本日、新年度予算が発表されました。本日発表された「当初予算(案)の概要」を基に感想を述べていきます。小学校1・2年での35人学級の完全実施や妊婦健康審査に県が助成を新たに行うなど、私たちが要望してきたことが前進したことは一定評価できます。
一方、新年度予算の最大の争点であった福祉医療制度の現状維持は実現されませんでした。当初示された改悪案にあった償還払い制度への移行が撤回されたことはかつてなく広がった県民運動の成果と言えます。しかし、医療費助成制度の完全無料化は、3歳未満児にまで後退しました。3歳以上の子ども・ひとり親・重度障害者には、新たに自己負担金が増えることになりました。
本日は、社会保障推進協議会が、福祉医療制度の現状維持を求める議会請願署名を17359筆提出しました。先日は、県腎友会などが、そして、19日には、県保険医協会が、福祉医療制度の現行制度維持の署名を提出します。合計で、3万人を超える県民が、福祉医療制度の現状維持を望んでいるということになるのではないでしょうか。この県民世論が生きる予算になるように引き続き頑張ります。
更に、私学助成は、NHKの報道通り、高校の全日制で、前年度比単価で3500円、幼稚園で、2000円の減額となりました。山口県の私学助成の歴史の中で初めての改悪が、100年に1度の不況で県民が苦しんでいる時行われたことは重大問題です。それも、国が、予算を単価で5000円以上上げようとしている時に減額した訳ですから極めて問題です。更に、12月県議会では、山口県私立中学高等学校協会から提出された「私立学校運営費補助金について」という請願が採択されています。この請願書の中には、「平成21年度の予算編成においては、私学助成の充実、なかんずく、運営費補助金の増額について特段のご高配を賜りたい。」とされています。また、県ゆきとどいた教育をすすめる会が112073筆の署名を付けて「小・中・高校の30人学級実現、私学助成の大幅増額、教育費の父母負担軽減、障害児教育の拡充を求めることについて」とする議会請願を提出しました。その内、「私学助成の国庫補助制度を守り、私学助成を大幅に増額すること。」の項目は可決されました。
これらの請願が可決した事項を知事は無視したということは、議会軽視と言われてもしかたがありません。これらでも私学助成の補助単価引き下げは撤回すべきです。
その他、最近のブログで繰り返し訴えている県立病院地方独立行政法人化準備事業が、新年度予算に計上されている問題も重要です。「改革プラン骨子案」では、平成25年までに結論を出すと指摘されていましたが、それを2年早めて平成23年4月を目途に独立行政法人に移行することを目指すとされています。
更に私がこの問題で、疑問に思ったのが、この項の表題が「県立病院の機能強化」とされている点です。私は、市町村合併の事を思い出します。「サービスは高く」「負担は低く」地方自治の機能強化のために、市町村合併を行うと県は言いましたが、結果は逆でした。今日の中山間地域の疲弊を見ると一目瞭然です。
県立病院の独立行政法人化も県立病院の機能強化に私はならない、大阪府の例からすれば、県立病院の機能弱体化につながりかねないと思います。
県は、今回も県民をミスリードするのではなく、独立行政法人化して生まれる問題についても県民にきちんと説明すべきです。このことが欠落したままの議論は慎まなければなりません。
このように県民の暮らし・福祉・教育・医療が切り捨てられようとしている一方で、大型公共事業の行き過ぎに歯止めがかかっていません。特に目立つのは、国体に向けての施設整備と高規格道路の建設です。これら事業にメスを入れて、県民の暮らしを守る予算への組み替えを強く望みます。
17359筆の福祉医療制度守れの署名を提出
今日、大阪府立病院機構労働組合の日名さんから地方独立行政法人化した大阪府立病院のレポートが届きました。驚くのは、人件費の削減目標です。医療職で、5年間で20.5億円、10年間で55.4億円。現業職で、5年間で7.8億円、10年間で、26.8億円。行政職で、5年間で、17.8億円、10年間で47。3億円。合計で、5年間で46.1億円、10年間で129億円、人件費を削減する計画です。これで、将来にわたる良質な医療の提供は可能でしょうか。独立行政法人化して5病院の看護師退職は年間200名に登っているそうです。07年4月から採用年齢を40歳に拡大しましたが、職員は確保されず、毎月募集をしているのが現状のようです。山口県の改革プランでは、必要な人員確保のために、経営形態の見直しをすると書かれてありますが、独立行政法人化によって、むしろ職場の労働条件は悪くなり、多くの職員が退職し、人員が確保しずらいといのが、実態です。
