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改ざん問題を考える

 今朝のしんぶん赤旗日刊紙で長野県短期大学の瀬畑源准教授が公文書「改ざん」問題についてインタビューに答えています。 

 瀬畑准教授は公文書改ざんについて官僚制度の根幹に関わる問題だと次のように指摘します。

 「決裁文書は省庁にとっての最終決定事項が書かれ、それに基づいて行政が行われる。官僚がそれを変えてうそをつくと、あなたたちの仕事は信用できませんとなる。存立基盤を自ら掘り崩すものです。」

 公文書管理法が2011年に施行され、2012年に原発事故に関する議事録に未作成のものがあることが発覚した際、岡田克也副総理は議事録を新たに作らせました。

 このことと対比して、安倍政権の公文書管理の杜撰さを瀬畑准教授は次のように指摘します。

 「安倍政権は森友問題で、こうした対応をしませんでした。問題が表面化した昨年2月の時点で麻生太郎財務相は国有地売却の経緯を調査すべきだったのに『文書はルールにのっとって廃棄した』と言ってすませた。改ざんを知っていたかどうかにかかわらず、調査を怠ったこと自体で麻生氏の責任は免れません。」

 瀬畑准教授は、「長く続く自民党政権において、情報を自民党と政治家と官僚で独占してきたこと」が問題だと指摘し次のように述べています。

 「口利きなどによる不当な政治介入の根拠が残らないように、文書を作成してほしくないと考える人すらいるいるでしょう。プロセスを公開せず、文書をきちんと残さないがゆえに、特定の権力者によって行政がゆがめられることになる。今回の森友、加計問題はその典型です。」

 瀬畑准教授は、アメリカの国立公文書館は「国民への説明責任を果たそうという精神が根付いている」と指摘し、日本の国立公文書館について次のように指摘しています。

 「日本の国立公文書館は、決定に至る過程を示す文書が少なく、決裁文書の山だけ残っているような状況です。公文書館の正規職員も50人程度です。現在だけでなく未来の国民に対する説明責任を果たすために文書をきちんと管理する必要があります。国立公文書館の人員や予算を拡充する。文書の公開基準を緩めるための情報公開法改正など、課題はたくさんあります。」

 防衛省では、陸上自衛隊のイラク派兵(2004~06年)時の日報が存在していることが明らかになりました。南スーダンPKOの日報隠ぺいに続く新たな隠ぺいの発覚です。

 さらに、日本共産党の穀田衆議院議員が暴露した防衛省統合幕僚監部作成の内部文書(「日米『動的防衛協力』について)に関連し、同盟の2件の文書が存在することが判明しました。一部隠ぺいや改ざんが行われた疑惑が明らかになりました。

 この間、厚生労働省の裁量労働制のデータねつ造、隠ぺいが明らかなっています。

 安倍政権で今、隠ぺい、改ざん、ねつ造が蔓延しています。

 それぞれ、国民主権を壊す暴挙です。徹底した解明が必要です。

 私は、かつて山口県文書館を視察して、文書管理の改善などについて県議会で質問したことがあります。

 瀬畑准教授が指摘するように、情報公開法を改正し、文書の公開基準を緩め、それに伴う、国や地方自治体の公文書館に対する人員や予算の拡充が求められていると私も思います。

 まずは、「森友公文書改ざん」問題の徹底解明を進めていきましょう。

 安倍政権内で相次ぐ杜撰な公文書管理の実態を皆さんはどうお考えですかご意見をお聞かせ下さい。

なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか

 静岡大学の植物学者・稲垣栄洋さんの「なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか 仏教と植物の切っても切れない66の関係」を興味深く読んでいます。

 私は、中山間地域生まれなので、ススキの葉で手を切ったことが何度もあります。

 稲垣さんはススキについてこう書いています。

 「ススキの葉で皮膚が切れやすいのは、葉のまわりにガラス質のとげがのこぎりの歯のように並んでいるからです。窓などに用いるガラスはケイ酸を原料としますが、ススキをはじめとしたイネ科の植物は、草食動物から身を守るために、土の中から吸収したケイ酸を体内に蓄積して、ガラス質を作り出しているのです。」

