安斎育郎講演会実行委員会などが主催した「安斎育郎さん講演会」が18日、山口市内で行われました。
山口市内で行われた安斎育郎さん講演会
安斎さんは、東京大学工学部原子力工学科の第一期生でした。
「粗悪な原発政策に深く失望し、批判の側に身を置くようになった。」と語る安斎さん。
東大助手時代は、「反国家的イデオローグ」の烙印を押され、村八分・ネグレクト・差別・恫喝・懐柔など様々なハラスメントを体験した安斎さんでした。
安斎さんは、福島原発事故に対して「このような破局的事故を防ぐ国民的な抵抗線の構築に十分役立てなかった非力を、いまさらながら悔やんでいる。」と語ります。
安斎さんは、発災直後に、同じ想いで福島原発事故の調査に取り組んでいた科学者やエンジニアと共同して「福島プロジェクト」を立ち上げます。
以来、安斎さんは「福島プロジェクト」のメンバーとともに、毎月のように福島原発事故現場に足を運んでいます。
安斎さんは、「帰宅困難区域」の民家の実態を次のように報告しました。
「空き巣、ネズミ、アライグマ、ハクビシン、イノシシ、猿などによって荒れ放題に荒らされている。」
安斎さんは、「『帰村』ならぬ『棄村』にならざるを得ないような災害-それが牙を剥いた原発がもたらす放射能災害の特性であることをしっかり見据え、この国が原発依存を続けるべきかどうかを含め真正面から考えなければなるまい。」と述べました。
安斎さんは、「今こそ声を一つに原発依存を脱してより安全な電力政策への転換を求める時だと確信している。」「『福島プロジェクト』は、『虫の目』であり、草の根分けても事故の実態を明らかにする重要な活動だと信じているが、一方で、われわれは、『鳥の目』をもって歴史の流れを俯瞰し、福島原発の教訓を盛り込んで日本の対米従属的な電力政策を中間総括し、後世に『負の遺産』を残すことのない道を選び取る必要があると考える。」と訴えました。
安斎さんは、「原子力発電を続けるかどうかは、子どもたちの未来のかかった大問題である。時を超えた民主主義を行使して、原子力依存の電力政策を転換していく必要がある。」と最後に語りました。
原子力研究の第一人者である安斎さんが語る脱原発の訴えには気迫が感じられました。
安斎さんが福島原発事故直後に書かれた「福島原発事故 どうする日本の原発政策」を読み直しています。
未来の子どもたちのためにも原発を続けるわけにはいかない。上関原発を建てさせるわけにはいかない。
この事を痛感した講演会でした。原発に対する皆さんの想いをお聞かせ下さい。
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