次に、独立行政法人化されて以降の府立病院の患者負担増の実態です。セカンドオピニオンは、30分7400円だったものが、45分21000円になりました。非紹介患者初診療加算が、1701円から2625円になりました。その他、分娩料加算や多胎分娩加算が増えました。
更に、独立行政法人化移行後、運営負担金は、5億円カットされました。そうなると、益々、人件費を下げるか、患者負担を増やすか方向に向かいます。
大阪府立病院の独立行政法人化は、医療の質を高めるものではなく、ただただ効率化が最優先されたものと言えます。
結局、犠牲を受けたのは、職員と府民です。
山口県は、2月県議会に、「県立病院改革プラン」を提案し、2014年までに県立病院を独立行政法人化にしようとしています。ほとんどの県民には知らされず、このような重大な変更を性急に決めてしまっていいのでしょうか。県立病院をこのまま、独立行政法人にしていいのかどうかは、2月県議会の重要なテーマの一つです。
本日、宇部市武道館で、新極真会山口中央支部主催の全中国空手道交流大会が行われました。遠くは東京からの参加者もあり、117名での大会となりました。
私は、大会会長として最初にあいさつを行いました。
次男も小学校3年男子の部で参加しました。次男は、1回戦は順調に勝ちましたが、2回戦は、全国大会で3位に入ったこともある優勝の最有力候補のY君と当たり、上段回し蹴りで優勢2本、合わせて1本で負けてしまいました。次男も負けはしたものの、精一杯力を尽くしたようで、清々しい表情でした。次男にとっていい経験だったと思います。
個人的には、大会事務局で、大濱広島支部長とお話できたことがとても良かったです。
運営スタッフの方から、武道館に対する様々な要望をお聞きしました。一つは、音響設備についてです。カセットデッキしかありません。CDデッキが必要だと要望を受けました。また、武道館の一番広いアリーナは2階にあります。大きな窓から光が入ってきます。窓に近い側と正面になった選手は、光が目に入って戦いにくいということでした。窓に何らかの光を遮るものが必要だという意見をお聞きしました。
そして、運営スタッフや応援のご家族や私のような者からすれば、スリッパが絶対的に不足しているのも気になりました。
ハコ物を作ったはいいが、維持管理費を削るでは、市民スポーツの発展は望めません。今日も市外・県外から多くの選手や家族が来られました。体育施設も宇部市の顔として市外の方をもてなすために、必要なメンテナンスは行う必要があるのではないでしょうか。
国体による一点豪華な振興よりも、常日頃の市民スポーツへの温かい対応が必要ではないでしょうか。
117名の選手が宇部市武道館に集いました。
二男も果敢に攻めましたがY君に敗れました。
先ほど、自治体問題研究所主催の自治体政策セミナーIN姫路から帰ってきました。1日だけの参加でしたがとても有意義な学習会でした。
私が、参加したのは、「自治体病院、地域医療と医療制度構造改革」の専科でした。
最初に基調報告をされたのは、津市三重短期大学の長友准教授。長友先生は、最近の頻出用語は、「効率性」と「持続可能性」だと言われました。この用語を頻出させて、医療費抑制策を中心とする社会保障抑制策を国や自治体が進めていると言われました。
山口県が発表した「県立病院改革プラン(骨子案)」の21ページには、「将来にわたる良質な医療の提供」と「効率的な病院経営」とあります。山口県も、この二つの事を頻出させて、県民の医療を抑制しようとしていることが見えてきました。
次に基調報告をされたのは、自治労連青森県本部の金川さんです。金川さんは、最近、「地域医療をまもる自治体病院経営分析」という本を執筆された方です。自治体病院廃止問題などで、マスコミにも度々登場されています。直接お話しが聞けてとてもよかったです。