 タラヨウという木の葉にはタンニンが多く含まれています。

 タンニンは、植物が害虫や病原菌から身を守るための物質です。

 稲垣さんはこう書いています。

 「植物の辛味成分や苦味成分も、もともと昆虫に食べられないための物質です。しかし、毒性のある物質を作るだけでは、昆虫はそれらの物質を克服して食べることができるように進化を遂げてしまいます。これでは、どんな防御物質を作ってもきりがありません。強く抵抗すれば、敵もまた強く反発します。そこで植物は、完全に食べられないように防御するのではなく、ある程度、食べられながら身を守る方法を考えました。その一つが、たくさん食べられないように、昆虫の食欲を減退させる物質です。タンニンも、昆虫の食欲を減退させる物質の一つです。」

 日本の仏教には、「草木国土悉皆成仏」という思想があります。

 「草や木はもちろん、土や水さえも私たちと同じ仏性があり、成仏する存在である」という意味です。

 稲垣さんは、様々な仏教のいわれを説きながら、植物の働きを分かりやすく私たちに伝えてくれます。

 その上で、私は、この本のこの文章に心を奪われました。

 「けっして人間の生き方が高級で、植物の生き方が低級ということはありません。たまには空を見上げて、植物の気持ちになってみるのも悪くないのではないでしょうか。空を眺めていると、体の底から力が沸きあがってくるような気がします。おそらくは、それが、植物が日々感じている生きる力なのでしょう。」

 人間が高級で植物が低級ではないという考え方に心を打たれました。

 ましてや、人間同士に高級や低級があってはなりません。

 植物のことを知れば、知るほど、人間と同じ地球上の生物なのだということが分かってきます。

 相手を知ることが全ての始まりなのかも知れません。

 これからも植物の事を稲垣先生から学んでいきたと思います。

 植物について皆さんの思いをお教え下さい。

萩市で日本共産党演説会

 昨日、萩市内で、日本共産党の市田忠義副委員長・参院議員を迎えて日本共産党演説会を行いました。

 萩市では、今月15日告示(22日投票)で市議会議員選挙が行われます。

 市内外から集まった180人は、来年の参議院選挙と市議選勝利を誓い合いました。

萩市演説会

左から宮内候補、市田副委員長、いがらし候補

 市田副委員長は、「森友」公文書改ざんや北朝鮮の問題で内政も外交もボロボロであるアベ政権が、憲法9条2項の制約を取り払って自衛隊が無制限に海外で武力行使できるようにしたいと狙っていることを指摘して、「憲法9条2項があったから戦後日本は一人も外国人を殺さず、一人の戦死者も出しませんでした。先の大戦で320万人の日本国民と2000万のアジアの人々の命が奪われた痛苦の教訓に立って二度と戦争はしないという思いで勝ち取ったのが憲法9条です」と訴えました。

 その上で市田副委員長は、「変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにする安倍政権です」と力強く訴えました。

 萩市議会議員選挙には、日本共産党の現職・宮内きんじ候補といがらし仁美候補が立候補する予定です。

 定数20(6減)に26人が立候補する予定で大激戦の様相です。

 演説会で、宮内候補は「論戦をリードするのには日本共産党の2議席が必要です」と訴え、いがらし候補は「市民の暮らし優先の市政に変えたい」と訴えました。

 宮内候補は、旧須佐町・旧田万川町・旧むつみ村・旧福江村を担当しています。

 いがらし候補は、旧萩市・旧旭村・旧川上村を担当しています。

 両候補当選のためにお知り合いをご紹介下さい。

 私も萩市議選勝利のために力を尽くす決意です。

新聞記者

 4月8日に、東京新聞社会部の望月衣塑子さんを講師に宇部市内で学習会を行います。

 学習会を一週間後に控え、改めて望月衣塑子さんの「新聞記者」(角川新書)を読み直しました。

 映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を観た後にこの本を読んだら感動が二倍に感じました。

 望月さんが菅官房長官の記者会見に出席し質問を行うようになって、「応援の声を心強く感じる一方で、目立てば目立つほど、やるせない思いが募った。」と書いています。

 朝日新聞の記者で、長くアメリカを取材する尾形聡彦さんの著書「乱流のホワイトハウス」には、日米記者の姿勢の違いが記されてあることがこの本に紹介されています。

 日本の菅官房長官の記者会見について尾形さんは「これがホワイトハウスの会見なら、ほぼ全社が政権に対峙する質問を波状攻撃のように続けるのが常だ」と述べているとこの本で紹介されています。

