全体像を理解することが出来ました。

 映画と小説を両方観て読んで「愚行録」の世界観を深く理解することができました。

 貫井徳郎さんは、映画のパンフレットで、「僕は人を見下したり見下されることが嫌いなんです。嫌いなものをどうして書くのかというと、それがどんなに嫌なことか気づいてもらいたいからです。この作品は読んで本気で怒ってしまい人が結構いたんですよ。作者としては成功なんですけど、何が自分のカンに触ったということを考えておらえたらなと思うんです。」と書いています。

 「愚行録」を通して、作家の貫井徳郎さんと石川慶監督の熱情を感じることができました。

 とにもかくにも「愚行録」を観て読んで、一緒に語り合いましょう。

 「愚行録」を観た読んだみなさん。感想をお聞かせ下さい。

 

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