金川さんは、財政健全化法と自治体病院の経営形態の見直し問題を論じました。財政健全化法は、自治体の財政健全化を判断するために、①実質赤字比率②連結実質赤字比率③実質公債費比率④将来負担比率の4つの健全化判断比率の公表を義務付けています。金川さんは、「独立行政法人や指定管理者といった経営形態に切り替えると、関連してくる指標は④将来負担比率のみとなる。そのため、自治体病院で多額の赤字(累積債務)を抱えている開設自治体は健全化法の影響を軽減するために、地方独立行政法人化、指定管理者制度導入、民間移譲など経営形態の見直しによる自治体本体からの切り離しを加速することが想像される。」と話されました。
その上で、「病院を経営形態から議論するのは誤りである。安定して安心して地域に医療が提供できるために、どのような経営が必要かを議論することが重要である。」と話されました。
山口県は、前述した「改革プラン(骨子案)」で独立行政法人化が望ましいとしましたが、「良質な医療の提供」よりも「効率的な病院経営」を最優先させた選択だと私は思います。
この事を私に確信させたのは、全国の経験です。
午後からの発言で、全国の自治体病院の廃止や経営形態の見直しの状況が報告されました。
廃止されようとしている自治体病院の報告も多かったですが、総務省の「公立病院改革ガイドライン」を受けて、経営形態を見直す自治体病院が全国で広がっていることが分かりました。
その中で、独立行政法人を選択する自治体病院が広がっていることも最近の特徴です。それに対する住民の運動も活発であることも分かりました。
その点で、京都市の事例は、山口県にとってとても教訓的でした。京都市は、今年、1月に、「病院改革プラン」を発表し、2011年度から市立病院を地方独立行政法人化する内容を発表しました。この動きに対して、組合が中心となって、「公的医療の充実を。市立病院を直営のままで存続させることを求める要請署名」が取り組まれています。
現在までに、1万筆を超える署名が集まっているそうです。近く、市立病院の独立行政法人化に反対する市民の会が発足する運びのようです。
京都市の署名簿の裏に書かれているビラの内容を紹介します。
「地方独立行政法人化」に移行した病院では、個室料アップ。診断料アップ。駐車場代アップ。患者負担ワイド。人手不足で安全ダウン。」とあります。
報告された方にお話を聞いてみると、この事例は、府立病院を独立行政法人化させた大阪府の例だと言われていました。
山口県は、実際に独立行政法人化した病院が以前よりも「良質の医療の提供」が出来ているのかどうか検証して県立病院の経営形態の見直しを行うべきです。
長野県でも県立病院を独立行政法人化にする県の改革プランが発表されたそうです。報告された県議さんは、「県立病院の経営形態の見直しに関して県民ぐるみの議論が不十分。」と話しをされていました。
山口県も全く同様です。独立行政法人化ありきではなく、地域医療の中核として県立病院を維持・充実させていくために、なぜ経営形態の見直しが必要なのが、そもそもの説明を、県は、県民にすべきだと学習会に参加して痛感しました。
基調講演をする長友准教授
基調講演をする金川さん
実は、今朝から自治体問題研究所主催の第34回自治体政策セミナーIN姫路に、参加の為に、山口を出発する予定でしたが、諸課題が山積しており、本日夕方、姫路に向かうことにしました。
本日、12時から、山口民医連主催の「後期高齢者医療制度の中止撤回」「山口県の福祉医療改悪反対」を求める座り込み行動が宇部市役所前で行われます。私は、この行動に参加する予定です。
今日は、後期高齢者医療制度の6回目の保険料天引きの日です。繰り返し本ブログで書いていますが、このまま、4月を迎えると、県内で、7240人の方に、保険証が届かないことになります。私は、後期高齢者医療制度の廃止と、福祉医療費改悪反対への声を参加者とともに上げていきたいと思います。
午後3時からは、私学助成をすすめる会が、県に対して私学助成の切り下げに反対する要請を行います。私は、この行動に同行する予定です。
昨日、私学助成を所管する県学事文書課の職員から状況を聴取しました。担当者は、私に、「新年度国が引き上げる7818円に対して、その内、交付税措置の2000円が減免補てん分である。その外、私学共済補助分・私学退職金財団補助分を除いた額は、5388円になる。」と説明しました。