 映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を観るてアメリカのジャーナリズムの歴史を知ると、尾形さんの指摘に頷けます。

 望月さんはこう続けます。

 「残念な気持ちはぬぐえないが、それでも東京新聞は後押ししてくれた。たとえ官邸ににらまれ、不利益を被るような状況になっても読者の期待に応えよう、という方針も固められた。会社のある大幹部は電話をくれ、菅官房長官の定例会見を遠慮するなとさらに強く背中を押された。『政権への疑惑は一記者として、もっと聞くべきだと思っている。大丈夫だぞ、頑張れよ』」

 東京新聞には映画「ペンタゴン・ペーパーズ」でのワシントン・ポストのキャサリン・グラハムやベン・ブラッドリーがいることに勇気が湧いてきました。

 菅官房長官の記者会見では「『あと〇人』『あと〇問』と官邸の広報官が質問を打ち切っているのを認めるのが現状だ。」と書いた上で望月さんは、この事実を次のように書いています。

 「これは、メディアの自殺行為ではないか。あまりの出来事に呆然とし、愕然とした気持ちで涙があふれそうになった。日本のメディアの限界なのかと足が震えるほどの衝撃を受けた。」

 この本の最後に、望月さんは、マハトマ・ガンジーの言葉を引用しています。

 「あなたがすることのほとんどは無意味であるが、それでもしなくてはならない。そうしたことをするのは、世界を変えるためではなく、世界によって自分が変えられないようにするためである」

 その上で、望月さんは最後にこう述べています。

 「簡単には変えられないけれど、私自身が環境や周りに流され変わらないためにも。自分自身が正義と信じられるものを見失わないためにも。たとえ最後の一人になろうとも—。これらも記事が講演などを通じて、多くの方に政治や社会の問題点を伝えていく。未来を担う子どもたちのためにも、今の自分にできる一つ一つ積み重ねたいと思う。」

 二児の母でもある望月さんの思いが、この一文に出ていて、共感しました。

 山口県に初めて望月衣塑子さんが来られます。

 4月8日(日)午後2時~、宇部市多世代ふれあいセンターで行う望月衣塑子さんの講演会に多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

映画「ペンタゴン・ペーパーズ」

 昨日、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を観ました。

 私がこれまでに観た多くの映画の中でも屈指の力が沸いてくるすばらしい映画でした。

 ペンタゴン・ペーパーズとは、1967年、アメリカ国防長官だったロバート・マクラナマの指示で作成された「アメリカ合衆国のベトナムにおける政策決定の歴史、1945~1967年」という文書のことです。

 文書には、ベトナム戦争に関わる「暗殺、ジュネーブ条約の違反、不正選挙、アメリカ連邦議会に対する嘘といった闇の歴史の証拠が記されて」(映画のパンフレットより)いました。

 この文書を1971年3月、ニューヨーク・タイムズの記者であるニール・シーハンが入手して記事にします。

 映画は、ワシントン・ポストが文書を入手して、内容の報道に踏み込む過程を描いています。

 メリル・ストリーブス演じるキャサリン・グラハムは、夫が自殺した後、急遽、ワシントン・ポストの社主を務めています。

 トム・ハンクスは、ポストの編集主幹であるベン・ブラッドリーを演じます。

 ベンは、根っからの熱血漢で、「報道の自由を守るのは報道しかない」と文書を記事にすることをキャサリンに求めます。

 ジャーナリストの青木理さんは、この映画について、しんぶん赤旗日刊紙に「本作は、メディアとジャーナリズムが果たすべき役割と原則を見事に結晶化した。『報道の自由を守るのは報道しかない』『政治家と仲良くは爆をくゆらす時代は去った。権力を監視しなければ』。作品中の台詞は、多くの人に『報道とはどうあるべきか』という原則を広く再認識させるだろう。」と語っています。

