議員日誌

大いなる陰謀

 尊敬する映画好きの先輩から「大いなる陰謀」のDVDをお借りし先日視聴しました。

 「大いなる陰謀」ロバート・レッドフォード監督のアメリカ映画で、日本では2008年に公開されたました。

 9.11同時多発テロ後のアメリカの中東への侵略戦争が泥沼化する中で新たにアフガニスタンへの侵攻を企てるアメリカ。

 その裏側を描いたのが「大いなる陰謀」です。

 映画の舞台は3つあります。

 一つ目は、トムクルーズ演じる未来の大統領候補の呼び声高いアーヴィング上院議員にメリル・ストリープ演じるベテランジャーナリストのジャニーンが一大スクープを語る議員執務室。

 二つ目は、ロバート・レッドフォード演じるマレー教授の控室。授業を休みがちな生徒とマレー教授が激論を戦わせます。

 三つ目は、アフガニスタン侵攻の戦場。二人の青年は、マレー教授の教え子。一人は、アフリカ系。一人は、メキシコ系。「国を変えるために戦場へ行く」とアメリカを旅立った青年二人は、ヘリコプターからアフガニスタンの山中に転落します。

 この映画は、「戦争」がどのように作られるかを描いた作品だと思います。

 一つは、政府の意思が意図的にマスコミに流されるという事実です。

 「アフガニスタン侵攻」を対テロ戦争と言い、アメリカを救う戦いという政府。政府の意思を無批判に報道するマスコミ。

 二つ目は国民の無関心が戦争を引き起こすという事実です。中東では戦争が起こっているのに、アメリカ国内では、その事に無関心な国民が多数います。

 学生がアイドルの報道を観るシーンが出てきますが、この場面は映画「華氏456」にも同じようなシーンがありました。

 国民が無関心な中、戦争は起こることが分かりました。これも、政府による国民操作だと描かれています。

 三つ目は、貧困問題が戦争を引き起こすという事実です。戦場に向かった二人の青年の背景には貧困があります。アリン・ネルソンさんが海兵隊に入った経過と似ている状況が今日も続いていることをこの映画は語っています。

 政府が事実を隠して「正義」を掲げて戦争を起こす。その「正義」を無批判に報道するマスコミ。

 国民の多くは、政治に無関心。一方で、極貧の青年が戦場に追いやられる現実をこの映画は見事に描き切っています。

 日本を戦前にさせないためにも、この映画を多くの皆さんに観ていただきたいと思います。

 安保法制=戦争法を具体化させて、アメリカの侵略戦争に自衛隊を派兵させようとする政府。

 共謀罪を導入して、戦前の治安維持法下の状況を作ろうとする政府。

 社会保障施策を後退させ、格差と貧困を拡大させる政府。

 総じて「戦争する国」づくりを進めようとする政府の意図を見抜く国民的連帯を更に作ることの必要性をこの映画で感じました。

 戦争を続けるアメリカの今を知ることは、日本の未来を創る上でとても大切な事だと感じました。

 「大いなる陰謀」を観られた方は感想をお聞かせ下さい。

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