今朝の、NHKラジオで、県は、新年度、私学助成の高校の単価を3500円程度引き下げることを検討していると報道していました。
そうなりますと、県は、新年度、国の引き上げ分を入れると、生徒一人当たり88888円もの私学助成の切り下げを行う計画であるということになります。
私は、担当者に、①国の補助金や交付税の引き上げ規模が新年度より多い年はあったのか②県は、私学助成を過去切り下げたことはあるのか、の調査を依頼しました。
今、その結果が届きました。国の財政措置の状況ですが、過去最高は、H9年の10570円です。しかし、H16年移行では、新年度が最高の補助額となる見込みであることが分かりました。
また、県として過去に、私学助成の補助単価を引き下げたことはないということも分かりました。
もし、近年にない大規模な国の財政措置がある年に、過去例のない切り下げを県が行おうとしているのなら、愚行としかいいようがありません。
何よりも、生徒を取り巻く経済状況がこれだで冷え切っているときに、私学助成の切り下げを行うことは、子どもたちの教育を受ける権利を侵害することになりかねません。私は、今日の午後、私学の先生方と一緒に、子どもたちの窮状を大いに訴えていきたと思います。
そして、今晩から、姫路に入り、明日は、自治体政策セミナーで、「自治体病院、地域医療と医療制度構造改革」の分科会に参加しようと思います。山口県は、昨年末、「県立病院改革プラン」(骨子案)を明らかにしました。この中で県は、今後の方向性について「独立行政法人が、最もふさわしいと考えるところであり、今後、地方独立行政法人への早期移行に向けて、具体的な検討を進める。」としました。地域医療の崩壊が進む中で、これを再生していく上で、地方独立行政法人化は、ふさわしい形態なのか。しっかり勉強してこようと思います。
本日、社団法人山口県精神障害者福祉会連合会(石部壽雄会長)、特定非営利活動法人山口県腎友会(吉村隆会長)、山口県保険医協会(高橋泰昭会長)は共同で、二井知事に対して、「福祉医療費助成制度への償還払い方式および医療費一部負担金を導入することに反たしし、その撤回を」要請しました。
この要請行動には、日本共産党から水野県議と私、社民党から佐々木県議、無所属の会から渋谷県議が参加しました。
障害者団体の代表者からは、「障害者は、大変な暮らしぶりである。このような中で、一部負担金と償還払いによる窓口負担は出来ない。」との発言が相次ぎました。保険医協会の開業医の先生方からは、「医療が崩壊しようとしている中、これ以上の崩壊を生まないように、患者の安全・安心を守る制度の維持は重要である。」との意見が相次ぎました。
要請に対して、渡辺厚生課長は、「福祉医療費助成制度は、昭和53年から実施しており、県民に大きな貢献をしてきた制度だと思っている。」「しかし、県の厳しい財政状況から一部負担金等の導入を検討している。」「県の昨年から各団体に理解を得る努力をしているところだ。」「最近の様々な要望を受け、現在、最後の判断を知事が行っているところだ。」と説明しました。
参加者から、まず、「新年度予算で建設的経費のマイナス20%シーリングに触れていないのはなぜか。」との質問が出されました。これに渡辺課長は、「コメントできない。」と答えました。これに水野県議が、「財政問題との関連については、事前に提出された要望書にも書かれてある。それが分かっていながら、財政問題に関して答えることが出来ない課長が対応することは、要望者に対して不誠実ではないか。謝罪すべきだ。」と指摘しました。これに、渡辺課長は、「この点については、謝罪する。」と答えました。
私は、「市町や関係団体の理解は得れていると思うのか。」と質問しました。渡辺課長は、「市町においては、一部負担金の導入については、一部の自治体で理解は得れているが、関係団体には、理解が得れていない。」と答えました。
今日の交渉には、知事か副知事が対応すべきであったことをこの場でも私から指摘をしたいと思います。
日に日に広がる、この問題での県民の怒りを 知事は 真摯に受け止めるべきです。知事のマニュフェストには、「初心を忘れず、全力で、そして、より誠実に」と冒頭に大きな字で書かれています。
知事はくれぐれもこの制度を改悪すべきではありません。今日もこのことをこの場で訴えたいと思います。
福祉医療費助成制度の改悪反対の共同要請