 元毎日新聞記者でジャーナリストの臺宏士さんは、しんぶん赤旗日曜版に「学校法人『森友学園』への国有地売却をめぐり、財務省が決裁文書の不都合な真実を改ざんした問題の解明は、今国会の最大の焦点となっている。朝日新聞が報じたのがきっかけだ(3月2日)。一紙だけの報道だったこともあり、『朝日』に立証を求める声も出始める中で、同8日、毎日新聞が別の文書にも不都合な表現があることを報道した。国会での追及と世論の高まりもあり、財務省が認めざるを得ない事態に追い込まれる流れができた。権力の不正追及にはマスコミの連帯が重要であることを示す例だろう。『報道の自由を守るのは報道しかない』『新聞記事は歴史の最初の草稿』『新聞が向いているのは政府ではない、国民』スピルバーグは役者たちにそういう趣旨のセリフをいくつも言わせている。世界中の報道関係者に向けたメッセージに違いない。」と語っています。

 うべ憲法共同センターは、4月8日に、東京新聞社会部記者の望月衣塑子さんを招いて市民公開講座を開きます。演題は「なぜ、菅官房長官の会見に臨むのか~安倍政権とメディア~」です。

 先に引用した青木理さんは「為政者の提灯持ちと化したメディアやジャーナリストたちは堂々と政権擁護の詭弁を持てあそんでいる」と日本のマスコミの現状を厳しく批判しています。

 このような日本のマスコミの現状の中で、ジャーナリストとして報道の自由を守る立場で、奮闘している一人が、望月衣塑子記者だと私は思います。

 本ブログのトップページに、講演会の概要が紹介されています。

 4月8日の学習会に一人でも多くの皆さんのご参加をお待ちしています。

 「ペンタゴン・ペーパーズ」を是非劇場でご覧ください。

雑草手帳

 NHKのラジオのリスナーの声に「身近な雑草を観て楽しんでいます。」という声を聴いて、「これだ」と思いました。

 祖母が花が好きな人だったので、「ばあちゃんっこ」だった私は、花がとても好きです。

 花好きの人は多いけれど「雑草好き」の人は少ないかも知れない、身近に楽しめる趣味としていいのではと思い、今、私のカバンの中には、稲垣栄洋さんの「散歩が楽しくなる 雑草手帳」が入っています。

 近所に生えているホトケノザを撮影しました。

ホトケノザ

 雑草の撮影はピント合わせが大変です。

 雑草手帳を眺めていると、子どものころから慣れ親しんだ草花ばかり、全てに名前があることが分かると、散歩をしていても、名前が分からなくても「手帳にあった花だ」と思い、手帳で調べて「ああこんな名前なんだ」と楽しんでいます。

 この本の著者である静岡大学の稲垣先生は、「きちくさ研究家を自称し、雑草生態学を専攻せる雑草のプロです。

 稲垣さんの文章に魅せられて、今、稲垣さんの書作を読み始めています。

 人生に置き換えて考えたり、いろんなことを考えさせられる文章です。 

 稲垣さんの「雑草はなぜそこに生えているのか」の中のスズメノカタビラの例に驚きました。

 ゴルフ場には、芝の長さが違う草地が広がっています。

 「スズメノカタビラは、生えている場所の芝刈りの高さで刈られないように、芝刈りの高さよりも低い位置で穂をつけているのである。」

 進化学者のダーウィンの次の言葉が紹介されています。

 「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」

 心に残る言葉です。

 仕事柄、ついつい政治にあてはめてしまいます。

 強かったアベ政治も終わりの始めがやってきたようです。

 国民が求める変化にアベ政治はついていけず、支持を失いつつあるようです。

 さて、今日から、私は、雑草愛好家を自称しようと思います。

 稲垣栄洋さんを師匠として、多くのことを学んでいきたいと思います。